採用計画の立て方5つのコツ|新卒採用・中途採用テンプレート例もご紹介

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採用計画 立て方

採用計画の立て方5つのコツ|新卒採用・中途採用テンプレート例もご紹介

企業経営に大きな影響を与える採用活動。労働市場の変化により人材競争がますます激化する昨今、優秀な人材を確保するには綿密な採用計画が必要です。採用計画は事業計画に基づいて策定することが不可欠ですが、「採用計画は全て人事部に任せている」という企業や「どのような点に気を付けるべきかわからない」と悩む人事担当者も多いのではないでしょうか。

 

本記事では、

失敗しない採用計画の立て方5つのコツ

新卒採用、中途採用の採用計画のテンプレート例

採用計画を立てた後の注意点

などについて詳しくご紹介していきます。ご紹介する手順に沿って進めれば採用計画を策定することができるようになるので、ぜひご活用ください。

 

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1.採用計画の役割と必要性

採用計画の役割と必要性

 

まずはじめに採用計画の役割と必要性についてご説明します。

1-1.採用計画とは

どの部署に、いつ、何人、どのような人を、どのような方法で採用するかといった目標を設計した「採用活動のガイドライン」のことです。自社の経営方針や事業計画に基づいて採用計画を立てることが重要となります。

 

いつ採用を実現させる時期
どの部署に新たに外部から人材を補充する必要のある部署
何人(人数)目標とする採用人数
どのような人材を能力、スキル、経験、などの採用者に求める要件
どのような方法で具体的な採用手法・選考方法など

1-2.採用計画が必要とされる理由

採用計画は、採用を成功させるためには必要不可欠なものです。ここでは、採用計画がなぜ必要なのかをご説明します。

短い選考期間で計画的な採用をおこなうため

2018年に経団連によって「採用選考に関する方針」が廃止され、就職活動に関するルールの取り決めが政府主導へと変わったことで、広報・採用活動のタイミングが以前と比べて数カ月後ろ倒しとなりました。選考にかけられる時間が短くなったため、より計画的な採用をおこなう必要性が高まっています。

求める人材を効率的に採用するため

「採用する人物像」を選考者全員が具体的に認識することで、選考基準や選考後の評価のズレを減らし、効率的な採用活動ができます。そのため採用をおこなう部署や選考に携わる現場社員に採用計画を共有することが重要になります。

採用活動の進捗度を可視化するため

計画通りに採用活動が進んでいるか、採用コストは適切かなど進捗度を可視化できるようになるため、早期に改善策を立てることができるようになります。

 

2.採用計画の立て方5つのステップ

採用計画の立て方5つのステップ

 

では実際に採用計画を立てるための手順をご紹介します。

2-1.採用計画を立てるための事前準備

採用計画を立てるために、前もって準備すべきことがあります。まずは以下の3点を把握しておきましょう。

 

  • 過去(採用課題)
  • 現在(競合調査・競合比較)
  • 末来(事業計画)

 

例えば、今後3年間で売上を2倍にする事業計画であった場合、営業体制の強化が必要となります。営業職の増員はもちろん、営業サポートやマーケターなどの採用も必要かもしれません。このように事業計画や現状の課題をもとに採用計画を練っていく必要があります。

2-2.採用人材の要件を具体化する

現場で起きている課題や今後の経営方針を踏まえ、どのような要件を満たす人材を採用することが望ましいのかを具体化します。

「営業経験が豊富である」「コミュニケーション能力に優れている」などの抽象的な定義ではなく、より具体的な業務経験やスキルを明確にしていきます。人材要件にマッチする求職者が多くいれば採用しやすく、少なければ採用は難しくなるため、採用市場にも目を向けることが大切です。競合他社の求人や提示している条件などもリサーチしながら要件を固めていきましょう。

2-3.採用人数を明確にする

業務量から必要な採用人数を算出し、何人採用すればよいのかを明らかにします。そして、配置すべき人材の人数を明らかにし、すでに配置されている人数との差を必要な採用人数として見積もります。

