採用サイトを制作する際、気になるのが制作料金とその効果です。最近は、採用サイトを無料で作ることが可能なツールなども登場しています。
無料で作成するサイトと有料で制作するサイトの違いはなんでしょうか?採用サイトを制作する上で、一般的な費用や内容の相場を知っておけば比較検討することも可能です。
今回は、採用サイトの制作にかかる料金の相場やポイントをご紹介します。
目次
料金の詳細を先に確認したい方はこちらから
目的 | 相場 | 発注先 | 制作期間目安 |
安価にまずは作成してみたい | 無料~10万円以下 | 採用サイト構築サービスの利用(自分で作成) | 1週間~1ヶ月 |
必要最低限のコンテンツが揃った 採用サイトを作成したい |
10~50万円 | 中小規模の制作会社 | 2週間~1.5ヶ月 |
オリジナルデザインでコンテンツを 1から作成したい |
50~150万円 | 中小規模の制作会社 | 1ヶ月~2ヶ月 |
採用管理ツールと連携した 採用サイトを作成したい |
150万円以上 | 中小・大手含めた制作会社 | 2ヶ月~4ヶ月 |
採用管理ツールと連携した 採用サイトを作成したい |
月額0円~ | 人材会社・管理ツール販売会社など | 1週間~ |
1. 採用サイト制作の相場・料金の概要
採用サイトは制作にかける費用によって、仕様や機能面が異なってきます。料金毎の特徴やメリット・デメリットを比べていきます。
無料〜10万円以下の相場
初めての場合で高額なサイトを作るのに不安がある、自社で採用サイトを作る自信があるなど、まずは無料で試してみたいと考える企業向けです。
10万円以下の特徴
とにかく安く、費用を抑えて作成する場合の費用観です。機能やデザインについては制限が発生することもあり、多くの場合にはデザインテンプレートなどから選んで作成することが多いでしょう。
メリット
- 費用を抑えることができる
- 短期間での作成が可能
デザインテンプレートなどが用意されているため、取材や撮影などを省くことが可能なため最短1日でも作成可能です。また、Webサイト作成サービスのアカウントを自社で持つことで、実装されている機能内で自由に設計ができることもあります。
デメリット
- デザインテンプレートを用いるケースが多く、さまざまな制限がある
- 工数が非常にかかる
デザインテンプレートのため、ゼロから自由に作成するのはできないことがほとんどです。クラウドサービスなどの場合には無料プランを利用すると広告が表示されるなどの制限がかかることもあります。また、自社でデザインや掲載内容の文章作成などほとんどの作業をおこなう必要があるため工数が非常にかかります。
10万円〜50万円以下の相場
10万円~50万円の相場ですと、制作会社によってはパッケージプランを用意をしている場合も増えてきます。
特徴
採用サイトとして、必要最低限のコンテンツを組み込みたい場合の費用観です。50万円近くの料金になると、決まったテンプレートではなくオリジナルのデザインを制作会社に作ってもらうことも可能な場合があります。デザインや構成の自由度のある採用サイトを作りたい企業におすすめです。
制作期間については、ページ構成やデザインをどれくらいの分量実施するかによって変わってきます。平均では、約1ヶ月半~2ヶ月程度くらい見ておけば間に合うでしょう。
メリット
- 一般的なページ構成・数で作成が可能
- デザインも多少自由に選ぶことが可能になってくる
10万円以下のサイトよりもページ数が増えたり、オリジナルデザインを使えるようになったりなどできることが広がります。制作会社によっては、あらかじめパッケージ化されていてページの構成やデザインなどを手軽に選ぶことが可能な場合もあります。
デメリット
- 取材費を含んでいないケースが多い
- 自社でもある程度工数をかける必要がある
プロのカメラマンやライターを使用する取材費は高額なため、この価格帯の場合には取材費が含まれていないことがほとんどです。原稿作成や画像をプロのものが使用したい企業は自社で手配することも検討しましょう。
また、工数についても自社で原稿を用意する場合にはある程度かかることを覚悟しておきましょう。費用を抑えるためには、採用担当自身が手をかける必要があります。
50万円〜150万円以下の相場
採用サイトとして充実したコンテンツを組み込むことが可能な価格帯です。
特徴
