新卒採用は、春から夏にかけておこなわれることが多いですが、秋(9月〜11月末頃)におこなわれる採用活動を「秋採用」をいいます。この時期は、内定式が終わり次年度の採用戦略を本格的に考え始める企業様が多くいる一方で、採用補充に向け「秋採用」をおこなっている企業もあるでしょう。
しかし秋採用の時期には、多くの学生がすでに内定を獲得しているため、ただ待つだけでは自社の求める学生に出会う可能性は低くなってしまいます。
<この記事で紹介する3つのポイント>
- 秋採用でしか出会えない5タイプの学生
- 秋採用の注意点
- 秋採用に効果的な新卒採用手法
目次
自社にマッチした学生へアプローチをする「攻め」の採用手法
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1.新卒秋採用の特徴
秋採用は、春採用や夏採用で計画通りに内定承諾者を増やすことができなかった企業や、学生が大手企業での内定を優先し辞退となった企業などが実施している印象のある方も多いのではないでしょうか。
「志望者が集められなかった企業」というマイナスイメージを持たれがちな秋採用ですが、積極的に実施している企業も多くあります。
秋採用と春・夏採用の違いは、登録学生に違いがあります。
秋の選考に参加する学生は春採用や夏採用で内定が得られなかった人だけではありません。
夏以降に海外留学から帰ってきた学生や部活動にぎりぎりまで打ち込んだ学生、公務員試験の受験者などが参加します。
また内定を得たものの、より条件の良い就職先を求めて、就職活動を続ける判断をする学生も少なくありません。
つまり採用後半戦であっても、優秀な学生と出会える可能性は十分にあるのです。
2.秋採用でしか出会えない5タイプの学生
秋採用になると、相対的に自社の求める学生と出会う機会が減ってくるものです。
ただ、大手・有名企業ではなく中小・ベンチャー企業に目を向けて活動する学生が増えてきます。
数はそこまで多くはありませんが、この時期だからこそ出会えるような学生もいます。
以下のような学生を意識してアプローチすることもひとつの方法かと思います。
公務員試験に落ちてしまった学生
国家公務員Ⅱ種であれば、9月に試験の合否がわかります。
そこで残念ながら不合格となってしまった学生がこの時期から就職活動に意識を切り替えて動きはじめます。
基本的に公務員試験の勉強を中心におこなってきているので、就職活動の経験はありません。
またそれ以外にも、司法試験や、公認会計士試験もなどの資格取得を優先していたために、就職活動をおこなってこなかった学生もいます。
部活をしていた体育会系の学生
体育会の部活は、春や秋に大会があるため、就職活動の時期と重なってしまう場合が多いです。
そのため、部活に専念せざるを得なく、就職活動を集中しておこなうことが難しくなります。
そのためずっと部活に打ち込み、引退した学生が、この時期から徐々に本格的に就職活動を始めます。
海外への留学経験がある学生
海外留学生は、国内での就職活動は帰国した期間でしかおこなうことができず、就職活動をおこなうことを目的として帰国してきている学生も多くいます。
1~2ヵ月するとまた大学に戻らないといけないため、基本的に短期での就職活動を求められます。
また、9月から新学期が始まる国へ留学した学生は、留学期間が終わるのが7月ごろになるため、帰国後から就職活動を始めなくてはなりません。
近年では、留学生の採用に関しては、通年採用の企業も増え、まずは語学力を見るためにSkypeや電話を活用して遠隔で面接を実施する方法も増えてきています。
内定を辞退した学生
内定ブルーという言葉がありますが、内定を獲得してほっと一息ついた後に、「本当にこの企業で良いのだろうか」と悩む学生が出てきます。
また内定式には出席したものの何かしらのギャップを感じ、辞退に至る学生もいます。
そういった学生は、再度就職活動をおこないます。
アルバイトをずっとおこなっていた学生
諸々の事情で「お金を稼ぐためにアルバイトに力をいれていた」「アルバイト先への就職を考えていた」といった学生もこの時期にちらほらと見受けられます。
3.秋採用の注意点
学生と会う入り口のハードルを下げる
秋採用は春・夏採用と比べ、選考参加予定の学生人数も少ないため、母集団形成に苦戦する傾向があります。
少しでも多くの学生と会えるように、応募があったら個別に会っていくなど、柔軟な対応をおこなってもよいかと思います。
履歴書の内容や面接がイマイチでも、面接慣れしていないだけと考える
履歴書の内容が薄い、面接で上手く話すことができないという学生がいても、やる気がないわけではなく、就職活動に慣れていないというケースが大半です。
夏以前の採用基準と同様に考えずに、「海外留学をした理由」「部活でどういうことをしてきたか」「バイトで何を学んだのか」など、粘り強く深掘りして聞いていくことで、その学生の経験してきたこと、想いや考え方など、良さを引き出すようなヒアリングをしていきましょう。
選考のリードタイムを短くする
選考回数を減らすこともひとつの方法ですが、マッチングの制度を落とさないためには、通常通り複数回選考をおこなうほうが良いでしょう。
まずは選考回数を減らさずにリードタイムを短くすることを意識してみてはいかがでしょうか。
場合によっては選考後、その場で合否を伝え、選考日程を決めてしまう方法もありでしょう。
他社の選考状況にいつも以上に注意を払う
秋採用は、夏までの採用と比較した際に、選考のリードタイムを短くしている企業が多くなります。
また学生側も早く就職活動を終えなくてはいけないと、危機感が高いため、内定獲得後、悩まずに承諾する学生もいます。
他社の選考状況を把握せずに油断をしていると、学生から「他社内定のため辞退させてください」と連絡をもらうことがあるかもしれません。
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4.秋採用に効果的な新卒採用手法とは?

