ダイレクトリクルーティングでエンジニア採用をするコツ|採用事例から媒体紹介まで
ダイレクトリクルーティング
よく「候補者の紹介数が少ない」「エンジニア採用は応募数が足りない」などというお声を耳にします。
従来の採用手法が通用しなくなってきたと感じる企業も多いのではないでしょうか。
そのような企業向けに、本記事では
・今エンジニア採用で話題のダイレクトリクルーティングとは?
・エンジニア採用を成功させるコツ5選
・エンジニア採用に強いダイレクトリクルーティングサービス
などをご紹介します。エンジニア採用にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
目次
- このような企業様におすすめ
・ダイレクトリクルーティングに興味がある
・ダイレクトリクルーティングの活用方法を知りたい
・求人サイトや人材紹介以外のサービスを試してみたい
1.ダイレクトリクルーティングとは?
ダイレクトリクルーティングとは、企業が求職者に直接アプローチする採用手法です。
求人媒体や人材紹介などの従来の採用手法は「待ち」の採用と言われますが、ダイレクトリクルーティングは「攻め」の採用とも呼ばれます。
求人媒体や人材紹介では、企業はサービスに登録した後、応募や紹介を待つことしかできません。
一方、ダイレクトリクルーティングでは企業が自ら求職者を検索してスカウトメールなどでアプローチができます。
1-1.ダイレクトリクルーティングの種類
ダイレクトリクルーティングというと、BizReach(ビズリーチ)やGreen(グリーン)などのサービスを想像する方が多いのではないかと思います。
しかし、広義ではSNSでDMを送ることや、フェアなどで出会った人への声かけ、過去の内定辞退者への声かけなどもダイレクトリクルーティングに含まれています。
1-2.ダイレクトリクルーティングの仕組み
ダイレクトリクルーティングサービスは、スカウトメインのサービスや、広告とスカウトがついているもの、SNSのように運用するものなど、さまざまな種類があります。
基本的には、下記のような流れで使用します。
ダイレクトリクルーティングサービス利用の流れ
1.企業がダイレクトリクルーティングサービスに登録
2.求人原稿/企業ページを作成
3.求職者の情報を見て、マッチしている人材を探す
4.マッチした人にスカウトメールを送る
5.求職者から返事が来たら、やり取りを経てカジュアル面談や選考を進める
2.【エンジニア採用向け】ダイレクトリクルーティングサービス紹介
では、エンジニア採用に向いているダイレクトリクルーティングサービスをご紹介します。
2-1.BizReach(ビズリーチ)
カテゴリ | スカウト |
---|---|
人材DB | 約236万人/経験者 ※優秀層(年収700万~)が多い |
転職意欲 | 高 |
導入社数 | 28,900社以上 |
スカウト機能 | 400通(以降課金制)※プラチナプラン有 |
料金 | 初期費用 85万/140万 + 成果報酬 年収の35% |
ビズリーチは、登録する人材データベースに対して企業からスカウトメールを送れるスカウトサービスです。
特徴は、ハイクラスな登録者の多さです。
BizReach(ビズリーチ)はもともと年収1000万以上のハイクラス人材に特化したスカウトサービスをおこなっていました。
近年は年収の幅を増やし、年収750万未満の登録者を「タレント会員」、それ以上を「ハイクラス会員」として登録しています。
そのため、企業側も経験年数などを絞って採用活動を進めることができます。
2-2.Wantedly(ウォンテッドリー)
カテゴリ | ビジネスSNS |
---|---|
人材DB | 約350万人/若手IT・Web経験者 |
転職意欲 | 中 |
導入社数 | 42,000社 |
スカウト機能 | オプション(100通25万~) |
料金 | 半年ごと定額 27万/60万/120万 |
Wantedly(ウォンテッドリー)は採用に特化したビジネスSNSです。
主な目的は採用ですが、ビジネスの情報収集や人脈を広げる場として使うことも可能です。
Wantedly(ウォンテッドリー)は会社のメンバーアカウントを作成することができるので、普段採用活動をしていない社員も簡単に関わることができます。