次に、見積もった人数分の採用をおこなった場合に、会社の目標とする利益を確保できるかを検証します。利益の確保が可能だと判断される場合は、見積もった人数を採用人数として設定します。利益の確保ができない場合は、業務量は適正か、分担方法などのやり方を見直し、利益を確保できる採用人数を再検討します。

2-4.採用者の雇用形態を明確にする

次に、どの雇用形態で採用するべきかを考えます。正社員、契約社員、派遣社員、パート・アルバイトなど、多様な雇用形態の特長をうまく組み合わせて人員確保をしなければなりません。

たとえば、正社員であれば長期的に安定した労働力を確保でき、組織へのロイヤリティーや帰属意識を高められる点がメリットです。一方で、業務の繁閑に応じた雇用調整が難しい点や育成に時間がかかることがデメリットになります。派遣社員であれば業務の繁閑に応じた調整が可能となり、また専門性の高いスタッフも確保しやすいのがメリットといえます。このように雇用形態を適切に組み合わせることが重要になります。

 

このような雇用形態の組み合わせに関する考え方を「雇用ポートフォリオ戦略」と呼びます。以下に具体的な考え方を紹介します。こちらを参考にして、どのような人的資源が必要なのか、現在の組織の状況を分析することで、人材の適材適所が実現可能になります。

 

Lepak&snellの人的資源アーキテクチャモデル

Lepak&snellの人的資源アーキテクチャモデル

出典:西村信勝『米国初期投資銀行のビジネスモデル―コア・コンピタンスの視点から―』

人材の特性を4つのグループに分け、さらに「人材の希少性」「人材の価値」の2軸に分類した考え方です。「人材の希少性」「人材の価値」は企業を取り巻く環境で変化しますが、それぞれのグループに合わせた適切な施策を打つことで人材確保に有効と言われています。

 

リクルートワークス研究所の「人材ポートフォリオ」

リクルートワークス研究所の「人材ポートフォリオ」

出典:Works 40 戦略的HRMを生み出す「人材ポートフォリオ」

人材の貢献方法を4つのグループに分け、「創造」と「運用」、「組織」と「個人」の2軸から分類した考え方です。「創造」と「運用」の違いは、新しいビジネスモデルの創造に携わるか、既存システムの運用を通して貢献するかです。「組織」と「個人」は、組織成果と個人成果のどちらの最大化をミッションにしているかを表しています。どのグループの人材に価値を置くかは企業の経営戦略によって変わるため、採用計画を立てる上で重要となる考え方です。

2-5.採用方法を明確にする

次に最適な採用方法や採用時の対応などを明確にします。

求人媒体、人材紹介、ダイレクトリクルーティング、リファラル採用、SNS採用など採用手法は多様化しています。それぞれの特長を理解した上で、どの部署でどのように使うか、予算の配分をどうするかを決めましょう。

例えば、中途採用で即戦力となる業務経験者を求めている場合は、直接スカウトができるダイレクトリクルーティングや人材紹介サービスを活用する、パートやアルバイトであれば求人媒体や地域の求人誌を活用するといった形で、採用方法を明確にしていきましょう。

2-6.採用スケジュールを明確にする

採用計画 年間スケジュール

画像:ネオキャリア作成

採用活動のフローを明確に組み立て、採用活動の開始から終了、入社までのスケジュールを可視化します。まずはどのようなフローで採用活動を進めていくのかを明確にします。「採用計画の策定」→「求人媒体への掲載」→「募集」→「選考」→「採用決定」→「入社」というフローが一般的です。フローを組み立てたら、それぞれの開始時期と期限も明確にしていきます。求人媒体への掲載から面接実施までに必要な期間は、最低でも1ヵ月、入社までは約2ヶ月程度は見ておきましょう。

 

 

3.失敗しない採用計画の立て方5つのコツ

失敗しない採用計画の立て方5つのコツ

 

失敗しない採用計画を立てるためのコツや活用できるツールをご紹介します。

3-1.ゴールを明確にする

採用後、育成研修が一通り終わるタイミングを「ゴール」として計画を立てましょう。ここで言うゴールとは、「半年以内に営業を10名採用する」といった採用目標ではなく、「採用した先に会社や事業が実現したい末来」のことです。「今」と「目指す姿」を照らし合わせながらゴールを明確にしましょう。

