【2024年版】外国人を雇用するには?|メリット・注意点・手続き・採用手法を解説
外国人採用
パーソル総合研究所が2019年におこなった「外国人雇用に関する企業の意識・実態調査※」の結果をご存知でしょうか。この調査によって、外国人雇用の優先度を高く考えている企業と、そうではない企業の二極化が進んでいることが明らかになりました。
コロナを経て日本の各地で外国人観光客や留学生が見受けられる中、外国人雇用を再開する企業が増えています。
しかしながら、これまで人材の送り出しの中心であったアジア各国と地域でも高齢化に向かっており、人材確保は年々難しくなっています。介護人材やIT人材を中心としたグローバルな人材獲得競争が激化する中、出遅れている企業は危機感を持たなければいけません。
未だ外国人雇用に取り組んでいない場合、採用や人材定着のノウハウが蓄積できません。将来的に外国人材が必要になった時に自社が望むレベルの人材を確保できない可能性が高いといえます。
直近の採用まで至らなくとも、手遅れになる前に早く動き出すべきでしょう。
そこで本記事では、
・外国人雇用の現状やメリット
・雇用する際に必要な手続き
・外国人採用のポイント
についてご紹介します。
※出典:パーソル総合研究所「外国人雇用に関する企業の意識・実態調査」
目次
- 3分でわかる!
- 外国人採用の方法
51.1%の企業が正社員の「人手不足を感じる」と回答する現在。特に地方の中小企業では、人手不足が原因で倒産するケースが年々増加しています。
そのような中注目を集めているのが、「外国人採用」です。日本での採用に苦戦している企業様、ぜひ一度外国人採用を検討してみてはいかがでしょうか?*出典:「人手不足に対する企業の動向調査」
1.外国人雇用の動向
1-1.企業の外国人雇用の傾向
人事・採用関係者の81.8%が「外国人採用が今後の日本の人手不足解消に寄与する」と考えていることが明らかになりました。
実際に入国制限の解除後に外国人採用の強化を検討している企業は53.7%となっています。
中でも既に外国人を受入れしている企業は、外国人を受入れしていない企業と比較し「更に外国人採用を強化していきたい」という回答数が約3倍となっています。
ここで、外国人雇用を既におこなっている企業と、非雇用企業に意識の差があることがわかります。
出典:株式会社グローバルトラストネットワークス「雇用に関する意識調査」
1-2.特定技能雇用の現状
2019年4月の改正入管法施行によって、14業種では新しい在留資格「特定技能」で外国人を雇用できるようになりました。
2021年時点で外国人を受入れしている企業や今後受入れを検討している企業のうち、特定技能外国人を「受け入れている」もしくは「受け入れに関心がある」企業は71.5%となっています。
しかしながら、51.2%の企業は特定技能外国人の雇用経験がありません。
雇用経験のある企業の中で特定技能外国人の「受入れ手続きがよく分からない」と回答したのは6.3%に対し、雇用経験のない企業は40.4%となっています。特定技能外国人の雇用や受入れにおいては、手続きに関する情報の欠如や煩雑さが課題として一番多くなっています。
出典:日本・東京商工会議所「多様な人材の活躍に関する調査」(2021年9月公表)
特定技能外国人の受入れが注目されている一方で、既に経験をしている企業と今後検討している企業の間で差が生まれています。
また、これまで人材の送り出し国であったアジアの国と地域でも高齢化の進行や発展に伴う賃金改定が見込まれることから、人材確保は年々競争となっています。
今後外国人雇用を検討していく企業は、情報収集を行い、いち早く受入れ体制を整え、選ばれる企業になることがポイントとなります。
- 3分でわかる!
