中途採用のノウハウ一覧【母集団形成・採用手法・質の改善・内定率向上徹底解説】
中途採用

中途採用の母集団形成を成功さえるためには、まず採用手法の選定が重要です。転職サイトや人材紹介、ダイレクトリクルーティングなど、採用ターゲットが多いサービスを選ぶことがポイントです。
また、より多くの応募を獲得して母集団を形成するためには、明確な採用ターゲット像の定期的な見直しが大切です。採用ペルソナが明確になると、求職者に響くキャッチコピーや募集要項の記載ができます。
さらに、求人広告の質が固まることで母集団の形成だけでなく、応募者の質を高めることが可能です。
もちろん、応募者対応や内定者のフォローも、面接辞退防止や内定辞退防止につながるため重要なポイントです。
そこで、選考過程ごとの課題と解決方法を解説します。
本記事では
・採用課題が生じる原因
・採用課題別解決方法
・中途採用におすすめの採用手法
について解説します。
1.中途採用がうまくいかない理由
「有名な転職サイトを利用しているのに応募が入らない」、「いくつもの転職サイトを利用してみたが、理想的な人材と出会えない」など、中途採用がうまくいかないと感じたことはありますか?
中途採用がうまくいかないという課題には必ず理由があります。
そこで本章では中途採用がうまくいかない理由について解説します。
1‐1.母集団形成ができない
採用における母集団とは、求人募集に対して応募をしてきた人材たちを指します。
中途採用の理想は1度の求人募集でなるべく多くの応募者を獲得して、その中から採用ニーズに適した人材を採用することです。
しかし実際には、多くの応募者を獲得すること、つまり「母集団形成」に課題を抱えている企業は少なくありません。
母集団形成がうまくいかないときの理由のひとつに採用媒体の選定ミスが挙げられます。
くわしい解説は後述しますが、自社の採用ニーズと採用媒体の特徴や強みが合っていないと応募者の獲得が難しくなります。
1‐2.採用ミスマッチによる内定辞退、早期離職が多い
応募から面接、内定へと進み無事に中途採用枠を埋めることができたと思った矢先に、内定辞退の連絡を受けたことはありませんか?
もしくは、新入社員が突如「辞めます」と早期離職してしまい、中途採用活動を再開することになった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
選考が進んだにも関わらず内定辞退が生じてしまう、早期離職が続いてしまうときは、採用計画の見直しが必要です。
内定辞退や早期離職の理由が「想像していた業務内容や社風ではなかった」という場合は、求人情報の内容や面接内容を見直しましょう。
また、企業側の採用ニーズや採用したい人物像があいまいな場合は、面接時の採用基準もあいまいになります。
採用基準があいまいなまま「採用ニーズになんとなく合いそうな人」を選んでしまうことで、採用ミスマッチを引き起こす可能性があります。
そのため、採用ニーズや採用したい人物像は具体的にしておきましょう。
1‐3.面接通過率が低い、内定辞退が多い
応募数に対して面接につながる件数が少ない、内定を出しても辞退されることが多いときは、応募獲得後から内定連絡までの業務が滞りがちではないか振り返ってみましょう。
中途採用では求職者の多くが在職中です。
忙しい日々の合間に転職活動をおこなっているため、応募後のレスポンスが遅い企業の面接の優先度は低下しがちです。
面接通過率が低いと採用率も低下します。
企業側の対応により解決しやすい課題なので、ぜひ後述する解決方法を参考にしてみてください。
1‐4.採用競合に負けている
中途採用がうまくいかないときの理由に、採用競合に負けているケースがあります。
採用競合とは自社と同様の採用ターゲットを採用したい企業のことです。
まずは自社の採用条件が採用競合に負けていないか確認しましょう。
確認項目や改善方法については後述します。
ここまで中途採用がうまくいかない理由について解説しました。
次は中途採用のノウハウを解説します。
ぜひ中途採用の課題解決のヒントとしてお役立てください。
2.中途採用のノウハウ1|母集団形成
まずは「中途採用における求職者の母集団形成」についてです。
応募を集めるための採用手法をどのように選定すべきか、掲載原稿はどのように作成すればいいのかなど、中途採用のノウハウとして説明します。
2‐1.採用手法の見直しで母集団形成を成功させる
採用手法は、「自社の採用ターゲット」を基準にして選定することが大切です。
ひとつの手法の中にも、さまざまな種類のプラットフォームが存在しています。
たとえば、Web求人広告は「総合型」と「特化型」があります。
- Web求人広告「総合型」
登録者数が多く、幅広い層に求人を見てもらうことができます。
多職種募集、大人数の採用などに有効です。
- Web求人サイト「特化型」
