新卒採用で中小企業が抱える課題を解決する4つのポイントとは?
- 新卒採用
- 求人サイト
- 採用コストの削減
- 採用ミスマッチの低減
- 採用工数の削減
- 採用戦略の立案
- 母集団形成・ターゲットからの応募確保
- 自社の魅力付け
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新卒採用

中小企業の新卒採用担当者の中には、「学生は就職する会社を知名度で決める」「中小企業の採用競争力は大企業に比べると負けている」など、新卒採用に関する悩みを抱えている方も多いと思います。
今回は、中小企業の新卒採用に注目し、「中小企業が新卒を採用するポイント」や「中小企業向けの新卒採用サービス」を紹介していきます。
目次
1.中小企業の採用動向・課題
中小企業は採用が難しいといいますが、実際にはどうなのでしょうか。また現状の市場動向をふまえ、中小企業が抱える採用課題についてみていきます。
1-1.中小企業と大手企業の有効求人倍率の違い
引用「第37回 ワークス大卒求人倍率調査(2021年卒)|リクルートワークス研究所」
新卒採用の競争が激しくなっている昨今、中小企業は大企業に比べて、新卒を採用することが難しい状況にあります。
リクルートワークス研究所によると、ここ10年5,000人以上の大手企業の求人倍率は1倍以下と採用がしやすい状況である一方、300人未満の有効求人倍率は、常に3倍以上を推移しています。コロナウィルスの影響により超売り手市場であった2020年卒の8.62倍よりは下がりましたが、21年卒採用においても「3.40倍」と依然として採用難であることが分かります。
1-2.中小企業が抱える課題
母集団が集まらない
「大企業の知名度には勝てない」という点で、悩みを抱えている新卒採用担当者も多いのではないでしょうか。日本国内に数百万の企業があるなかで、学生が日本国内すべての企業を知ることは容易ではありません。
新卒を採用するために、就職サイトで学生を募集しても、他の求人に埋もれてしまう可能性が大きいことが、中小企業の採用課題です。多くの学生に出会う方法よりも、ターゲットとなる学生に確実に会う方法が、重要だと考えられます。
採用コストがかけられない
大企業が採用全体にかける費用は中小企業と比べて、大きく異なります。
上場企業と非上場企業の比較となりますが、マイナビが公表した新卒採用の予算について調査結果によると、上場企業では採用費の総額平均が約1,237万円、非上場企業が約372万円と大きな差があります。
新卒採用に費用がかけられない企業では、効率的な新卒採用を意識することが重要ではないでしょうか。
人員不足で採用に満足な時間が確保できない
新卒採用だけでなく、中途採用や労務・人事管理など、マルチタスクをおこなっている担当者が多いのも中小企業の特徴です。新卒採用や中途採用など採用業務においてはできる限り早いレスポンスが求められます。しかし業務タスクが多すぎることで大切な機会を喪失してしまっている可能性もあります。
ひとりでタスクを抱え込まずに外部委託するなど、柔軟な対応が必要かもしれません。
内定辞退が多い
せっかく内定を出したにも関わらず、毎年内定辞退が発生してしまうというケースもあるのではないでしょうか。6~8月頃の内定辞退の場合には大手企業とのバッティングなどが考えられますが、それ以外の時期や内定式後の辞退などの場合には、内部事情に問題がある可能性があります。
学生とのコミュニケーションが不十分にとれているか、自社の魅力を十分に伝えられているか、内定者が自社で働くイメージを描けているかなどを再確認することも大切です。
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2.学生の志向|中小企業が意識するべきことは?
現在の学生はどのように就職先の会社を選んでいるのでしょうか。学生の志向性をもとに、中小企業が採用するため意識すべきことを考えていきます。
2-1.学生は大手志向?中堅・中小志向?
引用「マイナビ2021年卒大学生就職意識調査|株式会社マイナビ」
中小企業の採用担当者は、「最近の学生は大企業志向だから、なかなか中小企業を受けてくれないのでは」と悩まれている方もいらっしゃるかと思います。
マイナビ大学生就職意識調査によると、
「中小企業がよい」「自分のやりたい仕事ができるのであれば中小企業がよい」と答えた学生:全体の41.1%
という結果がでました。21年度卒の55.1%という数字は、大手企業志向は01年度卒以降過去最高の数字となり、本年度はより例年以上に大手志向であることがわかります。
先行きの見えない日本経済に対し、学生が将来に不安を抱えていることが一つの要因と考えられます。
大手志向が進む一方で、4割の学生が「中小企業がよい」と回答しています。また大手企業を志望していたとしても決して全員が大手企業に就職できるわけではありません。
では、学生は就職時に何を求めて就職先を選ぶのでしょうか。
2-2.学生の就職志向性|中小企業が意識すべきこととは?