3-2.現場の要望の積み上げだけにしない

配属先となる現場の要望や意見に耳を傾けることは重要ですが、一方で経営側の意見も汲み上げながら、現状の課題解決とありたい姿を実現していくことが採用の本来の目的です。双方の意見をまとめながら採用計画を立てましょう。ただし、現場社員や経営陣が提示した人材要件・雇用条件をそのまま設定すればいいとは限りません。採用ターゲットの希少性、マーケット状況、自社の採用力なども見据え、整理していく必要があります。

3-3.求める人材は「知識・スキル・人物タイプ」で整理する

採用において個人を評価する観点は「知識・スキル・人物タイプ」の3つに分類できます。その3つの観点で求める人物像の要件を整理することがおすすめです。新卒採用の場合はまだ社会人経験がないため、”業務知識”や”業務スキル”は除いて整理するとよいでしょう。

3-4.MUST/WANTで要件の優先準備を付ける

採用要件を洗い出したらMUST(絶対に譲れない)要件とWANT(あったら嬉しい)要件に分けて再度整理しましょう。選考の際、応募者を評価する基準にもなります。「入社後に習得できるかどうか」でMUST/WANTを判断すると良いでしょう。

3-5.選考スピードを意識する

学生も転職希望者も、複数の企業の選考を受けていることが一般的です。先に内定が出た会社に決めるという方も少なくありません。選考期間は適切か、選考に時間がかかる場合は選考基準が明確になっているかを確認しながら採用スケジュールを設定しましょう。また選考中の連絡が遅い場合も、求職者の気持ちが離れてしまいます。できるだけ時間を空けないように連絡を取り、接点を持ち続けることが大切です。

 

4.新卒採用、中途採用の採用計画の立て方の違い

新卒採用、中途採用の採用計画の立て方の違い

 

新卒採用と中途採用では求職者との接点の持ち方や採用のスピード感が異なります。ここでは計画を立てる際のポイントについて解説します。

4-1.新卒採用の場合

社会に出る前の学生に会社や仕事のことを理解してもらうには、豊富な情報提供が必要になります。また、実務経験のない学生が自社に合う人材かどうかを見極めるには、接点を多く持ち、お互いのことを理解する機会が欠かせません。こうした背景から、中途採用よりも活動のプロセスが長くなる傾向にあります。

4-2.中途採用の場合

中途採用の計画を立てる上でポイントとなるのが採用要件と入社時期です。特に入社時期については、急な欠員などの状況で変わってきます。また、転職希望者は選考時点では企業に在籍している場合も多いです。内定を得てから勤め先と退職交渉をおこない、仕事の引き継ぎを経て退職をする必要があるため、内定から1~2ヶ月程度かかるのが一般的です。採用スケジュールは、内定から入社までの期間も考慮して設定しましょう。

4‐3.新卒採用・中途採用の採用計画の違い

新卒採用と中途採用の違いを一覧にしたものが下記の表です。目的をはじめ、採用基準から採用手法、マナー研修の有無まで異なることがわかります。それぞれの違いに注意しながら採用計画を立てましょう。

 

新卒採用と中途採用の採用計画の違い

※画像をクリックすると拡大表示されます

5.採用計画のテンプレート例

 

採用計画のテンプレート例

実際に新卒採用・中途採用それぞれの採用計画のテンプレート例をご紹介します。

5-1.新卒採用計画書テンプレート例

採用計画に必要な項目をまとめたものが以下のフォーマットになります。こちらを活用して採用計画書を作成していきましょう。

採用目標

募集職種営業、事務
採用人数営業10名、事務5名

求める人物像

・当社の事業内容を理解し、事業への熱意を持っていること
・主体性が高く自ら積極的にコミュニケーションを取れる
・協調性が高く周りの意見をしっかりと聞けること

 

採用チャネル

採用チャネル求人広告、大学に求人を掲載

 

選考方法

選考方法書類選考、筆記試験、面接(1次:担当者、2次:管理職、3次:役員)