長期的な目線で取り組むことが必要ですが、運用がうまくいくようになって大量採用できれば、何人採用しても成果報酬がかからないため大幅にコストを削減できます。
2-3.Green(グリーン)
カテゴリ | 運用型求人メディア |
---|---|
人材DB | 130万人/若手のIT・Web経験者 |
転職意欲 | 中 |
導入社数 | 10,000社 |
スカウト機能 | 200通/月※無制限プラン有 |
料金 | 初期費用 45/60/90/120万 + 成果報酬 30/50/70/90万 |
Green(グリーン)はIT人材に特化した運用型求人メディアです。
通常の求人メディアよりもスカウト機能が充実しているため、ダイレクトリクルーティングサービスよりのサービスです。
Green(グリーン)の特徴は初期登録後に永年利用できる点と、費用が抑えられる点です。
通常の求人メディアやダイレクトリクルーティングでは契約期間が決まっています。そのため更新の度にコストがかかります。
一方、Green(グリーン)では1度掲載した企業ページや求人広告がずっと利用できるので非常にお得です。
また、成果報酬費用が地域ごとに一律で決まっており安価なため、全体の採用コストを抑えられます。
2-4.Paiza(パイザ)
カテゴリ | 運用型求人メディア |
---|---|
人材DB | 約36万人/ITエンジニア |
転職意欲 | 高 |
導入社数 | 2,500社以上 |
スカウト機能 | スカウトメールのランクにより異なる |
料金 | 成果報酬 ※要問合せ |
Paiza(パイザ)はIT人材に特化した運用型求人メディアです。
Paiza(パイザ)の特徴はすべての求職者がコーディングテストを受験しており、回答結果が6段階評価(S・A・B・C・D・E)されるため、求職者のプログラミング力を可視化できる点です。
完全成果報酬型で、中途・新卒と分かれているため、スキルレベルに見合った金額での採用が可能です。
2-5.Linkdin(リンクトイン)
カテゴリ | ビジネスSNS |
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人材DB | 約300万人/バイリンガル・優秀層 |
転職意欲 | 低 |
導入社数 | ー |
スカウト機能 | 無制限 |
料金 | オプションごとに異なる(リクルーターズライセンス等) |
Linkdin(リンクトイン)はビジネス向けのSNSで、転職を考えずにSNSとして利用する登録者が大半を占めます。
Linkdin(リンクトイン)の特徴は、通常の転職市場(人材紹介や求人広告、スカウトサービスなど)に出てこない転職潜在層に出会える点と、バイリンガル人材が多い点です。
Linkdin(リンクトイン)を使って採用活動をするには、リクルーターライセンスという専用のライセンスを契約する必要があります。
ライセンス契約をすれば、世界中の6億人(日本では約280万人)を超えるLinkdin(リンクトイン)ユーザーに直接スカウトメールを送ることが可能です。
しかし、これらを運用するには時間がかかるため、長期的な目線で取り組むことが必要です。
Linkdin(リンクトイン)の統計では平均して7か月で採用に成功しています。
2-6.MIIDAS(ミイダス)
カテゴリ | スカウト |
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人材DB | 50万人/若手・優秀層 |
転職意欲 | 低 |
導入社数 | 327,000社 |
スカウト機能 | 無制限 |
料金 | 定額制 ※要問合せ |
MIIDAS(ミイダス)は登録している人材データベースに対して企業からスカウトメールを送れるダイレクトリクルーティングサービスです。
MIIDAS(ミイダス)の特徴は、登録者のパーソナリティなども知ることができる点です。
MIIDAS(ミイダス)では登録者が「自分の市場価値を知る」という目的で、職務経歴の提出、コンピテンシー診断やパーソナリティ診断の受診をしています。
企業側はその情報を見てからオファーすることができるため、自社の採用したい人材かどうか、見極めが容易になります。
