外国人雇用は採用課題の解決策に?~メリット・デメリットと注意点~
外国人採用
エンジニアの需要の増加や少子高齢化に伴い、母集団形成のために新しい採用手法を検討している企業は年々増えています。
そこで1つの選択として外国人雇用があります。世の中として注目されつつあることは理解しつつも、
・外国人を自社で受け入れられるか?
・外国人雇用は既存の採用課題の解決策になるのか?
・外国人を雇用したとしても、定着率が心配?
という声も多く、検討段階で止まっている企業も多いのではないでしょうか?
そこで、本記事では
・外国人採用の現状
・外国人採用メリットとデメリット
・外国人採用時の注意点
を解説します。
今後外国人を受け入れるべきか検討している企業のお役立てになれればと思います。
- 100社以上の声から生まれた外国人採用の基礎資料
新卒・中途の母集団形成がうまくいかない
就労ビザ申請の方法がわからない
採用後の社内体制整備の方法がわからない
などのお悩みを抱えている方必見の外国人採用の基礎資料です。
1.日本企業の外国人労働者の動向は?
年々、日本国内では外国人労働者が増加しています。
なぜ日本での労働を望むのかなど、詳細をみてきましょう。
1-1.増加する外国人労働者
※参照:厚生労働省/「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】.pdf(令和2年10月末現在)
厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況 では、2016年10月時点で、外国人労働者数は1,083,769人となり、
はじめて100万人を突破しました。
また、4年連続で過去最高を更新しています。(2019年10月末時点では約166万人。)
外国人の労働人口は年々増加しており、増加率についてもコロナウィル感染拡大による受け入れが停止する以前は15%前後を推移しています。
今後入国制限が緩和されることで、日本で働くために来日する外国人はますます増えていくと思われます。
※参照:JAPAN FOUNDATION/PRESS RELEASE.pdf(令和1年11月現在)
また、JLPT(日本語能力検定)の受験者数も増加傾向にあります。
コロナウィルスにより2020年2021年は開催されない地域もあったものの、日本での就労人口の増加に伴い学習者も増えていると言えるでしょう。
実際に外国人を採用している企業の目線でも採用した外国人の方の日本語であれば、業務可能であると判断できるケースが増えています。
ネオキャリアで実施している面接会アンケートでも候補者への日本語評価が5点中3.5点と配慮は必要なものの業務可能であるという結果が出ています。
1-2.日本が就労先として外国人から選ばれる理由
日本が就労先として外国人に選ばれる理由は以下が挙げられます。
- 治安がいい
- 給与水準が高い
- スキルアップ・技術力が高い
- 日本製品や日本文化への信頼
海外では日本の文化や、日本製の技術力の高さなどが注目されており、多くの方は日本によい印象を持ち来日を決意します。
前述の通り、日本で働く外国人が増えているため、外国人にとっての実生活の情報がよりリアルに得やすくなったことや、
日本企業は長期就労することでキャリアアップができる認識も定着しつつあり、長期就労希望の外国人も増えています。
2.外国人労働者を雇用(採用)する理由は?
次は、実際に外国人労働者を採用したきっかけや、採用する理由についてまとめています。
外国人労働者の採用のきっかけは、多くの企業が抱える「人材不足」解決のためだけではないことがわかります。
2-1.外国人を採用するきっかけは、労働不足の悩みから
外国人を採用した背景として、「日本人労働者があつまらない」「たまたま外国人だった」の割合を合わせるとおよそ6割にのぼります。
またネオキャリアで外国人採用を支援した企業のおよそ8割が外国人を採用する理由として「国籍を問わず優秀な人材を採用するため」と回答いただいています。
- 外国籍採用のきっかけは何ですか? ※ネオキャリア面接会アンケート 上位3回答 (回答率)
- 国籍問わず優秀な人材を採用するため(78.8%)
- 既存の母集団形成では質の確保ができないため (34.4%)
- 業種的に採用が難しいため(30.5%)
この結果からも分かるように、外国籍採用を「目的」ではなく、優秀な人材を採用するための「手段」として活用している企業が増えています。
2-2.外国人を雇用(採用)した場合の気になる定着率は
※参照:パーソル総合研究所/外国人雇用に関する企業の意識・実態調査結果報告書.pdf(令和1年9月現在)
実際に採用を進めている企業のおよそ80%が日本と変わらないまたは、定着率が良いと回答しています。
技能実習の失踪問題など雇用に不安定なイメージを持たれている企業も多いですが、日本人と同等に雇用している外国人については、定着しているといえます。
また、退職理由を企業側、外国人側双方にアンケートを行ったところ、退職理由は大きく乖離があることが分かりました。
企業側では母国へ帰国を含めた「家庭の事情」が最も多いと答えていますが、退職の実態はよりよいキャリアアップや好条件の企業への転職であることが分かります。
このため「キャリアアップ」とそれに伴う「昇給・評価」制度を明確にすることで、離職を防ぐことが考えられます。
- 外国人社員の離職理由
企業側回答TOP3
1.家庭の事情
2.キャリアアップのため
3.企業文化・考え方の違い
- 退職・転職理由
外国人回答TOP3
1.キャリアアップのため
2.給料に不満があるため
3.達成感・やりがいが得られないため
3.外国人雇用(採用)のメリット
では、外国人労働者の採用のメリットには、どのようなことがあるのでしょうか。
3-1.地方に偏見がない
ネオキャリア経由で外国人採用を実現する70%の企業が地方(1都3県以外)の企業です。
