適性検査の選び方│活用目的別おすすめサービス5選と特徴・料金比較
適性検査
近年、より効率的に自社で活躍できる人材を見極めるための手段の一つとして「適性検査」が注目されています。以前は新卒採用での活用が主流とされていましたが、近年では中途採用でも活用されることが多くなり、導入を検討する企業も増加傾向にあります。
しかし、実際は適性検査を導入しようと思っても「種類がありすぎてわからない」「どのように活用するのが効果的か」など疑問も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、
・主な適性検査サービス5選とその特徴
・採用で適性検査を活用するポイントとその選び方
・適性検査で測定できる要素
など、はじめて適性検査を導入する企業や、あらためて適性検査を比較検討したい企業向けに、料金や特徴比較を交えながらご紹介いたします。
さらに、各サービスで測定できる項目まで詳しくご紹介しておりますので、検討の際にぜひご活用ください。
目次
1.採用に活用できる適性検査5選
ここでは5種類の適性検査の特徴をまとめました。上記のポイントを踏まえたうえで、利用目的を明確にし、比較検討の参考にしていただければ幸いです。
1-1.適性検査比較表
まずはそれぞれの適性検査の特徴と料金を比較表にまとめました。
サービスによっては測定できる項目も異なるため、自社の活用目的に合わせて選定するようにしましょう。
適性検査名 | 測定項目 | 目安時間 | 受験方式 | 料金 |
Compass(コンパス) | ・ストレス耐性 ・職業適性 ・対人関係スタイル ・基礎能力 | 適性:約20分 能力:科目数による | Web・紙 | 2,000円/人 (100名未満) 1,000円/人 (100名以上) |
tanθ(タンジェント) | ・性格 ・能力 (言語・非言語・英語) | 要問合せ | Web・紙 | 月額従量制と年間従量制がある |
ダイヤモンドシリーズ | ・職場適応性テスト ・ストレス耐性テスト ・知的能力テスト そのほか職種別などあり | テストにより異なるため、要問合せ | Web・紙 | テストにより異なる |
アッテル | ・アッテル診断(基礎能力診断) ・適性診断 | 約20分~ | Web | 月額250円/人~ ※コースにより異なる |
CUBIC(キュービック) | ・性格特性 | 性格検査 15分~ 能力検査 5分~ | Web・紙・マークシート | 定額プランと従量プランがある |
1-2.採用に活用できる適性検査5選の特徴・料金一覧
次に、それぞれの適性検査サービスについて詳しくご紹介します。
Compass|ネガティブチェックによる適性検査
- ・性格、欲求、思考タイプなど個人の潜在意識や資質、適性を把握
- ・抑うつ・ストレス耐性を確認できる検査
- ・入社後の不適応性を見抜き、入社後のリスクを把握できる
- ・自社で活躍している社員の特性をモデル登録し学生と合致判断することができる
テスト形態 | Web 紙 |
---|---|
時間 | 20分 |
コスト | 2,000円/名(※100名未満の場合) 1,0000円/名(※100名以上の場合) ※通常プランの料金になります |
測定内容 | ストレス耐性 職業適性 対人関係スタイル 基礎能力 |
tanθ(タンジェント)|社員を分析し、「組織独自の採用基準」を作成
- ・性格、欲求、思考タイプなど個人の潜在意識や資質、適性を把握できる検査
- ・非常に細かい特性に区分された診断結果が学生の選考や見極めに役立つ
- ・採用時に限らず、内定フォローや入社後研修、組織分析にも活用可能
テスト形態 | Web 紙(マークシート) |
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時間 | 要問合せ |
コスト | <月額従量制> <年間定額制> |
測定内容 | 性格 能力(言語・非言語・英語) |
ダイヤモンドシリーズ|採用時だけでなく、研修・育成までも役に立つ各種検査結果を提供
