アルバイトの定着率UPのために!今すべき6つのポイントとは

アルバイト採用

アルバイトの定着率UPのために!今すべき5つのポイントとは?

最新の厚生労働省の調査によると、アルバイトを含むパートタイム労働者の雇用状況に、意外な変化が見られています。

令和5年上半期のデータによれば、パートタイム労働者の入職率は15.1%、離職率は13.5%と、1.6ポイントの入職超過となっています。これは、多くの企業でアルバイトの採用が順調に進んでいることを示唆しています。

さらに注目すべきは、パートタイム労働者の未就業入職率が前年同期比で1.9ポイントも上昇し、7.6%になったことです。

これは、新たな人材がアルバイト市場に流入していることを意味し、採用の幅が広がっている可能性を示しています。

しかし、依然として課題は残されています。

パートタイム労働者の離職率は13.5%と、一般労働者の6.8%と比べるとまだ高い水準にあります。

では、このデータから読み取れる傾向を活かし、どのようにしてアルバイトの定着率を向上させることができるでしょうか? 

参考:令和5年上半期雇用動向調査結果の概要

 

本記事では、最新のデータに基づいた効果的な定着率向上策をご紹介します。

・アルバイト離職率 / 定着率の平均

・アルバイトの離職する原因

・アルバイトの定着率向上の6つの取組み

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1.離職率・定着率とは?

アルバイトの離職率・定着率

定着率とは、ある一定期間に入社した人がどの程度仕事を続けたか可視化する数値です。

離職率は定着率の対となり、定着率を100から引いた数字が離職率となります。

 

<例>年度はじめの時点で従業員数が50名の企業、1年間の退職者数が5名の場合

離職率=離職者数(5名)÷ 年度始めの従業員数(50名)=0.1=10%

定着率=100-10(%)=90%

 

このように、「年度初めの従業員数」を起点として、一定期間に離職した従業員数をもとに離職率・定着率を計算するのが一般的です。

1-1.アルバイトの平均離職率・定着率

厚生労働省の調査によると、令和5年(2023年)上半期の平均離職率は13.5%と令和4年(2022年)の13.7%より若干下がっています。

平均定着率は91.3%なので、10人中約9人が定着していることになります。

 

産業別の入職率と離職率

産業別では、「宿泊業,飲食サービス業」の入職率は18.4%と、全産業の中で2番目に高い数値を示しています。

さらに注目すべきは、入職超過率が3.6ポイントと、人材の流入が流出を上回っていることです。

これは、業界全体で人材確保の努力が実を結び始めている証拠かもしれません。

しかし、課題はまだ残されています。

同業界の離職率は14.8%と、依然として高い水準にあります。

特に「生活関連サービス業,娯楽業」では、離職率が前年同期比で5.0ポイントも上昇しており、この傾向が飲食業にも波及する可能性があります。

 

性別にみると、男性の入職率が8.5%、離職率が7.8%、女性の入職率が11.0%、離職率が9.7%でそれぞれ入職超過となっています。

就業形態別にみると、一般労働者の入職率が7.5%、離職率が6.8%、パートタイム労働者の入職率が15.1%、離職率が13.5%でそれぞれ入職超過となってます。

 

未充足求人の状況

未充足求人の状況を見てみると、飲食・サービス業界の人材不足が深刻化しています。

この状況を打開するためには、採用だけでなく定着率の向上が鍵となります。

令和5年6月末日、「宿泊業,飲食サービス業」の未充足求人数は336.0千人にも上り、前年同期比で141.7千人も増加しています。

さらに、この業界の欠員率は6.1%と、全産業の中で最も高い数値を示しています。

この数字が意味するのは、単に人材が不足しているだけでなく、定着率の低さが大きな要因となっている可能性です。

実際、「サービス職業従事者」の欠員率は4.9%と、全職業の中で2番目に高い数値となっています。

では、この危機的状況をどのように打開すればよいのでしょうか? 

