【中小企業向け】中途採用を成功させるためのポイントとは?|採用課題とその解決策
中途採用
中小企業が中途採用を成功させるための課題として、知名度を高めながら母集団形成をおこなうことが挙げられます。
ダイレクトリクルーティングや人材紹介は自社を知らない層へ、企業やエージェントをとおしてアプローチできるため、知名度を高めながら母集団形成をおこないやすい手法です。
そのほかには、近年注目をされているSNSを利用したアプローチもおすすめです。
また、中小企業の中途採用課題には、採用担当者がほかの業務と兼任しているため採用業務に集中できないといったケースが少なくありません。そのような場合は、採用予定部署の社員が面接官を担うなど、社内全体で採用活動に取り組む仕組み作りが有効です。
上記以外にも、中小企業の中途採用課題には内定辞退の防止や早期離職の防止、採用コスト削減の課題などがあります。
本記事ではそのような中途採用課題に対する解決方法を解説しています。
本記事は、
・中小企業の採用の現状
・中小企業の採用手法
・中小企業の採用課題とその解決策
についてまとめています。
目次
1.中小企業の中途採用の現状
以下では、中小企業白書の数値的データから見た「中小企業の採用の現状」をご紹介します。
中小企業の中途採用の課題が見えてくるかもしれません。
1-1.中小企業の中途採用の現状
中小企業白書によると、2009年のリーマンショックをピークに、2013年以降は全業種において人手不足と感じている企業が多くなっています。
経営上の課題として、「求人難」を挙げた中小企業の割合はバブル期に迫る水準となっており、「採用」は経営における最重要課題として認識されていることがわかります。
以下は有効求人倍率と通行求職者数、有効求人数の推移です。
2013年から2020年にかかて有効求人倍率と有効求人数が右肩上がりとなる一方で、有効求職者数が減少しています。
しかし、2020年は新型コロナウイルスの流行により多くの業種が経営打撃を受け、有効求人倍率および有効求人数、有効求職者数の減少がおきました。
2022年以降は再び有効求職者数と有効求人倍率、有効求人数の差が大きく開き始め、売り手市場の状態が続いています。
引用: 中小企業庁「2023年版中小企業白書」
中小企業の売上高の推移も、有効求人倍率当同様に、2020年の新型コロナウイルスの流行による影響がみられます。
引用: 中小企業庁「2023年版中小企業白書」
業種別に前年同期と比較した中小企業の売上高の動向を見ると、2020年は小売業と運輸業を除き多くの業種がマイナスとなりました。
特に宿泊業、飲食サービス業は新型コロナウイルスの影響が大きく受けましたが、2022年以降は回復の兆しをみせています。
しかし、依然として多くの業種で売上高が回復しておらず、特に「生活関連サービス業、娯楽業」は大幅減となっており、回復傾向はあるものの「宿泊業、飲食サービス業」や「製造業」、「建築業」も引き続き厳しい状況にあることがわかります。
1-2.大企業と比較した経営利益の推移
引用: 中小企業庁「2024年版中小企業白書」
中小企業の経常利益は売上高同様、リーマン・ショック後に大きく落ち込んだ後は緩やかな回復基調が続いてきましたが、2020年に入ると、新型コロナウイルスの影響により減少に転じました。
その後は、2020年第3四半期を底に、中小企業の経常利益は再び緩やかな増加傾向にあります。
しかし、2024年は円安が続いており、中小企業だけでなく大企業や一般家庭への影響が懸念されます。
1-3.中小企業が使っている採用手法
引用: 中小企業庁「2022年版中小企業白書全文」
中小企業白書によると、中小企業が利用している中途採用の手法は、「ハローワーク」が最も多く、次いで「知人・友人の紹介」が多くなっています。
採用実現率では、「知人・友人の紹介」や「取引先・銀行の紹介」が高く、「自社ホームページ」が最も低くなっていることから、コストがかからず、かつ顔の見える採用手段が効果的だと考えられます。
しかしながら、中小企業の課題である中途採用の採用難を解決するためには、求職者や自社のターゲット人材の動向を加味しながら幅広い採用手法を検討することが非常に重要です。
2.中小企業の中途採用課題と解決策
以下では、中小企業の中途採用課題と、それぞれの課題に対する解決策をご紹介します。
ぜひ、参考にしていただき、中途採用の成功に繋げていただければ幸いです。
2-1.リソースが足りない
大規模かつ計画的な採用をおこなうことのできる大企業に比べて、中小企業は中途採用活動に専念できずにいる可能性があります。
「専任の採用担当者を置けない」、「採用に時間をかけることができない」、「採用活動に予算をかけることができない」などの理由から、本来採用できていたはずの人材を取りこぼしているかもしれません。
解決策:会社全体で採用活動をおこなう
解決策として、社員全員が採用担当者になるという方法があります。
例えば「希望の部署の社員が面接官の1人となる」、「応募者の印象や感想を社員全員で共有する」など社員全員が採用活動に関わることで、リソース不足の解消につながります。