より絞り込んだ層が対象となります。それぞれが取り扱っている(強みとする)領域が異なるため、業界、職種、エリア、年齢層、女性、外国人などを見て、自社のターゲット層に合う媒体を選定しましょう。
中途、正社員、パートなど雇用形態別のサービスもあるので、自社の募集内容に合わせて活用しましょう。
料金体系や費用もさまざまです。
自社の予算に合わせて、適切な媒体を選定して、適合する人材からの応募をしっかり集めていきましょう。
2‐2.掲載原稿の内容を見直す
インターネット上で幅広く求人情報の発信ができるため、どの企業も同じ土俵、つまりライバルも多くなります。
求人情報の公開が必ずしも応募につながらないというのが現実です。
応募を集めるには求職者の目に留まり、魅力を感じてもらえる原稿を作成する必要があります。
掲載原稿の作成ステップやポイントを押さえておきましょう。
原稿の作成ステップ【準備編】
まず、作成に入る前に必要なことがあります。
以下の4つのステップは、原稿内容と応募の効果に影響を与える重要項目です。
- 1.採用ターゲットを明確にする
2.採用ターゲットのニーズを理解してマッチング要素を選定
3.上記と自社の求人を踏まえてコンセプトを策定
4.コンセプトに合わせて原稿要素を具体化する
原稿作成の成功ポイント
原稿例
検索で発見してもらうための対策
検索されるときの一覧の中で、この求人を見たい!とクリックしてもらう必要があります。
他社求人と並ぶ限られたスペース(文字数)ですが、自社の求人情報のタイトルともいえる重要な箇所です。
採用ターゲットに魅力的に感じてもらえる自社の強みをキーワードで盛り込みましょう。
自社が募集をしている職種に応募をする人材は、どのような条件を求めていて、どのような条件に魅力を感じるでしょうか。
または、自社の雇用条件の強みや魅力はどのような点でしょうか。
自社の魅力については中途入社社員にヒアリングをおこなうなど、求職者の目線の情報を集めることも大切です。
他社比較で勝てる表現を意識
タイトルからクリックされた次に表示されるページで、求人の詳細を伝えます。
先に打ち出した魅力や強みについて、ここで証拠や根拠をしっかり伝えることが大切です。
他社との比較に勝つためにも、自社の採用ターゲットの意識や動向を研究して、求職者のメリットになり得る点を言語化して積極的にアピールしましょう。
明確で具体的な説明をする
求人情報は、できるだけ明確に具体的に説明することに努めましょう。
仕事の内容でも〇〇職だけではいろいろな解釈が生まれるため、ミスマッチな応募となる可能性も高まるでしょう。
例えば、営業職であればどのような商材を誰に売るのか、事務職であれば簿記1級レベルの経理業務を任せたいのか、データ入力がメインなのかなど、業務内容やレベルが明記されていると、求職者側も「自分にできる!」「このような仕事・業務がしたい!」と判断しやすくなります。
また、数値表現は信憑性も高めます。
有給取得率が高い、定着率が高いなど数値化できる強みは積極的にアピールしましょう。
リアルな情報でイメージ喚起
求職者は企業のリアルな実情を知りたがっています。
キャリアパスなどは、「このようなキャリア」で終わらせずに、研修内容や実際の社員の軌跡を紹介していくのも一策です。
また、職場の雰囲気などは実際のイベントや活動の紹介、その写真情報があるとより伝わりやすくなります。
3.中途採用のノウハウ2|求職者の質を高める
2つめの中途採用のノウハウを解説します。
応募をしてきた求職者のレベルと自社の採用ターゲットのレベルに差があると、思うように面接を設定できない、採用枠を埋めることができないなどの問題が生じます。
仮に内定を出したとしても、企業側も求職者も採用ミスマッチを感じて早期退職や人事異動が起こる可能性があります。
では質の高い求職者を集めるにはどのようなことが必要になるのでしょうか。
3‐1.ペルソナ設定の3ステップ
質の高い人材とは、一般的に優秀と評価される人ではありません。
自社が求める人物像とマッチしている人です。
採用する人材の質をどれだけ高められるかは、自社の募集の仕方、内容、選考方法や基準にかかっています。
また、採用活動の内容や質を左右する重要な役割を果たすのが「ペルソナ」です。
ペルソナを設定するか、しないかで採用活動や成果に大きな差が出ます。
ペルソナとは
自社がその求人で求めている人物を求人要件や募集背景を踏まえてキャラクター設定をすることです。
性格、人柄、経験、仕事観や行動特性、将来についてまでを細かく想定します。
社内の従業員や管理職の意見もヒアリングしながら、「このような人がほしい」「活躍できるのはこのような人」などペルソナを作り上げていきましょう。
作り上げていくと、この人には「どんな文言が響くだろう」などの自社の魅力の打ち出しが明確に決まっていきます。
