オウンドメディアリクルーティングとは|運用方法や事例をふまえて採用に活かそう!
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新規採用手法
近年、注目を集めるようになった「オウンドメディアリクルーティング」。
一度は耳にしたことがあっても、「一体、どのような採用手法なのかよくわからない」「具体的に、どのようなことをすればよいのかわからない」という採用担当者様も多くいらっしゃるでしょう。
本記事では、
・オウンドメディアリクルーティングとは
・オウンドメディアリクルーティングのメリットとデメリット
・オウンドメディアリクルーティングの運用方法
などをご紹介します。
目次
- 採用オウンドメディア事例
「株式会社ユーザベース」
「ヤフー株式会社」
「日本マクドナルド株式会社」
大手3社による採用オウンドメディアノウハウを大公開!
1.オウンドメディアリクルーティングとは
オウンドメディアリクルーティングとは、どのような採用手法なのでしょうか。
ここでは、オウンドメディアリクルーティングとは何か、求人サイトとどのように異なるのかを解説します。
1-1.オウンドメディアとは
オウンドメディアとは、自社で保有しているメディアのことをさします。
例えば、会社が運営しているホームページやブログサイト、Webサイト、Twitter、Instagram、Facebookなどのアカウント、youtubeアカウントなどのメディアが当てはまります。
1-2.オウンドメディアリクルーティングの定義
オウンドメディアリクルーティングとは、オウンドメディアを活用して自社の魅力を発信し、自社に合った人材を採用することをさします。
英語表記である「Owned Media Recruiting」の頭文字をとって、「OMR」と呼ばれることもあります。
具体的には、自社の採用サイトを作成してIndeedに掲載する、SNSアカウントを活用して自社の雰囲気を伝えるなどの方法があげられます。
このようにオウンドメディアを通して求職者に企業の情報を発信することにより、採用したい職務に必要なスキルをもっており、自社の価値観に共感した人材を採用することができます。
また、求人サイトや人材紹介に頼らず、企業が一貫して採用活動をおこなうことから、能動的な採用手法として注目を集めています。
1-3.求人サイトとの使い分け
採用活動で利用することの多い求人サイトですが、オウンドメディアリクルーティングと求人サイトの大きな違いは自社で採用に関するメディアを保有しているか否かという点にあります。
求人サイトは、サイトを運営しているメーカーがメディアと求人情報を保有しています。
そのため、掲載期間をはじめ、文字数やスペース、レイアウトやデザインなどに制約があります。
一方、オウンドメディアリクルーティングでは自社で採用のためのメディアを保有しています。
そのため、掲載の期間や内容などの制限を気にすることなく、十分な情報を掲載することができ、自社の魅力を最大限アピールすることができます。
- 求人サイトは転職顕在層向けであるため、即効性やすぐに転職したい人との出会いが期待できる一方、オウンドメディアリクルーティングは即効性に欠けるものの、転職潜在層や求人サイトには登録していないようなハイクラス人材にもアプローチが可能なため、求職者の質やカルチャーフィットの向上に寄与します。
1-4.人材紹介との使い分け
人材紹介会社では、求める人材要件や雇用条件などの詳細を専任のコンサルタントに伝え、要件に適合した人材を求職者の中から探し出し、応募意思を確認してもらった上で紹介してもらいます。
オウンドメディアリクルーティングと人材紹介の大きな違いは自社でメディアを保有し、運営していくか否かという点にあります。
人材紹介会社も求人サイトと同様に即効性が期待できるサービスなのですが、コスト面で大きな違いがあります。
具体的には、転職に成功した際の報酬として、平均して転職者の年収の35%が求められることになります。
- 成功報酬の例【年収400万円のポジションへの転職】
- 転職者の年収の35%が成功報酬となるので…
- 400×0.35=140、つまり140万円を成功報酬として人材紹介会社に支払うことになります
オウンドメディアリクルーティングも、初期コストとしては人材紹介経由で獲得したときと同様の費用が必要となる可能性がありますが、運用が軌道に乗って一定以上に応募が来るようになったら、1人あたり採用にかかる費用も段階的に低くなっていきます。