また、企業が人材データベースを閲覧することは無料なので、まずは気軽に登録して人材データベースを検索してみるという使い方もできます。
2-7.Forkwell(フォークウェル)
カテゴリ | 運用型求人メディア |
---|---|
人材DB | 約5万人/ITエンジニア |
転職意欲 | 高 |
導入社数 | 非公開 |
スカウト機能 | 週25通まで |
料金 | 初期費用 10/15万~(2/6ヶ月有効)+ 成果報酬 年収の35% |
Forkwell(フォークウェル)の特徴は、登録人材データベース(およそ28,000人)が全員プログラミング経験者であることです。
Forkwell(フォークウェル)が年間を通して主催するエンジニア勉強会にて、登録者を獲得しています。
勉強会でのスキルチェックを元にエンジニアをレベル分けしているので、スキル別でエンジニアを探すことができます。
2-8.Findy(ファインディ)
カテゴリ | 運用型求人メディア |
---|---|
人材DB | 約10万人/ITエンジニア |
転職意欲 | 中 |
導入社数 | 800社以上 |
スカウト機能 | 無制限 ※「いいね」でマッチングした人のみ |
料金 | 定額制 5/7.5万(月額)※プランにより異なる + 成果報酬 年収の20/30% |
Findy(ファインディ)はIT人材に特化した運用型求人メディアです。
Findy(ファインディ)の特徴は、AIによる独自のスキル判定を用いて自動で求職者と企業をマッチングする点です。
Findy(ファインディ)では求職者がGithubとアカウントを連携させており、それをもとにAIがエンジニアのスキルを自動計測します。
そこから算出されたエンジニアのスキル偏差値を企業が確認し、「いいね」を押すだけでマッチングができます。
そのため応募率やスカウト返信率への対策でかかる工数を削減できます。
2-9.LAPRAS(ラプラス)
カテゴリ | スカウト |
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人材DB | 約3万人/ITエンジニア |
転職意欲 | 低 |
導入社数 | 700社以上 |
スカウト機能 | 無制限 |
料金 | 定額制(月額) ※要問合せ |
LAPRAS(ラプラス)はエンジニアの転職潜在層をメインターゲットとしたダイレクトリクルーティングサービスです。
LAPRAS(ラプラス)では、Github、Twitter、Qiita、Connpass、Wantedly等のオープンデータを自動収集して人材データベースを生成しています。
そこからAIをもとに、候補者が転職活動を始めそうなタイミングでスカウトメールを送ることができます。
そのため、技術情報の発信や収集に熱心なエンジニアが対象となり、候補者の質が高い傾向にあります。
定額料金のみで利用することができるので、効率よく採用できれば費用も抑えることが可能です。
また、利用開始の1か月はLAPRAS(ラプラス)のカスタマーサクセス担当がつきます。
2-10.Offers(オファーズ)
カテゴリ | 運用型求人メディア |
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人材DB | 約25,000万人/ITエンジニア |
転職意欲 | 低 |
導入社数 | 700社以上 |
スカウト機能 | 無制限 |
料金 | 成果報酬 20~80万 ※契約内容によって変動 |
Offers(オファーズ)は副業から始める運用型求人メディアです。
これまでご紹介したダイレクトリクルーティングとは違い、副業から始められる点が大きな特徴です。
企業側も求職者側も、一度一緒に仕事をやってみてスキルや肌感が合うかどうかなど確認できるため、入社後のミスマッチが非常に低いサービスです。
3.エンジニア採用のダイレクトリクルーティングの注意点
エンジニア採用におすすめなダイレクトリクルーティングサービスをご紹介しましたが、これらのサービスを利用する上での注意点をご紹介します。
3-1.エンジニア採用では、求人原稿の内容が重要
ダイレクトリクルーティングにも求人原稿が必要です。
