新卒の採用単価はどのくらい?│コストを削減する6つの方法と成功事例をご紹介
新卒採用
新卒採用における平均的な採用単価は56.8万円*と言われていますが、近年、売り手市場により人材確保が難しくなっており、費用をかけても十分な採用をおこなえない企業も多くなっています。*出典:株式会社マイナビ「2024年卒 企業新卒内定状況調査」
そこで本記事では
・新卒の平均採用単価
・新卒の採用単価を削減する6つの方法
・採用単価の削減に成功した企業の事例
についてご紹介していきます。
新卒採用を効率的におこないたいとお考えの方は、ぜひご覧ください。
目次
1.新卒の平均採用単価
採用単価とは、入社予定者1人当たりにかかった費用のことを指し、「採用費の総額÷採用人数=1人あたりの採用単価」で算出できます。
本章では、新卒採用における採用単価の平均と、これまでの推移についてみていきます。
1-1.新卒の平均採用単価
新卒の平均採用単価は56.8万円*で、採用全体にかかった平均総額は287.0万円*という結果でした。
採用費平均総額 | 平均採用単価 | |
全体 | 287.0万円 | 56.8万円 |
上場 | 917.6万円 | 49.0万円 |
非上場 | 233.1万円 | 57.5万円 |
また、上場/非上場ごとにみてみると、上場企業に比べ、非上場企業は採用単価が高い傾向がわかります。
広告にかける費用 | インターンシップにかける費用 | |
全体 | 161.7万円 | 52.6万円 |
上場 | 606.7万円 | 86.9万円 |
非上場 | 123.7万円 | 49.3万円 |
さらに費用の内訳ごとに見ると、広告にかける費用の平均が161.7万円*となっており、特に上場企業の広告にかける費用が高い結果となりました。
加えて、インターンシップにかける費用の平均は52.6万円*でした。
採用費総額に対するインターンシップにかける費用の割合をみると、上場企業で9.4%、非上場企業で21.0%と、上場企業と比較して非上場企業のほうがインターンシップへの投資割合が高い傾向がわかりました。
*出典:株式会社マイナビ「2024年卒 企業新卒内定状況調査」
1-2.新卒の平均採用単価の推移
新卒採用における採用単価は年々高騰しています。
マイナビの調査によると、23年卒の平均採用単価が45.0万円だったのに対し、24年卒の平均採用単価は56.8万円と、前年と比較して11.8万円高くなる結果となりました。
*出典:株式会社マイナビ「2024年卒 企業新卒内定状況調査」
近年では採用の早期化や採用手法の多様化が進んでおり、採用期間の前倒しや学生認知を獲得するための手法の選定がポイントとなっています。
そのため、より効率的な採用を実現するためには、「いつ」「どのような手法に」「どのくらい」費用を投資するのかの採用計画を事前に設計することがポイントと言えます。
2.採用コストの種類
採用コストと一言で言っても、採用にかかるさまざまな費用が含まれています。
中でも採用コストは、外注費などの「外部コスト」、社内の採用業務にかかる「内部コスト」の2種類に分けることができます。
2-1.外部コスト
外部コストとは、採用にかかる外注費のことを指します。
具体的には、求人サイトの掲載費用や人材紹介会社への成果報酬金、さらには採用ページやパンフレットなどの制作費などが該当します。
- 新卒採用における外部コストの例
- ー求人サイトへの求人掲載費用
ー人材紹介会社への成果報酬金
ーオンライン面接ツールの利用費用
ー会社案内やパンフレットの作成費用
ー会社説明会や懇談会などの会場費
ー応募者の交通費や宿泊費
新卒採用においては、特に母集団形成にかける費用が高くなる傾向があり、自社の状況に合わせて適切な採用手法を選定することで、外部コストの削減につながります。
採用手法ごとの費用や特徴などを詳しく知りたい方は、以下の資料も合わせてご活用ください。
2-2.内部コスト
一方、内部コストとは、社内の採用業務にかかる費用のことを指します。
特に採用担当者の人件費がメインとなり、面接や選考、さらに会社説明会やイベントへの宿泊交通費なども含まれます。
- 新卒採用における内部コストの例
- ー採用担当者の人件費(採用活動全般)
ー配属部門の責任者や役員の人件費(面接対応など) - ー内定者研修や懇親会などの交際費
ーリファラル採用における社員へのインセンティブ
近年では、内定出し後の辞退の懸念も出ているため、内定者に対するフォローや研修に費用を投資する企業も増えています。
内定者フォローに対する学生の意識や他社事例、さらに内定者フォローに活用できるサービスについて知りたい方は以下の資料も合わせてご活用ください。
3.新卒の採用単価を削減する6つの方法
新卒の採用単価を抑えながら、求める人材を採用するにはどうすればいいのでしょうか?