- 外国人採用の方法
51.1%の企業が正社員の「人手不足を感じる」と回答する現在。特に地方の中小企業では、人手不足が原因で倒産するケースが年々増加しています。
そのような中注目を集めているのが、「外国人採用」です。日本での採用に苦戦している企業様、ぜひ一度外国人採用を検討してみてはいかがでしょうか?*出典:「人手不足に対する企業の動向調査」
2.外国人雇用のメリット
では、外国人労働者を雇用する企業と外国人労働者には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
優秀な人材の採用をする際には、企業と外国人労働者の双方のメリットや事情を知ることが1つポイントとなります。
2-1.外国人雇用側のメリット
メリット1:労働力の確保
前述したように、少子高齢化の影響で若い労働者が減少しています。
外国人労働者を雇用することで、企業が抱える労働者不足の問題を解決することができるでしょう。
メリット2:若くて優秀な人材の確保
ひらがな、カタカナ、漢字と3種類の文字を使い分けなければならない日本語は、習得が難しい言語の1つと言われています。
日本語を学び、さらには国を越えて働きたいという方は、優秀でバイタリティーの溢れているケースが多いです。
労働意欲が高く優秀な外国人労働者が、他の社員に良い影響を与え、活力が生まれたという事例もあります。
メリット3:海外進出の際に戦力になる
もし海外進出を考えているのであれば、その国の出身者を雇うことは非常に有効です。
現地の言葉だけではなく、その国の文化をよく知っていれば、情報収集やマーケティングを行う際に力強い味方となってくれることでしょう。
メリット4:外国人ならではの発想による活性化
言葉も文化も違う外国人を雇用することで、日本人では思いつきにくい発想を社内に取り入れることができます。
新鮮な意見を取り入れることで、課題改善や新しい挑戦につなげることが可能です。
また、外国人や女性労働者など多様性のある人材を分け隔てなく取り入れる「ダイバーシティ」の推進は、ESG投資が重要視される現代において、企業成長の重要な取り組みの1つとされています。
2-2.外国人労働者側のメリット
メリット1:健康保険などの制度が充実している
日本は基本的に、健康保険や雇用保険などの制度が充実しています。
この点が外国人労働者にとってのメリットとなります。日本で働けば健康保険に必ず加入するので、年に1回健康診断を受けることができ、医療費を削減することが可能です。
また、会社によって内容は変わりますが、交通費が支給されるなどの制度も魅力的に映る要素です。
メリット2:トップクラスのサービスを学べる
日本の顧客対応は世界でみてもレベルが高いと言われています。
外国人労働者にとって日本のサービスを学べることはメリットとなります。
その他、意欲的な外国人労働者にとって、高度でやりがいのある仕事は魅力的です。
よって、単純労働だけでなく新しい仕事にもチャレンジできる環境であることが重要です。
メリット3:安定した雇用が期待できる
主に正社員雇用におけるメリットですが、日本では雇用関係を不当に解除されることは稀です。
ある日突然仕事がなくなる心配をしなくて済むこともメリットとされています。
3.外国人労働者を雇用するにあたっての課題
外国人雇用にはメリットが多々ありますが、その一方で課題もあります。
外国人労働者を雇用するにあたっての課題を事前に把握することで、対策を考えましょう。
3-1.コミュニケーションの問題
株式会社ディスコの調査※によると、企業が文系外国人留学生に求める資質は「コミュニケーション能力」が1位(55.8%)、「日本語力」が2位(49.6%)にあがっています。
理系も「日本語力」と「コミュニケーション能力」が同率1位(48.6%)となっています。
コミュニケーション能力や言語力は、履歴書や資格だけでは見極めが難しいものです。
採用時に、面接を通した会話力を確かめなければ、業務を行うにあたってトラブルが発生する可能性があります。
特に、日本人は察する力が高く、「わかってくれるだろう」と細かく説明をしないことがあるために認識のズレが生じることがあります。
労働者に日本語や文化の理解を求めるだけではなく、社内でも外国人労働者に歩み寄る呼びかけや体制づくりが必要でしょう。
※出典:株式会社ディスコ「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する調査(2022年12月)」
3-2.文化や風習の違い
言語と合わせて知っておかなければいけないのが、文化や風習の違いです。
例えば、同じ日本人であったとしても、人前で叱られることはあまり気持ちの良いことではありません。