ダイレクトリクルーティングの求人原稿を書くポイントとしては、給料や勤務地などに加え、仕事内容の詳細情報を載せましょう。
せっかく求人原稿を見てくれた求職者が、情報不足で離脱してしまうのを防ぐためです。
詳しくは、5-2.エンジニア向け求人原稿作成の4つのポイントでご紹介しますので、ぜひご覧ください。
3-2.ターゲット選定はエンジニアに協力してもらう
エンジニアの採用において、自社に合った求職者の見極めは難しいと言われています。
エンジニアのスキルは専門性が高く、特定のプログラミング言語やプロジェクト運営の経験値など、現場経験が無いと良し悪しが判断しにくいためです。
そのため、ターゲット選定のための条件検索などは、実際に自社で働かれているエンジニアに聞いてみることをおすすめします。
3-3.専任のダイレクトリクルーティング運用担当者を作る
ダイレクトリクルーティングでは、特にスカウトメール送受信の運用工数が多くかかります。
担当者の方は、1日に何十通から何百通のスカウトメールを送り、返事が来たらすぐに応募者対応をしなければなりません。
何百通とメールを送るため、候補者の進捗管理も難しくなります。
そのため、ダイレクトリクルーティングは他業務と兼任するのではなく、専任の運用担当者を作ると良いでしょう。
3-4.面接ではなくカジュアル面談をおこなう
エンジニア採用においての求人倍率は8倍ほどと言われており、採用が非常に困難と言えます。
そのため、昨今のエンジニア採用ではいきなり面接するのではなく、カジュアル面談の実施が主流です。
カジュアル面談で会社の魅力を感じてもらい、応募意欲を高めるのが目的です。
カジュアル面談は慣れないと難しいと言われており、まずはノウハウを身に着けることが必要です。
カジュアル面談のコツについては6.エンジニア採用に絶対欠かせないカジュアル面談でご紹介していきます。
4.エンジニア採用にダイレクトリクルーティングが有効な理由
エンジニア採用は求人倍率が他の職種よりも高いため、従来の「待ち」の採用手法では応募が来な いことも多いです。
ターゲットが少ないため、企業が自らターゲットを探しに行かなければなりません。
そのため、エンジニアの採用には「攻め」の採用であるダイレクトリクルーティングが有効になってきます。
4-1.エンジニア採用市場の現状
下記のグラフは2024年4月までの有効求人数、有効求職者数の推移を現したグラフです。
有効求人倍率は1.26倍と依然「採用難」といえます。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和6年4月分)について」
一方、レバテックによる調査結果のグラフを見ると、赤の折れ線で示した求人倍率が2023年6月時点では12.9倍となっており、高水準の状態が続いています。
IT市場の拡大により、エンジニアの需要が高まり続けていることが採用難の原因と一つといえるでしょう。
出典:レバテック「【求人倍率12.9倍】エンジニア採用が難しい理由とエンジニア確保のコツを解説」
ITエンジニアの採用市場
特に「IT・通信」「インターネット」「コンサルティング」などの分野では、コロナ禍前より求人数の伸びが激しくなっています。
ITやインターネットでは、DXやSaaSなどトレンドの市場が活況で、多くのベンチャー企業が資金調達に成功しています。
そのため業務・ITコンサルタントやPMなど、上流工程を担う職種は特に採用が厳しい状況です。
社内SEや業務アプリケーションSEなどの採用は、近年未経験採用も増加しています。
また、近年はマーケティング要素の強いWebディレクター職の採用ニーズも増加しています。
インフラエンジニアでは、引き続きサーバエンジニアやセキュリティエンジニアの不足感が強いです。
データサイエンティストも求人数が増加しており、未経験採用をする企業が増えています。
ものづくりエンジニアの採用市場
ものづくり分野では、「スーパーシティ構想」「SDGs(持続可能な開発目標)」「サステナビリティ」「脱炭素」に関わる採用も活発です。
機械設計、回路設計などは依然と採用難が続き、近年は異業種からの転職も増加する傾向にあります。
組み込み・制御設計などは特に採用が激化しており、ポテンシャル採用や働き方の改善に取り組む企業も増えています。
- このような企業におすすめ!
