理系学生の母集団形成方法|具体的なサービス活用方法まで徹底解説
新卒理系採用
近年、新卒採用において売り手市場の傾向が強まり、競争が激化している傾向にあります。さらに、IT人材の需要も高まってきている中で、理系学生採用においても優秀な人材を獲得するために多くの採用担当者がさまざまな工夫をしています。しかし理系学生は文系学生に比べて母数が少ないため、理系学生の母集団形成に課題感を感じる企業も多いのではないでしょうか。
<この記事で紹介する3つのポイント>
- 母集団形成とは?
- 理系学生の特徴
- 理系学生の母集団形成方法
母集団形成を実施する理由や成功に導くためのポイント、さらに理系学生の具体的な母集団形成方法まで詳しく解説します。ぜひ自社の採用状況と照らし合わせながら今後の新卒採用活動にお役立てください。
目次
1.母集団形成とは?
母集団形成とは、新卒採用において自社の求人に興味や関心のある学生を集めることを指します。
企業も学生もwin-winとなる有効な母集団を形成するためには、自社の求める学生像を明確にすることが重要です。
本章では母集団形成が必要な理由や苦戦する原因、成功させる方法について解説します。
1-1.母集団形成が必要な理由
そもそもなぜ母集団形成をしなければならないのでしょうか。
ここでは母集団形成による企業への影響とともにご紹介します。
ターゲット学生の獲得
新卒採用では、必要なスキルや人物像などを兼ね備えた学生を獲得しなければなりません。
IT系企業では基礎的なITリテラシー、営業職ではコミュニケーション能力、ベンチャー企業では自走力など、自社にあったスキルやマインドを持った学生を獲得することが重要です。
特に理系学生採用においては、専門性の高い職種や知識が必要になる場合が多く、自社の求めるターゲット学生を獲得するための対策が不可欠です。
採用コストの適正化
母集団形成が満足におこなえなかった場合、採用コストがかかる可能性があります。
一定数の母集団を形成することはもちろん、質も重視することによって採用コストを下げることが可能です。
特に理系学生の母集団形成は、通常の採用活動より難易度が高く失敗する可能性があるため、採用ターゲットに合った採用手法の取捨選択が必要です。
採用数の充足
会社の規模により採用目標人数の多寡はありますが、企業活動を中長期的な視点で円滑に運営していくためには、毎年ある一定の新卒社員を確保しなければなりません。
新卒社員を安定的に確保することで将来の企業収益や社内のノウハウ蓄積も同時に安定します。
1-2.母集団形成に苦戦する原因
ではなぜ母集団形成に苦戦するのでしょうか。
ここでは採用を取り巻くさまざまな要因とともにご紹介します。
会社の認知度が低い
認知度が低いと新卒採用での難易度は上がります。
中小企業やBtoB企業、ベンチャー企業は特に苦戦されている採用担当者も多いのではないのでしょうか。
しかし、実は採用活動を通じて会社の認知度を上げることが可能です。
母集団形成をし、多くの学生に自社の魅力を発信する過程において、マッチはせずとも自社のファンになってくれる学生もいます。
現在の認知度に関わらず、採用活動の中で認知度をあげられるかどうかは採用担当者の腕の見せどころといえるでしょう。
適切な採用戦略を立てていない
自社にあった適切な採用戦略を立てなければ母集団形成はうまくいきません。
施策だけで新卒採用をすすめた場合、場当たり的な行動しかできなくなってしまったり、失敗した時の代替案がなく上手くいかなくなってしまう可能性が高くなります。
戦略を立てる中で採用市場での自社の立ち位置を分析し、現状に見合った計画を立てて採用活動をおこなっていく必要があります。
質の高い母集団形成ができない
説明会やエントリーの段階で目標人数に達していたとしても、選考の段階で通過率が悪くなれば母集団形成は成功とはいえません。
不特定多数の学生にアピールするだけでなく、自社の求める学生を集める必要があります。
例えば理系学生を採用したいのに文系の学生ばかりがエントリーしてしまうのは、質の高い母集団形成ができていない可能性が高いといえるでしょう。
1-3.母集団形成を成功させる方法
母集団形成を成功させるためにはさまざまな施策をおこなう必要があります。