定着率向上のための具体的な戦略をご紹介していきます。

 

※職種や業種、アルバイトの年齢などによっても定着率は変わってきますので、あくまで全体の平均値になります。

参考:令和5年上半期雇用動向調査結果の概況(厚生労働省)

1-2.定着率が低いとどうなる?

アルバイトの定着率の低さは、事業にどのような悪影響があるでしょうか。

採用・育成コストの上昇

アルバイトの採用には、一人当たり約6.4万円ほどかけられていると言われています。

さらにアルバイトの採用・育成に関する人件費や研修費、研修期間の給与なども入れると、新人アルバイト1人に対して数十万円の費用がかかっていると予想できます。

では具体的に、定着率の低い企業と高い企業では年間でどれほどの差がでるのでしょうか。

 

<例>年間採用人数6,000人(300店舗、一店舗あたり20人)の企業、採用単価は一律で2万円の場合

 

 【定着率90%の場合】

 離職補充採用人数=6,000(人)×0.1=600人

 離職&補充分の採用コスト={600(人)+600(人)}×2万=2,400万円 

 ※人件費などは含まず

 離職者の早期退職にかかる給与=600(人)×10(万円)=6,000万円 

   ※10万円=平均10日間勤務/人 と仮定(制服代など込)

 離職者により上昇した採用コスト=8,400万円※人件費などは含まず

 

 【定着率70%の場合】

 離職補充採用人数=6,000(人)×0.3=1800人

 離職&補充分の採用コスト={1,800(人)+1,800(人)}×2万=7,200万円 

   ※人件費などは含まず

 離職者の早期退職にかかる給与=1,800(人)×10(万円)=1億8,000万円 

   ※10万円=平均10日間勤務/人 と仮定(制服代など込)

 離職者により上昇した採用コスト=2億5,200万円 ※人件費などは含まず

 

上記の例では定着率90%と70%で、年間1億6,800万円の差が出ました。

この差額、約1億6,800万円。

これは新規店舗の出店や既存店舗の改装、従業員の待遇改善など、企業の成長に直結する投資に充てられるはずの資金です。

 

さらに、この数字には表れない隠れたコストも存在します

・採用担当者の労力と時間

・熟練スタッフが新人教育に割く時間

・サービス品質の低下による顧客離れ

これらの要素を考慮すると、定着率の低さがもたらす真の損失は、さらに膨大なものとなります。

 

アルバイトの定着率向上は単なるコスト削減策ではなく、企業の持続的成長と競争力強化への投資です。

では、どうすれば定着率を向上させ、この隠れたコストを削減できるのでしょうか?

3章で解説していきます。

 

採用の難易度が上がる

アルバイトの定着率が低下すると、想像以上に深刻な影響が企業イメージにもたらされます。

常にアルバイト募集をだし続けることで、「退職者が絶えない=職場環境が悪い」というイメージが求職者の間で定着してしまうのです。

 

求職者の多くは、頻繁に求人をだしている企業は避けています

つまり定着率の低さは優秀な人材の応募を減少させ、採用難度を急激に上昇させる悪循環を生みだすのです。

 

この悪循環は、以下のような負のスパイラルを引き起こします

定着率低下 → 頻繁な求人掲載

頻繁な求人掲載 → 企業イメージ悪化

企業イメージ悪化 → 応募者数・質の低下

応募者数・質の低下 → さらなる定着率低下

 

業務遅延やミスの増加

「最近、お客様からのクレームが増えている」

「ベテランスタッフが疲弊している」

「売上が徐々に下がっている」

このようなことが多ければ、既に”サービス崩壊”の危機に瀕しているかもしれません。

その根本原因は、意外にもアルバイトの定着率の低さにあります。

アルバイトが定着しないと、想像以上に深刻な影響が店舗のサービス品質にもたらされます。

新人スタッフが頻繁に入れ替わることで、経験や知識、スキルの不足が顕著になり以下のような問題が頻発します。

・料理提供の遅延

・オーダーミス

・会計ミス

 

