24年卒の採用手法とポイントを解説|定番から最新トレンドまでをご紹介
新卒採用手法
昨今の新卒採用手法の多様化に伴い、自社に合った採用手法を探すことに苦労されている企業も多いのではないでしょうか。さらに、24年卒の採用が難航している中で「これまでの採用手法に限界を感じている」「既存の手法では満足な母集団形成ができなくなってきた」などという声を耳にすることも多くなりました。
そこで本記事では
・最新の24年卒採用動向
・24年卒採用成功のための5つのポイント
・24年卒の採用トレンド
など、学生の動きに合わせた最新の採用手法に関して詳しく解説しています。
効率的な採用を実現させるためにも現在の新卒採用トレンドを抑え、自社にマッチする採用手法を見つけていきましょう。
目次
1.24年卒採用の動向
まずは24年卒採用の企業・学生動向を見ていきましょう。
1-1.企業動向
ここ近年のインターンシップ需要の高まりを受け、企業のインターンシップ実施率は年々増加してきています。株式会社マイナビの「マイナビ2023年卒企業新卒内定状況調査」によると、24年卒向けのインターンシップについて、この夏もしくは秋以降にインターンシップを実施した・今後実施する企業が65.7%と半数以上を占める結果でした。
出典:株式会社マイナビ「マイナビ2023年卒企業新卒内定状況調査」
出典:株式会社マイナビ「【マイナビ2024】11月以降のプレ期間の活動について」を参考にネオキャリア作成
さらに「【マイナビ2024】11月以降のプレ期間の活動について」によると、24年卒は直近3ヵ年で最も掲載社数が多い結果となりました。中でもインターンシップを実施している企業の掲載社数は昨対123%で増加しています。
このように、いまや企業がインターンシップを実施することは当たり前になってきているため、採用担当者からは「インターンシップの告知をしてもなかなか学生が集まらない」「学生と接点が持てても他社に取られてしまう」などの声を耳にすることが多くなりました。
1-2.学生動向
出典:株式会社マイナビ「【マイナビ2024】11月以降のプレ期間の活動について」を参考にネオキャリア作成
一方で、学生1人あたりのエントリー数は昨対95%で微減する結果となりました。
企業の掲載社数は増加しているものの学生1人あたりのエントリー数が減少しているという、いわば企業1社あたりのエントリー学生数が減っている状況のため、今までよりも学生の母集団形成に苦戦する可能性が高まっています。
合わせて学生の就職活動早期化の動きも高まっているため、企業は3月の広報解禁に向けて早期に活動を始めることがカギとなるでしょう。
2.24年卒採用成功のための5つのポイント
ここでは24年卒採用を成功させるためのポイントを5つご紹介します。
2-1.採用の目的を明確にする
新卒採用を実施するにあたり最も重要になってくるのが採用の目的です。企業が掲げる採用の目的は組織の活性化や人員バランスの最適化、将来的な幹部候補の育成など状況に応じてさまざまなため、まずは「なぜ新卒採用をおこなうのか」について社内での認識統一を図りましょう。その後、採用目的に応じた人物像(ペルソナ)設計や採用手法、採用時期を定めていくという流れが一般的です。
2-2.求める人物像を明確にする(ペルソナ設計)
採用において、求める人物像はより具体的である方が良いといわれています。しかし、そもそも求める人物像設計をどのようにおこなえばよいかわからないという採用担当者もいるのではないでしょうか。またよくあるパターンとして、求める人物像自体はあるものの社内での認識にずれがあるという企業も多いように見受けられます。
そこで最近注目されてきているのが「適性検査」です。例えば活躍社員に適性検査を受検してもらうことで、その企業で求められる能力やスキル・性格・志向性などの傾向が数値化されるため、簡単に社内での共通認識を作ることが可能です。
アッテル
アッテルは活躍人材を見極め、採用し、定着させるための未来予測型ピープルアナリティクスサービスです。属人的な経験と勘、感覚による人事から脱却し、どんな組織でも「定量化→分析→予測→改善」をワンストップで実現することが可能です。
受検方法 | Webによる受検 |
料金形態 | 250円/名~ |
試験時間 | 性格検査15分/能力検査15分 |
ミキワメ
ミキワメは適性検査で最も知りたい要素である「企業独自の活躍人材を見抜くこと」に特化しています。活躍する社員の性格データを元に、システムが候補者の採用おすすめ度を表示するため、企業は「採用すべき人・採用すべきではない人」をひと目でミキワメることが可能です。
受検方法 | Webによる受検 |
料金形態 | 500円/名 |
試験時間 | 性格検査10分/能力検査20分 |