1-5.ダイレクトリクルーティングとの使い分け
ダイレクトリクルーティングは、求職者のデータベースを保有するプラットフォーム事業者と契約し、その人材プールの中で自社の求める要件に合う人材を企業自らがスクリーニングし、スカウトを送信することで採用選考フローに進めていく手法です。
対応工数はそれなりにかかりますが、その分、求職者の質やカルチャーフィットは高くなる傾向があります。
スカウトを送る際に、どんなコンテンツがあるのかを併せて送ることで、求職者としてはより会社のイメージがわきやすくなります。
ダイレクトリクルーティングにおいてはオウンドメディアとの連携を前提にした動線設計が非常に有効なため、この2つは併用して運用することをおすすめします。
2.オウンドメディアリクルーティングが注目されている背景
オウンドメディアリクルーティングは、自社の採用サイトを活用した採用手法ですが、なぜ近年注目を集めるようになったのでしょうか。
ここでは、オウンドメディアリクルーティングが注目されている背景について、3つの理由をご紹介します。
2-1.優秀な人材の採用が難しくなっている
少子高齢化が進み、売り手市場である近年、自社で活躍してもらえる優秀な人材を採用することがますます難しくなっています。
そのような中では、自社の認知度を上げる、転職潜在層にアピールするなど、より採用の窓口を広げていく必要があります。
求人サイトや人材紹介など、既存の採用手法はサイトや紹介会社に登録している求職者にしかアピールができない一方、オウンドメディアリクルーティングは自社の採用サイトを通して、制限なく広範囲の求職者へアピールすることができるため、新たな採用手法として注目を集めています。
また、専門的な知識をもった優秀な人材ほど、よく使われるようなワードではなく、より専門的でマニアックなワードを検索して、仕事探しのための情報を集めます。
そのため、それらのマニアックなキーワードを盛り込んでオウンドメディアを運営しなくては、優秀な人材に自社を見つけてもらえなくなっています。
2-2.労働に対する価値観の多様化
近年はライフ・ワークバランスが重要視されたり、リモートワークや時短勤務の普及で働き方が多様化しているため、労働に対する価値観は「お金を稼ぐため」以外にもさまざまなものがうまれるようになりました。
このような状況の中、求職者はより「自分の価値観を大切にして働くこと」を重要視するようになっています。
そのため、「企業が社会に提供している価値やビジョンに共感することができるのか?」「企業に自分が一緒に働きたい仲間がいるのか?」など、これまでとは違った価値観に対応するための採用手法が必要になっています。
2-3.仕事選びに関する情報収集の方法が増加
スマートフォンの急速な普及などによって、情報へのアクセスが容易にできるようになり、膨大な量の情報から、自分にとって「必要な情報」と「必要でない情報」を無意識に選別する情報収集のリテラシーが高まっています。
探し出す情報は多岐にわたり、「仕事探し」「職場探し」のための情報もその中に含まれます。
特に、インターネットの検索機能は誰もが日常的に使うツールであり、就職・転職活動においても、「働きたい」と思える企業を探すため、さまざまなキーワードで求職者は検索をおこないます。
また、求人サイトで気になる企業を見つけた後、その企業のホームページを閲覧して情報収集をする求職者も増えています。
このような中で、採用サイトを用意し、あふれる情報の海の中から求職者に自社を「見つけてもらう」「知ってもらう」ための工夫が求められるようになっています。
3.オウンドメディアリクルーティングのメリット・デメリット
オウンドメディアリクルーティングは、変化する求職者に対応した採用手法です。
それでは、オウンドメディアリクルーティングをおこなうことのメリットとデメリットはどのような点にあるのでしょうか。それぞれご紹介します。
3-1.オウンドメディアリクルーティングのメリット
オウンドメディアリクルーティングのメリットを6つご紹介します。
ミスマッチを減らし、自社で活躍する社員を採用できる
オウンドメディアリクルーティングでは、自社の思想や理念、社風などの情報を求人サイトよりも自由に発信することができます。
そのため、より内容の濃い情報を提供することで、自社の価値観や働くうえで必要なスキルをもった方の採用確率が上がります。
また、求人サイトのように複数の職種で募集をかけた場合にコストが増加するといったことも無いため、同じ職種でもターゲットを変えて2つの求人情報を掲載することも可能です。
