アルバイトの定着率UPのために!今すべき6つのポイントとは
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アルバイト採用
令和5年(2023年)のアルバイトの離職率は8.7%と、平均でみるとあまり高くないように思われますが、コロナ禍が過ぎてもなお娯楽・宿泊・飲食などの人と接する仕事の離職率は最も高く、定着率の向上が課題である企業も多いでしょう。
近年ではリモート勤務に魅力を感じて転職をする人も増えているため、接客が多い仕事であれば特に自社の魅力づけに力を入れなければいけません。
「新人アルバイト5人に1人は数ヵ月で辞めている」というような企業は、制度や待遇などの見直しが必要かもしれません。
本記事では、
・アルバイト離職率 / 定着率の平均
・アルバイトの離職する原因
・アルバイトの定着率向上の6つの取組み
などについてご紹介します。
目次
1.離職率・定着率とは?
定着率とは、ある一定期間に入社した人がどの程度仕事を続けたか可視化する数値です。
離職率は定着率の対となり、定着率を100から引いた数字が離職率となります。
<例>年度はじめの時点で従業員数が50名の企業、1年間の退職者数が5名の場合
離職率=離職者数(5名)÷ 年度始めの従業員数(50名)=0.1=10%
定着率=100-10(%)=90%
このように、「年度初めの従業員数」を起点として、一定期間に離職した従業員数をもとに離職率・定着率を計算するのが一般的です。
1-1.アルバイトの平均離職率・定着率
厚生労働省の調査によると、令和5年(2023年)上半期の平均離職率は8.7%と令和4年(2022年)と同じ結果でした。
平均定着率は91.3%なので、10人中約9人が定着していることになります。
産業別に入職率、離職率をみると、入職率では「生活関連サービス業,娯楽業」が20.6%と最も高く、次いで「宿泊業,飲食サービス業」18.4%となっています。
離職率では「生活関連サービス業,娯楽業」が15.0%と最も高く、次いで「宿泊業,飲食サービス業」が14.8%となっています。
性別にみると、男性の入職率が8.5%、離職率が7.8%、女性の入職率が11.0%、離職率が9.7%でそれぞれ入職超過となっています。
就業形態別にみると、一般労働者の入職率が7.5%、離職率が6.8%、パートタイム労働者の入職率が15.1%、離職率が13.5%でそれぞれ入職超過となってます。
※職種や業種、アルバイトの年齢などによっても定着率は変わってきますので、あくまで全体の平均値になります。
1-2.定着率が低いとどうなる?
アルバイトの定着率の低さは、事業にどのような悪影響があるでしょうか。
採用・育成コストの上昇
アルバイトの採用には、一人当たり約6.4万円ほどかけられていると言われています。
さらにアルバイトの採用・育成に関する人件費や研修費、研修期間の給与なども入れると、新人アルバイト1人に対して数十万円の費用がかかっていると予想できます。
では具体的に、定着率の低い企業と高い企業では年間でどれほどの差がでるのでしょうか。
<例>年間採用人数6,000人(300店舗、一店舗あたり20人)の企業、採用単価は一律で2万円の場合
【定着率90%の場合】
離職補充採用人数=6,000(人)×0.1=600人
離職&補充分の採用コスト={600(人)+600(人)}×2万=2,400万円
※人件費などは含まず
離職者の早期退職にかかる給与=600(人)×10(万円)=6,000万円
※10万円=平均10日間勤務/人 と仮定(制服代など込)
離職者により上昇した採用コスト=8,400万円※人件費などは含まず
【定着率70%の場合】
離職補充採用人数=6,000(人)×0.3=1800人
離職&補充分の採用コスト={1,800(人)+1,800(人)}×2万=7,200万円
※人件費などは含まず
離職者の早期退職にかかる給与=1,800(人)×10(万円)=1億8,000万円
※10万円=平均10日間勤務/人 と仮定(制服代など込)
離職者により上昇した採用コスト=2億5,200万円 ※人件費などは含まず
上記の例では定着率90%と70%で、年間1億6,800万円の差が出ました。
採用の難易度が上がる
定着率が低いと、年中アルバイトの求人を出している状態になります。
求職者側からすると、いつでも求人が出ている職場はあまりいいイメージが湧きません。
また、近年は人口減少による人手不足に加え、物価や賃金が上昇しています。
採用にかけられる予算も限られる中、アルバイト採用を続けることは年々難しくなってしまうでしょう。
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2.アルバイトの離職率が高くなる要因は?
なぜ離職率は高くなってしまうのでしょうか。
アルバイトが辞めるのは理由があります。
アルバイトが辞めようと思う理由ついて、考えていきましょう。
2-1.早期離職とそれ以外では離職理由が異なる
早期離職とは、一般的に就業開始から1~3ヵ月以内に退職した場合を指し、早期離職の多くは、入社直後の初期対応またはミスマッチが原因だと言われています。
一方、3ヵ月目以降の離職は原因が異なると考えられており、環境の変化(学生であれば就職・進学、主婦・主夫であれば配偶者の転勤など)、人間関係のトラブルなど個人的な理由が多くなります。
2-2.早期離職の理由
では、早期離職はどのようなミスマッチが原因で起こるのでしょうか?
