理系学生の就職活動を徹底解説!最新動向から就職観、スケジュールまでデータをもとに詳しく分析
新卒理系採用

近年、理系人材の需要が増え続けていますが、理系学生はどのような就職活動をおこなっているのでしょうか。
直近の理系学生の内定率をみると、10月1日時点で97.7%となっており、前年と比較して3.6ポイント高い結果*でした。
また、同時期の文系学生の内定率と比較しても2.5ポイント高い結果となっており、理系学生の就職活動は早期化していることがうかがえます。
*出典:株式会社リクルート 就職プロセス調査(2025年卒)「2024年10月1日時点 内定状況」
このように、理系学生の採用においては就職活動の傾向を把握し、学生の動きに合わせたスケジュールで動くことがカギとなります。
そこで本記事では、理系学生に特化した就職活動の傾向や、最新動向について詳しく解説します。
理系学生の採用にお悩みの方はぜひご一読ください。
<この記事で紹介する3つのポイント>
- 理系学生の就職活動
- 理系学生の特徴と強み
- 理系学生を採用するための効果的な方法
1.理系学生の就職活動
まずは理系学生の就職活動の特徴についてみていきましょう。
1-1.理系学生の進路
理系学生が進路を決めるにあたり、まず「就職」か「大学院への進学」かという分岐点があります。
理系学生は文系学生に比べると自らの専攻分野の専門性をさらに高めるため、大学院に進む学生が多い傾向にあります。
文科省の調査によると、文系学生の大学院進学率が5%前後であるのに対し、理系学生の大学院進学率は50%を超えている学部もあり、大きな差があることがわかります。
大学院への進学者数 | 大学院進学率 | |
工学 | 30,330 | 52% |
理学 | 6,995 | 12% |
農学 | 3,992 | 7% |
社会科学 | 3,996 | 7% |
人文科学 | 3,207 | 6% |
教育 | 1,984 | 3% |
芸術 | 1,205 | 2% |
そのほか | 3,414 | 6% |
出典:e-Stat 文部科学省「学校基本調査|卒業後の状況調査」
1-2.理系学生の人数
理系学生の人数は年々減少傾向にあります。
文部科学省の「理工系人材育成戦略」によると、理・工・農学分野の学部学生は1999(平成11)年度の63.6万人をピークに右肩下がりに減少しています。
さらに全学生数に占める理・工・農学分野の学生割合も20%程度と、文系学生と比較して少ないことがわかります。
現代は少子高齢化が進んでおり、そもそもの学生数が減少していることからも、理系学生数の減少は継続する見込みです。
また、前述のデータからも、理系学生は進学率も高く、就職する学生の総数が少ないことからも、企業からの需要が高いことがうかがえます。
1-3.理系学生の就職観
理系学生は文系学生と比較して、やや大手企業志向の傾向があります。
株式会社マイナビの調査によると、就職先の企業について「大手企業がよい」と回答した割合は、文系学生が50.5%だったのに対して、理系学生は59.1%という結果*でした。
*出典:株式会社マイナビ「マイナビ 2025年卒大学生就職意識調査」
一方、就職観については文系、理系ともに「楽しく働きたい」「個人の生活と仕事を両立させたい」の回答が多く、属性での違いは見られませんでした。
1-4.理系学生の就職活動スケジュール
理系学生は一般的な学生と比較して試験や卒業研究などで忙しく、就職活動に割ける時間が限られる点が特徴です。
特に学部生は大学3年生の後期~4年生にかけて卒業研究や試験が重なるため、早めに就職活動を終える傾向があります。
このように、学生の就職活動スケジュールは属性や志向性によって異なるため、自社の採用ターゲットがどのように動くのかを理解しておくことが重要です。
学生の活動スケジュールや今後の市況予測について気になる方は、下記の資料も合わせてご活用ください。
2.理系学生の採用動向
次に、理系学生の採用動向について、最新のデータをもとに解説していきます。
2-1.理系学生のインターンシップ参加率
理系学生のインターンシップ参加率についてみていきましょう。
出典:株式会社マイナビ「マイナビ2026年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査~中間総括~(10月実施)」
理系学生のインターンシップ参加率は高い水準で推移しており、26年卒10月時点の参加率は85.0%、平均参加社数は5.1社という結果でした。
