新卒採用市場には数多くの媒体が存在し、それぞれが独自の特徴と強みを持っています。

たとえば、全国規模で学生にリーチできる「マイナビ新卒」は、中堅企業の採用実績が豊富で幅広い学生層にアプローチできる点が魅力の就職サイトです。

ダイレクトリクルーティングサービスの「キミスカ」は、企業がターゲット学生に直接スカウトを送ることができ、その高い開封率と適性検査を活用した精密なマッチングが特徴です。

採用人数が少なく、高い精度でピンポイント採用したい企業であれば、完全成功報酬型の人材紹介サービス「就職エージェントneo」などの選択肢もあります。

新卒採用を成功させるためには、企業の採用課題やターゲット層に最適な媒体を選ぶことが重要です。

各媒体には異なる強みがあるため、自社のニーズや課題に合わせて最適なサービスを選ぶことが求められます。

この記事では、主要な新卒採用媒体を比較し、それぞれの特徴や導入メリットを分かりやすく解説します。

本記事では以下の内容を紹介します。

・新卒採用媒体17サービスの料金、特徴、学生データ比較
・新卒採用手法の料金形態や採用工数の比較
・新卒採用手法ごとの特徴や強み

１. 新卒採用手法の比較表

各採用手法の特徴やメリットを比較し、企業の採用ニーズに適切な採用手法を活用することで、新卒採用を効率的におこないやすくなります。

本章では新卒採用手法の料金形態や特徴を比較、解説します。

採用手法	料金形態	母集団の数	人材の質	工数	採用スピード
就職サイト	・掲載課金型が主流で、成功報酬型もある ・本サイトとインターンシップサイトを持つサービスもある	◎	★★★★	★★	★★★
ダイレクトリクルーティング	・成功報酬型や初期費用型 ・別途システム管理料や初期費用がかかることがある	○	★★★★★	★★★★★	★★★★★
人材紹介	・採用人数に応じた成功報酬型が主流 ・初期費用＋成功報酬型など	○	★★★★★	★	★★★★★
SNS	・無料で利用可能 ・有料プランで露出を高めることも可能	△	★★★	★★★★★	★★
採用代行	・月額一律型 ・従量課金型 ・成功報酬型	〇	★★★★★	★	★★★★

就職サイトの特徴とメリット比較一覧

サービス	詳細	料金	学生データ	特徴
	▶︎ 詳細をみる	本サイト：80万円～ インターンシップサイト：160万円～	・約80万⼈ ・各エリアの学生が多い	・学生向けのセミナーやイベントを定期的に開催 ・学生からの知名度が高い ・インターンシップ集客も可能
	▶︎ 詳細をみる	本サイト：50万円～ インターンシップサイト：50万円～	・約40万人 ・文系が約70％、理系が約30％	・中小企業やベンチャー企業の採用に強い ・居住地、資格、志望業種、職種、資格、学校などで学生の絞り込みが可能 ・サイト連動型のイベントも全国各地で開催している
	▶︎ 詳細をみる	求人掲載サービス：40万円～ スカウトサービス：35万円～	・32万人以上 ・東大/京大学生の95%以上 ・早慶/MARCH学生の80%以上	・口コミ情報を活かした採用支援就職サイト ・通年で利用可能でインターンシップ期間や本選考期間に縛られずに採用活動可能 ・求人掲載プランとスカウトプランを選択できる
	▶︎ 詳細をみる	広告掲載サービス：50万円～ 成功報酬型サービス：要問合せ	・年間約10～11万人の上位校学生が登録 ・約55%以上がGMARCHまたは関関同立以上の高学歴層	・大手志望からベンチャー志望の幅広い学生へアプローチしやすい ・各種イベントやインターンシップ、本選考の情報を掲載することが可能 ・狙った学生層へ開封率30-40%、クリック率1-3%のメルマガ配信が可能

就職サイトは企業が求人情報を掲載し、学生は自分にあった企業を探すことができます。

メリットは、多くの学生が利用しているため幅広い層にアプローチできる点です。

さらに、求人情報の記載内容を工夫して、学生に企業の雰囲気や働く環境をアピールすることで、学生が企業に対して期待している仕事内容や条件面などのギャップを防ぎやすくなる点も就職サイトのメリットの1つです。

