【最新版】インターンシップ動向を解説!学生に響くコンテンツ設計とは
インターンシップ
年々インターンシップが活発化し、企業・学生の活動は早期化しています。
学生の自己分析・業界研究・企業研究において、インターンシップの占める割合は非常に高く、また学生が内定先を発見する手段としても大きな役割を担っています。
そのため、企業にとってインターンシップの満足度が採用成功のカギと言っても過言ではありません。
そこで本記事では、
・インターンシップの最新動向
・新卒学生の活動状況
・インターンシップコンテンツ事例
など、学生の心を掴むコンテンツ設計のポイントを、市況の動向と事例を交えながら紹介いたします。
ぜひ、今後の新卒採用活動にお役立てください。
目次
1.インターンシップの動向
新卒採用を取り巻く環境はこれまで大きく変化しています。
中でも学生の活動早期化に伴いインターンシップの重要性が大きく変化し、より一層時代の流れや学生の動きに合わせた対応が求められるようになりました。
そこで本章では最新のインターンシップ動向について解説していきます。
1-1.インターンシップのスケジュール
※図:ネオキャリア作成
採用スケジュールはこの数年で大きく変化しており、16年卒採用から広報解禁日が3月に後ろ倒しになったことによりインターンシップ期間が長期化しました。
それに伴って、学生はインターンシップへの応募・参加が活発化し、現在ではインターンシップから就職活動をおこなうことが主流となっています。
さらに直近では、採用直結型インターンシップもトレンドとなっており、一定の条件をクリアするとインターンシップで得た個人情報を採用活動へ活用することが可能になりました。
また、株式会社マイナビの調査*から各選考フローのピークを見てみると、インターンシップへの応募受付を6月に開始し、その後3月には採用に直結する説明会や面接を実施、そして4月までに内々定出しを開始している企業が多いことがわかりました。
今後も同様の動きが予測されるため、上記のスケジュールを参考に自社のインターンシップ計画を立てていきましょう。
*出典:株式会社マイナビ「2023年卒 マイナビ企業新卒採用予定調査」.pdf
1-2.インターンシップ活動状況
※出典:株式会社マイナビ「マイナビ2025年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査~中間総括~(10月)」を参考にネオキャリア作成
株式会社マイナビの調査によると、広報解禁が3月に後ろ倒しになった16年卒を境にインターンシップの参加率は右肩上がりとなり、25年卒の学生では90%の学生がインターンシップに参加をしています。
さらに、インターンシップの平均参加社数も同様に右肩上がりに増加しており、25年卒学生のインターンシップ平均参加社数は6.0社という結果となりました。
※出典:株式会社マイナビ「学生就職モニター調査」を参考にネオキャリア作成
学生の平均エントリー社数をみると、過去3ヵ年比較で24年卒は最もエントリー社数が少なく、平均34.9社という結果となりました。
内訳をみてみると、3月~8月の平均エントリー社数は右肩下がりに減少している一方で、インターンシップ・仕事体験のエントリー社数は増加しており、直近3年で1.5社増加する結果となりました。
このことから、学生は3月以降に企業を探すのではなくインターンシップ期間に企業を探しており、学生の活動の中心がインターンシップに変化していると言えます。
上記のデータから、これまでのインターンシップの目的は企業認知や母集団形成でしたが、最近は選考に直結させる目的で実施する企業が多い傾向にあります。
学生のインターンシップ参加社数も増加していることからも、限られた工数の中で、より自社に対する理解を深めてもらうためのコンテンツを検討する必要があると言えるでしょう。
そのほか、詳しいインターンシップ動向について知りたい方は以下の資料もご活用ください。
2.学生満足度の高いインターンシップとは
学生のインターンシップ参加目的は、特定の会社を深く知りたいのと合わせて、視野を広げたり働き方について考えたりと、自分自身のキャリア観を醸成するためにインターンシップに参加をしています。
コンテンツとしては企業理解が深まる内容であり、学生自身が成長を感じることができる内容であることが重要です。
2-1.学生のインターンシップに対する満足度
※出典:株式会社ディスコ キャリタスリサーチ「2023年卒特別調査インターンシップ特別調査」pdfを参考にネオキャリア作成
株式会社ディスコの調査によると、インターンシップに参加した満足度を参加日数別に尋ねると、満足と回答した割合が全体の80%を超える結果となりました。
特に「大変満足」に着目すると、実施期間の長さが満足度と相関関係にあることがわかります。
※出典:株式会社ディスコ キャリタスリサーチ「2023年卒特別調査インターンシップ特別調査」pdf
さらに開催形式別でみると、「大変満足」と答えた学生の割合はオンラインのみが42.6%であるのに対し、対面のみが61.1%と20ポイント近い差が見られる結果となりました。