秋採用に向けて、上記のような学生をはじめとして、学生と出会う母数を増やしていくためにどのような方法があるのでしょうか。
以下にて5つのサービスをご紹介します。
1.新卒紹介サービス
新卒紹介サービスは、企業側の採用案件にあった学生を厳選し、企業に紹介するサービスです。
基本的には成功報酬制度をとっているサービス会社が多く、「コストをかけたにもかかわらず採用できなかった」というような問題が起こりません。
採用案件にあった学生を厳選してもらえるので、「面接した結果、全く希望にあわなかった」といったマッチングの不一致を減らすことができます。
特に中小企業のように企業の知名度が低い場合、学生に認知してもらうのは難しいですが、学生を紹介してくれるエージェントはその道のプロであり、中小企業の良い点なども把握しています。
したがって、学生へのアピールをしなくても優秀な人材を紹介してもらえる可能性があります。
就職エージェントneo
就職エージェントneoは、業界でもいち早く紹介(エージェント)サービスを展開した業界トップクラスの新卒紹介サービスです。
登録学生数は年間約18万人ほどで、首都圏にかぎらず全国の企業へ学生をご紹介しています。
職種や採用開始時期、人数など細かいご要望をお聞きした上で学生との希望と合わせて紹介をしています。
理系就職エージェントneo
国内トップクラスの紹介実績を誇る新卒紹介「就職エージェント neo」の理系に特化した「理系就職エージェントneo」では、全国各地の理系学生を集客しているため、地方の優秀な学生へのアプローチが可能です。
理工学生の中でも特に機電・情報系を中心に、建築・土木学生の集客を強みとしています。
2.合同企業イベント・説明会
マイナビ国際派就職が開催している、Global Career EXPO※に代表されるように、留学生に特化した合同企業イベントがあり、留学生が帰国するタイミングで毎年開催されています。
留学生のことを考慮し、その場で面接ができるブースも設置しており、リードタイムを縮めて選考をおこなうことができます。
※参考:マイナビ国際派就職
3.就職サイト
多くの学生にアプローチするという観点では、秋採用に関しても、引き続きマイナビなどの就職サイトはメインで使っていくべきだと思います。
ただし、訴求方法を変更することはひとつ検討されてみてはいかがでしょうか。
例えば、『秋以降、まだまだ採用します』『就職活動を今から開始された方、歓迎』『英語を活かせる環境があります』など、積極的に採用をおこなっていることをアピールしたり、秋採用に向けてアプローチしたい層をイメージして訴求したりすると良いでしょう。
大手・有名企業の求人がクローズしていく中で、自社求人が注目されるチャンスがあるかもしれません。
4.学生送客サービス
Unistyleでは、東大・早稲田・慶応の3人に1人が利用する、就活情報サイトを運営しています。
その中で学生の送客サービスをおこなっており、上位校の学生を説明会やインターンシップ、選考に送客してもらうことで、母集団形成が可能になります。秋採用でも就職活動を続けているような、優秀な学生に出会えることがあります。
5.大学キャリアセンター
就職活動に慣れていない学生は、大学のキャリアセンターにも相談をすることかと思います。そこで各大学にお願いをして求人票を置いてもうようにしましょう。
可能であれば、FAXや郵送で送るだけではなく、直接手渡す方がより印象づけることができます。
注力したい大学には定期的な訪問をおこない、情報交換できるような関係性を築いていくことも重要でしょう。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここでは、ほんの一部を取り上げさせていただきましたが、秋採用に向けて採用担当者ができることはまだまだあるかと思います。
秋採用に向けて、「とりあえず母集団を確保してそこから選考をおこなう」よりも、どのような層の学生がどのように就職活動をしているのかを理解し、その上でアプローチ方法を検討していくことが重要ではないでしょうか。