面接辞退・内定辞退を防止|中途採用における歩留まり改善方法とは
面接辞退・内定辞退防止

「せっかく応募が来ても、面接を辞退されてしまうことが多い」 「工数をかけたにもかかわらず内定辞退されてしまい、採用できなかった」など、面接・内定通知・内定後のフォローについてお困りの人事担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、
・面接辞退を防ぐ方法「受付時」
・面接辞退を防ぐ方法「面接時」
・内定辞退を防ぐ方法
についてご紹介します。
目次
1.面接辞退を防ぐためにできることは?
en人事のミカタによるWEBアンケート調査によると、9割以上の企業が面接辞退された経験をお持ちのようです。
なぜ書類選考に通過していながら、応募者は面接辞退するのでしょうか。次のような理由があげられます。
①仕事内容や条件が希望と異なるため
②ネットで良くない評判をみたため
③他社の内定が決まったため
④企業の応対が悪いと感じたため
⑤面接の連絡が遅かったため
これらの面接辞退の理由の中ですぐにでも改善できるのは③④⑤ではないでしょうか。
多くの求職者は企業からの早い連絡を望んでいます。
実際に50%以上の求職者が応募から3週間以内に内定をもらっているようです。
そして、応募後の連絡は丁寧な対応を心掛けることも必要です。
面接辞退で待望の人材を逃すことのないように次の4つの点に注意しましょう。
引用:月刊「人事のミカタ」
1-1.受付の見直し
「面接は受付から始まっている」とはよく聞く言葉ですが、同じように「企業側も求職者から同じように見られている」というのを意識することは非常に重要です。
求職者が面接で初めて企業に出向いた際に受付で大変良い印象をもった場合、求職者の企業に対するイメージは格段に上がり「この企業で働きたい」と思ってもらえる可能性が高くなります。
一方で、受付時に悪い印象を持たせてしまうと、企業で働くすべての人も同様に悪いという印象をもたせてしまうことになりかねません。
求職者に好感を抱いてもらえる受付の方法は次の4つです。
求職者に好感を抱いてもらえる受付の方法
①求職者のためにウェルカムボードを用意
②小さなメッセージカードを席に置いておく
③採用担当者だけでなく、社内メンバーにもお手伝いをしてもらい、会社全体の意識をあげること。
④当日には、面接の予定があること、面談者の氏名や担当者を社内メンバーに周知しておく
1-2.面接の見直し
面接では、応募者の能力(職務遂行能力、コミュニケーション能力、ストレス耐性など)を短時間で判断する必要があります。
そのためには、応募者の本音や情報を短い面接時間で引き出すことのできる場の雰囲気づくりが大切といえます。
また、応募者が企業に求める点についてもしっかりと把握する必要がある一方で、企業側にも情報提供をおこなうことが求められます。
求職者に好感を抱いてもらえるポイントは次の6つです。
求職者に好感を抱いてもらえる面接の方法
①おもてなしの意識をもち緊張をほぐし、リラックスして対話できるような雰囲気づくり
②求職者の気持ちがほぐれてきたタイミングで自己紹介(他社進捗とどのような転職活動軸をもっているのか
③会社説明(求職者の軸にあわせて、どういうものが自社の魅力づけになるのか情報提供)
④充分な質疑応答の時間、質問に対しての的確な回答
⑤好奇心と興味を持って求職者のことを知りたいという姿勢や態度でしっかり話を聞くというスタンス
1-3.歩留まり・面接官の見直し
採用における歩留まり改善は非常に重要です。
歩留まり率が悪い場合は次のような対策をしてみてはいかがでしょうか。
- 面接官ごとの面接対立の調査
面接官の対応が悪いと、応募者の印象も悪くなり面接辞退率が高くなることが予想されます。
特に中途採用では応募者も社会人経験があるため、面接官の対応を企業への見極めポイントとして受け止めています。
そのため、面接辞退の確率が高い場合は担当者を変更することも必要になります。
- 採用管理システムの導入
採用業務は業務量が多いため、肝心の面接に注力できない場合もあると思われます。
そこで、採用業務の一部をシステム化することで応募者を一元管理することができ、更に選考プロセスを見える化することができるため、歩留まりのポイントを迅速に把握することが可能になります。
1-4.面談後のフォロー・クロージングの見直し
面談後の「フォロー」と「クロージング」は、内定者の辞退を防止するために非常に重要です。
この2つはコミュニケーションの量と質がポイントとなります。
- 面談後フォロー
①採用イベント、内定者懇談会、会食など可能な限り頻繁に内定者との接触頻度を多くすることが必要。
②面談のフィードバックなどおこない、信頼関係を築く。
③内定者の相談にのったりキャリアプランのアドバイスをおこなったりするなど、親密なコミュニケーションをとる。
- 面談後クロージングトーク例
・求職者さんの○○という思いは、どの道を通ると1番早く叶えられるのかな?