一方で、前年と比較すると参加率、平均参加社数はともに減少傾向で、理系学生はインターンシップに参加する企業を厳選している可能性が考えられます。
この結果から、理系学生のインターンシップ母集団形成に苦戦する企業が増えることが予測できるでしょう。
2‐2.理系学生の就職先選定時期
次に、理系学生が希望就職先を選定するスケジュールについてみていきましょう。
出典:株式会社マイナビ「2026年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(9月)」
前述の通り、理系学生は就職活動を実施できるスケジュールが限られているため、早めに就職先を決定する傾向があります。
実際に、26年卒9月時点で「就職活動の方向性(志望業種や企業、職種、価値観)が固まっている」と答えた理系学生は55.5%おり、約半数の学生が秋冬インターンシップを待たずに就職先を選定していることがわかります。
特に理系学生の中でも、薬学系学生、土木・建築系学生は早期に就職先の選定を進める傾向があるため、夏時期に学生と接点が持てる機会を作ることが採用成功のカギと言えるでしょう。
2-3.理系学生の内定率
では、理系学生の内定率はどのように推移しているのでしょうか。
出典:株式会社リクルート「就職プロセス調査(2025年卒)「2024年10月1日時点 内定状況」」/「【2025年卒】理系の学科系統別活動状況」を参考にネオキャリア作成
※背景を灰色で表記している数値は集計対象数が50に満たないため参考値
25年卒の理系学生の内定率は3月1日時点で47.8%となっており、前年と比較して12.5ポイント高い結果でした。
さらに、同時期の文系学生の内定率と比較して11.0ポイント高い結果でした。
この結果から、理系学生は文系学生と比較して早いタイミングで内定を取得する傾向があると言えるでしょう。
また、学科系統別でみると、機械・電気・電子系/情報工学系の内定率が比較的高い傾向にあることがわかります。
このように、理系学生の中でも属性によって動きが異なるため、自社の採用ターゲットの動向を把握したうえで採用活動をおこなうようにしましょう。
3.理系学生の採用を成功させるポイント
ここまで、理系学生の就職活動の特徴についてみてきました。
理系学生は学部などの属性によって活動スケジュールが異なるため、企業側も対策をおこなうことが重要です。
そこで本章では、理系学生を採用する上でのポイントについて解説していきます。
3-1.学生に配慮した選考スケジュールを組む
理系学生は研究や実験がある場合が多く、文系学生と比較すると就職活動に時間を割くことができません。
選考が進んでいても平行して研究は続けなければならず、いつでも選考を受けられるという状況ではありません。
そのため、理系学生の就職活動スケジュールを把握しておくことが大切です。
選考を受けている学生に対し、ヒアリングをしっかりおこない、研究室の予定に支障がないように選考日程を組む配慮をしましょう。
採用を検討している学生に対し、選考プロセスやスケジュールを柔軟に対応するといった企業も多くあります。
そのため学生の動きだけでなく競合の動きも把握しておくことも重要です。
企業、学生の最新動向について知りたいという方は以下の資料も合わせてご活用ください。
3-2.中小企業は大手に負けない企業の魅力をしっかり伝える
理系学生はやや大手志向の傾向がありますが、「企業の社風が自分とあっているか」「やりたいことができるかどうか」「職場環境・人間関係がどうか」など、さまざまな点から企業選定をおこないます。
そのため、自社の強みは何かをしっかり分析し、学生に伝えることがポイントです。
自社の強みを分析することで、学生に対して会社の魅力を伝えることができ、志望度の向上につながる可能性があります。
企業にとっては当たり前で強みではないと思っている部分も、学生からは魅力的に映る場合は多くあるため、改めて自社の強みを整理してみましょう。
「新卒採用を見直したい」「他社との差別化を強化したい」とお考えの方はぜひ以下の資料もご活用ください。
3-3.内定辞退対策を意識した採用スケジュールを立てる
無事選考が進み、せっかく内定出しをしても内定辞退をする学生が多くなってしまっては意味がありません。
採用人数目標を達成するためには内定辞退を防ぐための施策が必要です。
