秋冬インターンシップを使った効果的な母集団形成とは?
インターンシップ

26年卒10月時点のインターンシップ・仕事体験参加割合は85.6%*と、学生は秋冬時期も積極的に活動していることがわかります。
*出典:株式会社マイナビ「2026年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(中間総括)」
昨今、新卒採用活動をおこなうにあたって必須となったインターンシップですが、秋冬時期のインターンシップにおいてどのようなことに気を付けるべきなのでしょうか?
そこで本記事では
・秋冬インターシップの動向
・秋冬インターンシップ実施のポイント
・秋冬インターンシップに活用できるサービス
について解説していきます。
近年では早期選考で内定出しをおこなう企業も増えているため、この秋冬インターンシップを効率的に活用し、採用成功に向けて動いていきましょう。
目次
1.秋冬インターンシップとは
秋冬インターンシップとは、主に9月頃から2月にかけて企業が実施する就業体験プログラムです。
短期間のインターンシップや1dayインターンシップを取り入れることで、より多くの学生と出会うことができ、応募を集めやすくなります。
この時期の学生は、すでに志望する業界や企業を絞り込んでいることが多く、企業への志望度や本気度が高い傾向があります。
さらに、秋冬インターンシップは早期選考や内定直結型の採用活動をおこないやすいという特徴があります。
インターンシップの参加学生限定で選考プロセスの一部を省略したり、特別な選考ルートを設けたりすることで、競合他社よりも早い段階で優秀な学生を採用できる可能性が高まります。
インターンシップの参加状況
26年卒の学生のうち85.6%がインターンシップに参加したと回答※1しています。
近年では、夏インターンシップだけでなく秋冬インターンシップの参加学生数、および実施企業も増加しています。
この時期のインターンシップの参加率が高まっている背景には、学生が選考に参加する企業の見極めや内定獲得に直結する重要な機会として認識していることが挙げられます。
秋冬インターンシップは3月のエントリー直前の時期にあたり、学生は志望業界や職種、企業をある程度絞り込んだうえで、より具体的かつ深く企業を知ることを目的に参加しています。
一方、夏インターンシップはより広範な多くの企業に触れながら、自分自身の適性や志望分野を探る段階として位置付けられています。
また、近年はインターンシップを活用した「選考の早期化」も顕著になっており、秋冬インターンシップ参加者を対象とした早期選考や特別選考ルートを設ける企業が増加しています。
このような背景から、秋冬インターンシップは本選考の前段階としてより機能する傾向が強まりました。
そのため、企業は秋冬インターンシップにおいて、ターゲット学生を見極めやすいプログラムを計画し、評価基準を明確に設定することで、優秀な学生を早期に発掘しやすくなっています。
さらに、選考プロセスの効率化も図りやすくなるため、秋冬インターンシップは採用戦略において重点的に取り組むべき施策といえるでしょう。
※1.出展:株式会社マイナビ「2026年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(中間総括)」
実施スケジュール
秋冬インターンシップは主に9月~2月頃に実施されます。
対して、夏インターンシップは6月~9月頃多くの企業が実施しています。
秋のインターンシップと冬のインターンシップの実施時期をそれぞれ分けると、秋のインターンシップは 9月~11月頃に実施されますが、企業によっては12月まで実施することもあります。
冬のインターンシップは12月~2月頃が主な実施時期です。
秋冬インターンシップは、学生が参加しやすいように大学の授業と重ならない土日や、春休み期間中におこなわれることが多いのが特徴です。
秋インターンシップ | 冬インターンシップ | |
実施時期 | 9月~11月頃 | 12月~2月頃 |
募集時期 | 7月~9月頃 | 9月~12月頃 |
特徴 | ・授業期間中に実施されるため、1dayや短期間での実施が多い | ・大学の冬休みや春休み、土日を利用して実施される |
インターンシップに多くの学生を集めるためには、インターンシップの実施情報を積極的に発信することが重要です。
具体的には、インターンシップサイトや自社の採用HP、SNSなどを活用して告知をおこないます。
また、自社のインターンシップ実施時期に合わせて募集スケジュールを計画的に立てることで、告知のための媒体やツールを事前に準備でき、より多くの学生へ情報が届けやすくなります。