・ITエンジニア職の採用活動をおこなっている
・ITエンジニア職経験者の転職理由などの心理を知りたい
・各求人媒体にITエンジニア職経験者層がどれぐらいいるのかを知りたい
4-2.ダイレクトリクルーティングのエンジニア採用事例
ダイレクトリクルーティングを利用している企業は年々増加しています。
例を挙げると、現在BizReach(ビズリーチ)では28,900社、Wantedly(ウォンテッドリー)では36,000社ほどの企業に利用されています。
下記にダイレクトリクルーティングを利用してエンジニア採用に成功した企業の事例をご紹介します。
▼ITエンジニア経験者の採用事例
▼地方のITエンジニア採用事例
5.エンジニア採用のダイレクトリクルーティングのコツ
エンジニア採用は、時代に合った採用戦略を取り入れていかなければいけません。
ここではエンジニア採用にありがちな初期段階のミスから売り込みのコツまでお伝えします。
5-1.人事側と現場の意見をすり合わせた人材要件設定
エンジニア採用においてよく見受けられるのは、現場からの人材要件が高すぎて実際の採用マーケットに合っていないケースです。
人事は、実際の採用マーケットを加味した人材要件を現場とすり合わせる必要があります。
これまでのデータや転職マーケットの現状を現場と共有し、納得できる人材要件を一緒に設定しましょう。
この時、仕事内容や経験だけでなく実際の人物像(ペルソナ)まですり合わせすると現場とのミスマッチを解消できます。
5-2.エンジニア向け求人原稿作成の4つのポイント
エンジニアに魅力的に映る求人原稿とはどのようなものでしょうか。
下記はエンジニアが会社を辞めたいと思った理由ランキングです。
出典:リクナビNEXT「エンジニアライフ応援サイト Tech総研」
おおまかに分類すると、エンジニアの転職理由は「給与や待遇」「業務内容」「企業・業界への不安」の3つが多いです。
これらを網羅したエンジニア向けの求人原稿作成のポイントは下記4つになります。
開発環境を公開する
エンジニアは転職先を見るとき、自身のスキルが活かせる環境であるかを重要視します。
自社の開発環境をできるだけ具体的に記載し、入社後の業務内容や今後のキャリアがイメージできるようにしておきましょう。
例えばエンジニアの種類も「Web エンジニア」と書くのではなく、「フロントエンド」「サーバーサイド」「インフラ」「機械学習」など具体的に書きましょう。
開発環境については、自社エンジニアに協力してもらい、使用するプログラミング言語やOS、DB、活用するツール、人数などを記載しておくと良いでしょう。
また、客先常駐型なのか受託開発なのかなど、業務環境などについても詳しく記載しておけば、よりイメージが湧きやすくなります。
必須スキルを具体的に提示する
エンジニアは種別や仕事内容が多種多様なため、募集要項にスキルの詳細を書いていないと、仕事のイメージが湧きづらくなります。
例えば「Ruby、JavaScript、DB設計ができること」など大まかに書くだけでなく、「Ruby on Rails を利用した月間PV100万を超える規模のサービス開発経験」や、「React や Angular2 、 ES2015(ES6) を使ったフロントエンド開発経験」、「MySQL によるデータベース設計と実装経験」など、開発言語等だけでなく開発規模や経験についても記載できると良いでしょう。
その他、業務内容によってはコミュニケーション能力やマネジメント能力など求めるスキルや能力についても、出来るだけ具体的に記載することが重要です。
過去のプロジェクト例を提示する
過去に実行したプロジェクト例を提示するのも有効です。
自社がどのような仕事に取り組み、エンジニアがどのような役割を果たしているのか具体的な事例で示すことで、求職者は入社後の仕事内容や必要スキルを具体的にイメージできるようになります。
プロジェクト例についても、案件の概要や言語、ツール、開発期間や担当フェーズなど、出来るだけ詳しく記載することがポイントです。
特に、客先常駐型のプロジェクトが多い場合は、通勤時間などもわかるように実際の勤務地を記載しておくと良いでしょう。