求人情報を充実させるためにはどのような学生を採用したいのか、ターゲット像を明確にしておくことが重要です。

ターゲット像を明確にしておくことで、自社が学生に求めるターゲット像や価値観を求人情報に反映しやすくなり、ターゲットからの応募獲得の増加につながりやすくなります。

また、自社のターゲットが多いサービスも選定しやすくなるため、採用効率を高めやすくなります。

学生の早期獲得が課題の企業は、インターンシップ集客期間から企業情報を掲載できる、マイナビやキャリタス就活の導入がおすすめです。

上位学生の採用をおこないたい企業なら、早慶/MARCH以上の学生数が多いONE CAREER(ワンキャリア)やunistyle（ユニスタイル）がおすすめです。

ダイレクトリクルーティングの特徴とメリット

サービス	詳細	料金	学生データ	特徴
	▶︎ 詳細をみる	採用枠プラン：75万円～/3名	・約15万人（累計登録は83.4万人） ・MARCH＋関関同立で26.7% ・そのほか国公立、上位私大の登録数も多い	・理系学生に強く、専門職（IT・エンジニア・医薬）志向の学生が多い ・スカウトを「ゴールドスカウト」「シルバースカウト」「ノーマルスカウト」と3段階に分けて送付ができる ・スカウト開封率約70～80％の実績
	▶︎ 詳細をみる	早期型プラン：75万円～/3名 成功報酬型：35万円/1名	・約21.5万人/25年卒 ・15万人以上/26年卒（2025年1月時点） ・文系55％、理系45％	・理系学生の採用に強い ・「情報系」「化学・物質系」「生物系」「機械系」を専攻する学生の割合が多い ・オファー開封率は年間で89％の実績がある
	▶︎ 詳細をみる	定額型：60万円～/3名（初年度限定プラン） 成功報酬型：35万円/1名	・約113万人（25年卒～28年卒の合計、2024年6月時点) ・26年卒オファー対象者数は約41,000名 ・MARCH・関関同立以上の学生が42％	・低学年からアプローチ可能 ・AIマッチング機能で潜在能力を見極めやすい ・志望業界や志望職種などの希望条件に加え、過去の経験やプログラミングなどのスキル情報も選択が可能
	▶︎ 詳細をみる	本サイト：70万円～ インターンシップサイト：60万円～	・60万人 ・中小企業志望者が80% ・文系学生の方が多く、理系学生が約24％	・通年型採用支援、合同企業セミナーと連動し、アクティブ層にアプローチしやすい ・地方採用や中小企業採用にも強い ・プレエントリーにつながりやすい学生をレコメンドするAIスカウトがある
	▶︎ 詳細をみる	プランによる：▶要問合せ	・11万人以上 ・MARCH以上の理系学生が登録学生の88% ・「機電系」「情報系」学生が多い	・理系専門職採用に特化 ・研究内容や論文データで精密マッチングができる ・スカウト返信率が高い
	▶︎ 詳細をみる	36万円～/6ヵ月	・409万人（中途含む） ・企業理念や文化への共感を重視する学生が多い	・IT/ベンチャー向けの採用に強く、インターンシップ集客や中途採用も可能 ・企業理念を重視している学生にアプローチできる ・スカウト開封率が75〜80%と高い

ダイレクトリクルーティングは、企業が学生に直接アプローチできる新卒採用手法です。

ダイレクトリクルーティングの最大の強みは、登録学生の情報を事前にスクリーニングできる点です。

企業の採用ターゲットを効率的にスカウトできるため、企業が求めるターゲット像に近い学生の母集団を形成しやすくなり、選考の質の向上が期待できます。

また、中小企業にとっては、企業から学生に直接アプローチすることで、自社を知らない潜在層にアピールが可能になります。

知名度に左右されにくい公平な採用機会を確保しやすくなるだけでなく、採用コストの削減と人材の質向上を同時に実現できるメリットがあります。

理系やエンジニア系職種の採用においては、適性検査の結果や研究内容など、詳細なプロフィールデータを事前に閲覧できるため、自社の採用時に必要なスキルや知識、素質を事前にスクリーニングしたうえで、精密なマッチングをおこないやすいメリットがあります。

さらに、企業側は学生データベースから直接候補者を選定し、個別にアプローチできるため、ほかの採用手法では接触が難しかった「まだ就活を始めていない学生」や「積極的に応募していない学生」などにも、効果的にアピールが可能です。

理系や専門職採用、ITエンジニア系職種の採用時は、理系学生が多く登録しているキミスカやLab Base、Wantedly、Offer BOXがおすすめです。

通年採用や地方採用、複数エリアでの採用をおこないたい企業は、首都圏以外の登録学生が多いdodaキャンパスやRe就活キャンパスがおすすめです。

人材紹介の特徴とメリット

サービス	詳細	料金	学生データ	特徴
	▶︎ 詳細をみる	成功報酬型：▶要問合せ	・年間登録者21万人 ・文系学生中心	・関東・関西・中部地域を中心に全国で年間600回以上の学生向けイベント実施により集客 ・職種や採用開始時期、人数など企業ニーズにあわせて学生を紹介 ・内定後も入社までのフォローがある
	▶︎ 詳細をみる	成功報酬型：▶要問合せ	・年間登録者8万人 ・理系学生中心 ・機械系・電気電子系・情報系・化学系が多い	・技術職・研究職の採用に強い ・機械系・電気電子系・情報系学生の紹介に強い ・内定後も入社までのフォローがある
	▶︎ 詳細をみる	成功報酬型：3万円～/GMARCH未満（文理問わず）	・約16万人 ・早慶旧帝大からMARCH・日東駒専までさまざまな学生 ・男女比はほぼ半数	・会社説明会や選考へ企業の採用ターゲットにあう学生を直接集客 ・地方拠点を活用した集客もおこないやすい ・大学キャリアセンターや研究室との連携により学生を集めやすい
	▶︎ 詳細をみる	成功報酬型インターン予約：5,000円～/3年生1名 ※インターン予約・動員、学年により異なる	・約35万人 ・文系73％、理系27％ ・東一クラスから大東亜帝国クラスまでさまざまな学生	・国内最大級のキャリア情報プラットフォームである「キャリアパーク」に登録している、 　会員データベースから対象を絞りこみアプローチできる ・インターンシップ期間から集客できる