外国人の方は「東京で働きたい」「大都市で働きたい」という気持ち以上に、「安定した企業でキャリアアップをしたい」と思っており、働く場所に対して柔軟に考えている方も多いです。
一方で家庭を持っているひとなど、引っ越しが難しいひともいるので、面接の際に引っ越しに対する考え方を確認することは重要です。
3-2.専門的な技術を持つ人材を採用できる
母国での仕事より技術的に高度な仕事を求めて日本に来る外国人にとって、日本の仕事は魅力的に映ります。
特に「設計職」や「開発職」のような、上流に関わる仕事にチャレンジするために日本に来るエンジニアは多いです。
製造業でも日本の生産体制や品質管理などは海外より基準が厳しいため、母国より高いレベルの職場を求め、日本で就職したい外国人もいます。
このように外国人にとって日本企業への就職はキャリアアップのチャンスになります。
また日本で高度人材VISAを取得するには関連した専門の学士資格が必要な場合が多く、「理系の大卒が採用しにくい」と感じている企業にとっては採用のチャンスであるといえます。
3-3.社内の活性化
外国人を受け入れる懸念点として、文化の違いがあります。
しかし、社内の活性化の視点では、異文化を受け入れることがメリットになります。
例えば、外国人のひたむきに働く姿勢や積極的に改善・提案をする姿勢は周りの日本人社員にとっては刺激になります。
また、外国人を受け入れるためには社内の受け入れ体制も見直す必要があります。
結果的に社内の改善点を見直すきっかけになり、日本人社員にとっても働きやすい環境づくりにもつながります。
また外国人は横の繋がりも強いため、受け入れに成功した企業であれば、外国人の追加採用についてもよりスムーズに進めることができます。
4.外国人雇用(採用)のデメリット
4-1.在留資格などの手続き工数が発生
海外から人材を受け入れる場合や、留学生などの技人国VISAを持っていない日本在住の外国人を採用する場合、就労VISAの申請が必要です。
採用活動をする前に、VISAの発行や必要書類について「誰が」「どうやって」申請をするのかを確認しておきましょう。
また就労VISAを持っている方でも出入国在留管理庁への届け出が必要であることも忘れないようにしましょう。
4-2.受け入れまでに日本人よりも細かいフォローが必要
転職に伴う引っ越しなど、外国人は日本人にとっては自分でできる事も難しいと感じる場合があります。
具体的には物件探し・契約や生活インフラの開設、必要書類の準備などがあります。
金銭的な補助だけでなく、入社前・入社後で相談できる体制があることが好ましいです。
4-3.社内の受け入れ体制の準備が必要
言語の壁が最も分かりやすい例ですが、外国人が社内で定着するためには一緒に働く人たちの理解や協力が必要になります。
はじめはコミュニケーションの取りにくさをストレスに感じる場合もあると思います。
ただ長期的には日本語の上達ももちろんですが、職場の商習慣や専門用語、人間関係など徐々に慣れていきます。
短期的ではなく、長期的に一緒に働いていく意識を社内に周知していく必要があります。
また外国人でも会社の利益に貢献できる人材は日本人と同様に評価し、それを明確化することも重要です。
5.外国人を採用する際の注意点
実際に外国人労働者を採用するときに、どのような点に気をつければよいでしょうか。
以下、詳細をまとめているので確認しておきましょう。
5-1.在留資格の取得要件の確認
技人国ビザで申請する場合には、募集職種や応募要件が申請要件に合致しているか事前に確認しておきましょう。
仕事内容や候補者の学歴によってはビザの申請が難しい場合があります。
5-2.待遇面を明確化した求人票を作成する
日本は世界でも強いハイコンテクスト文化であることが有名で、外国人にとってはあいまいなコミュニケーションが負担になります。
これは募集要項にも同じことが言えます。
例えば求人票の中に「応相談」や「規定に従う」のような、あいまいな表記が目立つ場合は要注意です。
特に「住居サポート」や「引っ越し費用負担」のようなお金に関わる項目は、明確に求人票に記載しておく必要があります。
5-3.受け入れ部門との連携
外国人を受け入れて活躍してもらうためには部門の協力は必要不可欠です。
特に経営層がトップダウンで外国人雇用を決定した場合、会社や部門にとっての必要性の認識を合わせる必要があります。
受け入れ部門が「指示されたから」という気持ちだけで受け入れてしまうと、採用した外国人とトラブルになりかねません。
選考時に一緒に働く人が面接をするなど、「一緒に働く」意識を部門が醸成できるかは定着のポイントになります。
6.まとめ
・採用課題を解決するために日本で活躍する外国人は増えている
・外国人を受け入れる前に求人の明確化と部門の理解が必要
今後外国人を受け入れる企業はますます増えていき、外国人と働くことがスタンダードになりつつあります。
採用課題を解決のために外国人採用するかどうか本記事がご参考になれば幸いです。
- 外国人の採用を検討している企業必見!
はじめて外国人採用をする企業にとって、採用の要件定義から受け入れの条件、選考フローなど考えることは多いと思います。
職種や語学レベルなどの要件のすり合わせから、求職者をひきつけるポイントなど、相談やお悩みなどお気軽にご相談いただければと思います。
グローバル人材の活躍から多様な働き方を実現
2013年新卒でネオキャリアに入社後、IT業界での営業を経験しマレーシア拠点へ赴任。海外にて営業マネージャーとして勤務。現在は国内海外事業部にて営業と企画業務などに携わる。2016年から外国人採用に精通しており、日本における外国人採用のトレンド、市況感など幅広くご説明・ご提案可能です!
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井手口/外国人採用領域
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