給与や福利厚生を詳細に公開する
人手不足のエンジニア採用市場において、給与や福利厚生などの待遇面での差別化はもはや必須事項です。
年収や月収だけでなく、各種手当やキャリア別の平均年収など報酬体型がわかるよう、出来るだけ具体的に記載することが重要です。
また、エンジニアは激務であることも多く、体調面で不安を覚えている人も少なくありません。
それゆえ健康に関する福利厚生に強い関心を持っています。
産業医による健康管理やストレスチェック、フィットネスジムの優待などがあれば、エンジニアにとっては魅力的ですのでアピールポイントになります。
5-3.スカウトメールは特別感と読みやすさ
スカウトメールは候補者に興味を持ってもらえるかどうか、最初の分岐点です。
近年、候補者の多くがスマホでスカウト文面を見ることが増えてきているため、長すぎる文章は読みづらく、すぐに離脱されてしまうケースがあります。
一般的なスカウトメールでは1,000文字程度の文面が多いですが、実際は1スクロールの500〜600文字程度に収めた方が読みやすく、添付される求人票まで見てもらえる確率は高くなります。
特にLinkdInなどSNSよりのツールでは、カジュアルにやりとりできるのがメリットなため、短文にすることで返信率が高くなる傾向にあります。
件名(タイトル)
タイトルを見てメールを開封するか決める場合もあるので、特に重要です。
下記にタイトル例をご紹介します。
1.会社やポジションの魅力を端的に書く
【上流案件多数】や【マネージャ候補】等を頭につけます。
ただし、それが候補者に響くポイントであれば効果が高い反面、候補者が求めていないポイントだと開封率は下がってしまいます。
- 2.カジュアル面談へ誘い込むセリフ調にする
「オンラインで代表とお話しませんか?」等、受け取った人が語り掛けられているような気持ちになる件名です。
ただし、競合他社で似たような件名が流行している場合は、差別化が難しくなるので注意が必要です。
- 3.個別に送られてきていることがわかるよう、候補者の経験を抽出して書く
「●●様のご経験を見てお声がけさせていただきました。」等、個別に送られていることを期待させる件名です。
候補者が自信を持つ経歴をピンポイントで当てられれば開封したくなる気持ちを高められますが、プロフィールが充実している候補者でないと難しいです。
スカウトメール本文
本文には大きく分けて、会社の紹介、採用の背景、個別のスカウト理由、担当する業務内容などを記載します。
下記に記載する際のポイントをご紹介します。
1.「会社の強み」と「競合他社との違い」を記載する
エンジニアは会社の将来性を気にする傾向があります。
そのため会社紹介では、まず会社の強みをアピールしましょう。
そこに競合他社との違いも記載できると、他のスカウトと差別化が図れます。その際は数値なども記載して説得力を上げましょう。
- 2.個別のスカウト理由を2つ以上組み合わせる
スカウト理由でよくあるのが、「〇〇様の〇〇での開発経験を拝見して・・・」というものです。
これでは同じく開発の経験をしたことのある人が多数いることが想像できてしまうので、「あなたと働きたい」という説得力に欠けます。
個別のスカウトであることを際立たせるためには、
「〇〇様が、〇〇などの開発経験をお持ちのことに、非常に興味を持ちました。
また、新しいマーケットを創造したいというお考えをお持ちのため、弊社の〇〇の案件でご活躍いただけると考えております。」など、2つの理由を組み合わせると説得力が増します。
また、Wantedly(ウォンテッドリー)では候補者のプロフィールに「この先やってみたいこと」という欄があるので、そこに書かれている事に注目してあげると返信率をあげる事ができます。
- 3.採用背景、担当業務などは別ページへの誘導も
文章が長すぎるようであれば「詳細は求人票をご覧ください」と記載するのも良い手です。
ここまで読んだ候補者は興味を持っているため、求人票も読んでくれる確率が高いです。
求人票のページに飛んだ時に、担当業務や採用背景などがわかりやすく記載されているようにしましょう。
- このような企業におすすめ!
