新卒採用・中途採用違いを解説!|特徴・採用時期・メリット・デメリットなど
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中途採用
労働人口の減少が社会問題となっている現在、多くの企業が人材確保に頭を悩ませています。
また、人手不足を補うために新卒と中途採用のどちらで採用を進めるべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、
・新卒採用と中途採用の違い
・新卒採用と中途採用におけるメリット/デメリット
・採用活動の効率化のための方法
などをご説明します。
採用ニーズにあわせてご活用いただけますと幸いです。
- 採用決定後、入社前後に対応するべきことをご紹介!
チェックシート付なので社内で統一できる!
入社前後の必要書類や社内環境の整備、受け入れ態勢など、重要なポイントまとめた無料資料をダウンロードできます。
1.現在の人材採用市場を紐解いてみた
採用活動の入り口として大切となるのが人材採用市場の動向です。
採用担当者様が気になる現在の人材採用市場はどのようになっているのでしょうか?現状を紐解いていきましょう。
1-1.人材不足に陥っている採用市場の現状
帝国データバンクが出している人材不足に対する企業の動向調査※によると、2023年10月時点で52.1%の企業が経営課題として正社員の人手不足をあげています。
新型コロナウイルスの感染拡大によって一時落ち着いていた人手不足の問題が、アフターコロナへと移り変わる中、ふたたび経営課題として浮上してきています。
特に情報サービス業では72.9%となり、IT人材の不足感が目立っています。
また、非正社員では30.9%の企業が人手不足を感じています。
特に、コロナ禍によって人手不足感が緩和されていた飲食業や宿泊業でふたたび不足感が強まってきています。
※参考:帝国データバンク人材不足に対する企業の動向調査(2023年10月)
1-2.就職・転職市場、求人市場(人材の需要と供給)の割合は?
リクルートワークス研究所の第39回ワークス大卒求人倍率調査※によると、2023年卒の大卒者の求人倍率は1.58倍となり、昨年より0.08ポイント増加しました。
一般的に均等が取れているといわれる求人倍率が1.6倍ですが、従業員数が300人を超える大企業は、1.6倍を下回っており、従業員数5,000名以上の企業で0.37倍、1,000~4,999名で1.11倍、300~999名で1.12倍と買い手市場が続いています。
一方、従業員300人未満の中小企業では求人倍率が5.31倍と高倍率を出しており、アフターコロナの求人倍率増加を大きく牽引しています。
※参考:リクルートワークス研究所第39回 ワークス大卒求人倍率調査(2023年卒).pdf
2.新卒採用・中途採用の違いは?
採用活動をおこなう際、新卒採用をおこなうべきかそれとも中途採用をおこなうべきか…。
どのように決めたらいいのでしょうか?いくつかの観点から新卒採用と中途採用の違いをみていきましょう。
観点
・採用対象は?
・採用基準は?
・採用時期は?
・企業文化度合いは?
・給与はどう?
2‐1.採用対象
新卒採用は社会人未経験
新卒採用はその年に新しく学校を卒業する人の採用になります。
年齢制限はありません。
アルバイトは例外ですが、基本的には学校を卒業してから初めて社会で働く人のことをさします。
国の方針で卒業後3年までを新卒扱いとする企業が増えてきました。
そのため、卒業後3年以内は新卒として企業からも扱われます。
中途採用は社会人経験者
すでに社会にでた経験をもち、卒業してから3年以上が経過した人の採用になります。
年齢やスキルはさまざまで、幅広いスキルや実力をもった人材がいます。
また、新卒とはまた少し異なった名称で、転職市場にいますが社会人経験が3年未満で採用市場にいる人材を第二新卒という呼び方をする場合もあります。
2-2.採用基準
新卒採用はポテンシャル採用
新卒採用は、社会経験がないもしくは3年以内と短い人材になるため、即戦力としての期待は難しいです。
しかし、まだ若さもあり、今後働きながら経験を積むことでスキルを高めて会社に貢献してくれるという視点で採用をおこないます。
このように、採用時点ではポテンシャルを重視し、将来性を期待した基準での採用が多いです。
中途採用はスキル採用
中途採用は、1度は社会で働いた経験をもち、即戦力になる人材を採用することが多いです。
もちろん、年齢によりスキルとポテンシャルの比率が変わり、若い人ほどポテンシャル重視になります。
