母集団形成の課題を解決する方法とは?新卒・中途・インターン・アルバイト採用まとめてご紹介
新卒採用
少子高齢化や有効求人倍率の上昇などといった採用環境の変化から、以前のように母集団形成がうまくいかない企業が増えてきています。
また、前年と採用目標数は変わっていないが採用費用を増加したにもかかわらず、「採用人数は目標割れ」というケースも、最近では珍しくありません。
次の採用をどうしようかと悩んでいる採用担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、
・採用のカギを握る「母集団形成」とは
・母集団形成の方法
・母集団形成の注意すべきポイント
についてご紹介します。
目次
1.母集団形成とは?
母集団形成とは、「採用活動において自社にエントリーする応募者の集団を形成すること」を指します。
応募者の集団といっても単純に数多く集めればいいわけではなく、応募者の数とマッチング率が適正である必要があります。
2.母集団形成における課題
母集団形成における課題は大きく以下の2つに分けられます。
- 1.母集団の数の課題
- 2.母集団のマッチング率の課題
2-1.母集団の数の課題
母集団の数で悩んでいる採用担当者は非常に多いと思います。
母集団を確保するために「就職サイト数を増やす」「SNSでの発信に力を入れる」「自社HPのリニューアルをおこなう」「採用パンフレットを刷新する」など、とにかくさまざまな施策を試そうとすることが、採用担当者の業務量を著しく増やす原因にもつながっています。
2-2.母集団のマッチング率の課題
また、母集団のマッチング率も問題となることがあります。
例えば、「新卒採用において、理系の学生を採用したいが文系の学生が多数応募してくるという事例」や「大学院生を採用したいのに学部生がエントリーする事例」などがあげられます。
このように採用ターゲット以外が母集団の多くを占めることで、説明会・選考の業務が不必要に多くなっていることも少なくありません。
母集団形成における「数×マッチング率」という課題は、多くの採用担当者の業務負荷を生み出しています。
数の課題も、マッチング率の課題も採用担当者の負荷を増大させ、採用活動の改善というコア業務を阻害する大きな原因となるのです。
3.新卒採用と中途採用の違い
母集団形成における「数×マッチング率」という課題を考える前にまずは、「新卒採用と中途採用における母集団形成の方法や考え方などの違い」について確認していきましょう。
新卒採用 | 中途採用 | |
募集目的 | 将来会社を背負う人材を獲得 | 欠員補充・増員、自社にないノウハウの獲得 |
採用活動期間 | 1年を通じた長期プロジェクト | 数週間から数ヶ月の短期間 |
募集人数 | 若干名から百名単位と幅が広いが基本的には複数名 | 1名が多く複数名であっても十数名と少ない |
配属先 | 職種別採用以外、入社後に決まる | 応募時に配属先が決まる |
選考基準 | ポテンシャル採用 | スキルや経験が求人にマッチした人材 |
選考方法 | ESを含む書類選考、適性検査、作文(論文)、面接複数回と選考ステップが多い | 書類選考と面接2~3回と選考ステップが少ない |
研修 | 内定後から研修をおこない入社後には2週間から1ヶ月の合同研修後にOJT研修を実施 | 入社後のオリエンテーションとOJT研修 |
このように新卒採用と中途で採用では、さまざまな違いがあることがわかります。
4.求める人物像と採用目標の設定
母集団形成の「マッチング率」「数」の両方で重要となるのが「求める人物像」と「採用目標」の設定です。
新卒採用と中途採用では明確に違いが出る場合が多くなります。
ここからは、母集団形成の「マッチング率」「数」の前提となる、「求める人物像と採用目標をどのように設定すればよいのか」をご紹介します。
4-1.採用目標の設定
採用目標を設定するためには3つのポイントを押さえましょう。
- 1.何のために募集をするのか
- 2.どの部分を補強するのか(知識・スキルなど)
- 3.そのためには何名必要なのか
4-2.求める人物像の設定
目標設定を基にまず下記の2点を設定します。
- 1.人材スペック(必要なスキル・経験年数など)
- 2.適性(学歴・性格・行動特性など)
スキルや経験がマッチしていても社風が合わない、待遇が不満という理由で離職する人がいます。
このような事態を防ぐために、さらに下記の2点をふまえて設定するとより実際の採用したい人物像に近づきます。
- 1.自社の状況(事業内容、強み・魅力、安定性、将来性、社風など)
- 2.仕事内容と待遇(どんな仕事か、研修方法、年収、福利厚生など)
5.母集団形成の方法