この価格帯では、社員紹介やインタビュー記事、オリジナルの写真を使って採用サイトから会社の雰囲気をわかってもらいたいと考える企業におすすめです。オリジナルのデザインが作成可能で、原稿や画像も取材撮影の上、制作会社が用意することができます。価格帯の幅が大きいのは、コンテンツの自由度が大きくなり、その分コンテンツの内容や量によって見積が大きく変わるためです。
メリット
- コンセプトに合わせたオリジナルのサイトを作成が可能
- 取材撮影をほとんどの場合で実施するため、質の高いコンテンツ作成が可能
制作会社が丁寧にヒアリングから実施してくれる場合が多く、自社の採用コンセプトや企業文化に合わせたサイトの制作が可能です。また、この料金になると取材撮影もしっかりとおこなってくれるため1つ1つのコンテンツの質も高い内容で作成ができます。
デメリット
- 取材撮影やサイト内のデザイン内容によって費用に開きがある
- 制作期間を事前にしっかりと見積もる必要がある
どのような採用サイトを作りたいのかやコンセプトを明確にしておかないと、想定していたよりも高額な料金になってしまうこともあります。また、取材撮影をしっかりとおこなう分制作期間もある程度しっかりと見積もっておく必要があります。
150万円以上の相場
50万~150万円以上との違いはサイト全体のボリュームが多かったり、サイト内に動画を埋め込んだりすることが可能となります。また、随時サイト内の更新を自社で対応可能なCMSを導入すすることなどもできる金額です。
特徴
自社の社風はもちろんのこと、採用戦略全体を絡めたコンサルティングなども含めて対応が可能な金額です。随時コンテンツの更新をおこなうコンテントマネジメントシステム(CMS)なども導入してブログなどを設置する場合や、採用サイト用の動画コンテンツを付けることなどもできるようになります。制作期間については、手間がかかる分2~3ヶ月程度見ておく方がよいでしょう。
メリット
- さまざまな仕様を検討することが可能
- 採用だけでなく会社全体の戦略を反映させたものなども作成が可能
特徴でも触れたようにサイト内にさまざまな機能を実装することも予算によっては可能です。最近では、動画を埋め込んだりすることが流行っています。また、採用だけでなく会社全体の戦略に合わせて設計することができ、採用戦略なども作り込んでくれる場合もあります。
デメリット
- 制作期間が長めにかかる
- コンサルティング費用がメインになるため、業者選定に注意が必要
採用戦略やフルオリジナルデザインで作成するため、デザインテンプレートから選ぶ場合と比べ制作期間が長くかかります。また、費用の多くはコンサルティング部分にかかるようになります。そのため、納品物のイメージが違うなどのトラブルを回避するためにも制作実績が豊富な業者へ依頼する方がよく、業者選定が大切です。
月額制採用管理ツールの相場
採用管理ツールは、採用サイトや求人サイトと連携させて応募者の管理をできるものが多数あります。自社に合ったもので、用途に応じて使い分けをすることがおすすめです。
無料
0円で利用が可能なものは、機能が制限されている場合が多くなっています。ただし、一般的には求人票の作成、自社のサイトとの連携はある程度無料でできるケースが多くなっています。
1万円~5万円
月額料金が少額で済むものの多くは中小企業向けに開発されているケースが多くなっています。応募者数の確認の上限ががあるものや、IndeedやGoogleしごと検索と連携できるものがあります。
5万円~
月額料金が5万円以上のものは、応募数が非常に多い企業に向けたタイプのものや採用サイト・求人サイトと連動が可能など機能面がそれ以外の料金相場のものよりも充実している傾向です。
オプション機能も追加料金で豊富に対応していたりするものもあります。
2. 採用サイト制作会社の料金・費用の事例
実際に採用サイトを制作会社に依頼する場合の料金事例を紹介します。
フリーランスの料金表
採用サイトをフリーランスでゼロから制作してもらうケースは多くはありません。サイトのコンテンツは、インタビュー取材や画像、原稿作成などの準備、作業が多岐にわたるため、一人でおこなうのは難しいためです。
採用サイト全体を制作してもらうことは難しいですが、サイトのデザインやコーディングなど部分的な作業であれば、フリーランスでも対応してもらうことが可能です。
その場合、通常のホームページ作成と同じような相場になります。