・求職者さんの目標の〇〇に必要なスキルを身につけるために自社だと~の提供ができます。
・~という懸念点は解消されましたでしょうか?もし、少しでも不安な点があればおっしゃってください。
まずはイベントや企画や会食など、可能な限り頻繁に内定者との頻度を多く接触することが必要です。
そうすることで面接だけでは知り得なかった内定者の情報を増やし、その上で内定者の相談にのったりアドバイスを行ったり親密なコミュニケーションをとることが内定辞退防止に有効であるといえます。
また、即戦力となる中途採用者については、内定者に入社を決意してもらうようにフォローする「クロージング面談」がより効果的です。
優秀な経験や技術などをもっている人材は多くの企業から内定をもらっています。
そのため、内定者の本音、特に前職を離職した理由を聞き出し、自社で解決できる旨を伝えることが内定辞退に効果的であるといえます。
- 面接で惹きつけ内定辞退を防止する方法
面接で求職者の心をグッと惹き付け、入社意欲を高めるためにできる32の施策や、
面接をおこなううえで注意するべきことを解説しています。
2.内定辞退を防ぐためにできることは?
「採用したい方なのに内定を辞退される」「面接の感触は悪くないのに、なかなか採用の決定者がでない」と、お悩みの人事担当者も多いかと思います。
en人事のミカタの「辞退の心理」によると、内定辞退の主な理由が
・条件の折り合いがつかない
・社風が合わない
・他社への選考・内定に起因
・求人情報や条件等の齟齬
となっています。
こちらを踏まえて、どうすれば内定辞退を防止できるのかについてまとめました。
2-1.面接時のヒアリングの見直し
面接時のヒアリングは十分であったか、次の2つのポイントを見直すことで確認してみましょう。
1.求職者の情報を十分に引き出すことができたか?
応募者に対して、表面的なことばかり質問してはなかったでしょうか?
どのような発言においても、深堀りして質問していくことがポイントです。
また、求職者の本質を引き出すためには質問力も重要ですが、応募者に本音で話してもらえるようなリラックスした場の雰囲気を作ることも非常に大切です。
2.求職者に自社の情報を明確に説明することができたか?
求職者に入社したいと思ってもらうには、明確な他社との差別化ポイントを訴求する必要があります。
なぜ自社は魅力的なのか、直近入社した人の志望動機なども含めて、自社の情報を明確に説明しましょう。
求職者の軸に合わせた魅力づけをしっかりおこない、志望度が上がるように心がけてください。
- 面接官の質を高めて求職者を惹きつける方法
・面接実施からの採用率に課題がある
・面接ではどのような質問をするべきかを知りたい
・質問内容のほかにどのようなことを伝えるべきか知りたい
このような企業におすすめの資料です。
2-2.内定通知の見直し
内定後の辞退を防ぐためには、「内定者フォロー」が重要です。
内定通知は、内定者フォローの第一段階であると考えると、内定通知の方法も疎かにすることはできません。
ここでは内定通知のポイントについて理解しましょう。
・応募から3週間以内には内定通知を出す。
・メールなどではなく、電話して伝える。
・応募者を内定すると決めた理由と自社で一緒に働いてほしいという気持ちを伝える。
・内定者の現在の気持ちや現状をしっかりと聞く。
・いつでも相談や質問に対応できる旨を伝える。
まず、50%以上の求職者が3週間以内に内定をもらっていることを考えるとスピード感のある内定通知が求められます。
特に中途採用は求職者が在職中であることが多く、複数の企業の内定を得ている可能性もあります。
他社からの内定を承諾してしまう可能性もあるため、中途採用では内定通知のスピード感を意識しましょう。
次に、内定通知は内定者にとって特別なものであるという印象を与えることが大切です。
「応募者を内定すると決めた理由」や「ぜひとも自社で働いてもらいたい」という気持ちを個別に伝えることが非常に重要であるといえます。
また、内定者は「本当にこの企業で良いのか?」「他の企業が良いのではないか?」などと不安に感じていることも多いです。
安心感を与えるためにも、内定通知後に必ず電話を入れて内定者の現在の気持ちや状況を聞き取り、いつでも相談や質問に対応する旨をしっかりと伝えておくといいかもしれません。
2-3.連絡の見直し
入社の辞退を回避するためには、「内定後の連絡」が重要です。
内定後の連絡のポイントは「親密なコミュニケーション」と「スピード感のある対応」にあります。
内定者同士の交流会をおこなったり、職場見学や社内イベント、研修や勉強会に参加してもらったりすることで内定者とのコミュニケーションを密にすることが大切です。
しかしながら、参加を強制することはできないため、遠方者は参加が困難な場合もあると思われます。
そのような場合は、SNSやLINE、応募管理システムを利用して積極的に内定者と連絡をとることで、内定者の不安や疑問に答えたり、企業理念や業務内容などの情報を適宜伝えたりすることが必要になります。
2-4.採用提示交渉見直し
求職者は求人情報をみて応募してくれているため、労働条件についてはある程度把握してくれていることが多いかと思います。
一方で気になることがあった場合に、労働条件、特に給与(年収)は求職者にとってなかなか聞きづらい部分ではないでしょうか?