マイナビ大学生就職意識調査のデータをもとに21年卒学生の会社選びにおけるポイントや志向性から中小企業がやるべき対策を考えていきます。
※下記「マイナビ2021年卒大学生就職意識調査|株式会社マイナビ」のデータを引用しています。
あなたの「就職観」に最も近いものはどれですか。
楽しく働きたい | 38.5% |
個人の生活と仕事を両立させたい | 13.7% |
人のためになる仕事をしたい | 13.7% |
自分の夢のために働きたい | 10.6% |
社会に貢献したい | 5.5% |
プライドのもてる仕事をしたい | 4.7% |
収入さえあればよい | 4.5% |
出世したい | 1.1% |
大前提「仕事は楽しく!」と考えている学生が多いようです。またプライベートとの両立や社会のために頑張りたいという意欲やモチベーションで就職活動をしていることがうかがえます。
一方で、「お金のためだけ」や「出世したい」という願望は今の学生には少ないようです。
・会社の雰囲気を伝える、既存社員との接点を作るなど会社の雰囲気を伝えることのできるコンテンツも用意する
- 言葉だけで伝えようとしていませんか?
- 自社の魅力を伝える手段が「人事担当者の説明だけになっていませんか。動画を活用することで学生の理解度・志望度をアップさせることができます。
企業選択をする場合、どのような企業がよいと思いますか(2つ選択)
安定している会社 | 38.3% |
自分のやりたい仕事(職種)ができる会社 | 35.9% |
給料の良い会社 | 19.8% |
勤務制度、住宅など福利厚生の良い会社 | 12.8% |
働きがいのある会社 | 12.7% |
これから伸びそうな会社 | 12.6% |
社風が良い会社 | 11.3% |
休日、休暇の多い会社 | 10.8% |
「大手志向=会社の安定」を求めています。中小企業であっても老舗企業や業績の良い会社安定している企業は多くあります。大手志向の学生には特に、会社の業績や今後の事業展開などを通し、安定して働ける会社であることを紹介することは大事なポイントです。
また、「やりがいをもって働ける会社」を希望している学生が多いことが学生の本音です。学生は社会で働いたことがないので会社で働くイメージがつきにくものです。会社説明会では具体的な仕事内容を紹介し、「やりがいをもって働ける会社」ということを、積極的に訴求することが新卒採用成功のポイントかもしれません。実際働く社員に協力してもらい、コミュニケーションをとれる場を設ける。難しい場合は、動画撮影などをおこなうなど「イメージしやすい」ものを取り入れるとよいでしょう。
会社説明会だけでは不十分だと思う場合は、インターンシップの導入も効果が期待できます。
・インターンシップの導入も検討する
行きたくない会社があるとしたらどんな会社?(2つ選択)
ノルマのきつそうな会社 | 34.5% |
暗い雰囲気の会社 | 29.5% |
休日・休暇がとれない(少ない)会社 | 23.4% |
転勤の多い会社 | 22.7% |
仕事の内容が面白くない会社 | 19.6% |
残業が多い会社 | 14.0% |
給料の安い会社 | 11.9% |
大学・男女差別のありそうな会社9.9% | 9.9% |
財務内容の悪い会社 | 7.7% |
歯車になりそうな会社 | 4.3% |
この項目に関しては仕事内容などにより改善できない点もあるかと思いますが、改善の余地があればぜひ検討してみましょう。
「暗い雰囲気の会社」などの判断基準は難しいですが、「笑顔がない」「既存社員があいさつしない」「働いている人たちが楽しそうではない」「愚痴が多い」などが暗い雰囲気だと感じることが多いと思います。
会社の雰囲気を作るのは一人ひとりの社員です。客観的目線でみて改善が必要だと思う場合は、社内研修などから始める必要があります。
待遇面(福利厚生・給与・休日休暇・社風など)の変更は難しいことが多いです。しかし新卒は人財です。(もちろん既存社員も)。
将来の会社経営・事業存続・拡大のための投資だと捉え、前向きに検討していただきたいです。新卒のみならず既存社員の離職防止につながるかもしれません。
・待遇面の改善が可能であれば、将来への投資ととらえ、前向きに検討する
3.中小企業が新卒採用を成功するポイントとは
以上を踏まえた上で、実際に大企業に負けない新卒採用をするためには、他にどのようなポイントに注意して採用を進めていく必要があるのでしょうか。
「ターゲット」「地域」「アプローチ方法」「採用ツール」の4つにわけてまとめてみました。「なにから手をつければいいのかわからない」という採用担当者の方は是非参考にしてみてください。
3-1.ターゲットを明確にする
「良い学生がなかなか採用できない」とお悩みの方も多くいらっしゃるとおもいます。では、貴社にとっての「良い学生」とはどういった学生を指すのでしょうか?