ペルソナを考慮することで採用手法、アピール内容、選考評価も変わってきますし、マッチ度と質の高い人材の獲得にもつながります。
そんなペルソナ設定の3ステップは「データの収集」、「データの整理」、「ペルソナの具現化」です。
以下、ペルソナ設定の3ステップについて解説します。
データの収集
- パーソナルな項目
年齢、性別、学歴、家族構成、出身、趣味 など
- 中途採用ならではの項目
現在の仕事内容・経歴、年収、転職するうえで最も重視すること、保有スキル など
自社で活躍できるような人物像を思い浮かべながら、項目の設定をしていきましょう。
ペルソナの氏名を考えることで、より具体的でリアルなペルソナになります。
ほかにも、パーソナルな項目であれば、よく使用するSNSの情報や、使用しているモバイルデバイスの種類(iPhone、Androidなど)、出身地など、色々な項目が考えられますね。
また中途採用ならではの項目についても、たとえば現在の業務上の課題や目標、決裁権の有無、希望年収などが細かく考えられます。
データの整理
材料が集まったら次はそのデータの整理を行います。
具体的には、採用基準の策定に向けた「優先順位づけ」をしていきます。
採用基準をすべて満たす人はそれほど多くはないでしょうから、どの要件を最優先で求めるか? など、それぞれの項目についての優先順位をつけていきます。
任せたい業務の洗い出しは1stステップでできていると思うので、2ndステップでは、必須要件と歓迎要件決めをするというわけです。
ペルソナの具現化
ここでまずお伝えしておきたいのは、ペルソナ設定時の注意点です。
「象徴的な人物」をペルソナに設定しようとすると、往々にして「超理想的な人物像」を設定してしまう傾向にあります。
実在しない人物なので、あれもこれもと願望に近い要素を足してしまいがちです。
だからこそ、客観視してブラッシュアップする必要があります。
例えば、1つの条件の人材が現実的にどれくらい存在するのかを、統計データなどを使って確認していくのです。
さまざまなデータを参考にして、設定したペルソナが「現実的なもの」となっているかを、チェックするようにしましょう。
- 訴求力を高めるペルソナマーケティングとは?
本資料では、中途採用におけるペルソナ作成のポイントから、
4つのタイプ別に求人原稿の訴求や、面接における惹き付けポイントなどをご紹介しています。
4.中途採用のノウハウ3|面接通過率、内定辞退率を改善
3つ目の中途採用のノウハウを説明します。
売り手市場の昨今、求職者は他社の選考状況や面接スケジュールと調整をしながら転職活動をおこなっています。
面接の選考に入る前の辞退や急なキャンセルなども少なくありません。
これらを阻止する課題に対し、どのような対策ができるでしょうか。
以下では面接の4つのフェーズに沿って説明します。
4-1.応募後から面接前の対応
面接は受付から始まっています。
求職者もアンテナを張り巡らせて、企業を評価する材料を集めているのです。
まず、受付で求職者に良いイメージをもってもらうことが大前提です。
面接の前に組織として、人としての対応が見られます。
面接についての電話のやり取りでも丁寧な対応を心がけましょう。
不快感を抱かせてしまえば、辞退につながります。
面接で、自社に初めて出向くという求職者も多いと思いますが、少なからず緊張を抱えて訪れているはずです。
歓迎の言葉や親しみを込めた挨拶に安堵感や感動を覚える人は少なくありません。
「あなたに会えるのを心待ちにしていました」などの言葉で、迎え方でも示すことができれば好印象を残せるでしょう。
また、最近ではウェルカムボードを用意したり、小さなメッセージカードを席に置いておくなどの一工夫をしている企業も珍しくありません。
採用担当者だけでなく、社内メンバーにも手伝ってもらい、会社全体の意識をあげることも大切です。
当日には、面接の予定があること、面接者の氏名や担当者を社内メンバーに周知しておくとスムーズに迎えることができます。
くれぐれも待たせたり、放置したりすることのないよう準備しておきましょう。
4‐2.面接方法を見直す
面接官は会社の顔として求職者に接することを強く認識しておく必要があります。
また、面接が求職者をより深く知り選考の材料を得る機会であると同時に、入社意欲を向上させる機会であることを忘れないようにしましょう。
オープニング(自己紹介:5分)
まずは、面接の最初5分くらいをオープニングとして、おもてなしの意識をもち緊張をほぐし、リラックスして対話できるような雰囲気づくりを心がけてください。
求職者自己紹介
求職者の気持ちがほぐれてきたタイミングで自己紹介をしてもらいましょう。
その際に、他社進捗とどのような転職活動軸をもっているのかは必ず聞いてください。
意思決定
第一印象やヒアリングにより、ある程度の面接合否をこの場で意思決定します。