労働条件というのはなんだかんだ最も気になる部分です。
求職者の希望に沿うことができれば1番良いのですが、すべてを叶えることは困難であると思われます。
しかしながら、「この給与である理由」「人事評価の方法」「福利厚生の種類」など可能な限り具体的に求職者に対して説明してあげることで、不安を取り除くことにもつながります。
企業としては提示の給与を上げることはできなくても、今後の展望(例えば、1年後や5年後の給与額)などを丁寧に求職者に伝えましょう。
納得した上で入社してもらうことは、早期離職防止にも役立ちますので、採用提示の交渉は時間をかけて丁寧におこなうようにしましょう。
3.中途採用の面接辞退・内定辞退防止におすすめのサービス
中途採用で面接辞退・内定辞退を防止するためには応募からのスピード感が大切であると解説をおこないました。
しかし採用担当者と面接官が異なる場合、スケジュールの調整が必要になるなど求職者対応までに時間を要することがあるかもしれません。
また、採用担当者が面接官を兼ねていても、他の業務と中途採用業務を並行しなければならず、面接時間の確保などに課題を抱えている可能性も考えられます。
このように企業側の都合が面接辞退・内定辞退の原因となることを防止するために、2つのサービスを紹介します。
3‐1. 採用管理システム・HRMOS(ハーモス)採用
自社で採用業務をおこなう場合、応募から内定まで一元管理が可能な採用管理システムの導入により面接辞退・内定辞退を防ぐことが可能です。
採用管理システムの1つ、HRMOS(ハーモス)採用は、求人媒体と連携することで応募情報を取り込み、応募者情報や面接日程調整、連絡などを一元管理できます。
面接官が複数名いる場合、各面接官のスケジュールを画面上で確認し、応募者へ面接日の候補日を迅速に送ることも可能です。
また、面接官同士で担当した面接内容や選考の進捗を共有できるため、内定辞退や採用ミスマッチの防止につながります。
3‐2.採用代行(RPO)
採用代行(RPO)とは「採用アウトソーシング」とも呼ばれている、採用代行サービスのことです。
「中途採用業務をおこないながら新卒採用業務もおこなわなければならない」、「採用業務以外に本業があり、書類選考や求職者への面接連絡などの時間を確保することが難しい」など採用業務に注力できない場合、一時的に採用代行サービスを利用することも可能です。
採用代行サービスを導入する際は自社がどのような採用を計画しているのか、どのような人材が必要かなどを採用代行企業とすり合わせます。
その後、採用代行企業は自社の採用ニーズにあわせて応募者対応やスクリーニング、面接、内定者のフォローなどの採用業務の多くを代行してくれます。
採用代行サービスでは面接辞退・内定辞退を防ぐために求職者への迅速な連絡、面接スケジュール設定の代行もおこなっているため、自社での対応だけでは面接辞退・内定辞退を減らすことがむずかしいときは、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
4.まとめ
今はもはや「企業が求職者に選ばれる時代」。自社の求める人材を採用するためには、昨年の採用手法などを常に改善して効果的なものに変えていく必要があります。
採用はゴールではありません。採用後、自社で活躍してもらって初めて採用成功となります。
自社とマッチング率が高い人材を採用するためにも、採用ツールなどを利用し採用業務をシステム化するなど、
応募者一人ひとりとのコミュニケーションの時間を大切していくことを第1に考えた採用活動が求められているのではないでしょうか。

圧倒的な顧客視点をもったトータルサポート
2009年に新卒でネオキャリアに入社後、営業からマネジメントまで多岐に渡りトップレベルの業績を残し事業部長に就任しました。 「顧客視点」を第一に考え、市況感を先読みした革新的なアイデアで採用成功まで導きます。
- 名前
中島/中途領域
この営業が携わった他の事例・記事を見る