採用戦略の成功事例5選|成功に導くポイントや効果的な立て方も紹介
新卒・中途採用
現代の労働市場は人材不足や採用難、ワークスタイルの多様化など、さまざまな課題に直面しています。そのような中で企業にとって必要不可欠とされるのが採用戦略です。企業は未来を見据えてさまざまな経営戦略や事業計画を立てており、実現のためには優秀な人材を獲得することが重要とされています。
しかし、「採用戦略を立てたことがない」「採用戦略の進め方がわからない」という採用担当者様も多いのではないでしょうか。
本記事では、
・採用戦略の成功事例
・事例から学ぶ採用戦略を成功に導くためのポイント
・採用戦略が必要な背景
・採用戦略を立てるメリット
・採用戦略の立て方
について紹介していきます。
1.採用戦略の成功事例5選
まずは、採用戦略の成功事例から見ていきましょう。
1-1.トヨタ自動車株式会社
業種:自動車メーカー
従業員数:300,000人以上
- ■リファラル採用の推進。
■部署ごとにフィットする人材を採用するため、現場主導の採用活動の推進。 - ■オウンドメディアを通じてトップの想いやビジョン、職場の雰囲気や仕事に関する情報を発信。
- 導入前の課題
■モビリティカンパニーとして飛躍するための、多様性や専門知識を持つ人材の確保。
■幅広い職種や人材にあわせた採用活動の必要性。
- 導入後の効果
■リファラル採用により、自社の理念に共感してくれる人材との接点が増加した。
■採用や職場づくりにおいて、社員のオーナーシップが醸成された。
■積極的な情報発信により、応募者に対してリアルな情報を届けられるようになった。
1-2.日本マクドナルド株式会社
業種:飲食サービス
従業員数:2000人以上
企業HP:https://www.mcdonalds.co.jp/
- ■成長を実感できる社内制度や教育制度の充実。
■生産性向上のため、AIの導入をはじめとした業務プロセスの改善に注力。
■SNSやTV・CMでの採用広告の発信。
- 導入前の課題
■離職による労働力不足。
■サービス品質の低下や働きがいの欠如。
- 導入後の効果
■従業員の働く価値向上により、友人や知人の紹介など新たな人材採用につながった。
■業務負担が軽減されたことで社員の定着率が向上し、長期的な雇用関係の構築にも成功した。
■採用広告を通して元クルーの方の声を発信し、仕事の価値訴求につながった。
1-3.面白法人カヤック
業種:広告
従業員数:300人以上
- ■個々のパーソナリティ、価値観、チームへの適合性を見極めるユニークな選考を実施。
■選考スピードよりも面接の質を重視し、応募者の動機付けに注力。
- 導入前の課題
■企業成長に伴う、企業文化の維持。
■クリエイティブなエンジニアやデザイナーなど、専門性とスキルを持った人材の獲得。
- 導入後の効果
■新入社員の多くが入社1ヵ月以内に高いパフォーマンスを発揮。
■内定承諾率が1年間で30%から80%に上昇。
■これまで採用が難しいとされていたゲーム事業部においては、内定承諾率100%かつ短期離職者ゼロ。
1-4.KDDI株式会社
業種:通信
従業員数:30,000人以上
- ■募集する職務領域に適した人材を採用するジョブ型採用の実施。
■個々のキャリアプランをタレントマネジメントシステム上で全社公開。
■社員の働き方に関するデータの可視化。
- 導入前の課題
■新たな事業領域拡大に向け、高い専門性を持った人材の確保。
■若手を中心とした挑戦意欲の低下。
■安定した給与制度や評価制度による、成長スピードの鈍化。
- 導入後の効果
■専門性と人間性を兼ね備えた人材の発掘につながった。
■人材情報をオープンにしたことにより、自発的な人事異動が活発化された。
■業務の見える化により、生産性や業務効率の向上につながった。
1-5.株式会社TBM
業種:素材メーカー
従業員数:300人以上
企業HP:https://tb-m.com/
- ■TBMの採用ブランドの策定。
■メディア露出のタイミングに合わせたコンテンツ制作やHPリニューアルなど、採用広報の実施。
■面接官のスキルやオペレーション品質の向上。