自社の認知度を上げることができる
Web上に自社の採用サイトを開設することで、検索してくれた求職者へアピールすることができます。
社風や事業の紹介、社員へのインタビューなどコンテンツを充実させていけば、検索して見つけてもらう窓口を増やすことになるため、今まで出会えなかった層の認知度を上げることができるでしょう。
さらに、採用サイトのコンテンツをTwitterやFacebookなどのSNSでシェアできるようにすれば、Web上での検索以外からも閲覧してもらうことでき、自社の認知度を上げることにもつながります。
自社の魅力が伝わりやすくなる
オウンドメディアである採用サイトは掲載情報に制限がありません。
そのため、自社の強みや魅力を具体的にアピールするために、文字数を気にする必要がありません。
また、デザインのレイアウトに制限はなく、自由にサイトの内容を組み立てていくことができます。
例えば、写真を数多く掲載したり、動画を載せることもできます。
社員のインタビューやアンケート調査の内容・社員の属性なども、フォーマットを気にすることなく作成でき、自社の魅力をより分かりやすく伝えることが可能となります。
自社の採用力を高めることができる
オウンドメディアを活用した採用では、人材紹介などとは違い、自社が主体となって採用活動をしなくてはなりません。
例えば、求める人物像や自社の魅力、業界での立ち位置を明確にしたうえで、オウンドメディアからどのような情報を発信すればターゲットからの応募が集まるのかを考え、実践していきます。
また、ページの閲覧数や応募数にとどまらず、多様なデータを蓄積しながら課題を分析してPDCAをまわしていくことが必要になります。
多くのデータを蓄積・分析し、課題を解決しながら自社が主体となって採用活動をおこなうため、採用力を高めることができます。
転職の潜在層へアピールできる
求人サイトや人材紹介に登録している求職者は、転職の意欲が比較的高い層です。
一方で、オウンドメディアではWeb検索で採用サイトを見つけてくれた人へもアピールができるため、転職の潜在層にアプローチすることが可能です。
施策内容が資産として残る
求人サイトなどを利用した場合、契約期間が終了すると、掲載内容が削除されてしまいます。
一方、オウンドメディアリクルーティングの場合は、自社が保有しているメディアであるため、公開を止めなければ施策内容が資産として残りつづけます。
さまざまなコンテンツを作成し蓄積していけば、その分検索してページを見つけてもらう窓口を増やすことになるため、資産を増やし続けることが可能となります。
3-2.オウンドメディアリクルーティングのデメリット
続いてデメリットを5つご紹介します。
軌道にのるまでは採用が難しい
オウンドメディアは継続して運用することにより、効果が生まれます。
そもそも採用HPや自社サイト等がない場合は、メディアの作成から始めなくてはなりません。
さらに、それらを作成してもコンテンツが充実していなければ、求職者からの応募を集めることもできないため、安定して応募を獲得できるようにするには時間がかかります。
短期的にみるとコストがかかる
自社の採用サイトがない場合は、サイトを作成することから始めなくてはならず、その際に多額の費用が必要になります。
さらに、採用サイトがある場合でも、コンテンツに不足がある場合はサイトの改修などが必要になります。
またSNSなども運用費やオプション料金などがかかってしまうこともあります。
このような初期費用がかかるため、短期的にみるとコストがかかってしまいます。
しかし、充実したコンテンツを用意して安定的に応募が得られるようになれば、人材紹介や求人サイトよりもコストを抑えることが可能になります。
マーケティングやサイト運営に関する知識が必要になる
オウンドメディアを活用した採用活動であるため、サイト運営の知識が必要になります。
さらに、「より多くの人にページを見てもらうには、どのようなコンテンツが必要なのか?」「応募につながりやすいコンテンツは、どのような要素があるのか?」といった点を考えてメディアを運用していかなくてはなりません。
「採用マーケティング」という言葉が生まれてきているように、自社で活躍してもらえそうな人材の定義をし、その人材からの応募を集めるための施策を練ることは、マーケティングの概念に近しいものがあります。
そのため、オウンドメディアリクルーティングでは採用のみならず、サイト運用やマーケティングの知識も必要になってきます。