小・中規模の制作会社の料金表
次は小・中規模の制作会社の特徴と料金を紹介します。
株式会社スターラボ
- 特徴
WEB戦略立案からサイト運用までワンストップでサポートが可能で、企画やコンテンツの立案も任せることができます。サイト制作だけでなく、ロゴやパンフレットなども依頼が可能。
- 料金:50~200万円
都度内容に合わせて見積もりを基本的には取る形になります。実績も多数あるため、幅広い採用サイトの制作が可能です。
株式会社ハイファクトリ
- 特徴
採用サイト制作に特化した「採用サイト制作ラボ」を運営しており、Indeedやgoogleお仕事検索にも対応できるようになっています。
- 料金:3つの料金形態(スタンダードプラン、ゴールドプラン、プラチナプラン)になっています。
スタンダードプラン198,000円~、ゴールドプラン398,000円~、プラチナプラン778,000円~で制作が可能です。
大手制作会社の料金表
大手制作会社の特徴と料金をご紹介します。
株式会社ONE
- 特徴
大手だけど費用を抑えた採用サイトの制作も可能です。コンテントマネジメントシステム(CMS)である「クロスウェブ(Xweb)」を利用して作成が可能です。あらかじめ用意されたテンプレートを利用して採用サイトを制作するため、最短2週間程度で納品可能です。
- 料金:テンプレートプラン、オーダーメイドプランに分かれています。
テンプレートプランは500,000円~、オーダメイドプランは1,000,000~で制作が可能です。
株式会社LIG
- 特徴
WordPressを活用したサイト制作が可能で、管理画面から募集内容などコンテンツの更新が簡単におこなうことができます。求人応募にも対応できる採用サイトの構築もできます。 - 料金:都度お見積となります。料金例は以下のような対応になっています。
料金例1:メッセージや社員紹介など7コンテンツの構成に各ページの作成で500~800万円ほどです。
料金例2:メッセージや採用情報など3コンテンツの構成で数ページの作成で300~です。
採用サイト構築ツールの料金表
採用サイト構築ツールを使って制作すると、無料で作成できるケースもあります。また、無料であってもindeedに自動で求人が掲載されるなど連携に優れたツールもあります。
engage
エン・ジャパン株式会社が運営する採用支援ツールのengageは、採用サイトを無料で作成できるだけでなく求人ページ作成・応募フォームの設置なども対応が可能です。
- 特徴:
無料で作成でき、エン転職や各種SNSとの連携、IndeedやGoogleしごと検索への求人転載が可能です。 - 料金:0円
作成、運用し応募があっても全ての機能を無料で使用することが可能です。
採用係長
株式会社ネットオンが運営する採用係長は、無料で求人表を作成することが可能です。作成した求人票はIndeedやGoogleしごと検索などへまとめて転載が可能です。
- 特徴:
無料利用開始することができ、有料プランの場合には求人票作成無制限、LINEの応募機能などを使用することが可能です。 - 料金:月額0円~65,800円
有料プランは、4種類あり契約期間により月額料金がお得になります。
WiX
Wix.comが運営する世界190カ国で利用されている無料ホームページ作成ツールです。250種類以上の多彩な機能やデザインテンプレートから自分の好きなものを選択して使用することが可能です。
- 特徴:
テンプレートは500種類以上あり、画像編集ツールや2,000手に上の写真素材なども使用が可能です。 - 料金:月額0円~2,500円
有料プランを使用すると独自ドメインを接続することが可能となります。また、料金プランによってさまざまなサポートを受けることが可能となります。
採用サイトと連携できる管理ツールの料金表
ACCESS ON LINE(AOL)
株式会社マイナビが提供する採用管理データベースのツールです。応募受付から情報発信、選考管理までおこなうことが可能です。就職サイトのマイナビなどと自動連携をすることが可能で、自社専用ページの設計で選考ステータスの管理なども楽におこなえます。
- 料金:50万円~
自社で使いたい仕様やオプションによって料金が変動します。
リクオプ
HRソリューションズ株式会社が運営する採用サイト作成と応募者管理ツールです。自社の採用サイトと連携して求人案件の管理や応募対応など全て可能です。オプション機能が充実しており、雇用契約のペーパーレス化なども可能です。
