地方学生採用のメリット・デメリット|新卒採用を強化する新たな手法として期待!成功事例もご紹介
新卒採用
近年、採用において学生の「売り手市場」が続いています。いかにして自社の求める人材を採用していくべきか悩みを抱えている企業も多いのではないでしょうか。
そうした中、注目を集めているのが、地方の大学に通う学生への採用アプローチです。
そこで今回は、「地方学生が就職活動において抱えている課題」や「企業が地方の優秀な学生との出会いを創出し、採用につなげるためのポイント」についてみていきましょう。
<この記事で紹介する3つのポイント>
- 地方学生の就職活動における現状
- 地方学生の採用に注力するメリット・デメリット
- 地方大学生の採用に向けた企業の取り組みやサービス
目次
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今回は25年卒のインターンシップ定義やガクチカ問題、直近の内定率などの新卒採用市況を踏まえた上で、関西地方で活用できる母集団形成方法をご紹介します。最新トレンドが気になっている関西の採用担当者様にもおすすめの内容です。ぜひ今後の採用活動にお役立てください。
1.地方学生の就職活動における現状
学生の就職活動にかかる費用の全国平均は約7万2,000円※とコロナ前の比べ4割ほど減少しているようですが、地方の学生は全国平均よりも費用がかかると言われています。
なかでも、中国・四国地方の学生が就活に使う費用の平均は約10万円と高く、次いで高いのは北海道・東北地方の学生で約9万円とのことです。
費用の内訳のほとんどは「交通費」と「滞在費」が占めているようです。
これらの情報から、学生の就職活動には、下記のような実態があるのではないでしょうか。
- ● 首都圏と地方大学の学生間での情報格差が大きい
- ● 地方学生は、東京にて選考を受けるために交通費や滞在費の負担が大きい
また、地方学生は移動や滞在などにかかる時間的コストも大きく、就職活動に割ける時間も少なくなります。
地方大学に通う学生は首都圏の学生と比べて、企業との接触機会が少なくなる傾向が課題です。
企業は自社に内定承諾をする可能性がある地方の優秀な学生に出会う機会が少なくなり、一方で地方学生は、多くの選択肢を持てず納得をしながら就職活動を終えることができない、という悪循環が起こっている現状があります。
※参考:リセマム大学生の就職活動費用は平均7万2,034円、コロナ前の4割減
2.地方学生の採用に注力するメリット・デメリット
企業にとって地方学生への採用活動を強化することは、大きなコストが必要となります。
地方学生の採用を強化することで得られるメリットとデメリットを、いま1度整理してみました。
2-1.地方学生の採用を強化するメリット
全国の優秀な学生と接点を持つことができる
地方の学生は就職活動において、得られる情報量が少なかったり、経済的な理由から行動の制約を受けたりと、首都圏の学生と比較して接触できる企業数が比較的少なくなる傾向にあります。
もちろん、リアルな場で接触できることが1番だと思いますが、難しい際はSkypeでの面接などを設けることで、地方学生がエントリーするまでの障壁を下げることができるのではないでしょうか。
地方学生は厳選した企業の選考だけを受ける傾向があるため、採用したい学生が自社の選考を受ける以前に未接触のまま他社に取られてしまう、という機会損出を防ぐことができます。
自社のブランディングにつながる
地方大学生に対して自社の知名度を上げるだけでなく、「学生の採用活動に真摯に取り組んでいる」、「学生の就職活動に協力的」といった企業イメージをつくることにつながります。
地方には、チャンスを真剣に捉えられる優秀な学生が多い
就職活動に意欲がある地方の学生は、得られる情報量や企業との接触の機会が少ないため、一つひとつの選択肢を真剣に精査することに長けているという印象があります。
そうした学生に熱心にアプローチをかけることで、学生は真剣に自社のことを検討してくれます。
結果として、採用しても採用に至らなくても、お互いに納得感のある関係を築くことができるでしょう。
2-2.地方学生の採用を強化するデメリット
地方には地元志向の学生も多い
わざわざ上京や他の地域に行かなくても、地元の企業に就職したいという学生も多い印象です。
特に20年卒以前よりも、就職活動費が減少していることから地元で就職したいと思う学生が増えていることがわかります。
そうした志向性を持つ優秀な学生を口説くのも1つの方法ですが、そもそも「地元を出たがらない学生の割合が比較的高い」ということも念頭に置いて、取り組む必要があります。
採用市場の拡大に大きなコストがかかる
特に中小企業にとって、地方学生向けに採用活動を強化するということは、会社の経営方針にも関わるほどの大きな決断です。
地方学生に対して採用チャネルの拡大や新しい選考方法を導入することは、予算、人材、時間など、あらゆるコストがより多くかかってしまいます。
3.地方大学生の採用に向けた企業の取り組み
大卒の求人倍率は1.58倍にまでのぼると言われている「学生の売り手市場」の現在、求める学生を採用することは、ますます難しくなっています。
そんな中、採用する可能性を広げるために、未だ接触していない地方の学生をターゲットに、積極的に採用活動をおこなっている企業も存在します。
ここでは、3社の企業の事例をご紹介します。
3-1.地方大学生の採用を強化|サイバーエージェントの事例
株式会社サイバーエージェントは、地方大学生の採用の強化を目的として、地方学生採用強化プロジェクト「FLATOP」をおこなっています。
これは、サイバーエージェント流の“事業力”を身に着けるための地方就活生コミュニティで全3回の講義とワークで、事業領域の異なる3社の事業戦略を考えていくものです。
10日間のオンラインインターンシップの実施内容は以下になります。