しかし、逆に30代や40代となると、教育やスキルを磨く時間もあまりとれないので、すでに持っているスキルを重視した採用になることが多いです。
2-3.採用時期
新卒採用は一括採用
新卒採用は通常、日本で学校の卒業時である3月の翌月4月から入社する一括採用が主流になります。
そのため、採用開始時期も入社の一年前である前年の3月や4月が指標とされています。
しかし、最近は人材不足対策や採用活動のルールが見直しされ、通年での採用も増えてきました。
また、一括採用も3・4月ではなく、1・2月から始まる企業も非常に多いのが現状です。
中途採用は不定期採用
中途採用は、あるポジションに人材が必要な時に、必要なスキルをもった人材を必要なだけ採用する必要があるため、不定期での採用になります。
通常、内定が決まった時点で採用は終わりますが、希望する人物像とマッチする人材を見つけるのが困難な現在は、通年で人材募集をおこなっている企業も多くなっています。
2-4.企業文化の浸透度合い
新卒採用は企業文化が浸透しやすい
新卒社員はアルバイト程度でしか企業の組織を経験していないため、経験が少なくその企業の色に染まりやすいという特徴があります。
企業文化が浸透しやすいため、企業がしたいことにあわせたキャリアプランを立てて企業の中核として育成することができます。
中途採用は自分が確立していることが多い
中途入社の社員は、すでに自分の働き方や考え方がある程度確立していることがあります。
これまでに働いた企業での経験があるため、働き始めてもすぐにその企業の色にそまらないこともあります。
そのため、自分で物事についてしっかり考え、意義を見出して仕事をすることできます。
また、自分が確立しているというのも、捉え方次第でさまざまな変わってきます。
企業にとっては、他社の企業文化を取り入れるチャンスともいえる一方、企業の文化を受け入れてもらえず、結果的に中途で採用されたの社員が働きにくい環境になってしまうこともあります。
2-5.給与
新卒採用は平均給与
新卒採用の場合は、高卒・大卒・大学院卒など採用条件により多少の差はあるものの、月給や年収はそんなに高くなく、一律同額である場合が多いです。
ポテンシャル採用とあったように、これからの期待を込めた給与となっています。
それほど高給ではないため、入社してすぐに力が発揮できなくても教育段階を経て徐々に実力をつけていきます。
そしてそれに伴って給与もあがっていく仕組みがあります。
中途採用はスキル次第
中途採用は、特に昨今の人材不足の影響もあり、スキル次第では高級になる傾向があります。
入社時のスキルによって給与が決まるので、どれだけ実力があるのかを見極めることが重要であるといえます。
低い給与を提示すると人が集まらない、一方で、あまり高給で採用してもリスクが伴うというように、給与をどうやって設定するのかも非常に悩ましい問題になります。
採用対象・採用基準・採用時期・企業文化浸透の違い・給与の面から新卒と中途を比較
比較項目 | 新卒採用 | 中途採用 |
採用対象 | 社会人経験 未経験 | 経験者採用も 可能 |
採用基準 | ポテンシャル採用 | スキル採用 |
採用時期 | 一括採用 | 不定期採用 |
企業文化浸透 | 企業文化が浸透しやすい | 前職の企業文化が浸透している場合もあり、自社文化に染まらない可能性もある。 |
給与 | 平均給与 | スキル次第 |
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3.新卒採用・中途採用をおこなう際のメリット・デメリット
新卒採用と中途採用の違いを多方面から見ていきました。
ここではどちらの採用をおこなうのか、選ぶ際に参考となるそれぞれのメリット、デメリットをご紹介します。
3‐1.新卒採用のメリットとデメリット
【メリット】
優秀な人材を将来の幹部候補生として育成できる
新卒採用では、ポテンシャルが高い優秀な人材を獲得しやすく、育成する期間も十分あるので、将来の幹部候補生を育てやすいです。
また、同期とのつながりも強くなり、お互いに切磋琢磨しあえるため、ポテンシャルを十分に生かせる可能性が高くなります。
年齢構成のバランスを保つことができる
長期的に安定した経営を考えると、毎年、新しい人材が入ってくることは大きなプラスになります。
スキルが高いベテランばかりの会社では、ベテランが定年を迎えるとスキルの継承が難しく、経営が困難になってしまいます。
新卒採用を毎年おこなうことによって、社員の年齢構成のバランスがとれ、企業の安定した成長につながります。
採用活動の費用を抑えることができる