ここでは、新卒の採用単価を抑えるポイントを6つご紹介します。
3-1.採用手法を見直す
新卒の採用単価を削減する方法として、採用手法の見直しが挙げられます。
企業の採用課題や採用目的に合わせて手法を選定することで、ターゲットに特化した効率的な採用が実現できます。
中でも、採用単価の削減につながりやすい手法を3つご紹介します。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、新卒採用手法の中でも比較的コストを抑えて利用できる手法です。
スカウト送付などの工数はかかりますが、自社のターゲットに対して企業側からアプローチすることが可能なため、ターゲット外の候補者対応に割く時間を削減できます。
リファラル採用
リファラル採用とは、自社の社員や知人・友人などから紹介をしてもらう採用手法です。
自社をよく理解している人からの紹介であるため、社風や文化に適合しやすい点がメリットです。
また、採用時、紹介者に報奨金などを用意するケースが一般的ですが、ほかの採用手法と比較して少ない費用で採用できるため、採用単価の削減につながります。
オウンドメディアリクルーティング
オウンドメディアリクルーティングとは、オウンドメディアを活用して自社の魅力を発信し、自社に合った人材を採用することを指します。
中長期で採用ブランディングの構築をおこなう必要はありますが、アカウント開設など、無料で利用できるツールも多いため、採用単価を抑えて運用することが可能です。
3-2.利用サービスを見直す
採用手法の見直しと合わせて、利用サービスの見直しを図ることで採用単価の削減につながります。
就職サイトやダイレクトリクルーティングなど、手法ごとにさまざまなサービスが存在しています。
さらに、これらのサービスの中でも「理系学生特化」や「上位校学生特化」など、ターゲットに特化しているサービスもあるため、自社の採用ターゲット含有率をもとに利用サービスを見直すことが重要です。
「自社にどの手法・サービスが合うか知りたい」「新卒採用サービスを一覧で比較したい」という方は、以下の資料も合わせてご活用ください。
3-3.採用活動時期を見直す
学生の活動時期に合わせて、採用活動時期を見直すことも効果的です。
特に昨今はインターンシップ時期からの動きが活発なため、早期に学生と接点を持ち、選考に向けてつなぎ止めをおこなうことが非常に重要です。
26年卒学生の動向や、直近のスケジュールについて気になる方は以下の資料も合わせてご活用ください。
3-4.採用工数を見直す
採用に関する工数を見直すことで、内部コストである人件費の削減につながります。
また、説明会や選考の開催回数を見直す、オンラインツールを活用する、採用管理ツールを活用するなど、現状の採用でどこに課題があるのかを把握し、適切に対処することで業務の無駄を省くことができます。
3-5.助成金を活用する
採用単価の削減にあたって、助成金の活用も効果的です。
特に「人材開発支援助成金」は、新入社員に対する研修にも活用でき、正社員に対して、一定の条件を満たす業務に関連した教育・研修を受けさせることで、その費用の一部が補助されます。
助成金活用の詳細に関しては、以下の資料も合わせてご活用ください。
3-6.採用のミスマッチを防ぐ
採用のミスマッチを防ぐことで、追加母集団形成などに使う費用を削減でき、採用単価を抑えることにもつながります。
中でも、選考途中の自社説明内容の見直しや内定者フォローの強化、入社後の社員研修の見直しなどで、双方のミスマッチを最小限に抑えることができます。
ミスマッチの防止においては、採用動画や適性検査、入社研修サービスなどを活用し、企業理解の促進や定量的な評価を実現することが可能です。
4.新卒の採用単価削減に成功した事例
本章では、実際に新卒の採用単価削減に成功した企業の事例をご紹介します。
4-1.採用手法の見直しで採用単価30万円削減