1日目:オリエンテーション&1stセッション講義
10日間を一緒に過ごす地方学生のチームメンバーとメンター社員の理解促進のためのワークを実施。
その後、1回目のお題発表とそのための講義を実施されるようです。
2~3日目:ワーク
発表に向けて、各チーム自由にワークに取り組みます。
ワークは全てZoomで実施され、提案内容を考えていきます。
4日目:1stセッション発表&チームビルディング&2ndセッション講義
1stセッションの発表を各チームで実施。優勝チームを決定します。
その後、2ndセッションのお題発表と講義を実施。
など、さまざまなワークを通じて地方学生とのコミュニケーションを取っています。
地方学生に、情報だけでなく機会も平等にというコンセプトで実施されています。
3-2.全国から優秀な学生のエントリーが殺到!|三幸製菓の事例
新潟県の米菓メーカー三幸製菓は、ユニークな採用手法を用いることで、自社に合う優秀な大学生を、全国から採用しています。
現在に至るまでに、採用に関して3つのフェーズを経てきたとのことです。
(1)ブランディングのフェーズ
当時、三幸製菓の新卒採用エントリー数は300人〜400人で、競合の大手食品メーカーと企業の認知度を比較すると、その差は平均して4倍近くありました。
そこで、採用の重要性を経営陣に訴えかけて予算を増やし、自社のブランディングを強化することで、3年間で最大13,000人までエントリー数を増加させたと言います。
具体的に、「就職サイトのデザインをすべて変える」「パンフレットを巻物にする」「合同説明会で、自分たちがいかに成長していくかを伝える」などを徹底しておこない、「熱量が高く、成長力がある、地方のお菓子メーカー」というメッセージを一貫して伝え続けました。
2010年度採用には多額の予算をつけ、ちょうどテレビCMが始まったこともあり、学生への認知度も急上昇しました。
※参考:PRESIDENT Online 一流大学生に人気、地方中小企業の「17種類採用法」
(2)ソーシャル採用のフェーズ
エントリーの母集団形成ができあがってきたところで、三幸製菓は2013年度の採用から就活ナビサイトの利用をやめ、Facebookでの情報発信をメインとする採用活動をおこないました。
背景にある意図としては、「13,000人の学生をエントリーさせても、12,900人落とす採用なら意味がない。限られた母集団の中でも、一人ひとりをしっかり見ていきたい」という思いがあったようです。
Facebookページとリアルのイベントとの連動を通して、自社への共感・共振の高い学生の採用につながりました。
その反面、多様性文脈での採用という点において、課題が残ったといいます。
(3)多様性文脈での採用|マッチングをはかる選考方法
多様性文脈での採用が必要なフェーズになり、従来の面接よりも正確に個人の能力を評価できる選考方法を取り入れました。「学生自身が強みや適性を発揮できる選考」として、選考方法をいくつかに分け、その能力が発揮される仕組みを整えたのです。
たとえば、複数の選考方法が用意されているカフェテリア採用。
その中での「出前全員面接会」では学生自身が5人以上の選考希望者を集めた上で、人事の方に面接にきてもらえるというものです。
この採用手法では、調整能力や、周りを巻き込む能力を評価する上での判断材料にしているといいます。
結果として、国内からは全国の各有名大学から、理系、文系、大卒、院卒と多様な人材が集まり、また海外の有名大学を卒業した学生が内定承諾をすることもあるそうです。
全国のどこにいても選考を受けられる選考手法や、豊富な選考方法は、学生に「正当に自分の能力を見てもらえている」という実感を与えるでしょう。
企業の人材を大切にする姿勢を感じ、学生の自身への評価への納得感が、優秀な学生の内定承諾につながっている理由の一つではないでしょうか。
3-3.『1日完結選考』を地方でも実施|ユナイテッドの事例
ユナイテッド株式会社は、2015年度より独自の施策である『1日完結選考』をおこなっており、2017年度の新卒採用では、地方での『1日完結選考』の実施回数と開催場所を増やしました。
地方の就活生にとって大きな負担である「複数回の面接」「交通費」などの時間的・経済的制約を、できるだけ緩和させ、より多くの優秀な地方学生の採用につなげることを狙いとしています。
● 新卒採用において、会社説明会から最終選考、内定通知までを、1日でおこなう採用手法
● 地方学生の就職活動における「時間」「お金」の課題解決につながっている
4.地方学生に対する採用活動に活用できるネオキャリアのサービス
地方学生の採用を自社の取り組みだけで強化することは、採用の仕組みづくりなど、大きなコストが必要になります。
そこで、企業と地方学生のマッチングを促進するサービスを利用することも、地方学生の採用を活性化させる手法の1つでしょう。
今回は、地方学生の採用活動に使える、ネオキャリアのサービスをご紹介します。
4-1.就職エージェントneo
4-2.理系就職エージェントneo
5.まとめ
「学生の売り手市場だから、早期内定を出さなければ優秀な学生を取ることができない」と考える採用担当者の方も多いと思います。
しかし、接触機会がないだけで、地方にも、自社にとって優秀な学生は数多く存在しています。
企業側、学生側、双方に納得感のある採用活動をおこなうためにも、企業側から地方就活生が抱える課題に寄り添い、まだ見ぬ地方学生に会いにいってみてはいかがでしょうか。
いかに優秀な地方学生との接点を持つか。それが、近年の新卒採用における大事なポイントの一つといえるでしょう。
- 参照:マイナビニュース「就職活動に関する実態調査/サポーターズ」
- 地方学生の採用をご検討中の採用担当者様へ
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