また、普段の業務が忙しく、面接や人物の選定に時間がかけられない場合は、事務作業や応募者への対応などの業務をアウトソーシングして、人材選びに集中するという方法も有効です。
2-2.応募者が少なく、優秀な人材を採用しにくい
中小企業は大企業と比較すると、知名度などの理由から応募者数自体が少ないケースがあります。
もちろん、中小企業の中でも知名度が高い企業もありますが、大企業のように大人数から選定することができず、優秀な人材を確率的に採用することに課題を感じている企業が少なくありません。策
解決策:必要な人材を見極める
優秀そうな人材と、必要な人材は異なります。
大切なことは、「自社に必要な人材」を意識して採用することです。
特に中小企業では中途採用の際、「適材適所」を考えて採用することが重要なポイントとなります。
募集をおこなっている部署で求められている人材の「性格」「スキル」「経験」など、具体的な人物像を明確に決めておくことで、採用の際、会社に本当に必要な人材を見極めることができます。
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2-3.内定辞退者が多い
近年の求職者は、応募前にネット上で企業の評判や過去の就活者が提供している情報など調べています。
外部の口コミだけでなく、自社のHPや求人情報が少ない場合、労働条件等の待遇面や社風、職場環境などが不明確となり、不安から内定辞退につながっているかもしれません。
大企業は就活サイトや自社ホームページにおいて情報が充実しており、売上や事業内容、平均勤続年数などもあらかじめ入手することも可能です。
また、写真や動画などを利用して、社内の様子を具体的に発信しています。
応募はそこそこあるのに、内定辞退者が多い場合、求職者に向けた情報の内容や発信方法に工夫が必要かもしれません。
解決策:採用時期をずらす
解決策として、中途採用の採用時期をずらす方法があります。
いわゆる、多くの企業が採用活動をおこなう春を避けて、秋の採用活動に重点をおく方法です。
秋は、春に比べると他社との採用競争が激しくなく、自社の求人情報が他社の求人情報に埋もれる可能性も比較的低くなります。
内定を多く保有している応募者も比較的少ないと思われ、企業としては、内定を辞退されるリスクが低減します。
春の就職活動に満足できなかった応募者には、「この機会を逃すと年内に就職できない」という大きな危機感もあるので、内定承諾率が上がると想定されます。
2-4.採用コストが必要以上にかかってしまう
採用手法として、就活サイトへの掲載や就活情報誌、新聞・雑誌などの求人広告があります。
売手市場の現在では、自社の掲載情報が他社の中に埋もれてしまうことも多々あり、「1度や2度掲載しただけでは電話の1本も鳴らない」ということは珍しくありません。
結果、採用コストが必要以上にかかってしまいます。
先程述べたように、中小企業の最も多く利用している中途採用の手法が「ハローワーク」や「知人・友人の紹介」などコストのかからないものに限られてしまうのは、これが原因とも考えられます。
解決策:ダイレクト・リクルーティングを活用
ダイレクト・リクルーティングとは、SNSなどのITツールを活用し、企業から直接人材にアプローチする採用手法です。
企業側から直接アプローチすることができるため、知名度の低い企業でも気に入った人材に接触することができます。
就活サイトやハローワークが「待ちの採用」であるのに対し、ダイレクト・リクルーティングは「攻めの採用」です。
大企業とは異なり、柔軟な採用活動をおこなえる中小企業の中途採用においては、安価かつ効率的で有効な採用手法だといえます。
3.まとめ
中小企業においては、どうしても知名度が低いなどの理由から新卒採用が不利な立場にあり、また、人材育成にあまりコストをかけられないため、即戦力である中途採用を重視する必要があります。
ただし、大企業も積極的に中途採用をおこなうようになった今、中小企業における中途採用はますます厳しくなっています。
そのため、中小企業は今ある採用課題を解決できる、新たな知的戦術が必要になってくるといえます。
いわゆる「ヒト、モノ、カネ」といったリソース面で不利な部分が多い中小企業が、大企業に採用で勝つためには、同じ土俵で戦うのではなく、低コストで効果的な採用方法や、新しい採用方法を積極的に試してみるなど、多種多様で柔軟な採用活動が必要になってくるでしょう。
本記事が中小企業の中途採用課題の解決のヒントや、中途採用の成功につながれば幸いです。
圧倒的な顧客視点をもったトータルサポート
2009年に新卒でネオキャリアに入社後、営業からマネジメントまで多岐に渡りトップレベルの業績を残し事業部長に就任しました。 「顧客視点」を第一に考え、市況感を先読みした革新的なアイデアで採用成功まで導きます。
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中島/中途領域
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