採用代行と人材紹介の違いを徹底解説|メリット・デメリット、効果を高めるためのポイントも紹介
新卒・中途採用

近年、採用代行と人材紹介のニーズが高まっています。どちらも企業が求める人材を探すという点では共通していますが、そのアプローチや提供されるサービスにはいくつかの違いがあります。
本記事では、
・採用代行と人材紹介の違いとそれぞれのメリット・デメリット
・採用代行や人材紹介の選定基準
・採用代行や人材紹介の効果を高めるためのポイント
について紹介していきます。
目次
1.採用代行と人材紹介の違い
採用代行は企業の採用業務を一括して代行するサービスであり、一般的には求人広告から選考・面接までをサポートします。一方、人材紹介は企業に対して適切な候補者を紹介するサービスで、企業が自ら面接や採用判断をおこないます。
採用代行の主な目的は、効率的な採用プロセスの実施、適切な候補者のスクリーニングや選考、採用手続きの簡略化です。採用業務に関する専門知識がない場合や、多くの求職者の中から最適な候補者を探すためのプロセスを効率化したい場合に利用するケースが多いのが特徴です。
一方で人材紹介を利用する主な目的は、優れた人材を採用するための労力と時間を節約し、採用のマッチング精度を向上させることにあります。
では、具体的にどのような点で違いがあるのか、見ていきましょう。
採用代行 | 人材紹介 | |
サービス内容 | 採用業務を一括して代行する | 適切な候補者を紹介する |
目的 | 採用プロセスの効率化と効果的な候補者の獲得 | 適切な候補者の紹介と採用支援 |
料金体系 | 従量課金または月額固定のサービス料金 | 成功報酬型の手数料(採用成功時に支払い)または一括料金型 |
導入までの流れ | ・自社の採用課題の把握 ・採用代行会社の選定 ・採用代行のフローの設計 | ・人材ニーズの把握 ・候補者の提案 ・選考・採用決定 |
向いている企業 | ・人材採用のノウハウがない ・大量採用をおこなう ・採用工数を削減したい ・採用プロセスを改善したい | ・人材の採用が急務 ・高度な専門知識やスキルを必要とする人材が必要 ・人材の質にこだわりたい ・長期的な採用戦略を構築したい |
1-1.採用代行と人材紹介の違い:サービス内容
採用代行
採用代行では、企業の採用プロセスを一括して管理し、採用業務を代行します。採用代行会社は求人広告の作成や掲載、応募者の選考、面接の実施など、全般的な採用業務を担当します。企業は代行会社に採用業務を委託することで、時間と労力を節約することができます。
人材紹介
人材紹介サービスでは、求人要件に基づいて企業に対して適切な候補者を紹介します。人材紹介会社は、企業の求める人材の条件や要件を理解し、自社のデータベースやネットワークを活用して、候補者をスクリーニングします。企業は提供された候補者の情報をもとに、自ら面接や採用の判断をおこないます。
つまり、企業の採用業務全般を代行し、プロセスの一貫性や効率性を追求する採用代行サービスに対して、人材紹介サービスは候補者のスクリーニングと情報提供に重点を置き、企業が自ら採用の最終判断をおこなう形式ということになります。
1-2.採用代行と人材紹介の違い:料金体系
採用代行と人材紹介の料金体系には以下のような違いがあります。
採用代行
・従量課金型
具体的な採用業務の範囲やボリュームにあわせて費用が発生します。たとえば、求人広告の作成や選考プロセスの支援、面接のセッティングなど、サービスごとに料金が設定され、企業は必要な業務のみを選択し、その利用量に応じて支払いをおこないます。求人媒体の管理は5万円~70万円、選考日程調整は5万円~、DM・スカウト配信業務は3万円~、各種発着信対応は5万円~などが、月単位の一般的な相場となっています。
・月額固定型
一定期間の料金を事前に設定し、費用を支払います。通常は月単位であることが多く、企業は、利用する期間や範囲に応じて適切な月額料金プランを選択します。
人材紹介
・成果報酬型