専門的な知識やノウハウが必要になるため、オウンドメディアを運用するためには、専任人員の採用をしなくてはならない場合もあります。
社内の協力体制が必要になる
オウンドメディアリクルーティングは、自社の情報発信があってこそ成り立つものです。
社内の価値観や社員を紹介するためには、経営者や社員へインタビューすることなどが効果的です。
これらのことに協力が得られなくては、オウンドメディアリクルーティングは難しいでしょう。
見られなければ意味がない
採用に関するオウンドメディアを作成しても、求職者に閲覧してもらえなければ、応募は集まりません。
そのため、自社の認知度が低い場合は、まずページを見てもらえるようにしなければなりません。
4.オウンドメディアリクルーティングに必要な要素
4-1.求人票の記載
オウンドメディアリクルーティングに必要な要素の一つは、「求人票の記載(ジョブディスクリプション)」です。
海外ではジョブスクリプションと呼ばれており、日本では求人票と呼ばれることが多いです。
求人票は以下のように多くの項目から成り立ちます。
- 求人票の要素・職務内容
- ・職務の目的
- ・目標
- ・権限の範囲
- ・関わりを持つ社内外の関係性
- ・必要とされる技術/知識
- ・資格
- ・経験
- ・学歴
ポイントは、求職者に働くイメージをもってもらえるよう詳細に、かつクローリングされるように記載することです。
求人票を明確に言語化することで、求職者が仕事探しをするためにWebで検索をした際、ヒットしやすくなります。
また、求人票により求職者が自ら企業への適性を判断しやすくなるため、自社と求職者とのマッチング精度の向上をはかることも可能となります。
そして、Indeed(インディード)や求人ボックス、スタンバイといった求人検索エンジンに自社の求人票がクローリングされるようにすることが重要となります。
- クローリングとは?
クローリングとは、検索エンジンロボットがネット上の採用情報を巡回し、企業のHPや求人サイトから情報を集めて集約することを指します。
クローリングで読み込むページには「これは求人情報である」と判断するための条件があります。そのため、求人検索エンジンに自社のページを読み込ませたい場合は、その条件を満たす必要があります。
オウンドメディアに求人票を載せることで、求人検索エンジンへクローリングされ、より流入を増やすことができます。
求人票をCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)で作成している場合はすでにクローリングされる条件を満たしているため、オウンドメディアと紐づけをおこなうだけでいいためおすすめです。
- このような企業様におすすめ
・Indeedについて知りたい
・求人ボックスについて知りたい
・スタンバイについて知りたい
・求人検索エンジンを比較したい
4-2.企業の価値観や魅力を伝える
二つ目は、「企業の価値観や魅力を伝えること(シェアードバリューコンテンツ)」です。
- シェアードバリューコンテンツとは?
- 直訳すると「価値を共有できるコンテンツ」という意味になり、自社が社会において何のために活動し、何を目指しているのかという社会的な存在意義や、求職者が自社で働くことでどのように社会貢献できるのかという魅力を効果的に伝え共感を得るためのコンテンツのことです。
給与や福利厚生といった待遇が重要なのはもちろんですが、働くことに意義を求める求職者が大多数となります。
このような求職者に向けて自社の考えや目標などを発信していくのがシェアードバリューコンテンツです。
シェアードバリューコンテンツは、さらに2つの項目に分かれます。
- パーパスコンテンツ
自社の理念や社会的存在意義を発信するコンテンツ
(例)経営者インタビュー
- カルチャーコンテンツ
自社の文化、社風、行動様式などを発信するコンテンツ
(例)社員インタビュー、オフィス紹介、社内イベントレポート
オウンドメディアリクルーティングをおこなう上で、どのようなコンテンツを置くべきかを念頭に置いて進めることでオウンドメディアリクルーティングを加速させることにつながります。
そしてシェアードバリューコンテンツがあることで、より自社の価値観に共感した求職者からの応募を集めやすくなります。
例えば、企業理念を伝えたい場合、ただ企業理念を並べるだけではなく、なぜそのような企業理念にたどり着いたのか具体的なエピソードや創業者の想いなどを盛り込むことでストーリー性を持たせることでより求職者の共感を得やすくなります。