ここでは母集団形成を成功させるためのコツを解説します。
ペルソナ設計をする
自社に合ったペルソナ設計をしているかどうかで、採用成功の可否が決まるほど重要な項目のひとつです。
ペルソナ設計をするためには求める学生像を詳細にイメージする必要があります。
年齢や性別、属性によって求める学生像をグルーピングするのではなく、趣味や思考、周囲を取り巻く具体的な情報まで設定することが重要です。
粒度の高いペルソナ設計で本当に採用したい人を作りこむことにより、さらにターゲットに刺さる内容を発信することが可能です。
自社の強みを明確にする
採用ブランディングにおいて自社の強みを明確にすることは欠かせません。
売り手市場の採用市場において優秀な学生に選ばれるためには、自社の魅力をアピールし、学生に選ばれる会社である必要があります。
会社の魅力の一例として、組織の目標・社風・待遇・業務内容・一緒に働く仲間・場所などがあります。
自社が求める学生を獲得するために、惹きつけられるようなアピールポイントを考えましょう。
企業の魅力を訴求するメッセージの発信
求める学生像と自社の強みを明確にしたあとは、どういうメッセージでその情報を届けるか考える必要があります。
採用活動のオンライン化に伴い、学生に企業の魅力を発信する手段はさらに増えました。
これまで訴求のチャンスが少なかった地方の企業やBtoB企業、ベンチャー企業などもオンライン上で活発に採用活動をすることが可能です。
同時に、学生側から見れば多くの情報の中で会社選びをすることになります。
ほかの企業と並んだ時に魅力的だと思われるようなメッセージ性のある発信をしなければなりません。
どのようなメッセージを発信すれば会社の魅力が伝わるか、ターゲットの学生にそのメッセージは刺さるのかを考える必要があります。
自社の課題を解決できるような採用手法を取り入れる
母集団形成を成功させるためには、自社の採用課題を解決できるような採用手法をとり入れる必要があります。
目標とする採用のゴールを見据え、ペルソナに合った人材が獲得できるか、自社の魅力が学生に伝わるかなどを吟味し、自社に合った採用手法を見つけていきましょう。
先例をただ踏襲するだけでなく、目標を達成するためにはこれまで導入していなかった採用手法を始める必要もあるため、広い視野で情報収集をしましょう。
採用フローの見直しをする
採用フローの見直しは新卒採用活動において必要な工程のひとつです。
社内関係者に採用のプロセスを共有するだけでなく、採用活動の改善に役立てることもできます。
例えばエントリーはあるのに会社説明会やインターン、カジュアル面談へ参加する学生が少ない場合、学生とのやり取りのなかで問題が起こっている可能性があります。
採用活動の各工程での振り返りや改善を迅速に進めていく点においても、大きな意味を持ちます。
2.理系学生の特徴と就職活動スケジュール
大学院への進学率が高い理系学生は、文系学生とは違う特徴があります。
本章では、理系学生の特徴を就職活動スケジュールとともにご紹介します。
2-1.採用活動における理系学生の特徴
文系学生と比べ理系学生は数字に強く、論理的思考に長けている傾向にあります。
入社後も研究部門・商品開発・技術管理・情報システムなど、ここには書ききれないほど多くの活躍の場があります。
一方で理系学生は文系学生と比べ大学進学率が高く、研究室に属し過密スケジュールになりやすいため、新卒採用の難易度が高い点においては注意をしなければなりません。
理系学生の就職活動スケジュール
一般的に理系学生は就職活動を始めるのが早いといわれています。
大学3年生の春から動き始め、夏〜秋のうちにインターンシップを終わらせる学生が多いのが大きな特徴です。
大学3年生の冬には研究室訪問をし、どの研究室に所属をするか決める学生が多いです。
大学4年生になると取得するべき単位をほとんどとり、研究室に所属するようになります。
大学生活のほとんどの時間を卒業論文やそれに向けての研究活動に費やします。
また、就職活動と大学院進学準備を同時にすすめる理系学生も多いため、文系学生と比べると過密スケジュールになりがちなのが大きな特徴です。
中途採用と比べてスケジュールが決まっている新卒採用は、時期に合わせた動きが必要です。
時期ごとに見る理系学生の動き方