人材紹介会社は、採用が成立した場合に手数料を受け取ります。採用者の初任給や年収の一部など、一定割合が手数料として支払われることが一般的です。成功報酬型のため、採用の成果が出た後に手数料が発生します。一般的な成功報酬率は、採用された求職者の報酬の20%~30%です。
・一括料金型
一定の期間内において、人材紹介会社が複数の候補者を紹介する場合、一括料金が設定されることがあります。例えば、一定の期間内に何名の候補者を紹介しても、一定の料金を支払う形式です。採用の成果に関わらず、紹介された候補者の数に基づいて支払いがおこなわれます。
どちらのサービスでも、料金体系は契約内容やサービス提供の範囲によって異なります。採用代行は一括して採用業務を代行することで効率化を図り、人材紹介は適切な候補者を紹介することで採用の成功率を高めることができます。自社の採用戦略や予算に応じて、最適なサービスを選ぶようにしましょう。
1-3.採用代行と人材紹介の違い:導入までの流れ
採用代行や人材紹介の導入までの流れにはいくつかの違いがあります。
採用代行
▼自社の採用課題の把握
企業は自社の採用ニーズを洗い出し、求める人材の条件や採用予定の人数などを明確にします。その上で、採用代行サービス会社にどのタイミングでどのような業務を依頼するのかを整理します。
▼採用代行会社の選定
複数の採用代行会社を比較し、実績や評判、依頼可能なサービス内容、料金体系などを検討します。契約期間など細かな条件などを確認した後、契約を締結し、サービスが開始されます。
▼採用代行のフローの設計
採用プロセスや要件を共有し、情報の提供や必要に応じてシステム連携などをおこないます。業務に携わるメンバー全員が同じ認識で取り組めるよう、また属人業務とならないよう、フローを可視化する必要があります。
人材紹介
▼人材ニーズの把握
依頼する求人情報を明確にするため、必要な人材の要件や条件、採用予定の人数などを整理します。その後、人材や募集職種の詳細を人材紹介会社に共有します。
▼候補者の提案
人材紹介会社は豊富な候補者データベースやネットワークを活用し、企業に対して適切な候補者の提案をおこないます。候補者のスキルや経験、キャリア目標などを考慮し、適切なマッチングをおこないます。
▼選考・採用決定
企業は人材紹介会社から提案された候補者と面接をおこない、適性や相互のマッチングを評価します。選考プロセスを進め、最終的な採用判断をおこないます。人材紹介会社と締結する契約内容には、採用条件や雇用形態、報酬体系などが含まれます。
2.採用代行のメリット・デメリット
採用代行のメリット・デメリットを以下にまとめました。
- メリット
・採用工数が削減できる
・コア業務に集中できる
・採用品質が向上する
- デメリット
・認識の齟齬による採用ミスマッチが発生する
・自社に採用ノウハウが蓄積されない
・候補者とのコミュニケーションが不足する
2-1.採用代行のメリット
採用工数が削減できる
採用業務には求人広告の作成・掲載、候補者のスクリーニングや選考プロセスの管理など、細かな対応が発生します。これらを採用代行会社に委託することで、企業は時間とリソースを削減できます。
コア業務に集中できる
採用代行を利用することにより、企業の担当者は採用に関わるタスク(ノンコア業務) から解放され、コア業務に集中することができます。効率性や専門知識の活用が向上し、結果的に企業成長や競争優位性の向上にもつながるでしょう。
採用品質が向上する
採用代行は、候補者のスクリーニングや評価をおこない 、企業に対して優れた候補者を提供します。これにより、採用の品質を向上させ、優秀な人材を獲得する確率が高まります。
2-2.採用代行のデメリット
認識の齟齬による採用ミスマッチが発生する
採用代行の場合、採用代行会社が企業の代わりに採用プロセスを進めるため、企業の求める条件や文化、価値観に齟齬が生じる可能性があります。そのため、採用代行会社の担当者と企業の採用担当者、双方のコミュニケーションの密度を高める必要があります。
自社に採用ノウハウが蓄積されない