他にも、口コミが発達した現代において自社に都合の良い情報だけを発信していても意味がありません。
自社に関する情報は、ポジティブ・ネガティブの両面をしっかりと伝える透明性が大切です。
どのようなコンテンツを置くにあたっても、企業の価値や魅力を伝えることが鍵となるのです。
4-3.コンテンツの置き場所
オウンドメディアリクルーティングをおこなうにあたって、内容はもちろん重要ですが、作成したコンテンツをどこに置くかもとても重要な要素です。
コンテンツの置き場所として、主に3つ挙げられます。
採用ホームページ
最も基本的な置き場所は、採用ホームページになります。
採用ホームページはメリットでもご紹介した通り、基本的にはすべて自社の資産になるため、一度作成・設置したらその後は使わないといったことが起こりづらく、何度も再利用可能である点が魅力的です。
自社でコンテンツを増やしたり、必要に応じて減らしたり改変したりできるので自由度が高いですが、Googleの検索結果でしっかりと上位表示されるようにSEO対策をおこなう必要があります。
noteやWantedlyなどの外部メディア
一から採用ホームページを作成するのが難しい場合、外部メディアを利用するのがおすすめです。
noteやWantedlyといった大手外部メディアには、すでに登録をしているユーザーがたくさんいるため採用ホームページよりも短期的な効果が期待できます。
採用ホームページではSEO対策が必要と紹介しましたが、その点、大手外部メディアを利用する場合はSEO対策は必要ないため、大手外部メディアのSEOの恩恵を受けることができる点がメリットといえるでしょう。
SNS
SNSは大多数の人が利用しているため、拡散力が高くリーチできる求職者の人数が格段に多いことがメリットです。
X(旧Twitter)やFacebook、Instagram、LINEなどが身近なSNSとして挙げられますが、LinkedInなどは採用に強いSNSです。
ツールとして日常的に使われているものでもあるので、企業としても公式ホームページなどとは違った視点から発信しやすいと言えます。
一方でSNSも、採用ホームページと同様に短期的な採用には向いておらず、日々の投稿など相応の工数がかかってきます。
- このような企業様におすすめ
・オウンドメディアリクルーティングやSNS・Web広告の活用を検討している
・何か新しい取り組みをしたいが、何からはじめて良いかがわからない
5.オウンドメディアリクルーティングを始めるには
ここまで、オウンドメディアリクルーティングの概要についてお伝えしました。
それでは、オウンドメディアリクルーティングを始めるには、どのような準備が必要なのでしょうか。
4つの項目にわけて、ご紹介します。
5-1.採用するポジションの職務・必要な要素を洗い出す
まずは、採用するポジションについて確認したうえで、そのポジションの職務と必要なスキルを洗い出しましょう。
これはジョブディスクリプションを記載するためにも重要になってきます。
より詳細なスキルや具体的な職務内容を採用サイトに記載することで、求職者からWeb検索で見つけてもらえる可能性が高くなります。
5-2.採用のターゲットを明確にする
次に、採用ターゲットを明確にすることが必要となります。
採用ターゲットとは、「自社で活躍する可能性の高い人材」のことを指します。
採用のターゲットを決めるためには、まず自社で活躍している人材がどのような要素をもっているのか具体的に洗い出すようにしましょう。
その上で、それらの要素をもった人材はどのような学歴・経験・志向性があるのかを考えます。
営業職の分析例
このように採用のターゲットを明確にし、ターゲット設計を詳細におこなえば、オウンドメディアでどのようなコンテンツを用意すれば求める人材に閲覧・応募してもらえるかがわかるようになります。
5-3.自社の魅力を整理する
続いて、自社の魅力を整理します。
まずは、自社の魅力を思いつく限り書き出してみましょう。
その後に、設定した採用ターゲットは自社の魅力のどの点に強く惹かれるかを考えます。
この点を打ち出したコンテンツを用意することで、採用ターゲットが自社に興味をもってくれる可能性が高まります。
5-4.自社のポジショニングを明確にする
自社の魅力が整理できた後は、改めて採用における競合他社と比較をし、問題ないかを判断することが必要です。
自社の魅力が競合他社とも似ていると、差別化が難しくなってしまいます。
