AI時代の新卒採用はどう変わる?7割超が「縮小の可能性あり」と回答、それでも新卒採用を続ける理由とは
調査レポート

生成AIの業務活用が広がるなか、「新卒採用の人数をこれまで通り維持すべきか」「新卒に求める人物像を見直すべきか」と悩む採用担当者は少なくありません。
そこで今回、勤務先で生成AIの業務活用が許可されている新卒採用担当者328名に、AI時代における新卒採用の実態を調査しました。
本記事では、新卒採用の規模の見通しから、縮小・強化される職種、新卒に求める要素の変化、有効な採用手法、そして新卒採用を続ける目的までを、調査データをもとに紐解きます。
※データの引用・転載の際は、出典として「ネオキャリア(キャリアトラス)調べ」を明記してください。
1.7割超が「AIの普及で新卒採用を縮小する可能性がある」と回答
勤務先でAIの普及によって今後新卒採用を縮小する可能性があるかを聞いたところ、「ある」と答えた人は70.7%にのぼりました。
「ない」は22.6%、「わからない/答えられない」は6.7%で、縮小の可能性を否定する企業は2割強にとどまっています。


- 生成AIが定型業務を担うようになり、「これまでと同じ人数を新卒で採る必要があるのか」を見直す企業が増えていることがうかがえます。
- ただし、ここで問われているのは「採用をやめるかどうか」ではありません。どの職種で、どんな人材を、何人採るのかという採用計画そのものを組み直す局面に入っていると言えそうです。
2.縮小の可能性がある企業の82.3%で、すでに縮小の動きが始まっている
前問で「ある」と回答した232名に、すでに社内で新卒採用を縮小する動きがあるかを聞いたところ、「すでに縮小する動きがある」が82.3%を占めました。
「まだ縮小する動きはない」は17.7%で、「わからない/答えられない」と答えた人はいませんでした。


- 縮小の可能性は将来の話ではなく、多くの企業ですでに具体的な検討や実行の段階に入っています。
- 来期以降の採用計画を立てる際は、他社の動きも踏まえたうえで、自社の方針を早めに固めておくことが大切です。
3.縮小する職種・強化したい職種、どちらも1位は「マーケティング」
「すでに縮小する動きがある」と回答した191名に、縮小の動きがある職種を聞いたところ、最も多かったのは「マーケティング」(49.2%)でした。
一方で、全員(328名)に、AIのさらなる普及が見込まれる今後むしろ採用を強化したい職種を聞くと、ここでも「マーケティング」が33.5%で首位となっています。


- 同じ「マーケティング」が、縮小と強化の両方で1位になった点は今回の調査で特に注目したい結果です。職種そのものが不要になるのではなく、AIで代替しやすい業務と、人が担うべき業務の切り分けが進んでいると考えられます。
- 採用の場面でも、職種名でひと括りにせず、「どの業務を担う人を採るのか」まで具体化して募集する必要がありそうです。
縮小と強化が同じ職種で起きているとすれば、企業が新卒に期待する役割そのものが変わり始めているのではないでしょうか。
次の章からは、新卒に求める要素がAIの普及によってどう変わったのかを見ていきます。
4.新卒に求める要素の1位は「チームワーク・協調性」から「コミュニケーション能力」へ
AIが普及する前に新卒に求めていた要素(上位3つまで回答)は、「チームワーク・協調性」が30.5%で最多でした。
一方、AIが普及した今、新卒に求める要素を聞くと「コミュニケーション能力」が31.1%で最多となり、1位が入れ替わっています。


- 知識やスキルの一部をAIが補えるようになったことで、人と関わる力や、自分で考えて動き続ける力の重要度が相対的に高まっているようです。
- 求める人物像が変われば、選考の評価基準や、母集団形成の段階で打ち出すメッセージも見直す必要が出てきます。
全9項目の前後比較は、ダウンロード資料でまとめていますので、あわせてご確認ください。
5.84.8%が、学生時代の「AIスキルや活用経験」を採用で重視
学生時代のAIスキルや活用経験を、採用でどの程度重視するかを聞いたところ、「非常に重視する」が48.2%、「やや重視する」が36.6%で、合計84.8%が重視していると回答しました。「あまり重視しない」は12.2%、「全く重視しない」は3.0%にとどまっています。