微妙な場合は次のアクションへと進み、NGの場合はこの時点で会社への簡単な質問を経て終了します。
会社説明(10~20分)
また、会社説明もしっかりおこないましょう。ここは惹きつけとなる部分です。
求職者の軸にあわせて、どういうものが自社の魅力づけになるのか情報提供もしっかりおこないましょう。
選考だからといって、面接官の上から目線の対応は禁物です。求職者に対する敬意を払い、面接官の役割を果たしていきましょう。
質疑応答
十分な質疑応答の準備、質問に対しての的確な回答などが信頼度を高めます。
もちろん、好奇心と興味を持って聞いている、知りたいという姿勢や態度でしっかり話を聞くというスタンスが大事です。
4‐3.面接官の質を高める
前項「面接方法を見直す」でも触れましたが、面接官による自社の魅力づけ、惹きつけは重要です。
さらに面接官は「見極め力」が求められます。
面接官が採用ターゲット像を理解していなければ、面接時の評価基準が採用ニーズとかけ離れてしまいます。
そのため、面接官は採用ターゲットがどのような人材であるかしっかりとイメージをしておきましょう。
また、面接官ごとの評価も定期的におこない、歩留まり率が高いときは面接官の変更も視野に入れる必要があります。
- 歩留まりとは?
- もともと「歩留まり」という言葉は、製造現場で使われる用語で、原材料の投入量に対して、最終的に得られた生産数量の割合を意味します。
ただ最近は他領域でも使われる言葉になっていて、採用の場合は応募に対して、選考の過程でどの程度が通過しているかを表します。
歩留まりとは何かがわかったところで、次は選考歩留まりを算出するための計算方法をみていきましょう。
採用歩留まりを計算する際は、選考通過率と選考辞退率の両面をみていきます。
選考通過率の計算方法
一次選考通過率=
一次選考通過者数÷一次選考応募者数
二次選考通過率=
二次選考通過者数÷二次選考応募者数
選考辞退率の計算方法
一次選考辞退率=
一次選考前辞退者数÷一次選考応募者数
二次選考辞退率=
二次選考前辞退者数÷二次選考応募者数
選考通過率が低い場合は、こちら側の基準値が高すぎるケースや、面接官ごとに選考基準が揃っていないなど内部要因が大きいと言えます。
どこにその要因があるかを調査すると良いでしょう。
辞退率が高い場合は、ハード面とソフト面の両方で、他社に劣っている事が考えられます。
ハード面には給与や福利厚生など、ソフト面には受け入れのフォロー体制や、選考中の社員面談の有無によって生じるエンゲージメントの差などが、それぞれ挙げられます。
競合調査を入念に行い、両面からの対策を考えましょう。
一例として、途中辞退を防ぐためには、採用選考上の求職者からの連絡には24時間以内に返信するなどできるだけスピーディーな対応を心がけましょう。
また、面接のスタイルを固いものからカジュアルな面談に近いものに変えたり、面接手法にオンラインを取り入れたりしていくと途中辞退の確率を下げられることもあります。
もし、歩留まり率の低さが気になる場合は、面接官ごとに辞退率を調べてみましょう。
あまりにも辞退率が高い人がいたら、担当の変更も検討する必要があります。
その面接官の選考プロセス上の何らかの要因が、多くの辞退を招いてしまっている可能性が高いからです。
面接についての悪評や低評価は口コミとして広がることもあります。
採用担当者として、面接官の何が面接辞退率をあげているのかもしっかり把握しましょう。
4‐4.内定辞退を防ぐフォロー・クロージング
面接後に最も大切なのはフォローとクロージングです。
フォロー
面接後はできるだけ間を開けずに、コミュニケーションを取り続けることが大切です。
もちろん、スピード感のある対応は欠かせません。他社からも内定を得ている可能性もあるため、最優先対象としておくべきでしょう。
その際に面接のフィードバックまでおこなって、「求職者のどこが良いと思ったのか」「もっと詳しく知りたいと思った点はなにか」などを伝え、信頼関係を築いていきましょう。
クロージング
内定者ランチや会食の機会などを設けることなどが、クロージングとして有効です。
面接の場では話せなかった話や社員の雰囲気なども伝わるため、採用したいと強く思う求職者がいる場合は積極的におこないましょう。
求職者の考えを理解し、さらに求職者のライフプランを一緒に考えていくことも重要です。
ここまでの応募者のことを親身になって考えてくれるということは「社員に対してもここまで考えている」「信頼できる」と求職者に思わせることができます。
話の中で、求職者にこの会社であれば「自分の思っている人生が送れそうだ」「夢に近づけそうだ」などのイメージを抱かせられるようなクロージングの場を設けます。
「目指す人生が実現できる」と思わせることができれば、内定辞退は防げるでしょう。
- トーク例
- (求職者さんの○○という思いは、どの道を通ると1番早く叶えられるのかな?)