2.夏インターンシップとの違い
夏インターンシップと秋冬インターンシップの違いは、主に3つあります。
・企業の目的や学生の参加理由
・母集団形成の難易度
・プログラム内容
夏インターンシップは、業界や企業の認知度を高め、優秀な学生との早期接点を持つことを目的として活用されています。
学生にとっても夏期の長期休暇を利用しやすく、業界や企業研究、自己分析の場として活用できるため、多様なプログラムや幅広い学年・専攻の学生の参加が期待できます。
さらに、夏インターンシップは夏休み期間に実施されるため学生の学業負担が少なく、スケジュールを調整しやすいため、企業としても比較的幅広い母集団を形成しやすいタイミングです。
一方、秋冬インターンシップは授業や研究活動が本格化する時期に重なり、特に理系学生は専門ゼミや研究室で多忙になるため、参加のハードルが高まります。
その結果、夏インターンシップに比べて母集団を形成しにくくなる傾向があります。
秋冬インターンシップは参加学生の志望度が高く選考直結型のプログラムが増加するものの、ターゲット層へ効果的にリーチするためには時期や内容の工夫が欠かせません。
学生の参加理由の違い
秋冬インターンシップに参加する学生は、夏インターンシップに参加する学生に比べて、業界理解や企業への志望度が高い状態で参加する傾向があります。
そのため、インターンシップの実施内容も、実際の業務体験や実践的なワーク型プログラムへの関心が高いことが特徴です。
夏インターンシップは主に6月から9月にかけて実施され、数日間の短期プログラムから1ヶ月程度の長期にわたるプログラムも存在します。
企業にとってこの時期のインターンシップは、認知度の向上や業界・企業への理解を深めることが主な目的です。
また、優秀な学生を早期に囲い込む意図もありますが、基本的には広く学生と接点を持つ段階だといえます。
一方で、学生にとっての夏インターンシップは、就職活動前の準備期間として業界や企業研究をおこない、職種の違いや自分に合った働き方を考えるための重要な機会です。
まだ志望企業が固まっていない学生も多く、「とりあえず参加してみる」「業界の雰囲気を感じたい」という理由で参加するケースもあります。
プログラムの違い
秋冬インターンシップのプログラムは、企業説明やグループワークをはじめ、業界全体の理解を深める内容が中心で、入社後の業務に近い体験をおこなえるプログラム構成となっている点が特徴です。
そのため、企業は学生の適性や志望度を具体的に把握しやすくなり、学生も企業理解を深めやすくなります。
夏インターンシップ | 秋冬インターンシップ | |
主な参加理由 | ・業界、企業研究、職種理解 | ・本選考優遇、早期選考への期待 |
特徴 | ・幅広い業界や企業を体験できる | ・選考直結型が多い |
秋冬インターンシップは10月から2月にかけての実施が多く、期間は1日から1週間程度の短期プログラムが主流です。
この時期は本選考が近づいていることもあり、企業はインターンシップの参加を「選考の一環」として位置づける傾向があります。
早期選考への案内や一次選考の免除など、参加学生に対する優遇措置を設ける企業も多く、優秀な学生をいち早く確保することを目指しています。
このように、インターンシップの時期によって企業と学生の目的や期待が異なります。
秋冬インターンシップを実施する際はその特徴を踏まえた上で、採用活動と直結するプログラム設計と運用をおこなうことが、より効率的な人材獲得につながります。
母集団形成が難しくなる
秋冬インターンシップは夏インターンシップと比べて母集団形成が難しくなる傾向があります。
夏のインターンシップは、学校の長期休暇に合わせて多くの企業が実施し、学生にとっても参加しやすいため、比較的多くの学生を集めることが可能です。
学生はこの機会を活かして、志望業界や職種の理解を深めたり、自己分析を進めながら志望先を絞り込む傾向があります。
一方で、秋冬インターンシップは新学期の授業が始まるタイミングと重なるため、母集団形成が夏に比べて難しくなります。
さらに夏のインターンシップで一定の業界理解が得られた学生は、その後に本格的な業界分析や学業へシフトするため、秋冬インターンシップには参加しにくくなる傾向があります。
そのため、秋冬インターンシップは夏インターンシップに比べて応募者が限定され、母集団の規模が小さくなりやすいという課題があります。
特に理系や体育会系の学生は、研究、実験、大会参加などで学外活動やスケジュールが多忙になるため、インターンシップや就職活動の開始が遅れがちです。