- AIを使いこなせることは、すでに多くの企業にとって「あればうれしい」ではなく、評価の対象になりつつあります。学生がAIをどのように活用してきたかを面接やエントリーシートで確かめられるよう、設問や評価項目を整えておくと、入社後のミスマッチ防止にもつながります。
6.AI時代に有効な新卒採用手法、1位は「RPO(採用代行)の活用」
AI時代に有効だと考える新卒採用手法を聞いたところ、「RPO(採用代行)の活用」が38.7%で最多となり、約4割に上りました。2位の「リファラル採用」(31.4%)、3位の「AI面接」(31.1%)を上回っています。
- 1位:RPO(採用代行)の活用(38.7%)
- 2位:リファラル採用(31.4%)
- 3位:AI面接(31.1%)
- 4位:求人広告の強化(27.7%)
- 5位:会社説明会の開催(22.3%)
※複数回答


- 採用人数の見直しや、求める人物像の変化に対応するには、採用計画の立て直しから母集団形成、選考までを柔軟に組み替える必要があります。
- こうした変化に社内のリソースだけで対応するのは難しく、専門知見を持つ外部パートナーを活用する考え方が広がっているのでしょう。
7.新卒採用を続ける目的、最多は「中長期的な幹部・管理職候補を育てるため」
AIが普及するなかでも新卒採用を継続する目的として、最もあてはまるものを聞いたところ、「中長期的な幹部・管理職候補を育てるため」が25.0%で最多となりました。
新卒採用担当者の4人に1人が、将来の組織を担う人材の育成を目的に挙げています。2位は「組織の年齢構成・人員バランスを維持するため」(20.4%)、3位は「既存社員にはない発想や視点を取り入れるため」(12.8%)でした。

自由回答の抜粋「人として判断が必要だから」
前問で選んだ以外に、AIが普及するなかで新卒採用を継続する目的を自由回答で聞いたところ、組織の高齢化や、AIでは補えない業務を理由に挙げる声が寄せられました。
一部を抜粋して紹介します。
高齢化が進んでいるから。
AI活用ではカバーできない業務があるので。
人として判断が必要だから。
新卒人材を自社で丁寧に育成する方が、中途採用よりも安価で、結果として自社でより活躍できる人材となるから。
※n=146(有効コメント:81件)

- AIで効率化できる業務が増える一方で、人の判断が欠かせない業務や、組織を長く支える人材の育成は、新卒採用だからこそ担える役割です。
「何人採るか」だけでなく、「なぜ新卒で採るのか」を言葉にしておくことが、AI時代の採用計画の軸になりそうです。
8.まとめ:AI時代の新卒採用は「何人採るか」から「誰を、なぜ採るか」へ
今回の調査から、新卒採用担当者の7割超が、AIの普及によって新卒採用を縮小する可能性があると考えていることがわかりました。そのうち82.3%ではすでに縮小の動きが始まっており、採用規模の見直しは多くの企業で現実のものになっています。
ただし、縮小と強化の両方で「マーケティング」が1位になったように、変わっているのは採用の「量」だけではありません。新卒に求める要素も「コミュニケーション能力」や「自走できる力」へと比重が移り、84.8%の企業が学生時代のAIスキルや活用経験を重視しています。
それでも企業が新卒採用を続ける最大の目的は、「中長期的な幹部・管理職候補を育てるため」でした。AIで効率化が進む時代だからこそ、どの業務を担う人材を、なぜ新卒で採るのかを改めて言語化し、採用計画や選考基準に落とし込むことが求められます。
自社だけで見直しが難しい場合は、採用代行(RPO)をはじめとする外部の専門知見を活用するのも1つの方法です。
※データの引用・転載の際は、出典として「ネオキャリア(キャリアトラス)調べ」を明記してください。
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2020年入社以来、多様な採用プロダクトの販売や、ネオキャリアの全商材を領域横断で扱う総合営業に従事。累計400社を超える企業の採用成功を支えてきた実績を持つ。 業種や企業規模を問わず、豊富な知見をもとに企業の抱えるボトルネックを見抜き、本質的な課題解決へと導く伴走型のコンサルティングをおこなっている。
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