2-3.自社の魅力を整理する
・9つの魅力要因
上記9つの視点をもとに、自社の魅力を整理してみましょう。その際に、自社の採用ターゲットが「企業のどこに魅力を感じるか」についても深掘りをおこなうことが大切です。なぜならば、仮に自社の魅力を見つけられたとしてもその魅力が採用ターゲットに響かなければ意味が無いため「誰に」伝えたいかを意識して考えることが重要だからです。
2-4.スケジュールを意識した戦術を考える
20年卒から経団連の採用活動への指針が廃止され、政府主導で大学3年生の3月1日から広報活動、大学4年生の6月1日から採用活動という新卒採用ルールが設定されました。
しかし実際にはインターンシップを通じて早期から学生と接点を持つなど、多くの企業がそれ以前から広報活動に近い活動をしています。採用スケジュールから逆算をして、自社の採用計画をしっかり作りましょう。
2-5.自社にあった採用手法を活用する
これまで新卒採用の採用手法は就職サイトや合同企業説明会・イベントが主流でしたが、最近ではダイレクトリクルーティングの活用や採用のオンライン化などの動きも出てきています。効率的な採用を実現するためにも自社の採用の目的に合わせた採用手法を選択することが重要です。
3.新卒採用で定番な採用手法
ここでは、現在新卒採用で定番な採用手法について、具体的なサービスと合わせて詳しくご紹介します。
3-1.就職サイト
就職サイトは新卒採用活動の中でもっとも活用されている手法で、企業にとっても母集団形成のためのベーシックなツールとなっています。
さらに就職サイトは大きく以下の2つに分類されます。
従来型の就職サイト
業界や職種を問わず、幅広い層の学生が利用している就職サイトです。中でもマイナビやリクナビなどは毎年多くの学生が登録し、業界研究や企業の説明会予約などに活用されています。まずは幅広い学生と接点を持ち、学生認知度を高めたいという企業におすすめの手法です。
特化型の就職サイト
ある特定の層の学生が登録する就職サイトです。最近では上位校の利用率が高いものから、ベンチャー志向の学生が活用するものまでさまざまあり、企業の採用ターゲットに合わせて活用することが可能です。採用ターゲットに絞ってアプローチをおこないたいという企業におすすめの手法です。
就職サイトサービスはこちら!
マイナビ | 多くの学生や企業に利用されているインターンシップ・総合就職サイトです。掲載社数約26,000社、登録学生数約82万人と就職サイトNO.1を誇る最もメジャーなサービスです。 | |
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ONE CAREER | ONE CAREER(ワンキャリア)は、新卒採用マーケット最大級の学生口コミを集めたメディアです。4万社以上の企業情報に加え、30万件以上の先輩の通過ES/選考体験談/志望動機、企業説明会やインターンシップの口コミなど、コンテンツが充実。今後マイナビやリクナビに並ぶサイトとして注目されています。 | |
キャリタス | 全国で開催されるイベントと連動し、企業と学生のマッチング度を高めるような取り組みをおこなっています。インターンシップ期間から通じて双方向のやり取りを大事にしていることが特徴です。 | |
チアキャリア | チアキャリアは、株式会社Cheerが運営する「ベンチャー企業への就職を目指している学生」をメインとしたベンチャー企業特化型の就職サイトです。またインターン・第二新卒の採用も可能で、業界でも珍しいサブスクリプションモデルを導入しています。 | |
あさがくナビ | 株式会社学情が運営する新卒採用サイト「あさがくナビ」が、「〈新卒学生対象〉ダイレクトリクルーティングサイト会員数」第1位を獲得。あさがくナビは、「スカウト」と「職種別掲載」で企業が求める条件の学生の採用に貢献が可能です。 |
3-2.イベント・合同企業説明会
イベント・合同企業説明会は新卒採用手法の中で最も学生と密にコミュニケーションが取れる手法です。大きな会場に複数企業が集まって説明会をおこなう大規模なものから、ターゲット学生だけに絞って開催される中・小規模のものまでさまざまです。
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3月以降の本サイト期間に開催されるイベントはさまざまな種類があるため、ターゲット層に合致した効率的な母集団形成ができます。就職サイトでの情報発信だけでは母集団形成ができない企業や、なかなか学生に興味を持ってもらうことができない業界・業種でも、積極的に取り組む多くの学生に対してアプローチすることが可能です。 | ||