また、ポジショニングを明確にすることで、自社の新たな魅力を発見することもあるため、チェックするようにしましょう。
6.オウンドメディアリクルーティングの運用方法
事前準備が終わった後は、実際にオウンドメディアリクルーティングを活用していく段階になります。
ここでは、実際の運用方法についてご紹介します。
6-1.オウンドメディアがない場合
自社のオウンドメディアがない場合、まずは自社の採用サイトなどを立ち上げる必要があります。
外注して作成する
社内にサイトを作成することができるエンジニアがいる場合は、自社で作成することができますが、外注して作成してもらうことも可能です。
事前にどのようなコンテンツを盛り込みたいのか、ターゲットとしているのはどのような層なのか、などを伝えたうえで、作成に取り掛かってもらうようにしましょう。
- 採用サイト・ホームページの作成もお任せください
ネオキャリアは10,000社以上の採用支援実績をもつ総合人材サービス会社です。「採用支援」の観点を重視した採用サイト・ホームページの作成をおこなっています。詳細はこちらからご確認ください。
採用支援ツールなどの外部メディアを利用する
コンテンツの置き場所でもご紹介した通り、オウンドメディアを所有していない場合、外部メディアを利用することもおすすめです。
noteやWantedlyだけでなく、engage(エンゲージ)やAirワーク採用管理といった採用支援ツールを利用するのも一つの手です。
採用サイトの作成だけでなく集客もおこないたい場合、Indeed(インディード)や求人ボックス、スタンバイなどに自動で連携されるツールも存在するため、チェックして利用しましょう。
- 無料で採用サイトを作成するなら「engage」
engage(エンゲージ)は無料で採用サイトの作成がおこなえる採用支援ツールです。Indeedなどの求人検索エンジンに自動連携されます。
さらにengage premium(エンゲージプレミアム)のご利用で、職種などに強化した採用プランを組むことも可能です。
6-2.オウンドメディアがある場合
自社の採用サイトがすでにある場合、以下の方法でオウンドメディアリクルーティングをおこなっていきます。
コンテンツを作成する
コンテンツの内容は、自社の採用ターゲットが「知りたい」と思うものや、ターゲットから共感してもらえる内容にすることがポイントです。
コンテンツは記事に限らず、インタビューや社内制度を紹介するページを作成してもよいでしょう。
自社で働く社員の姿を具体的に発信することができ、求職者に自社で働くことをイメージしてもらうことにつながります。
6-3.運用のポイント
オウンドメディア作成を外注する際のポイント
通常、「オウンドメディア」は採用サイト以外にも、商品の購買促進のためのサイトや企業のコーポレートサイトなどさまざまなものをさします。
そのため、ただオウンドメディア作成を作成してもらえる企業を探すのではなく、「採用成功ができる」オウンドメディアを作成してもらえる企業を探すことがポイントです。
実際に、弊社ネオキャリアを例にして、どのようにサイト制作が可能かご紹介いたします。
- サイト制作例
- 貴社の事業内容や魅力について詳しくヒアリング
- (採用職種や求める人物像についてお伺いし、どのような人材をターゲットしているのかを明確にします。)
- ⇩
- サイトのコンテンツ内容を練る
- ⇩
- 社員インタビューを実施
- ⇩
- サイト作成・公開
ネオキャリアでは、自社内外に数多くのデザイナーを抱えているため、高いクオリティのサイト構築が可能です。
また、Indeedへの掲載も見越してサイトを作成することができるため、サイト公開後、すぐに採用活動をおこなうことができます。
コンテンツ作成後のポイント
コンテンツを掲載した後は、定期的に「どれくらい閲覧されているか」「どのコンテンツが人気なのか」などを確認するようにしましょう。
あまり閲覧されていないコンテンツがある場合は、人気のあるコンテンツと比較して何が足りないのか、どうすればより多くの人に閲覧してもらえるのかを分析して改善していくことが必要です。
オウンドメディアリクルーティングでは、採用サイトの作成がゴールではなく、サイトを活用して採用成功していくことがゴールになります。
採用とサイト運営のノウハウが両方必要なオウンドメディアリクルーティングでは、代理店などのプロに運用を依頼することも一つの手段です。
メディアを見てもらうためのポイント