- ・紙媒体でもWeb上でも実施可能な適性検査
- ・人柄・思考・興味などを測定するパーソナリティ検査
- ・ストレス耐性や知的能力まで測ることのできる総合能力検査
- ・職種ごとの適性診断も可能
テスト形態 | Web 紙 |
---|---|
時間 | 要問合せ |
コスト | 要問合せ |
測定内容 | 職場適応性テスト ストレス耐性テスト 知的能力テスト 総合能力診断テスト 変化対応能力診断テスト 営業・販売職適性テスト 情報技術者適性テスト Web総合診断適性テスト |
アッテル|業界最安値!10万人のデータ分析から、AIの力で自社に合う人材の判断や最適配置・定着を実現する適性テスト
テスト形態 | Web |
---|---|
時間 | 約20分~ |
コスト | 月額250円/人~ 詳しくはこちら |
測定内容 | ■定量化(アッテル診断) -資質診断 -基礎能力診断 ■適性診断 -評価分析 -比較分析 -分布分析 -類似分析 -類似従業員 |
【CUBIC】業種・業態・社員規模を問わず、10,000社が利用
テスト形態 | Web・紙・マークシート |
---|---|
時間 | 性格検査 15分~ |
コスト | 従量:性格検査2,000円/名 能力検査1,500円/名 |
測定内容 | 性格特性 知的能力 ストレス モチベーション カルチャーフィット 相性 職種適性 面談アドバイス |
2.採用で適性検査を活用するポイントと選び方
採用で適性検査を活用する際に重要になるのが、その活用目的です。
適性検査だけではなく、採用上利用するツールはその活用目的を明確にすることでより効果的に活用することができます。
ここでは、採用における3つの活用目的を参考に、それぞれの目的に合わせた適性検査の選び方のポイントについて詳しくご紹介します。
2‐1.採用における3つの活用目的
まずは適性検査を選ぶ上で重要になる「3つの活用目的」について解説します。
一般的に、活用目的は採用フローと合わせて考えられることが多いです。
採用フローには大きく分けて3つのフェーズが存在し、それぞれ「集める」「見極める」「惹きつける」の要素に分かれています。
- ・フェーズ1:集める
応募者を集める、出会う、接触する - ・フェーズ2:見極める
自社で活躍できる学生を選定する、磨けば光る存在を見つける - ・フェーズ3:惹き付ける
自社のファンにする、口説く、意志をすり合わせる
適性検査は測定結果を定量的に表すことで客観的・相対的に判断できるため、面接だけでは判断にしにくい応募者の素質を見極めるために活用されるのが一般的です。
しかし最近は、惹き付ける目的で利用する企業も多くあります。適性検査の結果シートには、受検者へフィードバックするためのシートが用意されているサービスもあります。
これを活用し、フィードバック面談やキャリア面談という意味合いで、ターゲット学生との接触機会を創り出すことも可能です。
また、集めるために利用するケースもあります。
例えばインターンシップ期間や新卒採用初期に学生の自己研究欲求に働きかけ「適性検査の結果もフィードバックします」という集客促進コンテンツとして利用することもできます。
このように、採用のどのフェーズで利用するかによって目的が明確になり、実施のタイミングや適切なサービスを選定することにもつながります。
2‐2.活用目的別の選び方
では次に、それぞれの活用目的に沿った適性検査の選び方についてご紹介します。
フェーズ1│集客に利用する場合
昨今、採用における適性検査の活用率が高くなってきていることからも、大学を中心にその対策講座を設けているケースが増えてきました。
さらに、就職・転職をおこなう際の自己分析のツールとして適性検査を活用することも多くなってきました。
そのため、受験者からの関心度・着目度は高く、自身の受検結果を知りたいというニーズも高まっています。
このことからも、適性検査を集客促進のコンテンツとして利用することが可能です。
- 適性検査の活用例
- 1.インターンシッププログラムのコンテンツの1つとして、適性検査受検を組み込み、後日フィードバックの時間も設け、参加を促進する