そうしたターゲット層を想定する場合は、学生のスケジュールを考慮した日程設定や、短期・オンライン型のプログラムなど、学生が参加しやすい企画を検討することが重要です。
このように秋冬インターンシップは母集団形成が難しい側面があるものの、参加する学生は志望企業やキャリアの方向性を絞り込んだ「本気度の高い層」が中心です。
また、秋冬インターンシップは本選考や内定に直結しているケースも多く、企業にとっては早期に意欲ある学生と効率よく出会い、採用につなげやすいメリットもあります。
夏と秋冬インターンシップでは母集団形成の難易度が異なることを踏まえつつ、秋冬インターンシップの持つ強みを活かしたプログラム設計や情報発信が求められています。
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3.秋冬インターンシップのメリット
秋冬インターンシップのメリットは4つあります。
1.自社の魅力や社風を体験を通して学生に直接伝えることができる
2.実践的なプログラム体験により、学生が入社後の就労イメージを明確にしやすくなり、応募への動機付けにつなげやすくなる
3.早期離職の防止や定着率の向上につなげやすい
4.優秀な学生と早期に接点が持て、早期選考や内定に結び付けやすい
秋冬インターンシップは、企業にとって自社の魅力や社風を学生に直接伝える絶好の機会です。
この時期に参加する学生は、志望業界や職種をある程度絞り込み、就職活動への意欲も高い傾向です。
そのため、企業は学生に実践的なプログラムに参加してもらうことで、自社の業務内容や社風への理解を深めやすくなります。
学生にとっても、希望する業界や職種への適性や興味の度合いを確認しやすくなり、自身のキャリア選択に自信を持ちやすくなるメリットがあります。
また、学生は職場の雰囲気や働き方を体感することで、「思っていた仕事」と「現実」との違いを早い段階で把握でき、納得感のある就職活動がしやすくなります。
このように、秋冬インターンシップでの実践的なプログラム体験は、応募への動機付けにつながると同時に、入社後の早期離職防止の施策としても有効的です。さらに、秋冬インターンシップは選考時期に近いため、優秀な学生と早期に接点を持ち、自社に関心を持った学生を早期選考や内定へとつなげやすい点も大きなメリットです。
加えて、夏のインターンシップに比べて参加学生が限定されることで、企業は本気度の高い学生と密なコミュニケーションを重ねやすくなります。
厳選された学生と密にコミュニケーションを図ることで、学生の応募動機を高めやすくなり、選考離脱や歩留まりの解消にも役立ちます。
4.秋冬インターンシップに活用できるサービス
秋冬インターンシップはサマーインターンシップに比べ、母集団形成が難しいため、いかに優秀な母集団形成をおこなうことができるかがポイントになります。
母集団形成の手法はさまざまです。ここでは、母集団形成に効果的な手法を紹介します。
1.インターンシップサイト
マイナビ
就職サイトとしても利用している企業が多いマイナビは、インターンシップサイトとしても活用することが可能です。
- 学生登録数・企業掲載社数ともに業界最大規模の就職サイト、インターンシップサイトです。
インターンシップだけでなく、3月以降も継続して利用が可能です。学生が企業・業務理解できるような情報提供に注力しており、先輩社員紹介コンテンツも充実しています。6月から9月のサマーインターンシップと10月から翌2月のオータム・ウィンターインターンシップに分けての掲載となっています。
- 【資料ダウンロード】マイナビ運用ノウハウ徹底ガイド
マイナビインターンシップサイトを検討または掲載している企業様
向けに、オプションの活用方法をご紹介! 効果的に運用するために
はどのオプションを使うべきかわからない企業様向けにまとめた資 料になります。ぜひご活用ください。
キャリタス就活
株式会社ディスコが運営しているインターンシップサイトです。
- ターゲット学生を居住地、資格、志望業種、職種、資格、学校などで絞り込み、「気になる」を送りアプローチできます。
インターンシップ集客から選考期まで利用が可能です。 - また、サイトと連動した採用イベントも開催しているため、会場で直接学生に接触することも可能です。
2.合同説明会/イベント/オンラインイベント
キャリタス就活フォーラム
就職サイトのキャリタス就活が運営する採用イベントです。
就職サイト「キャリタス就活」と連動し、春夏インターンシップ期間から秋冬インターンシップ期間まで、長期的な活用が可能です。