「良い学生を採用する」というゴール設定だけでは採用基準が曖昧になり、結果、採用活動を成功させることができなくなってしまいます。
採用したい学生のイメージを固めるにも、まずは自社の環境を見つめ直し、それを踏まえた上で「自社にあった人材はどのような人物どうなのか」を明確にすることが大切です。ターゲットを明確にすることで、採用したい人物に向けた訴求を打ち出すことができます。自社が求める学生がどのような訴求で魅力を感じるのかを把握していくことが重要になります。
ターゲットはできる限り具体的にすることをおすすめします。現在社内で活躍しているメンバーを参考にするとよりイメージしやすいでしょう。ターゲットの明確化が難しい場合は、適性検査などを導入することもよいでしょう。自社内のメンバーに受講してもらいそのデータを新卒採用の見極めのポイントの一つにしてみるとマッチングの高い採用につながる可能性があります。
・自社の環境を見つめ直し、自社にあった人材はどのような人物どうなのかを明確にする
・自社が求める学生がどのような訴求で魅力を感じるのかを把握する
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3-2.採用エリアを広げる
地方学生が関東地方に比べて、「大企業志向」が少ないというデータもあります。
引用「マイナビ2021年卒大学生就職意識調査|株式会社マイナビ」
マイナビ2021年卒大学生就職意識調査によると甲信越・北陸・中国地方においては中堅・中小企業志望者の方が多いことがわかります。地方には大手企業が少ないため地元の中堅・中小企業で働きたい。と考えている学生が多いという側面もあるでしょう。とはいえ、企業規模にこだわらないという志向であることには変わりありません。
現時点で、都市部の激しい採用競争にお悩みの採用担当者は、ぜひ「地方」へ目を向けてみてはいかがでしょうか。
しかし、地方で新卒採用をする場合、地方での説明会や移動に費用がかかるなど、「お金と時間がかかる」というのが一つの悩みどころではないでしょうか。
そのようなお悩みを解決するために、地方学生に特化した人材紹介サービスを活用してみるのもいいかもしれません。
その他にも、近年はWeb説明会などインターネットを介した集客もおこなわれています。
・地方学生が関東地方に比べて、「大手企業志向」が少ない
・地方学生に特化した人材紹介サービスを活用する
・地方面接にはWeb面接などを活用する
3-3.アプローチ方法を変える
「就職サイトで学生を募集してもマッチした人材が集まらない」「就職サイトの違いがわからない」という採用担当者の声をよく聞きます。確かにリクナビやマイナビの就職サイトを利用することは、新卒採用の王道な方法です。
しかし、大手企業も含め多くの企業が活用する就職サイトにただ掲載するだけでは、認知度ない中小企業では、他社原稿に埋もれてしまい、期待どおりの母集団をあつめることは容易ではありません。難しいでしょう。
近年は、就職サイト以外にも、「ダイレクトリクルーティング」や「人材紹介」「中小向け合同説明会」「リファラル採用」「SNS採用」など就職サイト以外の採用手法が多くあります。
本当に就職サイトが一番自社にあった方法なのか。今一度検討してみてはいかがでしょうか。
・就職サイトは不特定多数にアプローチするため、求める人物像に会えない可能性がある
・新卒紹介/ダイレクトリクルーティング/リファラル採用/中小企業向け合同説明会など就職サイト以外の採用手法を検討してみる
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3-4.採用ツールの拡充
中小企業採用の大前提として、多くの学生は企業のことを知りません。企業を知る→興味を持つ→働くイメージを描く→楽しそう→働きたい。と興味関心度合を上げていくことになります。
そこで重要なことは「企業を知る→興味を持つ→働くイメージを描く」というフェーズで学生をつかまえらるかどうかです。そのためには採用ツールを拡充しておくことが重要です。
採用ホームページ
学生が「興味を持つ」ためのファーストステップは、「ホームページ」です。ほぼすべての学生の企業情報収集手段は「ホームページ」です。気になった会社があれば必ずホームページをチェックします。まったく無名の中小企業の場合であれば、ホームページの印象で興味関心度合が変わります。ここ数年更新をしていない、どこにも採用情報が掲載されていない、事業内容や仕事内容が分からないホームページになっていませんか?