このような問題が発生すると、顧客満足度は大きく低下します。

不満を抱いた顧客の大半は二度と来店してくれなくなるでしょう。

この悪循環は、以下のような負のスパイラルを引き起こします。

定着率低下 → サービス品質の低下

サービス品質の低下 → 顧客満足度の低下

顧客満足度の低下 → 売上の減少

売上の減少 → 労働環境の悪化

労働環境の悪化 → さらなる定着率低下

 

サービス品質の低下

経験豊富なスタッフが減少することで、以下のような問題が顕在化します

・接客の質の低下

・商品知識の不足

・トラブル対応力の欠如

 

サービス品質の低下により、多くの顧客が競合他社へ流出するという結果がでています。

この悪循環は、以下のような負のスパイラルを引き起こします

定着率低下 → 経験豊富なスタッフの減少

経験豊富なスタッフの減少 → サービス品質の低下

サービス品質の低下 → 顧客満足度の低下

顧客満足度の低下 → 顧客離れ

顧客離れ → 売上減少

売上減少 → 労働環境の悪化

 

 

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2.アルバイトの離職率が高くなる要因は?

アルバイト離職率が高くなる原因

なぜ離職率は高くなってしまうのでしょうか。

アルバイトが定着しないのには理由があります。

アルバイトが辞めようと思う理由ついて、考えていきましょう。

2-1.早期離職とそれ以外では離職理由が異なる

早期離職とは、一般的に就業開始から1~3ヵ月以内に退職した場合を指し、早期離職の多くは、入社直後の初期対応またはミスマッチが原因だと言われています。

一方、3ヵ月目以降の離職は原因が異なると考えられており、環境の変化(学生であれば就職・進学、主婦・主夫であれば配偶者の転勤など)、人間関係のトラブルなど個人的な理由が多くなります。

2-2.早期離職の理由

では、早期離職はどのようなミスマッチが原因で起こるのでしょうか?

制度・待遇面

近年は人手不足が原因で、労働条件や制度の改善をおこなう企業が増えてきました。

 

求職者からは、コロナ禍でのリモートワークの普及や、毎年おこなわれる最低賃金の引上げも影響し、「労働者の働きやすさ」について企業を見る目が厳しくなっています。

また、制度が整っていても実際に利用できていなかったりすれば、離職理由になることもあります。

初期教育や研修がきちんと実施されない

入社直後は誰もが業務をしっかりと覚えて、対応できるのかといった不安を持っているでしょう。

このような場面で、入社直後に人手が足りないからと初期教育や研修がおこなわれなかったりすると、アルバイトの不満に繋がりやすくなります。

仕事内容にギャップがある

募集要項や面接時に聞いた内容と実際に働いてみた際に大きなギャップを感じることも早期離職に繋がります。

例えば、飲食店や店舗などの場合、「わきあいあいと仕事ができる」と思って入社したにも関わらず、実際には「1日を通じて非常に忙しく、休憩以外には息つく暇もない」状態であればギャップを感じても仕方ありません。

職場の人間関係

アルバイトの離職理由として、人間関係に起因するものは非常に多いです。

一部のアルバイトで人間関係がうまくいかないと、まわりのアルバイトに影響を及ぼすこともあります。

そのため、社員とアルバイトの関係性はもちろんのこと、アルバイト同士の関係性にも目を配るようにしましょう。

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3.アルバイトの定着率を上げために今すぐやるべき6つのこと

アルバイトの定着率を上げために今すぐやるべき6つのこと

3‐1.新人教育にかける時間を惜しまない

当たり前ですが、新人アルバイトは初めての環境に緊張しています。

特にアルバイトが初めての学生や社会復帰したばかりの主婦(夫)などは、不安を感じやすいでしょう。

 