年間を通して全国約30ヵ所・約300開催されており、業界別、学生系統別など細かいセグメントごとのイベントも実施しているため、ターゲット学生と接触しやすい特徴があります。
また、イベント専用アプリの活用により、イベント当日に接触した学生をその後のWebエントリーやインターンシップへの誘導が可能です。
CAREER MEETUPMEET UP(キャリアミートアップ)
理系学生の集客に特化している対面イベントです。
CAREER MEETUPは機電系学生を中心とした理系学生の採用に特化したイベントです。
すべて対面開催となっており、東京・大阪・名古屋・福岡を中心に開催されています。
機械・電気系学生のみを集めたイベントなど、特定のターゲットに効率的に接触できるような仕組みになっています。
学生1人当たり15分間の面談時間を取ることが可能で、自社の採用ターゲットに合わせた効率的なインターンシップ集客や採用をおこないやすいイベントです。
3.インターンシップ企画代行サービス
採用活動において重要な秋冬インターンシップ。集客に最も効果的なのは、学生が「参加したい!」と思うようなコンテンツを用意することです。
しかし、どのようなコンテンツにすれば良いのか、どのようなスケジュールで組み立てれば良いのかなど、お悩みの企業も多いのではないでしょうか。
集客が見込める自社に最適なインターンシップを設計します。
プロによる現状課題の把握の上でインターンシップづくりをお手伝い。目的などのヒアリングの上で、それら網羅するプログラムを設計できます。
4.送客(動員課金)サービス
費用面については、求めるターゲットや時期によって異なります。
おすすめの時期については、学生が比較的に能動的に動くインターンシップの時期から就職活動前半までが目安の期間となります。
- 「送客サービス」とは、自社の採用ターゲットにあった学生を説明会や選考に動員してくれるサービスです。
成功報酬型が多く、人が集まらない場合は費用負担を抑えることができます。 - 選考フェーズにあった送客プランを選ぶことができます。学生を集める手間を削減でき、採用ターゲットを決めておくことで、マッチング度の高い採用が実現できます。
- また、成功報酬型のため、人が集まれば費用負担、集まらなければ費用負担を減らすことも可能です。
5.学生動員・呼び込みサービス(採用業務代行)
- 多くの企業に課題としてある人員不足を採用代行サービスを使うことで解消することができます。
- 合同説明会やイベントで獲得した学生データに対し、選考や説明会への呼び込みの代行もおこないます。
- プロに任せることで品質向上を図ることができ、ノウハウやスキルを自社に蓄積できることもメリットです。
- 圧倒的工数削減になり、選考に集中することができます。
6.採用管理ツールMOCHICA(モチカ)
- MOCHICAは、学生や求職者とLINEでやり取りできる、チャット対応採用管理ツールです。
- これまでの採管理ツール同様学生への連絡や歩留まり管理ができるのはもちろん、LINEでメッセージが送信できることが特徴です。
- 学生が最も利用するSNSであるLINEで学生とつながることができます。
- メールや電話連絡よりも圧倒的に返信率が高いです。
5.まとめ
秋冬インターンシップは3月のグランドオープン直前のタイミングとなるため、企業、学生ともにその後の選考を意識したインターンシップとなります。
採用活動において母集団形成は重要です。
企業が求めている人物像にあった学生を多数集めることができれば、企業の選択肢が増えます。
母集団の形成方法をいくつか紹介しましたが、それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の考え方、採用方針にマッチした方法を採用し良い母集団形成を行いましょう。
良い母集団形成を行うことが採用活動を決めるといっても過言ではありません。
年々インターンシップを重要視する傾向が高まり、今後も早期化が進むことが予想されます。
この機会にぜひ、秋冬インターンシップに活用できるサービスをご活用ください。

中小・ベンチャー企業を採用成功に導く戦略を
入社してから一貫して新卒採用のコンサルティングをおこなう部署に携わる。大手上場企業~ベンチャー企業まで計1,000社近くの支援を経験し、現在は新規営業部門の責任者として従事。
- 名前
斎藤/新卒採用領域
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