※出典:株式会社ディスコ キャリタスリサーチ「2023年卒特別調査インターンシップ特別調査」pdfを参考にネオキャリア作成
また、コンテンツの中身でみていくと、現場社員との接点の多さが満足度に大きく影響する結果となりました。
このことからも、オンライン実施により企業側の工数削減や学生集客の強化にはつながる一方で、学生満足度を高めるためには対面形式での実施や長期間でおこなうインターンシップコンテンツを考える必要があると言えます。
2-2.インターンシップの満足度を高める8つのポイント
上記のデータを基に、学生のインターンシップ参加満足度を高めるための8つのポイントについてチェックリスト形式でご紹介します。
□ インターンシップ前に「参加目的の明確化」と「事前の目標設定」をおこなっている
□ 1週間以上のプログラムを提供している
□ 「実際の仕事体験」ができるプログラムを提供している
□ 現場社員など、人事以外と交流ができるプログラムを提供している
□ インターンシップ後に「個人」に対する評価・フィードバックをおこなっている
□ 口頭によるフィードバックは「30分以上」おこなっている
□ 社会人基礎力など、インターンシップ後にどのようなスキル・能力が身に付いたかを確認している
□ インターンシップ後も、定期的に連絡・フォローをしている
合わせて、以下の資料では満足度の高いインターンシップコンテンツを設計するためのポイントやフレームワークをご紹介しておりますので、ぜひご活用ください。
3.インターンシップの種類と目的
以前はインターンシップと聞くと、長期で就業体験をさせるものというイメージが強かったかもしれませんが、現在ではさまざまな期間・内容で実施しているところが多くなっています。
期間については、大きく以下3つに分けられています。
明確に短期・中期・長期と定義があるわけではありませんが、今回の期間分けは下記に沿って進めていきます。
それぞれどのような特徴があるのかご紹介していきます。
- ● 短期:1dayインターンシップ
- ● 中期インターンシップ:1週間~1ヶ月程度
- ● 長期インターンシップ:1ヶ月以上
3-1.短期(1day)インターンシップ
短期型の1dayインターンシップはその名の通り、1日程度の短期間のインターンを指します。
内容としては、企業の事業説明、グループワークやグループディスカッション、事業内容に関するセミナー、先輩との交流、社内見学など企業によって異なります。
企業側は、母集団形成として認知度を高めるために実施することが多いです。
学生の立場からみると、短期間のため参加しやすいというメリットがありますが、短期間のため仕事の理解度は浅くなります。
3-2.中期インターンシップ
中期インターンシップは、1週間~1ヶ月程度おこなうインターンを指します。
グループワークや業務疑似体験が中心となり、短期インターンシップと比べ、企業や仕事に対する理解度が高まり、志望度を高める効果があります。
社員との交流や模擬プレゼンテーションなどをおこない、実際の仕事近い内容に触れることができることもメリットです。
デメリットとしては、多くの実施企業は連続日程で実施するケースが多いため、開催する時期によっては、参加学生が集まりにくいという点があります。
3-3.長期インターンシップ
長期インターンシップは、1ヶ月以上実施するインターンシップを指します。
年単位でおこなわれる場合もあり、時給や日給として、給与が支払われるケースが多いことも特徴です。
志望する企業の一員として、実際に企業内での業務をおこなうことが多く、実践型インターンシップと呼ばれます。
受け入れ企業を見ていくと、さまざまな職種で実施しているケースが多くなっています。
長期インターンシップの場合、企業によって募集の要件は異なっています。
これは企業によって、長期インターンシップにおける目的が、異なっているからと考えられます。
インターンシップを通じて、自社の社風や社員との相性を見ることもできますし、実際の業務に携わらせることでスキルを見て、採用をするかどうかといった判断をする企業もあります。
デメリットとしては、短期や中期と比べて工数がかかるため実施できる企業が限られる点です。ただし、その分他社との差別化も図りやすく、採用直結を目的として導入することも可能です。
インターンシップの実施が初めての方や、今あるインターンシップを見直したいという方は外注も検討してみるのもよいでしょう。
- コンテンツ設計からフォローまでトータルサポート
ネオキャリアのインターンシップ企画サービスでは、企業の実施目的や実施期間に合わせたコンテンツの立案・設計・実施フォローまで一気通貫でサポートします!気になる方はぜひお問い合わせください。
また、自社でインターンシップのコンテンツを設計したい方や、既存のコンテンツの見直しを図りたい方に向けておすすめの資料もございますので、合わせてご活用ください。
4.期間ごとのインターンシップ事例
ここまで短期・中期・長期それぞれの種類や目的をご紹介しましたが、実際に自社でインターンシップをおこなう際にどのようなコンテンツがマッチするのでしょうか。
