理系学生の動向|最新の就職活動状況と効果的な採用手法
新卒理系採用
近年、理系人材の需要が増え続けていますが、理系学生はどのような就職活動をおこなっているのでしょうか。
<この記事で紹介する3つのポイント>
- 理系学生の就職活動の近況と背景
- 理系学生の特徴と強み
- 理系学生を採用するための効果的な方法
目次
1.理系学生採用の近況|採用市場と理系学生の就職活動動向
企業における需要増加が続いている理系学生ですが、理系学生の就職活動動向を把握することは採用をおこなう上で非常に効果的です。
1-1.理系学生の需要が増加傾向
現代社会において、急速に成長しているのが、テクノロジーの分野です。
昨今では、DX(デジタルトランスフォーメーション)化というキーワードも出てきており、今までは人力でおこなっていたことも、次々にIT化しています。
それにともない企業でもIT人材の需要が高まってきました。
理系人材はテクノロジーについて、専門分野で研究をおこなっていることから一定の知識を有しているといえます。
これから更に加速すると予測されているIT業界において理系人材を欲しがる企業は多く、引っ張りだこになるでしょう。
新卒採用においても同様です。
実際に下記のグラフをみると、文系学生に比べ理系学生の内定率が高いことがわかります。
文系学生の就職内定率 | 理系学生の就職内定率 | |
2021年12月1日時点 | 82.1% | 87.3% |
2022年2月1日時点 | 89.1% | 92.3% |
2022年4月1日時点 | 95.4% | 97.4% |
採用市場において貴重人材とされている理系学生ですが、理系学生はどのような就職活動をおこなっているのでしょうか。
理系学生は就職活動に充てることができる時間が少ない
一般的な採用活動は、大学3年の夏からインターンシップを募集し、3月にナビサイトが解禁された後に順次説明会をおこない、選考を進める流れになっています。
文系学生は、3年生後期から4年生にかけて授業数が減り時間に余裕があるため、十分な時間を就職活動にあてることができます。
理系学生の場合、多くが3年生の後半から研究室に所属するため、授業や研究と並行して就職活動をおこなわなくてはなりません。
そのため、理系学生は文系学生と比べ就職活動を始める時期が遅くなってしまう傾向があり、インターンシップやイベントに参加する数も文系学生より少なくなってしまいます。
大手志向が強い傾向がある
出典:株式会社ディスコキャリタス就活「就職希望企業ランキング | 就活生が選ぶ人気企業とは?」
キャリタスが2024年3月卒業予定の大学生・大学院を対象におこなった就職希望企業調査※によると、Sky、日本アイ・ビー・エム、トヨタ自動車の順に人気が高い結果となりました。
トップ5以内に前回の調査でランクインしていない企業も目立っており、特に大手で堅実な雰囲気の企業の人気が高まっていることがわかります。
※参考:株式会社ディスコキャリタス就活「就職希望企業ランキング | 就活生が選ぶ人気企業とは?」
大学院への進学率が高い
理系学生が進路を決めるにあたり、まず「就職」か「大学院への進学」かという分岐点があります。
理系学生は文系学生に比べると自らの専攻分野の専門性をさらに高めるため、大学院に進む学生が多い傾向にあります。
文科省の調査によると、文系学生の大学院進学率が5%前後であるのに対し、理系学生の大学院進学率は50%を超えている学部もあり、大きな差があることがわかります。
つまり新卒採用の市場において理系学生が少ないことがわかるでしょう。
学部名 | 大学院への進学者数 | 大学院進学率 |
人文科学 | 3,207 | 6% |
社会科学 | 3,996 | 7% |
理学 | 6,995 | 12% |
工学 | 30,330 | 52% |
農学 | 3,992 | 7% |
教育 | 1,984 | 3% |
芸術 | 1,205 | 2% |
そのほか | 3,414 | 6% |
出典:e-Stat 文部科学省「学校基本調査|卒業後の状況調査」
都心と地方でも学生の就職活動状況は異なる
これは、理系学生に限った話ではないですが、都心の学生に比べて地方の学生は就職活動の情報量が圧倒的に少ないという課題があります。
都心の学生だと、通学の行き帰りに駅看板などで就職活動情報を頻繁にみる機会がありますが、地方の学生の場合、学校と家が5分圏内であったり、交通機関などを使わないケースも多いです。
そのため、都心学生に比べ就職情報を知る機会が減り、優秀な学生でも地方の小さな研究所に留まることも多々あります。
2.理系学生の強みとは?