・スカウトメールの返信率を上げたい
・スカウトメールを初めて送ってみる
・エンジニア職にスカウトメールを効果的に送るコツを知りたい
5-4.スカウトメールを送るタイミングは月曜日と金曜日がおすすめ
基本的にスカウトメールは、アプリ・ブラウザ上やメールアドレスでの閲覧になります。
そのため、アプリや個人メールを開くタイミングにスカウトメールを送信できるとベストです。
下記データによると、エンジニアは週半ばの返信率が悪く、週末と週明けの返信率が高い傾向にあります。
引用:HR TECH LAB「4,500件のスカウトメールから分析した、返信率が高い曜日と時間」
また、時間ごとにみていくと13時~17時の返信率が高いことがわかります。
引用:HR TECH LAB「4,500件のスカウトメールから分析した、返信率が高い曜日と時間」
データによると、スカウトメールを送る時間は月曜日と金曜日の13時~17時がおすすめのようです。
また、忙しいエンジニアは返信が夜や土日になってしまうこともありますが、就業可能な時間の範囲で早めに返信するようにしましょう。
優秀なエンジニアは他の企業からもスカウトが来ているため、少しの時間差で他社に取られてしまう可能性もあります。
6.エンジニア採用に欠かせないカジュアル面談
近年はよく耳にするようになったカジュアル面談ですが、まだエンジニアにとって心地よいカジュアル面談を実施できている企業は多くないようです。
求職者側から出る不満としては
「カジュアル面談と思って足を運んだらいきなり面接された。」
「カジュアル面談の冒頭30分が会社紹介で、もうホームページ読んできたよと思った。」
など、企業側がカジュアル面談に慣れていないケースが多いです。
ここでは採用がうまくいく、カジュアル面談のコツをお伝えします。
6‐1.面談をおこなうのは会社の魅力をアピールできる人物が最適
カジュアル面談は、候補者との一番最初の接点です。
会社の第一印象となるので、このカジュアル面談を担当するのは、「現場のマネージャークラス」や「役員」などが相応しいです。
社内で活躍している人物に面談してもらい、「この人と一緒に働きたい」と思ってもらうことが目的です。(会社全体の情報が知りたいというニーズがあれば、人事の方でも構いません)
6‐2.カジュアル面談の実施方法はWebが主流
カジュアル面談はZOOMやGoogle MeetなどのWeb会議ツールでおこなわれることが多いです。
一方で、対面・電話においてもそれぞれメリットがあるので、候補者のスケジュール等に合わせて柔軟に選択しても良いでしょう。
6‐3.カジュアル面談の前に会社資料を送る
カジュアル面談では会社紹介が欠かせませんが、実はここに時間を取られてはいけません。
人にもよりますが、自己開示の得意でないエンジニアや忙しいエンジニアほど、本音を自分でもわかっていない場合があります。
そのため、候補者の話を聞く時間を長くとる必要があります。
会社紹介の理想は、事前にメールなどで会社資料を送り、当日は10分程度で主な事業や組織構成など基礎的な情報を説明できると良いでしょう。
もちろん、候補者の応募意欲が高くたくさん質問があるようであれば、時間を取って答えていきましょう。
6‐4.候補者の現実と理想に対する解決策を提示
先ほどお伝えした通り、候補者自身キャリアに関する希望が明確になっていないこともよくあります。
しかし、カジュアル面談に応じてくれた時点で「いいところがあれば将来的に転職したい」という気持ちは持っているはずです。
「今回なぜスカウトメールに返信し、カジュアル面談に参加してもらえたのか?」や、「今の会社ではどのような仕事をしているのか?」などの質問から、今の仕事や会社の現実・理想をヒアリングして本音を聞き出しましょう。
そして、候補者の現実と理想を聞き出せたら、それに対して自社で提供・改善できることを説明しましょう。
候補者の理想で多いのが、「会社の風土・文化」「仕事内容・働き方」「一緒に働く人」「給与・福利厚生」の4パターンです。
この4パターン別に、自社の魅力として訴求できる点を整理しておきましょう。
6‐5.その場で応募してもらうよう心がける
カジュアル面談では最後に「前向きに検討します」というまとめ方で終わってしまうこともしばしばあります。
しかし、できればそれを真に受けて終了するのではなく、次の接点を決めてしまった方が良いです。
なぜなら面談実施後1〜2ヶ月後に正式応募する方は少ないからです。
もちろんその場で応募を取り付けられなかったときは、長期的な関係作りへとシフトし、一定期間をおいてこまめに接触を図るようにしましょう。
- このような企業におすすめ!