キャリタス就活フォーラムは、国内30年で年間250開催、毎年約24万人が来場する就職イベントです。年間を通して全国でイベント開催されているため、就職活動期間の後半になっても新規エントリー獲得が期待できます。 | ||
Premium Startup Seminar | 理系学生に特化した「理系就職エージェントneo」が主催するイベント(対面・WEBどちらも開催)です。WEBイベントはZoomを使って開催している為、一度のイベントで地方国公立の学生をはじめ全国の理系学生と接点を持つことが可能です。 | |
MEET UP | MEET UP(ミートアップ)は、理系学生の中でも土木系・機電系に特化したマッチングイベントです。参加学生はネームバリューのある会社よりも、自身のやりがいや仕事内容を重視する学生が多い傾向です。そのため、参加企業の多くは中堅・中小企業で、学生からの知名度に自信のない企業も安心してご参加いただけます。 |
3-3.新卒紹介
新卒紹介はエージェントを介して企業と学生をマッチングさせる採用手法です。基本的に、企業の求める人物像に沿ってエージェントが学生をピックアップするため、企業側の採用工数は削減されます。一方で、新卒採用手法の中では比較的採用単価が高い傾向のため、採用人数や目的に応じて活用することをおすすめします。
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就職エージェントneo | 就職エージェントneoは、業界トップクラスの新卒紹介サービスです。圧倒的な登録学生数を誇り、企業のターゲットに合わせ学生を紹介しております。関東圏はもちろん、全国業界業種問わず、あらゆる企業にご活用いただいております。 | |
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理系就職エージェントneo | 年間6万人以上の理系学生登録がある、理系採用に特化した新卒紹介サービスです。特に機電・情報系の学生の採用に強みを持っています。完全成功報酬型で、ナビでは出会えないような学生に出会うことができます。 | |
学生送客サービス | 文系・理系問わずインターンシップや会社説明会へ企業が求める人物像や募集条件にあてはまる学生を直接送り込むことが可能なサービスです。 年間約16万人の就職活動中の学生が登録している新卒紹介サービスの就職エージェントneoが運営しており、学生集客力とフォロー力に強みを持っています。 |
4.24年卒でトレンドの採用手法|ダイレクトリクルーティング
ここからは、24年卒でトレンドとなっている「ダイレクトリクルーティング」についてご紹介します。「そもそもどのような採用手法なのか」「どんなメリット・デメリットがあるか」など詳しく紹介しているので、今後の24年卒採用にお役立てください。
4-1.ダイレクトリクルーティングとは?
ダイレクトリクルーティングとは企業が学生へ直接アプローチできる採用手法のことを指します。これまで新卒採用で活用されてきた就職サイトなどの採用手法は、学生が企業の掲載する募集要項や会社情報を見て、興味を持った企業にアプローチをするという企業が待つ採用の仕組みでした。一方ダイレクトリクルーティングは、特定のサービスに登録している学生のプロフィールを企業が確認し、自社にあった学生に自らアプローチをおこなう「攻める」採用の仕組みです。
4-2.ダイレクトリクルーティングのメリット
ダイレクトリクルーティングのメリットは以下の3点です。
採用コストが抑えられる
従来の採用手法で主流となっている就職サイトは、学生からの応募がなくても掲載期間に応じて費用がかかるため先行投資が必要です。一方ダイレクトリクルーティングは、人材データベースの利用料が1ヵ月~1年ごとに発生する料金プランや成功報酬型の料金プランが多いため、運用次第で1人あたりの採用コストを大幅に抑えることが可能です。
自社にマッチした人材を探すことが可能
ダイレクトリクルーティングは企業が直接学生へアプローチすることが可能です。そのため、人材紹介会社や就職サイト経由では出会えないような学生と接点を持つことができます。
潜在層へアプローチができる
従来の採用手法では顕在層にしかアプローチすることができませんでしたが、ダイレクトリクルーティングでは自社や自社が属する業界を志望していない潜在層の学生に対してアプローチすることができます。
4-3.ダイレクトリクルーティングのデメリット
ダイレクトリクルーティングのデメリットは以下の2点です。
採用業務の負荷
ダイレクトリクルーティングは、企業から学生に直接スカウトメールを送る必要があります。そのため、ターゲット選定からメール文面の作成、その後の選考のやり取りなど業務負担が増加します。
採用ノウハウを習得するまで時間を要する