●大学3年生の6月~9月
忙しい理系学生にとって比較的落ち着いている時期のため、長期インターンシップに参加することが多い時期です。
採用市場の最新動向によれば、インターンシップへ参加する学生が増えているため、大学の夏季休暇までにインターンシップできる状況を整え、参加して求める学生にアピールする必要があります。
●大学3年生の10月~12月
授業への参加と並行して、引き続きインターンシップに参加する学生もいます。
夏のインターンシップに参加した学生が、引き続き業界研究や企業研究をしているケースが多いです。
より多くの情報を収集し、就職活動をすすめていきたいと考える学生が多いため、企業は学生が求める十分な情報をアピールできるようにすすめる必要があります。
●大学3年生の1月~2月
試験期間ですが、その合間で志望業界のイベントに参加する時期です。
志望業界が固まってくる時期でもあり、イベントで気になった企業の短期インターシップに参加したり、ジョブマッチングのイベントに参加したりする学生もいます。
さらに忙しくなる4年生になる前に動きたい学生は活発に活動をしている時期です。
●大学3年生の3月以降
広報解禁の時期に合わせて、本格的に就職活動を開始します。
一般的には会社説明会が盛んな時期ですが、学部や研究室の教授の紹介などで志望企業が固まっている場合はそのまま選考へとすすんでいくパターンもあります。
3.理系学生の母集団形成方法一覧|具体的な活用方法もご紹介!
論理的思考力があり、数字に強い傾向にある理系学生は、専門職種での活躍が期待されています。
しかし採用難易度が高く苦戦しやすいため、特に理系学生の母集団形成に課題感を感じている採用担当者も多いのではないでしょうか。
そんなお悩みを解決するため、本章では理系学生の母集団形成に効果的な採用手法をご紹介します。
3-1.理系学生向け新卒紹介サービス
- 特徴
・マッチング度合いをはかることができる
・日程調整の工数削減ができる
・学生の進捗把握がしやすい
・成功報酬型サービスのため採用コストのリスクが少ない
・理系学生採用のノウハウが無くても採用サポートを受けられる
新卒紹介サービスとは、自社が求める学生をエージェントに伝え、登録学生の中から条件にあった人材を紹介してもらうサービスです。
学生が内定承諾するまで料金がかからない成功報酬型のサービスとなっているため「採用できなかったのに無駄にお金がかかった」などといったリスクが少ないのが大きな特徴です。
理系学生に特化して新卒採用をしたい場合、理系学生向け新卒紹介サービスを活用することをおすすめします。
専門のエージェントが採用サポートを包括的におこなうため、理系学生の採用ノウハウがない企業も安心です。
- 理系新卒紹介サービスの活用方法
- 新卒紹介サービスは、企業と学生の間に仲介役のエージェントがいることが最大の強みです。
- その利点を活かし、エージェントを採用パートナーだと考えて自社の採用強化に活かしましょう。
- 学生が企業選びで気になってる点をエージェントからヒアリングし、面接に活用すると良いでしょう。
- 例えば、事前のヒアリングで学生が福利厚生面を気にしている場合、内容だけでなく実際に使っている人の割合や使う場面などを伝えることで、学生から魅力的に思ってもらえる可能性が高まります。
- エージェントから得た情報をフル活用した面接や対応を心がけると良いでしょう。
3-2.学生送客サービス
- 特徴
・予約学生へ前日参加の確認ができ、人的コストを抑えられる
・企業紹介や魅力促進により学生が企業理解を深めたうえで参加する
・成功報酬型サービスのため採用コストを抑えられる可能性がある
・自社の状況に合わせて学生1名から集客できる
学生送客サービスとは、人材会社に企業の会社説明会などのイベントに参加してほしい学生を送客してもらうサービスのことです。
成功報酬型サービスであるという点では新卒紹介サービスと似ていますが、使えるシーンと費用が発生するタイミングが異なります。
新卒紹介サービスは内定承諾で費用が発生するのに対し、送客課金サービスは学生がイベントへ参加した時点で費用が発生する仕組みです。
- 学生送客サービスの活用方法
- 学生送客サービスは、理系学生と接触する機会を作れる貴重な採用手法です。