・ダイレクトリクルーティングの導入を検討している
・ダイレクトリクルーティングで効果を出すための運用方法を知りたい
・どれぐらいの工数を割けば良いのかわからない
7.ダイレクトリクルーティングの料金・費用
ダイレクトリクルーティングの費用は大きく分けて、サービス利用費と運用費用に分かれます。
サービス利用費はサービス提供会社に支払う費用で、運用費用は自社の人件費等、または外部委託する場合のコストなどです。
7-1.料金形態の種類
ダイレクトリクルーティングの料金形態は大きくわけると初期費用・定額型と成果報酬型の2種類あります。
初期費用・定額型は、初回契約時もしくは契約年月ごとに定額を支払います。
成果報酬型は、実際に採用ができた時に成果報酬として決まった金額を支払うという料金形態です。
※スカウトメールの送信などに課金される料金形態もあります。
7-2.各種料金
ダイレクトリクルーティングサービスにおける成果報酬費用の相場は30万~100万円程度です。
そのため、中途人材紹介よりも採用成功した場合コストを抑えることができます。
中途人材紹介の成果報酬費用の相場は年収の35%なので、年収700万円のエンジニアを採用した場合、単純計算だと245万円かかることになるため、100万円のサービスであっても145万円のコストカットが可能です。
ダイレクトリクルーティングサービスの料金比較表
サービス名 | (リンクトイン) | MIIDAS (ミイダス) | LAPRAS SCOUT (ラプラススカウト) | (パイザ) | Findy (ファインディ) | forkwell (フォークウェル) | Offers (オファーズ) | |||
料金 | 定額制 85~140万 ※契約期間により異なる + 成果報酬 年収の15% | 要問合せ ※リクルーターズライセンス等 オプションごとに異なる | 定額制 27~120万(半年) ※プランにより異なる | 初期費用 45~120万(永年有効) + 成果報酬 30/50/70/90万 ※地域により異なる | 定額制 ※要問合せ | 定額制(月額) ※要問合せ | 成果報酬 初期費用なし 25%~ 詳細は要問合せ | 定額制 5~7.5万(月額) ※プランにより異なる + 成果報酬 年収の20/30% | 初期費用 10~15万 ※契約期間により異なる + 成果報酬 年収の35% | 成果報酬 20~80万 ※契約内容によって変動 |
8.まとめ
少子高齢化のため日本の採用市場は年々競争が激しくなっています。中でもエンジニアは特に採用が難しいと言われる職種です。
エンジニア採用に関わる採用担当者様は、これからの時代を切り抜ける採用ノウハウを身につけ、新しい手法も取り入れていかなければなりません。
みんなの採用部ではそのような担当者様の負担を減らすため、日々努力を重ねています。
何かお困りのことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
ダイレクトリクルーティングを使った攻めの採用を
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