求職者さんの目標の〇〇に必要なスキルを身につけるために自社だと~の提供ができます。
~という懸念点は解消されましたでしょうか? もし、少しでも不安な点があればおっしゃってください。
5.中途採用のノウハウ4|採用競合の調査
求人媒体の選定や求人票の見直し、面接前後の対応も改善しているはずなのに、応募が入りにくい、面接辞退や内定辞退が多いときは、改めて採用競合の調査をおこないましょう。
採用ターゲットが採用競合の内定を優先してしまっているかもしれません。
5‐1.採用競合の調査とは
そもそも採用競合とは、自社と同様の採用ターゲットを採用したい企業のことです。
採用競合の調査とは、採用競合がどのような採用条件を提示しているのか調査することを意味します。
5‐2.採用競合の調査方法
もっとも手軽な採用競合の調査方法は転職サイトを用いて求人検索をおこなう方法です。
エリアや業種、職種など自社が求人情報を掲載する際の検索絞り込み要素を入力してみてください。
他社の求人情報を閲覧していくうちに、この企業は自社の採用ターゲットに近い人材を募集しているのではないかと読み取れます。
採用競合として目星がついた企業の求人情報から、自社の採用条件が劣っていないか、アピールが不足している項目がないか確認しましょう。
転職者の多くは現在の就労条件よりもさらに条件の良い転職先を探す傾向があります
具体的には給与面や休日、諸手当などの福利厚生をはじめ、資格取得補助制度などキャリアアップに向けたサポート面も需要な要素になります。
応募は入るけれども内定に至らないときは、ぜひ採用競合の調査と自社の採用条件を見直してみてください。
6.中途採用手法8選
ここまで中途採用のノウハウについて解説をおこなってきました。
次は中途採用におすすめの採用手法を紹介します。
採用手法や採用媒体の見直しの参考にお役立てください。
6-1.求人広告媒体
求人広告媒体とは、メディアに求人情報を掲載して求職者を募る方法です。
求人サイトなどWeb上のものや求人情報誌などの紙媒体があります。
多くの人の目に留まる可能性が高く、ターゲット層がよく利用する媒体を選ぶことで、中途採用の母集団形成を効率よくおこなうことができます。
費用は無料のもの、採用に至っても至らなくても掲載時点で発生するもの、成功報酬型のものがあります。
無料で掲載できるサービス
以下、無料で掲載できる求人広告媒体を紹介します。
Indeed(インディード)
Indeed(インディード)は世界 No.1*の求人サイトで、国内の月間訪問者数は2,180万*を誇ります。
求職者が入力した検索キーワード、求職者の行動履歴(過去検索やアクセス履歴)などをもとに求人情報が表示されるため、応募率が高い点が特徴です。
掲載にあたっての費用は発生せずクリック課金型なので、初期費用の削減や採用コスト削減をおこないたい企業におすすめです。
*Comscore,総訪問数,2024年3月
*SimilarWeb,総訪問数,2024年11月
求人ボックス
求人ボックスはGoogleやYahoo!などの検索エンジンの求人情報に特化した求人特化型検索エンジンです。
Web上のさまざまな求人情報を集約して検索できます。
月間利用者数は800万人以上、多くの求職者が利用しています。
無料掲載プランがあるため、ほかの採用媒体との併用をしたい企業や求人広告媒体の利用がはじめての企業におすすめです。
掲載料金などが発生するサービス
以下、掲載料金が発生する求人広告媒体の紹介をします。
マイナビ転職
マイナビ転職は20代から30代の若年層のユーザーが多く、3ヵ月以内に転職をしたいアクティブなユーザーが多い点が特徴です。
また、掲載件数は常時17,000件以上あり、首都圏の企業だけでなく全国各エリアの求人情報が掲載されています。
そのため、地方での採用や幅広い職種の採用におすすめです。
doda(デューダ)
dodaは経験者の採用に強みがあります。
約798万人の登録者数のうち中心となっているのは20代から30代半ばの若手・中堅層です。
さまざまな職種の採用に利用できますが、なかでも営業・金融・メディカル・エンジニア・グローバル系職種の採用をおこないたい企業におすすめです。
エン転職
エン転職は会員数約1100万人、うちスカウト会員数315万人です。