インターネットやスマートフォンの普及と進化により人材募集の方法が年々増えています。
現在、新卒・インターンシップ・中途・アルバイトの母集団形成にはどのような方法があるのでしょうか。
以下では、新卒・インターンシップ・中途・アルバイト別にご紹介していきます。
5-1.新卒採用における母集団形成方法
- 1.就職サイト(エントリー型)
- 2.ダイレクトリクルーティング
- 3.合同会社説明会
- 4.学内会社説明会
- 5.自社HP
- 6.人材紹介
- 7.産学連携
- 8.インターンシップ
- 9.学校の就職課およびキャリアセンター
- 10.若者ハローワーク
- 11.企業のイベントによるタレントプール(ミートアップ)
- 12.SNS
5-2.インターンシップにおける母集団形成方法
- ・インターンシップ用の就職サイト
- ・合同会社説明会
- ・自社HP
- ・学校の就職課およびキャリアセンター
- ・企業のイベントによるタレントプール(ミートアップ)
- ・SNS
- ・先輩の紹介
5-3.中途採用における母集団形成方法
- ・就職サイト(エントリー型)
- ・ダイレクトリクルーティング
- ・自社HP
- ・人材紹介
- ・ハローワーク
- ・タレントプール(ミートアップや問い合わせ)
- ・SNS
- ・フリーペーパー
- ・求人広告(チラシ)
- ・新聞広告(求人ページ)
- ・リファラル採用
5-4.アルバイト採用における母集団形成方法
- ・就職サイト(エントリー型)
- ・自社HP
- ・ハローワーク
- ・SNS
- ・フリーペーパー
- ・求人広告(チラシ)
- ・新聞広告(求人ページ)
- ・リファラル採用
- ・店頭や事業所の貼り紙
5-5.採用手法の選定
ご覧いただいたとおり、母集団形成の手法はかなりたくさんあります。
では、数多くある募集方法の中から自社に合うものをどのようにして選べば良いのでしょうか。
結論から言えば採用に絶対の答えはないため、トライアンドエラーで実行していくことになります。
母集団形成における「数×マッチング率」に対して目標を設定し、費用対効果を募集方法毎にエントリー数、書類選考通過数、面接通過数、内定承諾数、入社数で検証を繰り返すことで自社に合った採用手法が見えてくるはずです。
一方で、そんな工数はかけられない、もっと早く最適な採用手法が知りたいといったご要望もあるかと思います。
最近では費用対効果を検証したうえで使用媒体を提案するアウトソーシングのサービスもありますので、募集方法を根本的に見直したい時には利用を検討してみましょう。
6.母集団形成で注意すべきポイント
母集団形成で注意するポイントは3つあります。
母集団形成の「数×マッチング率」に課題を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
6-1.求人内容
求める人物像が曖昧で、求人を見た人が誤解をしてエントリーしている可能性があります。
箇条書きでもいいので、求める人物像を応募者が自分でチェックできるようにチェックシート方式に書き直してみましょう。
6-2.応募者を限定しない
専門性が高い職種だと「AもBもできないといけない」と限定してしまいますが、若い人であれば自社で育てる方針へ変更してターゲットを広げてみましょう。
6-3.ダイレクトリクルーティングを併用する
待ちの姿勢から攻めの姿勢へ採用方針を変更してみましょう。
ダイレクトリクルーティングでは潜在的応募者も多く登録しているため、企業側から働きかけることでマッチング率の高い応募者が多数選考に参加してくれるかもしれません。
7.まとめ
母集団形成の課題を解決するには、新卒採用・インターンシップ・中途採用・アルバイトとそれぞれに適切な募集方法を選択して、誰が読んでも欲しい人材像がわかりやすい求人内容を作成する事が第一歩です。
そのためには求める人物像と採用目標をしっかりと設定し、採用手法をトライアンドエラーで改善し続ける事で母集団の「数×マッチング率」が高まり、採用成功と採用活動における業務負荷軽減が実現されます。
現状の人事担当のリソースが不足するようであれば、必要に応じて採用アウトソーシングサービスなど外部のリソースも上手に使って、良質かつ必要な数の母集団を形成しましょう。
中小・ベンチャー企業を採用成功に導く戦略を
入社してから一貫して新卒採用のコンサルティングをおこなう部署に携わる。大手上場企業~ベンチャー企業まで計1,000社近くの支援を経験し、現在は新規営業部門の責任者として従事。
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斎藤/新卒採用領域
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