制度・待遇面
近年は人手不足が原因で、労働条件や制度の改善をおこなう企業が増えてきました。
求職者からは、コロナ禍でのリモートワークの普及や、毎年おこなわれる最低賃金の引上げも影響し、「労働者の働きやすさ」について企業を見る目が厳しくなっています。
また、制度が整っていても実際に利用できていなかったりすれば、離職理由になることもあります。
初期教育や研修がきちんと実施されない
入社直後は誰もが業務をしっかりと覚えて、対応できるのかといった不安を持っているでしょう。
このような場面で、入社直後に人手が足りないからと初期教育や研修がおこなわれなかったりすると、アルバイトの不満に繋がりやすくなります。
仕事内容にギャップがある
募集要項や面接時に聞いた内容と実際に働いてみた際に大きなギャップを感じることも早期離職に繋がります。
例えば、飲食店や店舗などの場合、「わきあいあいと仕事ができる」と思って入社したにも関わらず、実際には「1日を通じて非常に忙しく、休憩以外には息つく暇もない」状態であればギャップを感じても仕方ありません。
職場の人間関係
アルバイトの離職理由として、人間関係に起因するものは非常に多いです。
一部のアルバイトで人間関係がうまくいかないと、まわりのアルバイトに影響を及ぼすこともあります。
そのため、社員とアルバイトの関係性はもちろんのこと、アルバイト同士の関係性にも目を配るようにしましょう。
3.アルバイトの定着率を上げために今すぐやるべき6つのこと
3‐1.新人教育にかける時間を惜しまない
当たり前ですが、新人アルバイトは初めての環境に緊張しています。
特にアルバイトが初めての学生や社会復帰したばかりの主婦(夫)などは、不安を感じやすいでしょう。
そのため新人アルバイトは出勤初日から現場に立たせるのではなく、事務所などでオリエンテーションをおこなって仕事内容を説明することから始めるようにしましょう。
こうしたまとまった時間をとってもらうことでコミュニケーションがはかれ、不安も取り除かれていきます。
新人教育は時間のかかることではありますが、しっかり指導することで従業員自身も自分の仕事の意味や重要性を把握することができ「頑張ろう!」という意欲が高まってくるものです。
そして自信がついてくると、とくに指導をしなくてもひとりで成長していきます。
3-2.歓迎ムードの雰囲気づくり
社員だけが歓迎ムードで迎えても、一緒に働く先輩アルバイトがそうでなければ新人アルバイトは歓迎されていると感じられません。
新人アルバイトの入社前に、既存スタッフにも新人が入ることを周知しておき、出勤初日はミーティングなどで紹介しましょう。
また、趣味や出身地などの情報も共有することで、話しかけやすくなります。
さらに、ウェルカムボードを用意するのも手です。
既存スタッフの写真や「これからよろしくね!」などのメッセージだけでも、歓迎ムードが演出できます。
3-3.仕事の成果を正当に評価する
アルバイトにとっての給料は、労働の対価というだけではなく、自分の努力や頑張りに対する証のような意味合いもあります。
満足のいく金額であれば仕事にやりがいを感じ、さらにスキルアップしようとモチベーションを高めることにつながります。
そのためには一人ひとりの仕事ぶりを正当に評価し、それに見合った賃金を支払うことが何よりも大切です。
3-4.制度・待遇面の改善
制度や待遇を改善することはアルバイトのモチベーションアップに効果的です。
例えば、現在の給料改定が1年に1度なら半年に1度に増やしたり、シフト提出が事情によって遅くなってしまう場合も柔軟に対応したり、勤続年数1年以上になると何か小さい特典をつけてあげるなど、さまざまな改善方法があります。
採用競合の制度・待遇を調査し、自社でできることを社内で検討することも重要です。
競合を調べたいが方法がわからない!というご担当者様には、下記サービスもおすすめです。
3-5.職場内のコミュニケーションを活性化する
近年は新型コロナウイルスの感染懸念によって、懇親会などのコミュニケーションの場が減少しています。
日頃からしっかりとコミュニケーションが取れているとよいのですが、仕事をしながらではゆっくりと話すことはできません。
そのため最大限の感染対策をした上で、社員やアルバイトが交流できる場を定期的に設けると良いでしょう。
また、アルバイト同士での交流にも制限をかけず、仲を深められるようにしましょう。
アルバイト個人の悩みごとや相談、意見を聞くには、1対1での面談もおすすめです。
3-6.募集要項を確認する
募集要項や面接時の説明と、実際の仕事内容にギャップがあると離職につながりやすくなります。
求人原稿の募集要項に誤解を生むような表現をしていないか確認してみましょう。
「力仕事なし」「クレームは一切なし」「誰でもできる簡単な仕事」など、必ずしもそうとは言い切れない内容は誤解を生みやすくなります。
また、募集要項に曖昧な表現などがある場合は、面接時にしっかりと確認しておきましょう。
面接時にこの仕事の大変なことや辛いことなども共有しておくと、後のギャップが少なくなります。
5.まとめ
スタッフの定着率を上げるには、時給アップだけでなく、満足感やモチベーションを上げるような取り組みが不可欠です。
せっかく採用したのに、人員が足りない!というようなことにならないように、できることから実践してみませんか。
元サービス業店長の経験を活かした提案
アルバイト採用事業部の立ち上げに従事した後、事業部長に就任。 原稿の作成・スカウトメール配信・面接率の向上・内定後フォローなど幅広い知識で対応いたします。 プライベートでは2児のパパとして子育てに奮闘しています!
- 名前
小林/アルバイト領域
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