求人掲載だけでなく企業が気になる人材へスカウトをおこなえる機能があります。
また、登録者のうち35歳以下が66.1%です。
面接のドタキャン防止のためのリマインド機能など採用工数を削減する工夫も施されています。
スカウトをおこないつつ応募を待ちたい企業におすすめです。
成功報酬型のサービス
採用に成功したときに費用が発生する成功報酬型のサービスを紹介します。
BizReach(ビズリーチ)
BizReach(ビズリーチ)は即戦力・キャリア層の採用に強みがあるダイレクトリクルーティングサービスです。
ダイレクトリクルーティングではありますが、求人情報を閲覧した登録者からの応募も見込めます。
BizReach(ビズリーチ)独自の審査を通過した人材だけが登録しているため、優秀な人材と出会える可能性が高まります。
また、職種100種類以上×業種50種類以上の5000パターン以上の検索が可能なため、スカウト候補者の絞り込み精度が高く採用ミスマッチの防止にも強みがあります。
優秀な役職者、キャリア候補の採用をおこないたい企業におすすめです。
Green(グリーン)
Greenは20代から30代の若年層を中心としたITエンジニア・Web系職種の採用に強みがあるサービスです。
初回利用時のみ初期費用が発生しますが、以降は採用に成功したときに費用が発生する成功報酬型で、掲載期間を気にせず利用できます。
採用が必要なときにいつでも募集を開始できるので、採用コストを抑えながらITエンジニアやWeb系職種の採用をおこないたい企業におすすめです。
上記で紹介したようなWeb上の求人サイトは登録制のものが多く、比較的転職意欲の高い人が利用しているのが特徴です。
求職者の登録情報をもとに、絞り込みや検索もでき、企業側からスカウトなどのアプローチもできます。
チャネルごとに掲載内容や仕様はさまざまですが、企業にとってライバルも多いため、ターゲット層が求めている情報を盛り込み、他社との差別化を図っていくことが応募を促すポイントとなるでしょう。
求人誌やフリーペーパーなどの紙媒体の場合、掲載内容はWeb媒体よりも少ないですが、配布エリアや読者層がターゲット層にフィットすれば有効な手段といえるでしょう。
6-2.人材紹介
人材紹介とは、エージェントに自社が求める人材をリサーチし紹介してもらう方法です。
募集や人材を探す手間が省け、かつ絞り込まれたマッチ度の高い人材の中から選定できるようになります。
少ない人数の募集で最適な人材を探したい場合に相性の良い方法です。
人材紹介は成功報酬型のことが多く、実際の採用につながった場合のみ費用が発生します。
しかしながら、ほかの手法に比べるとコストは高めになるようです。
自社のマンパワーに不安がある企業や、ニッチな職種の経験者を求める企業にとって有効な手段といえるでしょう。
総合型人材紹介サービス
総合型人材紹介サービスを紹介します。
Liber Career(リーベルキャリア)
リーベルキャリアは20代の採用に強みがある人材紹介サービスです。
企業の採用ニーズに合う人材を選定して選考から内定後までフォローします。
急な募集により母集団形成をおこなう余裕がないときや、ほかの採用媒体では母集団形成がうまくいかないときにおすすめです。
また、入社時期を問わず採用ニーズに合う人材を見極めて採用したい企業にもおすすめです。
特化型人材紹介サービス
特定の職種、業種の採用に強みがある特化型人材紹介サービスの紹介をします。
X-Tech AGENT(クロステックエージェント)
X-Tech AGENT(クロステックエージェント)は「スタートアップ・ベンチャー・メガベンチャー」に特化しています。
また、20代後半から40代前半のハイキャリア層が多く登録している人材紹介サービスです。
なかでもセールスやバックオフィス、BizDevやマーケター領域の採用をおこないたい企業におすすめです。
人材紹介は業界、職種、年齢層など、エージェントごとに得意分野をもっています。
ピンポイントな人材紹介が可能なため、自社が求める人材にフィットするエージェントを選ぶことが重要なポイントです。