- 導入前の課題
■事業拡大に向けた工場採用の強化。
■労働市場における自社ブランドの形成。
■ユニコーン企業(※)としての事業の多角化や人員拡大。
※設立から間もないながらも企業価値の高い企業
- 導入後の効果
■採用広報の成功により、応募数、求人媒体のPV数ともにTBM史上最高の数値を記録。
■新卒採用において3か月で10名以上の採用(内定承諾率9割以上)を実現。
2.事例から学ぶ採用戦略を成功に導くためのポイント
前項で紹介した採用戦略の成功事例をもとに、採用戦略を成功に導くためのポイントについて詳しくみていきましょう。
2-1.社内の関連部署と連携を図る
採用活動は企業にとって会社を成長させるために欠かせない活動です。各部門との協力体制を築いておくことはもちろん、経営層との連携も重要なポイントです。採用戦略の重要性や目標を経営層と共有し、サポートを得ることは大きなアドバンテージとなります。
2-2.自社に合った採用手法を選定する
採用手法が多様化する今だからこそ、適切な手法を選択することが求められます。ひとつの採用手法に限定せず、複数の手法を組み合わせることで、より多くの応募者との設定が生まれます。たとえば、求人媒体掲載と同時に集客イベントに参加するなど、オンライン・オフラインを組み合わせたアプローチも効果的です。
2-3.面接スキルを向上させる
面接は採用成功を左右する重要な工程です。応募者の公平な評価と比較をおこなうために、面接官同士で採用基準や評価基準を共有しましょう。また、適切な質問を準備し、応募者の能力やパーソナリティを正確に把握するためのヒアリング力や傾聴力を磨くことも大切です。
2-4.面接スキルを向上させる
採用活動の効果を最大限に引き出すためには、各種制度や環境の整備も欠かせません。適切な教育や研修、メンタリングなどの場を整えることで、入社後の定着率や生産性の向上につながるでしょう。
3.採用戦略が必要な背景
なぜ、採用戦略が必要とされているのでしょうか。その背景には、労働人材不足と求職者ニーズの多様化という現在の労働市場における重要な課題があります。
3-1.労働人材不足
少子高齢化や人口減少が続く中、人材の獲得に苦労し、人手不足に悩まされ続けている企業は少なくありません。採用戦略を適切に計画することで、自社にあった優れた人材を獲得できるようになります。労働人材不足や採用難は今後も続くことが予想されるため、長期的な視点で人材確保に向き合うためにも、採用戦略は多くの企業にとって必要不可欠なものとなっています。
3-2.求職者ニーズの多様化
求職者のニーズの多様化も重要な要素です。現代の労働市場では、求職者は単に給与だけでなく、働く環境やキャリアアップ、ワークライフバランスや兼業・副業やフリーランスなど、新しい働き方の実現に向けてさまざまな要素を重視する傾向があります。また、最新技術や業界の進化により、求職者のスキルセットや専門知識も変化しています。そのため、企業は求職者の多様なニーズに応え、魅力的な職場環境や福利厚生、さらに成長機会を提供する必要があります。
4.採用戦略を立てるメリット
採用戦略を立てるメリットについて、以下の3つの観点から見ていきましょう。
4-1.採用コストの削減
採用戦略を立てることで採用プロセスの効率化につながり、結果的にコスト削減が可能となります。たとえば適切な採用広告の活用や明確化されたターゲットを通じて、候補者を迅速に見つけ出すことができます。また、採用管理ツールなどの活用により、効率的な面接や評価が可能となります。
4-2.採用ミスマッチの防止
採用戦略は採用ミスマッチ防止にも効果的です。ミスマッチは候補者の入社後のモチベーション低下だけでなく、そこに至るまでの企業側の時間やリソースも無駄になってしまいます。採用戦略を立てることで、適切なスキルや経験を持つ候補者を引き付けるための明確な要件設定や、自社の文化や価値観にもとづいた採用プロセスの導入につながり、企業と候補者のマッチング精度を高めることができます。
4-3.応募数の増加