また、企業ごとに採用したいターゲットやインターンシップにかけられる工数も異なるため、目的に合わせたコンテンツ設計が重要となります。
何もないところからインターンシップコンテンツを考えるより、他社を参考に自社向けのものを考えていくほうが効率的なため、ここでは期間別のインターンシップ事例をご紹介します。
4-1.短期(1day)インターンシップ事例
まずは短期(1day)のインターンシップ事例についてご紹介します。
A社:専門商社/営業職向け
■実施期間:1日
■業種:専門商社(建材・エクステリア)
■タイトル:営業No.1を目指せ!プレゼン体験インターンシップ
■実施目的:営業職の業務の1つを経験することで、仕事理解・事業理解を深める
■概要:営業体験を、メーカーショールーム貸切でおこなうプログラム
■プログラム詳細:
・会社説明/業界についての解説
・自社製品販売のプレゼンテーション
・営業ロープレ体験
・先輩社員との座談会/質疑応答
B社:IT(情報・通信)/エンジニア職向け
■実施期間:1日
■業種:IT(情報・通信)
■タイトル:情報システムを支える仕事体感型インターンシップ
■実施目的:「働くテーマ」を見出す、わかりにくいシステムエンジニアやプログラマの仕事の理解
■概要:これまで自社で起きたケース事例をもとにグループワークを実施、さらに活躍する社員との座談会から働くイメージをもたせる
■プログラム詳細:
・社会の中のIT業界:社会インフラとしての立ち位置や役割、及び業務内容の説明
・業界/キャリアワークショップ
・先輩社員との座談会・プロジェクト対談
・具体的なケース事例の紹介と体験ワーク
・IoT等による社会課題解決型のグループ提案
・AI/ロボット等による疑似体験
・未来サービス創出提案グループワーク
4-2.中期インターンシップ事例
次に、中期のインターンシップ事例についてご紹介します。
C社:メーカー(電機)/エンジニア職向け
■実施期間:2週間
■業種:IT(情報・通信)
■タイトル:通信システム開発から納品を体験 実務型インターンシップ
■実施目的:実務に近い経験をすることで、理系学生を効率的に惹き付けし、採用につなげる
■概要:通信システムの設計から、製品が納品させるまでのプロセスを実際に体験
■プログラム詳細:
・通信システムの設計をおこなう
・行先表示案内のプログラム書き換えを実務レベルで実施
・書き換え後、複数人、多段階のチェックをおこない、納品
D社:専門コンサルティング/総合職向け
■実施期間:2週間
■業種:専門コンサルティング
■タイトル:現場プロジェクト参加!実務インターンシップ
■実施目的:実務を経験することで、業務適性・人間関係構築・社風へのマッチなどを確認し、採用につなげる
■概要:現場業務を担当上司の元で実施、体験を超える経験を得られるようにする
■プログラム詳細:
初日:グループワークの実施。業務の流れやチームでどのようにして業務をおこなうのかを学習
2日~13日目:現場担当上司の元に2名前後で配属。実際の案件の下調べ、仮設、構築、検証、報告の一連の業務を実施。
最終日:実地で学んだことの成果を各チームごとに発表
4-3.長期インターンシップ事例
最後に、長期インターンシップの事例についてご紹介します。
E社:メーカー(輸送機器)/技術職向け
■実施期間:3週間
■業種:メーカー(輸送機器)
■タイトル:技術職向け実務体験インターンシップ
■実施目的:技術職採用が苦戦傾向であることから、実務体験をすることで仕事のやりがいなどを伝え、採用につなげる
■概要:技術職志望の理系学生を対象としたインターンシップ
■プログラム詳細:
14コース(事前に希望コース選択制)
初日:全コース一緒に集合型の研修を実施。基本的な会社や作業での考え方や注意事項などを学習。
2日目:工場見学をメインに実施、コース毎に分かれて自分が参加予定の現場を見学
3日目~最終日前日:現場実習を各コース毎に実施、実務体験のため現場社員が面倒を見ながらさまざまな業務を体験
例)車両騒音低減への構造提案をテーマに実務を体験
最終日:現場で体験したことを元に成果物をチーム毎に発表。現場社員、インターンシップ担当者よりフィードバックを実施
5.まとめ
人手不足が社会問題になっている現在、いかに優秀な人材を獲得するかが、企業成長のためには重要です。
これまでは、会社の認知度を高める目的でおこなわれていたインターンシップでしたが、今は会社への志望度を高めるためや母集団形成など直接採用につなげる目的でも活用されています。
学生の多くはインターンシップを経験することで、その企業への志望度が高くなったという調査もあります。
インターンシップを効果的に実施することで、より自社に合った学生の採用につながるメリットもあります。ぜひ、自社にマッチした活用方法を見つけていきましょう。
中小・ベンチャー企業を採用成功に導く戦略を
入社してから一貫して新卒採用のコンサルティングをおこなう部署に携わる。大手上場企業~ベンチャー企業まで計1,000社近くの支援を経験し、現在は新規営業部門の責任者として従事。
- 名前
斎藤/新卒採用領域
この営業が携わった他の事例・記事を見る