新卒採用では、「採用活動をおこなう時期」「入社する時期」「研修をおこなう時期」が決まっているので、これらを新卒入社の社員全員をまとめておこなうことができます。
仮に100人入ってきたとしても、同時に研修などをおこなえるため、その分のコストを抑えることができます。
【デメリット】
採用にかかるプロセスが多い
新卒採用は企業にとって一大イベントですが、注力しなければいけない期間が非常に長いです。
就活セミナーや会社説明会から内定式や研修まで含めると1年以上かかってしまいます。
また、最近は通年採用が進行していることから2年もしくは3年間の採用を同時期に進行しなくてはいけなくなるときもあります。
即戦力は期待できない
社会人の経験がないため、最初は企業研修から始まります。会社に貢献という前に、社会人としてのマナーや会社の規則、サービス内容などの知識を会得する必要があります。
そのあとで、ようやく会社に貢献できるために必要な知識を蓄積していくことになるので、最初から企業の利益をあげるということは非常に困難といえます。
入社後のミスマッチが発生するリスクが高い
新卒者は初めての仕事につきます。
当然ながら、入社前のイメージと入社後の実際の業務にはギャップがあります。
社会人経験があれば、ある程度予想することができますが、新卒者にとっては、そのミスマッチのダメージが大きく、早期離職してしまうことも多いです。
新卒採用のメリット・デメリットまとめ
メリット | デメリット |
・優秀な人材を将来の幹部候補生として育成できる ・年齢構成のバランスを保つことができる ・採用活動にかかる費用を抑えることができる | ・採用にかかるプロセスが多い ・即戦力は期待できない ・入社後のミスマッチが発生するリスクが高い |
3-2. 中途採用のメリットとデメリット
【メリット】
即戦力が期待できる
中途採用の場合、企業が求めるスキルをもった人材を採用するケースが多いため、入社してから会社に慣れさえすれば、すぐに戦力としての活躍が期待できます。
また他社での経験をとりこむこともでき、自社にないノウハウを企業に拡散することもできます。
研修が不要
社会人の経験があるため、基礎的なマナーなどは備えているといえます。
同業種で働いていた人ならば、業界のことについての教育も不要になるので、研修、教育にかかる費用を大幅に抑えることが可能です。
採用までのプロセスを簡略化できる
中途採用の場合、会社説明会などをおこなうこともありますが、転職エージェントなどを活用した場合には、最初に連絡をとってから早ければ1ヶ月程度で内定まで完了させることができます。
短期間で人材を獲得することができるので、急な人員増員や欠員の補充に対応できます。
【デメリット】
ミスマッチが発生した際のダメージが大きい
中途採用の場合、ある程度即戦力を期待しての採用です。
すでに社会人としての経験もあるため、ミスマッチが発生すると再教育している時間もなく、期待した結果を得ることができません。
その割に新卒採用よりも給与水準が高いため、企業としては大きなダメージになってしまいます。
独自のやり方にこだわる傾向がある
自分の働き方がある程度確立しているため、これまでの経験をもとに仕事を進めてしまうケースがあります。
会社のやり方にあわせず、自分なりにおこなった結果サービスをうまく伝えられないという可能性があります。
すぐに転職してしまうリスクがある
転職を経験している人は、転職に対する抵抗も少なく、すぐに再度転職をしてしまうケースが増えています。
性格の問題であったり、仕事が合わなかったり理由はさまざまですが、特に複数回の転職を経験している人は再度転職する傾向が高くなります。
新卒採用のメリット・デメリットまとめ
メリット | デメリット |
・即戦力が期待できる ・研修が不要 ・採用までのプロセスを簡略化できる | ・ミスマッチが発生した際のダメージが大きい ・独自のやり方にこだわる傾向にある ・すぐに転職してしまうリスクがある |
ここまで中途採用のメリットとデメリットについて解説をおこないました。
中途採用は採用までのプロセスを簡略化できる、研修が不要といったメリットがありますが、入社前後の手続きやフォロー体制を確認しておく必要があります。
企業側の受け入れ体制を整えておくことで、入社前後の手続きをスムーズにおこなうことができます。
また、配属部署だけでなく企業全体で新入社員を迎え入れる準備をおこなうことで、早期離職防止の効果につながります。
ぜひ入社前後の必要書類やどのように社内環境を整えておく必要があるのか確認しましょう。