ダイレクトリクルーティングのスカウト開封率や承認率は、文面や送り方にもコツが必要です。運用方法やノウハウにより効果が大きく変わってくる部分もあるため、採用成功に向けては長期的な視点で取り組むことが重要です。
5.新卒ダイレクトリクルーティングサービス5選
ここではおすすめのダイレクトリクルーティングサービスをご紹介します。
5-1.Offerbox(オファーボックス)
料金体系 | 早期型プラン(3名)75万円~、成功報酬型プラン38万円/人 |
特徴 | 就活生を対象に実施した「最も利用した就職ナビ・逆求人サイト」で、逆求人サービスの中で5年連続1位*という圧倒的結果。*(提供元:HR総研(ProFuture株式会社)(2018年~2022年調査)) |
5-2.キミスカ
料金体系 | 3名プラン75万円~ |
特徴 | 1社あたりの学生数がほかサービスよりも多いため、他社とのバッティングが少なく学生にアプローチすることが可能です。さらに、ダイレクトリクルーティングサービスの中で唯一学生の他社選考状況を確認できます。 |
5-3.dodaキャンパス
料金体系 | 定額制プラン(3名)60万円~、成功報酬制プラン30万円/人 |
特徴 | ほかのダイレクトリクルーティングサービスと異なり、大学1、2年生の低学年向けアプローチが可能なため、早期のタイミングから企業認知促進を図ることが可能です。 |
5-4.TECH OFFER(テックオファー)
料金体系 | 150万円~、成功報酬プランあり |
特徴 | 主に理系に特化したサービスで、4万件*の研究室・教員情報と100万件*の技術キーワードから学生を絞り込むことが可能です。*(TECH OFFERHPを参考)さらに、ダイレクトリクルーティングサービスには珍しい「オファー送付の半自動化」を導入し、効率的な運用を実現させています。 |
5-5.LabBase(ラボべース)
料金体系 | 180万円~ |
特徴 | 主に理系に特化したサービスで、データベース上の登録学生は約5万人(2022年4月時点)、利用企業数は500社を超えています(2022年4月時点)。さらに、全国6,196カ所*の研究室とのつながりを軸に、研究内容や専門性の高いキーワードなど、細かい絞り込みが可能です。*(LabBaseHPを参考) |
6.24年卒の採用スケジュール
24年卒の一般的な新卒採用スケジュールについて紹介します。
6-1.政府の定めた新卒採用スケジュール
政府の定めた就活ルールでは以下の採用スケジュールが基本になっています。各企業はこれらを参考に自社の採用スケジュールを決定しています。
- ・3月1日:採用広報の解禁日
- ・6月1日:選考試験の解禁日
- ・10月1日:内定出しの解禁日
6-2.大手企業の新卒採用スケジュール
大企業の選考時期はほか企業より期間が長くなっています。応募者が多いため、選考期間が必然的に長くなっています。
- ・前年度6月~2月:インターンシップ
- ・前年度3月~5月:会社説明会
- ・5月~6月:選考試験
- ・6月~8月:内々定・内定出し
6-3.中小企業の新卒採用スケジュール
中小企業の選考時期は大企業と重なると集客が見込めないことから早めの2月〜4月に設定していることが一般的です。
早期の採用活動を進めることで大企業より早く学生を確保できます。しかしその反面内定辞退も考えられるため、二次採用を見越してスケジュールを設計する企業も多いです。
- ・前年度6月~2月:インターンシップ
〈一次採用〉
・前年度12月~2月:会社説明会
・前年度2月~4月:選考試験
・4月~6月:内定出し
- 〈二次採用〉
・6月~8月:広報・会社説明会
・8月~10月:選考試験
・10月~12月:内定出し
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7.まとめ
いかがでしたでしょうか。近年新卒採用を取り巻く環境も大きく変化し、企業・学生ともに採用活動が多様化してきています。その中で、企業が効率的に学生と接点を持つためにも最新トレンドを抑えて自社の採用に組み込んでいくことが必要です。現在24年卒採用も厳しい状況ではありますが、採用成功に向けて少しでもお役立ていただけましたら幸いです。
中小・ベンチャー企業を採用成功に導く戦略を
入社してから一貫して新卒採用のコンサルティングをおこなう部署に携わる。大手上場企業~ベンチャー企業まで計1,000社近くの支援を経験し、現在は新規営業部門の責任者として従事。
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斎藤/新卒採用領域
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