 

採用スケジュール

3月事業年度計画、採用スケジュールの確定
4月就職イベントへの参加、第一次採用の書類選考
5月第一次採用の筆記試験
6月第一次採用の面接と内定、会社説明会の実施
7月職場説明会と見学会の実施
8月第二次採用の書類選考
9月第二次採用の筆記試験
10月第二次採用の面接と内定
11月内定者懇親会の実施
12月再募集(必要に応じて)
翌1月内定者研修会の実施
翌2月インターンシップ

 

5-2.中途採用計画書テンプレート例

次に、中途採用計画書の例をご紹介します。

採用目標

募集職種営業マネージャー候補
採用人数2名

求める人物像

・営業職について5年以上の経験がある
・これまでの経験から判断して事業推進力が高い人物である
・マネジメント経験が2年以上あるとなお良い

採用チャネル

採用チャネル求人広告、ダイレクトリクルーティング、転職エージェント

選考方法

選考方法書類選考、面接(1次:管理職、2次:役員)

 

採用プロセス

採用プロセス一次面接:管理職が担当
二次面接:役員が担当
※配属予定部署の者が面接官を担当する。

 

作成した採用計画は関係者がいつでも見ることができるよう、ExcelやGoogleスプレッドシート、スケジュール管理ツールなどで作成しましょう。Excelであれば無料でダウンロードできるテンプレートが充実しています。ガントチャート、ビジネス計画書、分析シートなどを活用するのがおすすめです。

6.採用計画を立てた後の注意点

採用計画を立てた後の注意点

 

採用計画は立てたら終わりではありません。採用計画を立てた後におこなうべきことや注意点についてご紹介します。

6-1.社内での協力体制を構築する

採用計画を実現するには、関係各所の協力が不可欠です。採用活動に関わる部門や人同士で共有し合い、採用活動における役割分担などの認識を合わせましょう。

6-2.自社サイトやSNSを更新する

定めた採用方法に基づき、実際に採用をおこなっていきます。その際、ターゲットからの応募を喚起することが大切になります。求職者の大半はホームページやSNSなども確認した上で応募するかどうかを判断します。そのため、自社サイトや採用ページ、SNSなどの情報は忘れずに更新しましょう。自社が求める要件や自社の魅力が、ターゲットに正確に伝わるような内容を発信することが大切です。

6-3.必ず振り返りをおこない採用計画を見直す

実際に行動してみて成功した点や計画どおりにいかなかった点などを振り返り、ブラッシュアップを図りましょう。PDCAを回していくことで、より実現性の高い採用計画へとつながります。

7.採用計画を立てるリソース、ノウハウがない場合

 

採用計画を立てるリソース、ノウハウがない場合

 

ここまで採用計画の立て方についてご紹介してきましたが、採用計画を立てる時間がない、ノウハウがないという人事担当者も中にはいらっしゃると思います。そんな方には採用代行(RPO)サービスを利用するという方法も効果的です。

 

RPOとは「Recruitment Process Outsourcing」の略で、採用に関する業務全般または一部を外部に委託するサービスを指します。採用の知見を持ったプロのスタッフがヒアリングをおこない、採用計画の立案から、課題解決に向けた業務フローまで提案・構築してくれます。求職者との選考日程調整や合否連絡といった工数のかかる業務の代行も依頼できます。

これまで採用にかかっていた人件費や工数を最適化し、採用のプロのノウハウを活用したいという方にはおすすめです。

 

採用についてお困りなことがあればお気軽にご相談ください。

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8.まとめ

いかがでしたか。失敗しない採用計画の立て方のコツと手順、立てた後におこなうこと、活用できるテンプレート例などについてご紹介しました。綿密に練られ、基盤がしっかりとした採用計画は採用力向上に繋がり、優秀な人材との出会いを生み出します。ぜひ本記事の手順やテンプレート例を活用しながら、採用計画の立案に役立てていただければ幸いです。

 

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この事例・記事に関わった営業担当

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名前

小泉/アウトソーシング関連

得意領域
  • アウトソーシング

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