2-1.数字に強い
理系学生はITエンジニア・機械系・電気系・化学系・生物系・医療系のような業種への就職が多いように思われます。
しかし理系学生は学生時代から数字を扱うことが非常に多いため、企業運営に携わる財務の数値的な管理においても戦力となる可能性があります。
また、数値分析を得意としている人材であれば、人事や労務、経営企画といった職種でも活躍できる可能性が高いです。
つまり理系学生を採用する際は、ある分野に限定するのではなく、数字を扱うあらゆる職種を検討して判断するとよいでしょう。
2-2.メンタルが強い
理系学生の多くは講義のコマ数が多く、毎週長時間の実験と複数の講義で課されるレポート課題をこなしています。
また研究室に所属し、いつも夜遅くまで自分の研究課題と向き合っているため、なにごともめげずに最後までやりきる力を持っているといえます。
メンタルの強さといえば上下関係の厳しい体育会系をイメージする方もいますが、理系学生も強いメンタルを持っているといえるのではないでしょうか。
2-3.論理的思考力に長けている
理系学生は研究をおこなう際に、常に「問題提起→仮説立て→検証→改善」を繰り返して研究をおこなっています。
研究がうまくいかないときに、研究フローのどの段階に問題があったのかを仮定し、ひとつずつ検証しながらPDCAサイクルを回しています。
つまり理系学生は、複雑な課題に対しても常日頃から論理的に考える思考が身についているといえます。
3.理系学生の採用方法|理系学生にはこうアプローチするべき!
3-1.学生に配慮した選考スケジュールを組む
理系学生は研究や実験がある場合が多く、文系学生と比較すると就職活動に時間を割くことができません。
選考が進んでいても平行して研究は続けなければならず、いつでも選考を受けられるという状況ではありません。
そのため、理系学生の就職活動スケジュールを把握しておくことが大切です。
選考を受けている学生に対し、ヒアリングをしっかりおこない、研究室の予定に支障がないように選考日程を組む配慮をしましょう。
採用を検討している学生に対し、選考プロセスやスケジュールを柔軟に対応するといった企業も多くあります。
そのため学生の動きだけでなく競合の動きも把握しておくことも重要でしょう。
またこのような学生にあわせた柔軟な対応は、理解のある企業とみられ学生の志望度も上がる可能性があります。
3-2.中小企業は大手に負けない企業の魅力をしっかり伝える
中小企業は研究設備などでは大手企業に劣ってしまうかもしれませんが、企業を選ぶポイントは必ずしもそこだけではありません。
「企業の社風が自分とあっているか」「やりたいことができるかどうか」「職場環境・人間関係がどうか」など、企業を選ぶポイントは多々あります。
自社の強みは何なのかをしっかり分析し、それを学生に伝えることが重要です。
自社の強みを分析することでより学生に対して会社の魅力を伝えることができ、それが学生の求めている魅力とマッチすることで惹きつけることができます。
企業によっては、当たり前で強みではないと思っている部分も、学生からは魅力的に映る場合は多くあります。
理系学生は自分から取りに行く情報が少ない分、情報が入ってくれば検討材料になる可能性は高いです。
企業からどんどんアピールをすることで理系学生の目に止まるようになるのではないでしょうか。
3-3.内定辞退対策を意識した採用スケジュールを立てる
無事選考が進み、せっかく内定出しをしても内定辞退をする学生が多くなってしまっては意味がありません。
採用人数目標を達成するためには内定辞退を防ぐための施策が必要です。
特に理系学生の特徴として、文系学生と比べるとロジカルに物事を考える方が多いため、母集団形成からはじまり採用フローのすべての過程でしっかりとした対策が必要になります。
スピーディーな日程調整や学生情報の共有など基礎的なことから、入社意欲を高める動機付けなど戦略性の高いものまで対策をするのは簡単ではありません。
しかし、最初に計画を立てる時点で内定辞退対策を組み込んだ採用スケジュールを立てることが出来れば、最後に採用人数が足りないと慌てることが少なくなるでしょう。
具体的には合同企業説明会や学内説明会、大学訪問なども効果的な手段の一部になります。
4.理系学生採用サービス
理系学生の採用事情や対策はつかめたのはないでしょうか。下記にてネオキャリアが提供している”理系学生採用のためのサービス”をご紹介します。
24年卒向けだけでなく25年卒向けの早期採用サービスも展開されているので、採用検討を始められている企業は参考にしてみてください。
4-1.理系就職エージェントneo
4-2.Premium Startup Seminar(プレミアムスタートアップセミナー)
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。理系学生は昨今需要の高い人材層ですが、そもそもの母数が少ないため採用手法を見極める必要があります。
しかし、地方の学生に目を向けてみると思いがけない優秀な人材に出会える機会があります。
近年、コロナ禍によってオンライン選考が一般的となり、学生側も広い視点で企業探しをするようになりました。
時代の流れとともに選択肢が広がる中で、ライバル企業が増えたたことにより自社が埋もれてしまい、特に母集団形成に頭を抱えている採用担当も多いのではないでしょうか。
理系学生の就職活動動向をチェックしながら、採用トレンドを踏まえた採用戦略を立て、時代の流れに合った効果的な採用手法を実践していくことが、これからの採用担当に求められているのではないでしょうか。
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理系学生を新卒採用で獲得するためには、最新動向を踏まえた採用活動をすることが求められます。理系学生に特化した新卒紹介サービスは、採用担当者様の負担を軽減し、企業様の採用ターゲットにあった学生の採用を可能にします。課題感のある企業様は新たな採用手法の一つとして検討されてみてはいかがでしょうか。
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一貫して人材紹介に従事しており、社長賞をはじめ多く賞を受賞。現在では、採用ウェビナーなどを通じて、複数企業様の採用支援にも携わっております。新卒採用に課題のある企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
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