多くの応募者を集めることができれば、企業は多様なバックグラウンドや経験を持つ応募者の中から自社に適した人材を獲得するチャンスが広がります。同時に、応募者の増加は企業の多様性の促進にも効果的です。さまざまな人材が集まることで組織の活性化にもつながり、今までなかった新たな視点でのアイデアが生まれる可能性があります。このような観点から、採用戦略は組織改革や問題解決能力向上にも効果的といえるでしょう。
5.採用戦略の立て方
次に、採用戦略を立てる際のポイントについて紹介します。
5-1.市場の分析
採用戦略を立てる際の第一歩が市場分析です。以下に市場分析の流れをまとめました。
目的の明確化
まずは採用戦略の目的を定義しましょう。求める人物像や採用背景を明確にすることで、市場分析の方向性が見えてきます。
外部環境の調査
外部にも目を向け、現在の人材市場のトレンドを把握します。業界においてどのような人材が求められているか、将来的な需要についても予測することが大切です。
競合他社の採用活動
競合他社の採用戦略を分析します。採用チャネルや求人媒体などに注目し、他社との差別化ポイントを明確にします。
データをもとにした戦略の策定
市場分析の結果をもとに、具体的な戦略を策定します。採用手法だけでなく、労働条件や福利厚生の見直し、自社のブランド戦略なども採用戦略に関わる重要な要素です。
5-2.ペルソナの設計
ペルソナは、ターゲットとなる人材の特徴や行動パターンを反映した理想的な人物像です。設計する際は以下の手順を参考にしてください。
ターゲット層の特定
どのような人材を採用したいのかを明確にし、セグメントを決定します。
特徴の洗い出し
ターゲットとなる人材の年齢、性別、学歴、職歴を洗い出し、具体的な人物像を描きます。
行動パターンの分析
関心事や価値観などターゲット層の行動パターンを分析し、応募につながる動機づけをおこないます。
これらの情報をもとに具体的なペルソナを設計し、採用戦略を策定します。ペルソナによって、採用活動のイメージが具現化し、効果的な施策を展開することができます。
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5-3.6W2Hの設定
採用戦略の具体的な実行計画を策定するためのフレームワークが6W2Hです。以下の6つのWと2つのHによって成り立っています。
Who(誰が)
採用活動は社内を巻き込みながら進めると効率的なため、事前に役割分担をおこなうとよいでしょう。
Whom(誰に)
ターゲットとなる人材の特徴や要件を明確にします。スキルや経験値・パーソナリティなど、具体的な人物像を組み立てながら人物像を可視化します。
What (何を)
採用の目的やゴールを明確に定義します。「何を達成したいのか」を明確にすることで、具体的な業務内容や採用要件が見えてくるでしょう。
When (いつ)
採用活動のスケジュールを設定します。いつまでに採用したいのかという期限から逆算して、採用開始日や具体的な採用プロセスを組み立てていきます。
Where (どこで)
求人媒体や集客イベント、SNSなど、採用活動をおこなう場所やチャネルを選定します。
Why (なぜ)
採用活動の背景や目的は企業によってさまざまです。組織再編によるコストカットや計画的な増員など、現状を把握することで場当たり的な採用を防ぐことができます。
How (どのように)
採用活動を実施するための手段や方法を選定します。たとえば、具体的な採用手法や手順、採用プロセスの改善、応募者の選考基準や面接方法などがそれにあたります。
How much(どのくらい)
採用活動における予算やリソースを割り当てます。予算の範囲や採用活動に関わる費用、採用チームの人員配置などを考慮します。
7.まとめ
採用戦略は、企業の未来を切り拓くための鍵となる重要な要素です。適切な採用戦略を構築することで優れた人材を確保し、組織の成長や競争力を向上させることができます。戦略的かつ長期的な採用活動を実現するためにも、この機会に自社の採用戦略について考えてみてください。
本記事が採用戦略成功の一翼を担うことを願っています。
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