2.会社説明セミナー当日に実施し、その日の午後に個別面談会・相談会を実施する寄り添う型のコンテンツで参加を促進する
3.インターンシップ・セミナー参加特典として、適性検査で同じ傾向を示した先輩と会えるコースを作成し、参加を促進する
- ・フィードバックシートは理解しやすく、わかりやすいか
・フィードバック面談のイメージがわくか
・受検形態は適正か(当日実施であれば紙受検が効率的)
・受検時間は適正か(長すぎないか)
フェーズ2│見極めに利用する場合
見極めに利用をする場合、まず重要なのはボーダーラインを決めることです。
適性検査結果のどの要素に着目し、どの数値を参考にして絞込みをおこなうのかを明確にする必要があります。
このボーダーラインの決め方で一番スタンダードなのは、一度自社で活躍している社員に受検をしてもらうことです。
複数名の結果に基づき、共通した突出ポイントを探し、その項目を見極めポイントとします。
より詳細に見極めボーダーラインを検討する場合は、活躍している社員とそうではない社員、複数名ずつに受検をしてもらい、見極めポイントについてハイロー分析をおこなうと良いでしょう。
しかし、適性検査を見極めに利用する場合、測定結果が絶対的尺度ではないという点に注意しましょう。
特に性格適性検査は精度を測るために「信頼性」「妥当性」「標準性」という概念を使用している場合が多いですが、あくまで理論的な想定値であり「信頼性」については誤差を含んでいます。
性格適性検査を導入するにあたっては、あくまで参考とするための値として全評価者で認識を統一し、限界を理解しておく必要があります。
- ・見極めポイントについて十分な情報があるか
・1回あたりの費用は適正か
※選考の初期段階で実施すると受検者数が多くなる可能性がある
・管理画面は使いやすいか
※セミナーや選考クール回数、選考回数により利用回数が多くなる可能性がある
・受検形態は適正か
フェーズ3│惹き付けに利用する場合
惹きつけのフェーズでは、いかにターゲット人材に自社・社員のファンとなってもらえるか、入社を決意してもらえるかが重要な要素になっています。
そのために、ターゲット人材との接触頻度を高めることが重要なポイントの1つです。
前述の通り、適性テストの結果をフックにフィードバック面談やキャリア面談を組むことで接触機会を創り出すことが可能です。
さらに受検結果と、受検者の結果に対する見解をすり合わせ、より人物理解に繋げることも可能です。
このように、企業と候補者双方の理解促進のツールとして適性検査を活用することができます。
- ・フィードバックシートは理解しやすく、わかりやすいか
・フィードバック面談のイメージがわくか
・受検形態は適正か(Web受検が効率的)
2‐3.受験方法別の選び方
適性検査のテスト形態はWeb受検と紙受検の大きく2種類あります。
さらに実施場所についても自社受験とテストセンター受検(センター受験のような集合実施型)などの違いも挙げられます。
それぞれ実施にあたってのメリット、デメリットがあるため、実施の目的や受験人数、さらに自社の工数・コストを考えながら最適な方法を選択するようにしましょう。
メリット | デメリット | |
Web受験 | ・会場と時間を設定する必要がなく、学生の受験ハードルが低い ・検査結果の集計や分析が容易 | ・身代わり受験など、不正がおこなわれてしまう可能性がある |
紙受験 | ・会場と時間を設定すれば不正リスクがない ・学生が時間と場所に拘束される | ・検査結果の集計は手作業となることが多く、時間やコストがかかる |
自社受験 | ・委託費用などを払わずとも実施ができる ・遅刻や欠席など、学生のイレギュラーにも対応しやすい | ・監督者の配置など、工数がかかる ・監督者の委託などをおこなう場合はコストがかかる |
テストセンター受験 | ・監督者の存在によって不正リスクがない ・受験のための運営を委託できるため手間がかからない | ・学生が時間と場所に拘束される(テストセンターまで移動する手間がかかる) ・委託にかかるコストが高い |
3.適性検査で測定できる要素