6-3.ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは、従来の求人サイトのように広告を掲載したあとただ待つのではなく、人材データベースから良い人材を見つけ出し、スカウト採用をおこなう「攻め」の採用手法です。
つまり、企業が直接求職者にアピールできます。
はじめてでも導入しやすいダイレクトリクルーティングサービス
ダイレクトリクルーティングサービスがはじめての企業でも導入しやすいサービスを紹介します。
engage(エンゲージ)/engageプレミアム
engage(エンゲージ)は簡単に求人票の作成が可能で掲載期間、掲載件数が無制限です。
有料プランの場合は1日単位でチケットを消費するチケット消費型です。
求人掲載が必要なときだけ1日単位で利用できます。
首都圏以外の利用が6割を超えているため、採用コストを削減したい企業や地方で採用をおこないたい企業におすすめです。
エン転職ダイレクト
エン転職ダイレクトは転職サイト「エン転職」が運営するダイレクトリクルーティングです。
約413万人のスカウトデータベースから自社の採用ターゲットに合う人材を選定して直接スカウトがおこなえます。
スカウトメールを受信した登録者の開封率・返信率を向上させる機能が搭載されているため、面談率の向上も期待できます。
専属CSが採用活動をサポートしてくれるため、ダイレクトリクルーティングをはじめて利用する企業におすすめです。
ダイレクトリクルーティングサービスは、人材データベース利用料+成功報酬費用が発生することがほとんどです。
なかには成功報酬費用のみ必要なサービスもあります。
そのため継続して利用し安定的に採用ができるようになれば、ほとんどのサービスが人材紹介費用よりも安価に設定されているため1人あたりの採用コストをおさえることが可能です。
6-4.転職フェア・イベント
転職フェアとは、「転職を考えている人」と「中途採用をおこなっている企業」を結ぶイベントです。
1つの会場に数多くの企業の採用担当者や社員が集まり、企業ごとに割り当てられたブース内で、転職希望者に向けて会社説明や面談をおこなうのがイベントの主な内容です。
総合型転職フェア
幅広い職種の採用におすすめの総合型転職フェアの紹介をします。
マイナビ転職フェア
マイナビ転職フェアは転職サイトのマイナビが運営している転職フェアです。
マイナビ転職フェアは若年層の参加者が多く、自社を知らない層へ自社の魅力を直接アピールできます。
年間開催日数が多く、全国70ヵ所で実施しているため、首都圏だけでなく地方での採用におすすめです。
特化型転職フェア
転職フェアにも職種や業種に特化したサービスがあります。
以下、特化型転職フェアを紹介します。
typeエンジニア転職フェア
typeエンジニア転職フェアはエンジニアの採用に特化している転職フェアです。
ものづくり系エンジニアとIT系エンジニアのどちらも集客しています。
来場者の約50%は電車内広告を見て来場しており、求人広告媒体などを利用していない転職希望者と出会える可能性があります。
母集団形成が難しいといわれるエンジニア系職種の採用をおこないたい企業におすすめです。
また、オンライン転職フェアの開催も予定されているため、はじめて転職フェアに参加する企業や、出展準備が難しい企業にもおすすめです。
転職フェアは求人広告だけでは伝えきれない、会社・仕事の魅力や社風をダイレクトに伝えることで貴社への志望動機を高めることができます。
また、転職フェアは求人広告では出会えなかった層へアピールすることができるため中途採用時の母集団形成も可能です。
6‐5.採用代行サービス
採用代行サービスとは採用業務の一部や全てを代行業者に委託するサービスです。
採用のプロにより採用媒体の運用や応募者管理、面接や内定後のフォローなどがおこなわれるため、採用担当者は採用に関わるコア業務に専念できます。
一部業務から業務全体の代行依頼が可能な採用代行サービス
採用業務のうちサポートが必要な工程を代行依頼できるサービスを紹介します。
中途採用アウトソーシング
中途採用アウトソーシングでは応募者管理・選考調整をはじめ、オプションにより母集団形成・面接業務代行・私書箱や専用採用センターの設置も可能です。
ダイレクトリクルーティングのスカウトメールやダイレクトメールの送信代行依頼も増えています。