デメリットの章でもご紹介したように、オウンドメディアリクルーティングでは自社のメディアを閲覧してもらわなければ採用ができません。
オウンドメディアを閲覧してもらうためには、ディスプレイ広告・リスティング広告やIndeedを活用するといいでしょう。
これらを活用すると、Webで検索をした際に検索結果として表示される機会が多くなるため、求職者にページを見つけてもらいやすくなります。
7.オウンドメディアのコンテンツ事例
オウンドメディアリクルーティングの事前準備や、運用に必要なことをお伝えしましたが、実際にどのようなコンテンツを用意すればよいのでしょうか。
7-1.社員インタビュー
先輩社員へのインタビューは、多くの採用サイトで取り入れられています。
実際に在籍している社員の顔や考えがわかるため、入社した後、どのような仲間と働くことになるのか求職者がイメージしやすくなります。
また、「なぜ入社をきめたのか?」「仕事のやりがいは何か?」「将来、自分はどうなりたいのか?」といった点について先輩社員が語ることで、企業にどのような価値観があり、どのような人材が活躍しているかをわかりやすく伝えることができます。
さらに、社員インタビューを通して「一日の仕事の流れ」についても盛り込めば、どのような仕事をしているのかがさらにイメージしやすくなります。
7-2.プロダクトやサービスに込められた想い
企業の価値観を伝えるコンテンツとして、プロダクトやサービスにこめられた想いを紹介することも一つの手段です。
プロダクトやサービスを開発した社員や、責任者が「サービスの内容」「サービスの着想」「今後の目標」などについて語ることで、自社が社会に対してどのように価値貢献をしたいと考えているのかを伝えることができます。
7-3.経営者の想いや会社の価値観が伝わる記事、コンテンツ
企業の価値観を伝えるために最も効果的な方法は、経営者の想いや会社の価値観が伝わる記事などのコンテンツでしょう。
経営者に「企業を創立した経緯」「どのような想いで会社を経営しているか」「今後の方針について」などをインタビューすることで、企業の価値観をより強く求職者へ伝えることができます。
代表者自らが顔を出して、会社の理念と求める人材について表明することは、求職者を惹きつけるためには欠かせないコンテンツであるといえます。
7-4.働き方に関する取り組みや制度、福利厚生の紹介
採用サイトで福利厚生を伝えることも効果的です。
例えば、子供を育てながら働くための休暇や手当などの制度を、実際に利用した社員のインタビューも交えて紹介することで、柔軟なキャリア形成ができることがアピールできます。
7-5.教育制度や勉強会の紹介
福利厚生だけでなく、社内研修制度について取り上げることも大切です。
新卒採用であれば、入社した後「どのような研修があるのか」「教育制度は整っているのか」について興味をもつ学生がほとんどでしょう。また、中途採用においても、社内研修をしっかりとおこなったかによって、その後の定着率が変わってきます。
基本的な研修から、キャリアアップができる勉強会まで、詳細と共に記載するようにしましょう。
7-6.プライベートも含めた従業員の写真
プライベートも含めた従業員の写真は、様々な場面での社員の自然な笑顔を見ることができます。そのため、求職者が人間関係や社風など会社の雰囲気を感じることのできるコンテンツです。
- 採用成功事例
オウンドメディアリクルーティングでの採用成功事例をご紹介します!
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9.まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、近年注目を集めている「オウンドメディアリクルーティング」についてご紹介しました。
オウンドメディアリクルーティングは、変わりつつある求職者の価値観や情報収集リテラシーの高まりに対応するため、自社の採用サイトを活用する採用手法です。
オウンドメディアリクルーティングには、より自社で活躍する可能性の高い人材を採用できるというメリットもありますが、採用手法として十分に活用できるようになるまでには、充実したコンテンツの作成と時間が必要になります。
「既存の採用手法に行き詰まりを感じている」「新しい方法を試してみたい」という企業様は、一度検討してみるとよいかもしれません。
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