採用代行を利用する場合、候補者の選考や評価などのプロセスを外部に委託することになります。そのため、自社内での採用ノウハウや経験が蓄積されず、将来の採用活動や戦略の構築において、自社の特性やニーズに最適な方法を見つけにくくなる可能性があります。
候補者とのコミュニケーションが不足する
実際には採用代行会社の担当者が候補者との連絡や面接をおこなうため、企業と候補者が直接的なコミュニケーションを取る機会が限られます。これにより、候補者の詳細な志向や意図など、重要な情報が十分に得られず、採用のミスマッチや候補者の不満のリスクが生じることがあります。
3.人材紹介のメリット・デメリット
人材紹介のメリット・デメリットを以下にまとめました。
- メリット
・急な人材需要に対応できる
・特定の職種やスキルに対応できる
・自社の魅力を伝えることができる
- デメリット
・採用コストが高騰する
・登録人材の職種が限られている
・地域によっては登録者が少ない
3-1.人材紹介のメリット
急な人材需要に対応できる
急募や緊急の人員補充が必要な場合でも迅速に対応できるのが、人材紹介のポイントです。効率的に候補者をスクリーニングし、短期間で適切な人材を獲得することができます。
特定の職種やスキルに対応できる
高度な専門知識や特殊な技術が必要な職種では、専門的な人材紹介の利用は非常に有効的です。企業は求めるスキルや経験に応じた人材を短期間で見つけることができ、効果的な採用プロセスを実現できます。
自社の魅力を伝えることができる
人材紹介では、専門的な知識と経験を持つコンサルタントが企業の魅力を引き出し、求職者に対して魅力的な提案をおこないます。企業のブランディングやイメージ向上により、求職者は自社に興味を持ちやすくなります。
3-2.人材紹介のデメリット
採用コストが高騰する
採用が成立した際に企業が人材紹介会社に支払う報酬は、求職者の年収に基づいて計算されるためコストが高くなります。特に、高い給与水準の求職者を採用したり、複数の求職者を同時に採用する場合は、費用はさらに高騰します。
登録人材の職種が限られている
人材紹介会社によっては、専門的な分野や業種に特化しているケースがあり、それ以外の職種の人材を探す際には適切なマッチングが難しい場合があります。これにより、求める人材が見つからず、採用プロセスが長引く可能性があります。
地域によっては登録者が少ない
地方都市や人口の少ない地域では、人材紹介の登録者数が少ない傾向があります。そのため、企業が特定の地域で採用をおこなう場合は、採用範囲を広げるためにリモートワークや移住支援などを検討する必要があります。
4.採用代行と人材紹介を導入すべき企業の特徴
4-1.採用代行が向いている企業
採用代行は、以下のような企業に特に向いています。
人材採用のノウハウがない企業
スタートアップ企業や中小企業では、採用プロセスや人材採用に関する専門知識や経験が限られていることがあります。採用代行を活用することで、効果的な採用戦略の立案や実施が可能になります。
大量採用が必要な企業
多くの候補者を効率的にスクリーニングし、採用プロセスを迅速化する必要がある企業にとって、採用代行は有効的です。求人広告の作成・掲載、候補者の選考・面接などを代行することで、大量採用を円滑に進めることができます。
採用工数を削減したい企業
採用代行会社に依頼することで、自社での採用業務にかかる時間と手間の削減につながります。候補者のスクリーニングや面接の手配、書類審査などの作業を委託することで、企業はほかの重要な業務に集中することができます。
採用プロセスの改善を目指す企業
採用代行は、採用プロセスの効率化や品質向上を図るための手段としても有効です。採用代行会社の豊富な知見によって、採用プロセスの改善や最適化も期待できます。
4-2.人材紹介が向いている企業
人材紹介は、以下のような企業に特に向いています。
人材の採用が急務な企業
人材紹介は、人材を積極的に求める企業にとって有用です。特に急速に成長している企業や、特定の専門知識やスキルを必要とする企業は、優れた人材を短期間で獲得する必要があります。