採用手法を見直したことで、新卒の採用単価を30万円削減した事例についてご紹介します。
企業情報
・業界: メーカー
・従業員数:300~499名
・上場・非上場:非上場
・採用エリア:宮城県/静岡県
・ターゲット:機電系学生
・採用目標数:5名
- 導入前の状況
■採用ターゲットが限られるため人材紹介メイン
■年々採用の難易度が上がり、採用単価も高騰
■採用担当者が1名で工数がかけられない
- 導入後の効果
■マイナビを導入し、約500名の応募を獲得
■露出を強化したことで全国の学生にアプローチが可能に
■ターゲットの採用につながり、採用単価30万円削減
■採用手法やインターンシップコンテンツの見直しにより間口を広げることで、今まで自社に興味がなかった学生にも参加してもらえる仕組みを構築した
■採用活動時期を早め、学生の活動が活発になる夏のインターンシップ時期から活動した
■就職サイトの導入により工数はかかるものの、企業主体で学生へアプローチできる体制を整えた
4-2.利用サービスの見直しでエントリー数前年比250%改善
学生からの認知度が低くとも、エントリー数を前年比250%に改善できた事例についてご紹介します。
企業情報
・業界:人材サービス
・従業員数:100~299名
・上場・非上場:非上場
・採用エリア:東京/大阪/福岡
・ターゲット:文理不問
・採用目標数: 22名
- 導入前の状況
■学生認知度が低く、十分な母集団形成ができない
■ミスマッチによる離職率が高い
■採用にかけられるコストが限られていた
- 導入後の効果
■dodaキャンパスを利用し、効率的な採用を実現
■例年よりも早期に内定承諾を獲得
■昨年同時期のエントリー数が前年比250%に改善
■ダイレクトリクルーティングの活用で、学生人気や知名度に関係なく直接接点を持つことができた
■インターン生を採用し、学生に近い目線でスカウト文面を添削&送付する体制を整えた
■選考フローの見直しに伴い、社内の雰囲気を伝えるための座談会を実施した
4-3.採用動画の活用で採用ミスマッチを防止
仕事内容の理解を促進するため、採用動画を導入して採用ミスマッチを防止した事例についてご紹介します。
企業情報
・業界: 食品
・従業員数:50名
・上場・非上場:非上場
・採用エリア:埼玉
・ターゲット:文理不問
・採用目標数: 5名
- 導入前の状況
■エントリーは多いものの、ミスマッチも多い
■業界イメージとのギャップにより早期離職が多い
■仕事内容を正しく理解してもらえていない可能性
- 導入後の効果
■会社説明会で採用動画を活用
■先輩社員4名の仕事内容・仕事風景、1日のスケジュールを紹介
■配属後のミスマッチが減少
■複数職種の先輩社員へのインタビューを通し、多方面から働くイメージの訴求をおこなった
■動画の長さを1社員あたり3分程度にすることで、飽きずに学生に見せることに成功
■動画の活用で、就職サイトやパンフレットなどでは伝えきれない仕事のやりがいを視覚的に伝えることができた
5.まとめ
新卒の採用単価を削減するために、まずは自社の状況を把握し、定期的に見直しを図ることが大切です。
特に、母集団形成に関する外部コストにかける費用が高くなる傾向があるため、「採用手法の見直し」や「利用サービスの見直し」がポイントです。
自社の採用状況に合わせながら効率的に採用をおこなうため、今一度自社の採用を振り返る時間を取り、今後の採用成功につなげていきましょう。
採用の課題に合わせたオーダーメイドサポート
入社から一貫して新卒採用支援に従事し、中堅中小企業、ベンチャー企業を中心に新卒採用支援。社内広報も担当しており、出演したYoutube動画の再生回数は 100万回を突破。ブランディングや惹きつけ等のノウハウにも強み。
- 名前
杉村/新卒採用領域
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