国籍が異なる従業員にこういった対応をしたことが決定打となり、離職に繋がったケースもあります。
また、宗教上の理由から食べられないものがあったり、お祈りの時間が必要なことがあります。
歓送迎会の仕方を見直したり、社内に礼拝の施設を作っている会社もあるようです。
外国人労働者を雇用する際は、事前に相手の育った国の文化やその人の信仰に関する理解を深め、社内でも協力を呼びかける必要があります。
3-3.雇用手続きの煩雑さ
最後は実務面での課題です。
外国人労働者を雇用する場合、募集方法や雇用手続き、入社後の手続きなどは日本人と異なります。
初めての場合は、ある程度の手間がかかるかもしれません。
4.外国人雇用の流れ
それでは、ここからは実際に外国人雇用のための流れや手続きについて具体的にご説明していきます。
4-1.雇用の目的
これまで見てきたように、外国人労働者の雇用は、単なる労働力の確保以上の魅力があります。
一方で、育った国・文化、言語の違いからトラブルが発生する可能性も否めません。
このため、外国人労働者を雇用する際は、第一に、雇用の目的を明確にする必要があります。
ただ漠然と、「外国人労働者は人件費が安い」などの理由で採用活動を行った場合、思うような人材を雇用することができず、徒労に終わる可能性もあります。
外国人労働者を雇用する理由にあわせて、雇用したい人のペルソナ設計や、具体的な業務内容、雇用期間、賃金、雇用予定人数などの計画を立てましょう。
マイナビの調査*によると、外国人留学生を採用した52.6%の企業が入社後に「十分に活躍している」と感じており、5.1%の企業は「予想以上に活躍している」と感じています。
しっかりと計画を立てることで、想定以上の成果が得られるかもしれません。
出典:株式会社マイナビ「2021年卒 企業 外国人留学生採用状況調査」
4-2.外国人雇用までの流れ
外国人労働者を雇用する際は、
・在留資格で認められている仕事内容・職種かの確認
・在留カードの確認
・雇用対象者が対象在留資格の取得要件を満たしているかの確認
・適切な雇用契約の締結と配布
・在留資格の申請
の対応が必要となります。
在留資格の確認
雇用対象者が日本国内にいる場合は、まず「在留資格」の確認を行いましょう※。
在留資格とは、外国人が日本に在留するために必要な滞在資格です。
資格ごとに就ける仕事が決まっています。
また、入管法(出入国管理及び難民認定法)において、在留資格にはそれぞれ取得の要件が定められています。
具体的には、職歴に関連する学歴や同職種内での職歴などです。
このため、既に持っている在留資格と、採用予定の仕事内容・職種が異なる場合は、該当する在留資格に変更する手続きを行わなければいけません。
海外にいる外国人を日本で雇用する場合は、在留資格の申請が必要です。
そのため、取得の要件を全て満たしているかの確認が必須となります。
労働者、雇用主双方で確認し合うことが大切です。
場合によっては入国管理局に直接問い合わせをする必要があるかもしれません。
在留資格取得のために行政書士や弁護士がサービスを提供している場合もありますが、もし人材紹介会社を通している場合は、ノウハウを持つ会社に聞いてみるのも1つの方法でしょう。
※参照:厚生労働省「日本で就労する外国人のカテゴリー.pdf」
雇用契約
外国人労働者を雇用する際、日本人同様に同一労働同一賃金制度と最低賃金法を守る必要があります。
その上で、賃金や業務内容など、労働条件についてよく話し合い、書面による雇用契約を結びましょう。
書面にすることで理解が深まるはずですし、万が一、トラブルが起こった場合に証明書として機能します。
なお、雇用契約書や労働条件通知書等を従業員に書面で配布することは労働基準法で義務化されています。
このため、契約書の配布などを行わなかった場合、責任を問われるのは企業です。なお、外国人労働者が離職する場合にも届け出が必要となります。
4-3.募集方法
次に、外国人の募集方法についてみていきます。
仕事を探す方法は、各国ごとに特徴があります。
よって、雇用目的に合わせたターゲット設定をおこなったうえで募集することが重要となります。
今回は、主な手法を4つ取り上げていきます。
求人広告の活用
もっともメジャーな方法は、求人広告や求人サービスの活用です。
日系新聞・メディア・雑誌のほか、外国語のポータルサイトからも募集を行うことができます。
また、LinkedInやIndeed、wantedlyなどの求人サービスを活用することで、採用に関する情報や求人を発信したり、直接スカウトを行ったりすることも可能です。
大学や専門学校からの紹介