まずは、採用の場で適性検査を活用する際、測定できる要素についてみていきましょう。
適性検査とは、一言で表すと「入社する上で必要な適性の一部をみるテスト」です。一般的には数学や国語、英語といった学力テストに近いイメージがあるかもしれませんが、そのほかにも素質や性格などの内的要素を評価することも可能です。
ここでは、一般的に適性検査で測定できる要素について詳しくご紹介します。
3‐1.基礎(知的)能力
基礎(知的)能力とは、仕事をする上で必要な知識・技術の習得能力のことを指します。
具体的には、数的処理能力、文章理解能力、論理的思考能力、知覚・作業の正確性などを測定することで、職務を遂行するための思考力や対応力があるかどうかを見極めることが可能です。
3‐2.性格(パーソナリティー)
性格(パーソナリティー)とは、情緒的・性格的な特性と態度・行動的な特性の2つに分かれています。
情緒的・性格的な特性とは、バイタリティーや責任感、慎重性など、その人の内面的特性に注目した要素を指します。態度・行動的な特性とは、チームワークや協調性など、その人の行動特性に注目した要素を指します。
3‐3.職場適応性(コンピテンシー、対人間関係能力)
職場適応性(コンピテンシー、対人間関係能力)とは、入社した際に職場になじみやすいかどうかや、成果につながりやすいかどうかなどの適性を指します。
一般的には、態度能力、適性職務、対人関係能力、意欲など、ハイパフォーマーに共通してみられるような行動特性を持っているかを図るケースが多いです。
3‐4.ストレス耐性
ストレス耐性とは、仕事をする上でストレスになりうる要素に対しての耐性のことを指します。
ストレスへの耐性の有無やその強さの測定だけでなく、ストレス要因別の耐性を細かく図る検査も存在します。
4.採用における適性検査活用のメリット・デメリット
次に、採用における適性検査活用のメリット・デメリットについてみていきましょう。
4-1.メリット
適性検査活用の主なメリットは以下が挙げられます。
・人物理解のパターンをフレーム化できる
・人物評価の客観性を担保できる
・人物評価の視点を多角化・標準化できる
・人事データの収集・管理を効率化できる
・組織や応募者の資質的傾向を分析できる
・判定における公平感・納得感を確保できる
・選考における人事担当者の負荷を軽減できる
- 採用課題を解消することも可能
- ・時間や人的リソースの確保が難しい
・選考基準が統一されていない
・面接官によって評価が異なる
・面接だけで人材の資質を見極めるのが困難
・合否判定の納得感を担保しにくい
4-2.デメリット
適性検査は職務遂行に必要な知的能力や専門性、性格や指向、価値観などの項目を測定できますが、デメリットとして尺度や定量で表せる要素以外の測定が難しい点が挙げられます。
また、適性検査には裏付けとなる理論やデータが用いられていますが、個々の人物における絶対的な尺度ではないという点に注意が必要です。
このことからも、適性検査はあくまでも選考の精度・スピードを上げる一手段であることを理解し、面接などと並行して評価することが望ましいといえます。
5.まとめ
今回は適性検査の中でも、採用を目的としたツールをメインにご紹介しました。適性検査を選ぶ際には採用フェーズや目的を明確にした上で、自社に合うサービスを検討することが大切です。
さらに、今回ご紹介した適性検査サービス以外にも、マネジメントや適材適所配属にも活用できる適性検査も存在します。
本記事を参考に、ぜひ自社にあった適性検査ツール選びの一助となりましたら幸いです。
中小・ベンチャー企業を採用成功に導く戦略を
入社してから一貫して新卒採用のコンサルティングをおこなう部署に携わる。大手上場企業~ベンチャー企業まで計1,000社近くの支援を経験し、現在は新規営業部門の責任者として従事。
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斎藤/新卒採用領域
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