人材紹介は人材紹介サービスのエージェントが企業と学生をマッチングする採用手法です。

エージェントが企業の求めるターゲット像を把握し、適性やスキルを評価したうえで最適な学生を紹介するため、採用業務の負担を軽減できるメリットがあります。

面接日程の調整やフォローアップもエージェントがおこなうため、企業はコア業務に専念しながら効率的な採用をおこないやすくなります。

特に、自社にマッチする人材を短期間で見つけたい場合に有効な手法です。

説明会やインターンシップなど、早期に学生の母集団形成をおこないたい企業は、学生送客サービスやキャリアパークがおすすめです。

理系学生の採用をおこないたい企業は理系就職エージェントneo、さまざまな職種、エリアでの採用をおこないたい企業は就職エージェントneoがおすすめです。

SNS採用の特徴とメリット

サービス	詳細	料金	学生データ	特徴
	▶︎ 詳細をみる	無料または 成功報酬型：▶要問合せ	・10代から20代のユーザーが多い	・無料でアカウント作成、運用できる ・DMにより学生との直接的なコミュニケーションが可能 ・自社のブランディング活動にも利用できる

SNS採用は、FacebookやInstagramなどのソーシャルメディアを活用した手法です。

若者の多くがSNSを利用しているため、ターゲット層に直接アプローチしやすい点が特徴です。

SNS採用のメリットは、若者への直接アプローチと低コストでの効果的な採用活動が可能な点です。

特に企業ブランディングに強みがあり、社風や働き方など自社の魅力を、写真や動画を用いてリアルに発信できるため、学生の共感を得やすくなります。

また、DMを通じて、ターゲット学生へのアプローチも可能です。

FacebookやInstagramは無料でアカウントを作成して運用を開始できるため、採用コストを削減しながら、自社の情報露出をおこないたい企業におすすめです。

新卒採用代行サービスの特徴とメリット

サービス	詳細	料金	特徴
	▶︎ 詳細をみる	▶要問合せ	・自社で採用専門コールセンターを保有しているため、土日祝・夜間の対応が可能 ・採用ナレッジを持つ専門チームが企業の課題に対し、全面的にサポート ・採用媒体の選定や原稿作成、応募者対応や選考など、企業が必要としているサポートをカスタムでおこなえる
	▶︎ 詳細をみる	▶要問合せ	・毎月定額でスカウトの効果分析・改善提案・実際の配信作業をおこなう ・採用媒体の選定から求人原稿作成、ターゲットへのスカウトから日程調整、選考など企業に必要な採用工程をサポート

新卒採用代行は、企業の採用業務を専門業者が代行するサービスです。

企業は採用プロセスの一部またはまるごと外部委託できるため、採用業務の負荷を大幅に軽減できるメリットがあります。

さらに、採用の専門家がサポートすることで、より質の高い人材の確保が期待できます。

具体的には、母集団形成から応募者対応、入社手続きなど一連の採用プロセスを業者に依頼することが可能です。

特に、採用ノウハウが不足している企業や人的リソースが限られている企業は、新卒採用代行サービスがおすすめです。

ダイレクトリクルーティングなど、スカウト業務のサポートを依頼したい企業は、新卒スカウト代行サービスがおすすめです。

2．新卒採用媒体17サービス比較一覧

本章では新卒採用媒体におすすめの17サービスを紹介します。

1．マイナビ

2．キャリタス就活

3．ONE CAREER（ワンキャリア）

4．Unistyle（ユニスタイル）

5．キミスカ

6．OfferBox（オファーボックス）

7．dodaキャンパス（デューダキャンパス）

8．Re就活キャンパス

9．Lab Base就活（ラボベース就活）

10．Wantedly（ウォンテッドリー）

11．就職エージェントneo

12．理系就職エージェントneo

13．学生送客サービス

14．キャリアパーク

15．Facebook広告・Instagram広告

16．新卒採用アウトソーシング

17．新卒スカウト代行サービス

3．まとめ

自社の採用ニーズに合致した最適な採用媒体の活用は、ターゲットの採用をおこないやすくなり、結果的に採用コストの削減につながります。

しかし、新卒採用媒体は多様であり、各サービスには独自の特徴と強みがあります。

自社の採用に適切なサービスを活用するためには、ターゲット像を明確しておくことが重要なポイントです。

そのうえで、自社のターゲットがどのようなサービスを利用して就職活動をおこなっているのか、リサーチをおこないましょう。