専門学校・大学・大学院のなかには、外国人留学生の就職をサポートしているところがあります。
教育機関の就職課に直接コンタクトをとり、求人情報を掲載しましょう。これはかなり地道な方法です。
公的機関の活用
ハローワークや外国人雇用サービスセンターなどの公的機関を通して採用をする方法もあります。
「外国人雇用サービスセンター等一覧*」を活用し、採用活動を行なってみましょう。
参照:厚生労働省「外国人雇用サービスセンター等一覧」
人材紹介会社の活用
人材の紹介だけでなく、ターゲット設計や求人票作成といった外国人雇用の準備からサポートを実施する企業もあります。
初めて外国人雇用をする企業にとっては強い味方になるかもしれません。
パソナは外国人留学生向け就職イベント「JOB博※1」を毎年開催しています。また、ネオキャリアが運営する「Bridgers※2」では、1社単独面接会のほか、複数の方法で大卒以上の日本語ネイティブレベルの候補者と出会うことができます。
※1参照:株式会社パソナ「JOB博」
※2参照:株式会社ネオキャリア「Bridgers」
5.優秀外国人採用のポイント
外国人労働者を雇用することで若くて優秀な人材を呼び込めることは大きなメリットですが、既に一定のスキルを持ち即戦力となる外国人労働者が欲しいというケースもあります。
では、そのような優秀な外国人労働者を雇用するには、どのようなポイントがあるでしょうか。
5-1.給与・待遇
第1に言えるのは、十分な給料を提示するということです。
外国人の在留資格に「高度専門職」があるように制度面では整ってきていますが、日本では未だ外国人労働者の給与は少ない傾向にあります。
厚生労働省の調査※1によると、日本人全体の平均賃金は約27.4万円(※2)であるのに対し、外国人労働者全体の平均賃金は24.84万円となっています。
加えて円安の影響で帰国や別の国を選ぶ外国人労働者がいる中で、優秀な外国人労働者は給与の高い国に流れていってしまいます。
優秀な人材を採用するには、時代や能力に合わせた給与や待遇を設定することが重要です。
※1出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」
※2正社員・正職員:32.8万円、正社員・正職員以外:22.13万円より
5-2.多言語対応
職場環境で英語が伝わることも、優秀な人材を引き込むにあたっては重要なポイントのひとつです。
日本企業が外国人労働者に日本語能力を求めるのと同様に、外国人労働者は英語が使える環境の方が働きやすいと感じます。
社内公用語を英語に変えるのはハードルが高くとも、グローバル展開を見越し、社内の英語力を強化することは有効な手段です。
6.外国人採用に活用できるネオキャリアのサービス
6‐1.Bridgers|海外現地・日本国内にいる外国人の方々と面接が可能
Bridgersは、就労意欲の高い外国人人材を集めて、日本国内にて面接の実施ができるサービスです。面接会の参加費用はかからず、採用が決定したときのみの完全成果報酬型です。
過去の内定者は約3,500人を超え、内定承諾率は92%の採用企業・求職者ともに高い評価を受けているサービスです。外国人採用のプロフェッショナルが採用のサポートを行うので、初めて外国人採用を行う企業様におすすめです。
雇用形態 | 正社員(新卒・中途)、派遣 |
紹介職種 | 営業・販売系、専門職系、IT・エンジニア系、企画・マーケティング系、製造・物流系、ホテル・サービス系など |
紹介国籍(海外在住者) | 台湾、韓国、ベトナム、中国、インドネシア他 |
紹介国籍(国内在住者) | 国籍偏りなし |
URL | 株式会社ネオキャリア |
7.まとめ
外国人労働者を雇用する際、もっとも重要なのは採用後と言われています。
外国人労働者からすると、日本は全くの異国です。
言語だけではなく、文化も大きく異なります。よって、労働者が安心して働けるよう、しっかりとした雇用管理やフォローが必要です。
外国人労働者が能力を最大限に発揮し、長く働けるよう、採用後の細かなフォローや環境づくりを行うことが外国人雇用における1番の成功ポイントかもしれません。
グローバル人材の活躍から多様な働き方を実現
2013年新卒でネオキャリアに入社後、IT業界での営業を経験しマレーシア拠点へ赴任。海外にて営業マネージャーとして勤務。現在は国内海外事業部にて営業と企画業務などに携わる。2016年から外国人採用に精通しており、日本における外国人採用のトレンド、市況感など幅広くご説明・ご提案可能です!
- 名前
井手口/外国人採用領域
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