高度な専門知識やスキルが必要な職種を採用する企業
技術職や専門職、特定の業界における専門知識が求められる職種を採用する企業にとって、人材紹介は有効的です。人材紹介会社は豊富な候補者データベースやネットワークを持ち、適切な専門知識やスキルを持った候補者を提案することができます。
人材の質にこだわりたい企業
品質重視の採用をおこないたい場合にも人材紹介は適しています。専門的なスクリーニングや評価プロセスを経て、優れた候補者を提供してくれるため、採用ミスマッチを最小限に抑えることができます。
長期的な採用戦略を構築したい企業
人材紹介は、長期的な採用戦略を構築するためのパートナーにもなりえます。人材紹介会社は企業のニーズや文化に理解を深め、継続的な協力関係を築くことで、将来の採用ニーズにも柔軟に対応することができます。
5.採用代行や人材紹介の選定基準
採用代行と人材紹介のどちらを選ぶべきか、検討する際のポイントについてまとめました。
5-1.内部のリソースと専門知識
採用業務に関する専門知識や時間が限られている場合には、採用代行の利用が効果的です。一方、企業内で十分な採用スキルやリソースを持っている場合は、候補者選定に注力できる人材紹介が向いています。
5-2.求める人材の特性と採用プロセス
採用代行は、企業の採用プロセスをサポートする幅広い業務に対応していますが、求める人材のスキルや業界特有の要件がある場合には、人材紹介の方が専門的なネットワークやリソースを活用できると考えられます。
5-3.予算と費用対効果
採用代行は従量課金や月額固定の形態があり、必要な業務範囲に応じて柔軟に利用できます。一方、人材紹介は成功報酬型の場合が多く、採用が成立した場合に手数料が発生します。予算や費用対効果を考慮し、自社に合ったサービスを選ぶようにしましょう。
6.採用代行や人材紹介の効果を高めるためのポイント
6-1.採用課題を把握する
採用課題を明確にすることで、採用代行会社や人材紹介会社に適切な指示や要件を伝えることができます。採用代行の場合は、採用課題の把握や採用KPIの設定なども依頼可能です。採用代行会社の豊富な知見により、企業は自社の採用課題を客観的に把握できるようになります。
6-2.依頼する業務を明確化する
依頼したい業務の範囲や具体的なタスクを整理し、求める役割や責任についても明確にしておきましょう。明確な業務内容を明示することで、採用代行や人材紹介の効果を最大限に引き出し、優れた人材獲得につなげることができます。
6-3.採用基準・ターゲットを明確化する
求めるスキルや経験、採用ターゲットとなる人材の特性や適性を明確にし、採用活動の方向性を定めます。これにより、採用代行会社や人材紹介会社は正確な情報をもとに候補者を選定することができ、結果的にマッチング精度が向上します。
7.【多岐にわたる業界での成功事例多数】 ネオキャリアの採用代行サービス
株式会社ネオキャリアでは、長年にわたり培ってきた採用支援のノウハウを活かし、優れた採用代行サービスを提供しています。
求人広告の作成・掲載、候補者との連絡や促進コール・面接業務対応など幅広い採用プロセスに対応しており、専門知識を持つプロフェッショナルチームが企業のニーズに合わせたカスタマイズされたサービスを提供しています。
また、最新の採用トレンドや市場動向にも精通しており、迅速かつ効果的な採用戦略の立案や適切な候補者マッチングをおこなっています。信頼性と効率性を兼ね備えた採用支援の唯一無二のパートナーとして、最適な人材獲得を実現します。
8.まとめ
競争激化や人材市場の厳しさに直面する企業は、優秀な人材の確保に苦戦しています。このような状況下だからこそ、採用代行や人材紹介を活用することで、優秀な人材の獲得競争に勝ち抜くことができます。採用ニーズや予算に合わせて、サービス内容や料金体系を比較し、適切なサービスを選ぶようにしましょう。ぜひ、本記事を効果的な採用活動の実現にお役立てください。

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