ホームページに訪れた学生の興味や意欲を掻き立てるような内容やデザインにリニューアルすることは母集団形成をおこなう上で最も重要なポイントです。
採用動画
働くイメージをつけるためには文章だけではなく映像など具現化されたものの方がわかりやすいです。現在採用動画などをYouTubeや採用ホームページなどに掲載する企業も増えています。地方に住んでいるなど会社説明会に参加できない学生に対しても採用動画を通じて興味を持ってもらうことができます。その他にも他社と迷っている学生に対して魅力付けする一つの要素となります。
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4. 中小企業の新卒採用向けのサービス
採用にかけられる資金や人手が限られている中小企業は「効率的な採用方法を選択すること」が非常に重要です。
そこで、以下では中小企業の採用ポイントである、「広告だけでは母集団形成が難しい」「ターゲットの学生に会いたい」「地方学生にもアプローチをしたい」「人手不足を解決したい」「内定辞退を減らしたい」といった悩みを解決できるサービスを紹介致します。
4-1.就職サイト
【解決できる課題】▶認知度アップ ▶母集団形成ができない
※認知度が低い場合、マイナビ・リクナビのような誰もが活用する就職サイトに掲載しておくことにより、安心感と認知度アップの効果が期待できます。
4-1.新卒紹介
【解決できる課題】▶ターゲットの学生に会えない▶採用工数が足りない
新卒紹介サービスは、エージェントが企業のターゲットにあった学生を紹介してくれるサービスです。
21年卒の就活生との接点をつくることができるだけでなく、企業の欲しい人材像をエージェントに伝えることで、理想のマッチングを実現します。工数をかけずに少人数の採用を確実に採用したいと考えている企業様におすすめです。
4-2.ダイレクトリクルーティング
【解決できる課題】▶ターゲットの学生に会えない
ダイレクトリクルーティングは、採用したい学生に対し、メールなどで直接アプローチをかけることのできるサービスです。コストを抑えて採用したいと考えている企業様におすすめです。
- LaboBase(ラボベース)|国内最大級の理系学生データベース
上位校学生の3人に一人が登録する、理系学生特化型ダイレクトリクルーティング!
「LabBase(ラボベース)」はデータベース上に登録された学生の研究内容やスキルを見て、気になる学生に企業からスカウトを送ることができる理系学生に特化したダイレクトリクルーティングサービスです。 一般的な就職サイトに比べて今までリーチしづらかった、優秀で専門性を持った理系学生に直接アプローチすることが可能です。
4-3.合同説明会
【解決できる課題】▶母集団形成ができない ▶ターゲットの学生に会えない
合同説明会は、就活生と採用担当者様がリアルに出会える場です。特に中小企業の場合は、自社を知ってもらい、企業の魅力を直接伝えることのできる唯一の場です。1度に多くの学生に直接会いたい!効率的に採用活動をおこないたいと考えている企業様におすすめです。
4-4.採用アウトソーシング
【解決できる課題】▶人員不足で採用に満足な時間が確保できない ▶内定辞退が多い
採用アウトソーシング(RPO)や人材派遣などを活用することで、採用のコア業務に専念することができます。マルチタスクを抱えている担当者におすすめです。
す。コストを抑えて採用したいと考えている企業様におすすめです。
4-5.採用ツール
【解決できる課題】▶母集団が集まらない ▶内定辞退が多い
採用ツールは学生の企業理解を深めるために重要なツールです。採用ホームページは会社の顔であり、学生のファーストコンタクトは採用ホームページとなります。また採用動画は志望動機や働くイメージをつけるためにも重要なツールです。
- 採用サイト・ホームページ作成
採用に繋げる、サイト・ホームページ作成のサポートをします!
興味を持った学生が、webサイトや口コミサイトで企業の情報収集をすることが当たり前になっているネット社会である現在、充実したwebサイトがあることは、企業の採用活動において大きなメリットです。
オリジナルのWebサイトでは自由にサイト構成をし、多様なアピールポイントを学生に見せることが可能。昨今トレンドのIndeedに対応したホームページ制作も可能です。
- 採用動画作成
動画を通して企業のことを正しく理解してもらうことで、応募者とのマッチング度の向上に!
インタビュー動画や仕事紹介動画などを用意することで、より具体的なイメージを抱けるようになります。自社の知名度を上げたい、新製品をPRしたい、見込み顧客を増やしたいなど、目的によって採用動画の作り方が異なります。採用動画を作成する目的をはっきりさせることが重要です。
5.まとめ
いかがでしょうか。
近年、学生の大手志向は増加傾向にありますが、大手に入社できる人材はごくわずかであり、中小企業の採用は決して勝ち目のないものではありません。
学生の志向を理解した上で、中小企業ができる施策をしっかり取り入れ、自社に合ったサービスをうまく活用し、自社の魅力を伝える努力と体制を整えれば、中小企業の採用も明るいものになるでしょう。
本記事が少しでも多くの中小企業の採用成功につながることを願っています。

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