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4. ニーズ別採用手法(ケーススタディ)
新卒採用と中途採用のメリット、デメリットについてまとめました。
参考にしていただければ幸いですが、実際に新卒と中途人材のどちらを選んだらよいか、まだイメージしにくいかもしれません。
企業によって求める人材が異なるため、絶対にどちらが良いとは言えませんが、採用をおこなうときにはどちらかを選ぶ(両方を選ぶという選択肢もあるが人数バランスなどを考える必要がある)必要があります。
そこで、企業のニーズの例をあげて、どちらの採用が良いのかケーススタディしてみましょう。
4-1. 将来を見据えての採用は新卒採用
今の事業を将来も継続しておこなっていく場合は、若い人材の獲得が必須です。
若い転職者すべてが同じではありませんが、短期間で転職を考える人よりも、事業拡大を自分がおこなうことに意味を見出すような若い人材を採用したい場合は新卒採用がおすすめです。
新卒採用の中でも知名度が高いマイナビ・リクナビなど学生が多く集まるサービスを使って優秀な若手を獲得し、教育することで企業の将来を担う人材育成が可能になります。
4-2. 希少人材を自社で育成するなら新卒採用
理系の特殊職種などは、そもそも母数が少なく、採用したいと転職市場を探してもいないことが多いです。
すでに特定職種の社員がいる場合は拡大にあたって新卒採用をおこなうことも手段の1つです。
未経験者であっても企業の社員がイチから育成することで数年後には自社の希少人材として育つでしょう。
しかし、そもそも自社にそういったスキルを持った人材がいない場合や、新卒採用である程度スキルのある人材が欲しいという場合には、すでに理系大学との繋がりを持っているエージェントを活用することもおすすめです。
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4-3. 即戦力が必要な場合は中途採用
即戦力が必要な場合は中途採用がおすすめです。職務経歴書を確認し、ターゲットとしている人物像とのマッチ度が高ければ高いほど即戦力が期待できます。
即戦力となる中途採用をおこなう場合は、転職エージェントなどの紹介サービスがおすすめです。
即戦力を必要としている場合、どこの部署のどんな人材が必要かが明確になっているため、ターゲットを伝え、ターゲットとマッチした人を探してくれるのがエージェントなどの紹介サービスです。
このようにニーズが明確になっている際は、ピンポイントで人材を紹介してくれる紹介サービスがおすすめです。
4-4. 組織改革がしたい場合は中途採用
組織を新しくしたい場合、リーダーが必要であったり、新しいスキルをもった人材が必要になります。
そのような場合は、中途採用がおすすめです。
職務経歴書にて過去の業績を確認することができるだけでなく、管理職経験がある人材ならばマネジメントのノウハウについても意見交換しながら最適化を図ることができます。
組織改革をおこないたい場合は、管理職など少し高レベルな人材を求めて、採用をおこなうことがおすすめです。
単なる中途採用ではなく、マネジメントに特化した管理職、エンジニアとしてあるスキルに特化した技術者の獲得には人材紹介サービスがおすすめです。
5.まとめ
人材獲得方法は主に大学卒業から3年以内の人材を獲得する新卒採用とすでに社会人経験をもつ人材を獲得する中途採用があります。
新卒採用は、大学を卒業したてということもあり、教育が必要になりますが、定年までの期間も長く、自社風土にあわせて教育することでそのポテンシャルを生かして企業への貢献が期待できます。
中途採用は、すでに社会人として経験も持ち、業界に詳しい、技術スキルをもっているなど、長期的な教育は不要でもすでに企業が求めるスキルを身に着け、即戦力として期待ができます。
自社にとってどのような人材が必要かという点で、新卒か中途採用かを選択する必要がありますが、それぞれのメリット・デメリットにも目を向けて採用活動をおこなう必要があります。
採用活動で新卒を採用するか、中途を採用するか悩んだ時に本記事が参考になれば幸いです。
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2009年に新卒でネオキャリアに入社後、営業からマネジメントまで多岐に渡りトップレベルの業績を残し事業部長に就任しました。 「顧客視点」を第一に考え、市況感を先読みした革新的なアイデアで採用成功まで導きます。
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