特に理系学生の特徴として、文系学生と比べるとロジカルに物事を考える方が多いため、母集団形成からはじまり採用フローのすべての過程でしっかりとした対策が必要になります。
スピーディーな日程調整や学生情報の共有など基礎的なことから、入社意欲を高める動機付けなど戦略性の高いものまで対策をするのは簡単ではありません。
しかし、最初に計画を立てる時点で内定辞退対策を組み込んだ採用スケジュールを立てることができれば、最後に採用人数が足りないと慌てることが少なくなるでしょう。
学生の内定辞退対策に不安がある方は、ぜひ以下の資料もご活用ください。
4.理系学生の採用に活用できるサービス
本章では、理系学生の母集団形成に活用できるサービスをご紹介します。
効率的にターゲット学生を集客するために、活用するサービスを見直しましょう。
4-1.LabBase(ラボベース)就職
- 専門キーワードから絞り込み可能
研究キーワードやプログラミングスキルなどの観点から学生を絞り込むことが可能です。専門性の高い職種を採用する際にもピンポイントにアプローチすることができます。
- サポート体制が充実
LabBase就職では、全てのプランで12ヶ月分のサポートが付いています。専任のカスタマーサクセスメンバーが運用~内定までのサポートをしてくれます。
4-2.OfferBOX(オファーボックス)
- 就活生の2人に1人が利用
学生登録数は右肩上がりとなっており、毎年約20万人を超える学生が登録しています。理系学生の登録数も約2.5万人*と、学生からの認知度が非常に高いサービスといえるでしょう。(*2024年11月時点)
- 学生の絞り込み機能が豊富
OfferBOXでは、学生の絞り込み機能が充実しています。34項目の学生プロフィールに加え、適性検査を活用して自社の活躍社員に近い人材を検索することも可能です。
4-3.CAREER MEETUP(キャリアミートアップ)
- イベントからの採用率が高い
CAREER MEETUP(キャリアミートアップ)では、イベント参加からの採用率が高い傾向があります。過去の実績から、機電系イベントでは50%以上、土木系イベントでは78%以上の企業が1名以上の採用につながったと回答しています。
- 学生との密なコミュニケーションが可能
2つのイベント形式の中でも、特に個人面談型のイベントでは学生1人あたり15分間の面談時間を取ることが可能です。学生一人一人と密にコミュニケーションを取って見極めたいという企業におすすめです。
4-4.Wantedly(ウォンテッドリー)
- 企業理念や価値観からマッチング
Wantedlyは、企業の年収や福利厚生など、採用条件に関する記載ができないことが特徴です。企業の理念や価値観など、本質的な部分からマッチングを図ることが可能です。
- アプローチ方法が豊富
Wantedlyは企業情報の掲載だけでなく、イベント機能やダイレクトスカウト機能など、ユーザーへのアプローチ方法が充実しています。応募を待つだけでなく、企業から積極的にアプローチできる点が特徴です。
4-5.理系就職エージェントneo
- 独自のデータベースを活用
理系就職エージェントneoでは、独自のデータベースを活用し、機械系・電気電子系・情報系を中心とした普段出会うことができない地方の理系学生と接触できる点が特徴です。
- 高い決定率を誇る
理系就職エージェントneoの平均的な決定率は25%です。4名のご紹介につき1名の採用に繋がる実績のため、ターゲット学生との接触から選考、内定、入社まで効率よく進められる点が特徴です。
そのほか、上記以外にも理系向けサービスを多数取り揃えていますので、気になる方は以下よりお問い合わせください。
5.まとめ
理系学生は昨今需要の高い人材層ですが、そもそもの母数が少ないため採用手法や採用スケジュールを見直す必要があります。
そのため、理系学生の就職活動動向を定期的にチェックしながら、採用トレンドを踏まえた採用戦略を立てることが重要です。
自社のターゲット学生に合わせた採用設計をおこなうことで、効率的かつ効果的な採用を実現していきましょう。

脱・ナビサイト依存の採用成功を実現
東証プライム上場企業からスタートアップベンチャーまで幅広く採用支援を経験。 2018年より、従来のナビサイト以外での就活手法の台頭を受けてナビサイト以外での採用手法を中心とした採用支援をする部門を立ち上げ。多角的な採用支援が強み。
- 名前
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