採用課題対策を施すものの歩留まりや母集団形成がうまくいかない企業や、採用担当者がほかの業務と兼任しているため採用業務に手が回らない企業、応募が多く応募者対応が追いつかない企業などにおすすめです。
6-6.ハローワーク
ハローワークを活用する場合は、ハローワーク内の端末とハローワークが運営するWebサイト上で求人情報を掲載できます。
費用は一切かからないのがメリットです。
採用の必要性はあるが、コストを割けないという企業でも広く求人募集をかけられる手段のひとつです。
特定の要件を満たせば、助成金なども活用できます。
しかし、事業所登録や求人掲載など、採用プロセス上の書類手続きに一定の手間がかかってしまいます。
求職者に自社や自社の意向(求める人物像)がほかの媒体に比べて伝わりにくい傾向があり、求める人材以外の応募に労力と時間を取られることも少なくないことには注意が必要です。
6-7.縁故採用(リファラル採用)
縁故採用とは、社員やOBといった自社と関わりのある人に親族、知人、友人などを紹介してもらう方法です。費用をかけずに選考・採用に持ち込むことも可能です。
現在ではこの手法での採用の有効性や効果の認識が高まっていることから、紹介者への報酬制度を設けたり、社内全体でプロジェクトとして縁故採用に取り組む企業も増えています。
すでに自社と求職者双方をよく知る人(社員やOB)からの紹介となるため、選考に進められる可能性は高く、人柄や転職意向のタイミングなどを把握しやすいのがメリットです。
潜在する優秀人材にアプローチできるというのも魅力のひとつでしょう。
情報入手も情報伝達も紹介者を頼りにできる一方で、安易に紹介者からの推薦を鵜呑みにしたり、情報提供を任せきりになってしまったりするとミスマッチが生じやすいことには注意が必要です。
また、不採用となった場合も採用となった場合も紹介者と求職者の関係性への配慮が求められます。最近ではリファラル採用のためのシステムを導入している企業も多くあります。
6-8.外国人の採用について
グローバル化が進み海外展開も拡大傾向にあるため、外国人人材を必要とする日系企業も増えています。
また、人材をダイバーシティ化して組織力や競争力を高めようとする動きも活発化しています。
今やインターネット上で求人情報を発信できるようになり、グローバルレベルでの募集やアプローチが可能になりました。
とは言っても、日本人採用の場合とはプロセスも条件も異なるため、ターゲットの外国人に合う媒体を活用することがポイントになってきます。
エンジニア、理系、留学生などに特化したサイト、登録人材と接触できるイベントなどもあり、外国人人材の選定、日本語レベルチェック、意思疎通、ビザ・契約などをサポートする人材紹介も増えています。
自社の展開拠点国や顧客対象によっては人材の国籍を限定されることもあると思いますが、各国の拠点やパートナーと連携して採用サポートをおこなう業者もあります。
- 海外進出を牽引する外国人採用成功事例
本資料では、企業の海外進出を促進する人材を外国人採用を通して採用に成功した企業の事例を紹介しています。
5.まとめ
中途採用のための採用手法とその選定、質の高い採用を成功させるためのノウハウをお伝えしました。
求人で求める人材や自社の状況や背景をもとに、最適な手法と媒体を選んで有効活用していきましょう。
そうすることで、中途採用における母集団形成も実現しやすくなります。
次に性格、人柄、経験、仕事観や行動特性、将来についてまでを細かく想定したペルソナ設定を作成します。それに合わせた求人広告を掲載することで、質の高い母集団形成に近づきます。その際に、応募資格に気をつけて作成していきましょう。
また、面接の通過率を上げることも重要です。採用プロセスの終盤となる面接のフェーズでは、丁寧、かつスピーディーな対応で信頼を得ていくことを心がけましょう。
本記事が貴社採用のお役に立てれば幸いです。

圧倒的な顧客視点をもったトータルサポート
2009年に新卒でネオキャリアに入社後、営業からマネジメントまで多岐に渡りトップレベルの業績を残し事業部長に就任しました。 「顧客視点」を第一に考え、市況感を先読みした革新的なアイデアで採用成功まで導きます。
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