- 自社の求める学生像に絞って集客をおこなうため、理系学生の興味を引くようなイベントに集客することで企業の魅力促進が期待できます。
- 学生と接触する貴重な機会を活かし、志望度アップに繋げましょう。
- また、イベントだけでなくインターシップへの送客も可能なため、専門性の高い業務内容で情報系学生・機電系学生など特定の学科からインターン生の募集ができます。
- 募集職種に合わせて活用することでマッチ度の高い学生と接点が持てるため、最終的な採用のコストダウンも狙うことができます。
3-3.そのほかの母集団形成方法一覧
理系学生の母集団形成と親和性が高い新卒紹介サービスと学生送客サービス以外の採用手法をまとめてご紹介します。
就職サイト(大手サイト・専門サイト)
学生のほとんどが登録しており、企業側も採用活動といえばまず1番初めに導入することが多い採用手法ではないでしょうか。
不特定多数での母集団形成が可能となっており、伝達できる情報量が多いことも特徴のひとつです。
理系学生の母集団形成をしたい場合、特に学生が欲しい専門性の高い情報を発信することが重要です。
例えば、具体的なキャリアパスを明示することによってほかの企業と差別化するなどの工夫が必要です。
結果として採用費用が抑えられることもありますが、社内ノウハウが少ない場合、会社の魅力訴求のためのページの作りこみで想定以上に工数がかかる場合があります。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは近年流行している採用手法です。
企業側から直接スカウトメールを送ることによってターゲット学生へ直接アプローチができることが大きな特徴です。
興味を持ってくれた学生の集客が可能で、工夫次第で採用単価を低く抑えられる場合があります。
理系学生の母集団形成のために利用する際は、直接コミュニケーションが取れる点を活かし、学生が取得している資格やスキルなどに着目したスカウトメールを送る工夫が必要です。
一方で企業側から直接学生へアプローチをおこなう仕組みのため、ほかの採用手法と比べて工数がかかる可能性があります。
イベント(オンライン説明会・学内説明会)
オンライン説明会や学内説明会などのイベントは、不特定多数の母集団形成が可能な採用手法です。
採用担当者と学生が直接接触できるため、志望度アップや魅力訴求の面で根強い人気があり、アフターコロナの現在においてはオンライン・オフライン両方を実施するハイブリッドな開催も増えてきています。
オフラインの会社説明会ではほかの企業のアピール方法のチェックができる数少ない機会でもあります。
理系学生に絞ったイベントの場合、属性に合わせた内容で訴求することが重要です。
また論理的で効率の良さを求める理系学生向けに、事前に説明会資料の配布をするなどの工夫も必要です。
そのほか自社採用ホームページ・ソーシャルリクルーティング・リファラル採用・大学訪問(研究室訪問)など、さまざま採用手法で母集団形成をする方法もあります。
理系学生採用においては特に学生目線で欲しい情報が伝わるように工夫をし、ほかの企業と差をつけたアプローチをする必要があります。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
理系学生の母集団形成は難易度が高く、多くの企業が課題を抱える採用分野です。
ほかの企業と差をつけるために自社を分析し、ターゲット学生へ会社の魅力を訴求しなければなりません。
新卒採用の変化が著しい昨今、理系学生の就職活動の動向も大きく変化しています。
そのため採用市場の変化とともに、企業の採用手法も見直すことが重要です。効果的な母集団形成をすることで採用活動成功へのスタートダッシュを切り、採用成功へと導いていきましょう。
新卒採用を通して企業成長のご支援を
一貫して人材紹介に従事しており、社長賞をはじめ多く賞を受賞。現在では、採用ウェビナーなどを通じて、複数企業様の採用支援にも携わっております。新卒採用に課題のある企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
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