- 料金:初期費用200万円程度、月額料金15万円
初期費用は、採用サイトの設計やページ数によって異なるようになっています。その他オプションを利用すると料金追加となります。
R-SHIP2
株式会社リクルートキャリアが運営する採用管理データベースのツールです。AOL同様に応募受付から情報発信、選考管理までおこなうことが可能です。就職サイトのリクナビなどとこちらも自動連携が可能となっています。また、採用サイトと連携させて対応することもできます。
- 料金:120万円~
基本プランに設計や仕様に合わせて対応するようになるため、基本料金にプラスでかかると考えておくほうがよいです。
3. 採用サイトの料金・相場の理解に必要なポイント
採用サイトの料金や相場については各社で料金体系だけでなく内容も異なるため、単純に比較することができません。そのため、相場を正確に把握するのは非常に難しくなっています。ただし、その中でも共通している部分はあるため検討の上ではポイントを理解しておく必要があります。
コンテンツの構成
採用サイトに必要となるのが会社情報、採用情報がわかるコンテンツです。項目は次のような内容が当てはまりますが、必ずすべて必要ということはありません。料金の算出には関わってくるため、どのような内容やページ数にするのかは決める必要があります。
会社概要
会社の歴史などの沿革や主な事業内容など、どのような企業なのかがわかる内容にする必要があります。
事業内容
各事業の概要と今後の見込みなどを掲載し、応募者に事業内容を理解してもらえるような内容が望ましいでしょう。
代表者あいさつ
代表者の言葉を文面にし、会社の代表者がこれからどうしようと考えているかを掲載する内容です。企業によっては掲載しないケースもあるでしょう。
社員紹介
応募者がもっとも興味を持つコンテンツの一つです。先輩社員のインタビューや職場雰囲気がわかる動画、1日のスケジュールなど、実際にその企業で働いたときのイメージをしやすくする内容にするとよりわかりやすくなります。
募集要項
採用活動の対象となる応募者に求める内容だけでなく、勤務条件(給与、休み、福利厚生など)も含めた内容にします。福利厚生や研修体制などをしっかりと記載すると求職者に安心してもらえるでしょう。
選考フロー
中途採用の場合は人によって選考のフローが変わる場合がありますが、新卒採用などの一律のものは記載しておいた方がいいでしょう。例えば、面接が2回と適性検査など、実際に応募したあとの流れがわかるようにすることで、応募者が採用までのスケジュールを想定しやすく応募のハードルが下がります。
問い合わせ(応募ページ)
就職サイトなどを利用する場合には応募者管理ができなくても困りませんが、中途採用や直接応募を集めたい場合などには準備する方がいいでしょう。
求職者が求めているコンテンツ
新卒採用用なのか、中途採用用なのかによっても求職者が求めるコンテンツは変わってきます。新卒採用の場合には、一緒に働く上司や先輩、入社後の研修などの教育体制を気にする学生が多いと言われています。中途採用の場合には、給与待遇面や配属部署が希望した業務内容になるのかどうかなどを気にしている傾向と言われています。
このような傾向を踏まえてコンテンツを作成することで、求職者にとって質のよい採用サイトとして認知され自社の採用が成功しやすくもなります。制作する側が伝えたいことではなく、求職者が求めるコンテンツを意識することが重要となりそうです。
制作期間の目安
制作期間は制作する採用サイトのコンテンツの量、内容にもよりますが2週間から3ヶ月程度をみておけばよいでしょう。特に社員のインタビューや動画を撮影する場合は準備期間も必要になるので長めになります。
自社が納品を希望する時期を前もって明確にしておき、早めに制作会社へ相談することが重要です。制作期間の目安を考えずにスケジュールを立てると採用活動がピークの際に採用サイトが活用できないことがあります。
4. まとめ
ここまでの内容で採用サイト作成の相場や料金の参考になったでしょうか。採用サイトは制作をしたことがないとどのように制作したらよいのかと迷うことも多くあると思いますが、自社の採用活動や求める人物像に合わせたものを作成するのが重要です。
目的や予算に応じた自社に合った採用サイトの設計に参考いただければと思います。