そのため新人アルバイトは出勤初日から現場に立たせるのではなく、事務所などでオリエンテーションをおこなって仕事内容を説明することから始めるようにしましょう。

こうしたまとまった時間をとってもらうことでコミュニケーションがはかれ、不安も取り除かれていきます。

 

新人教育は時間のかかることではありますが、しっかり指導することで従業員自身も自分の仕事の意味や重要性を把握することができ「頑張ろう!」という意欲が高まってくるものです。

そして自信がついてくると、とくに指導をしなくてもひとりで成長していきます。

3-2.歓迎ムードの雰囲気づくり

社員だけが歓迎ムードで迎えても、一緒に働く先輩アルバイトがそうでなければ新人アルバイトは歓迎されていると感じられません。

新人アルバイトの入社前に、既存スタッフにも新人が入ることを周知しておき、出勤初日はミーティングなどで紹介しましょう。

 

また、趣味や出身地などの情報も共有することで、話しかけやすくなります。

さらに、ウェルカムボードを用意するのも手です。

既存スタッフの写真や「これからよろしくね!」などのメッセージだけでも、歓迎ムードが演出できます。

3-3.仕事の成果を正当に評価する

アルバイトにとっての給料は、労働の対価というだけではなく、自分の努力や頑張りに対する証のような意味合いもあります。

満足のいく金額であれば仕事にやりがいを感じ、さらにスキルアップしようとモチベーションを高めることにつながります。

そのためには一人ひとりの仕事ぶりを正当に評価し、それに見合った賃金を支払うことが何よりも大切です。

3-4.制度・待遇面の改善

制度や待遇を改善することはアルバイトのモチベーションアップに効果的です。

例えば、現在の給料改定が1年に1度なら半年に1度に増やしたり、シフト提出が事情によって遅くなってしまう場合も柔軟に対応したり、勤続年数1年以上になると何か小さい特典をつけてあげるなど、さまざまな改善方法があります。

 

採用競合の制度・待遇を調査し、自社でできることを社内で検討することも重要です。

競合を調べたいが方法がわからない!というご担当者様には、下記サービスもおすすめです。

 

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3-5.職場内のコミュニケーションを活性化する

近年は新型コロナウイルスの感染懸念によって、懇親会などのコミュニケーションの場が減少しています。

日頃からしっかりとコミュニケーションが取れているとよいのですが、仕事をしながらではゆっくりと話すことはできません。

そのため最大限の感染対策をした上で、社員やアルバイトが交流できる場を定期的に設けると良いでしょう。

 

また、アルバイト同士での交流にも制限をかけず、仲を深められるようにしましょう。

アルバイト個人の悩みごとや相談、意見を聞くには、1対1での面談もおすすめです。

3-6.募集要項を確認する

募集要項や面接時の説明と、実際の仕事内容にギャップがあると離職につながりやすくなります。

求人原稿の募集要項に誤解を生むような表現をしていないか確認してみましょう

「力仕事なし」「クレームは一切なし」「誰でもできる簡単な仕事」など、必ずしもそうとは言い切れない内容は誤解を生みやすくなります。

 

また、募集要項に曖昧な表現などがある場合は、面接時にしっかりと確認しておきましょう。

面接時にこの仕事の大変なことや辛いことなども共有しておくと、後のギャップが少なくなります。

 

5.まとめ

スタッフの定着率を上げるには、時給アップだけでなく、満足感やモチベーションを上げるような取り組みが不可欠です。

せっかく採用したのに、人員が足りない!というようなことにならないように、できることから実践してみませんか。

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この事例・記事に関わった営業担当

元サービス業店長の経験を活かした提案

アルバイト採用事業部の立ち上げに従事した後、事業部長に就任。 原稿の作成・スカウトメール配信・面接率の向上・内定後フォローなど幅広い知識で対応いたします。 プライベートでは2児のパパとして子育てに奮闘しています!

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小林/アルバイト領域

得意領域
  • 採用難エリア支援

  • 入社決定率改善

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