1.現在の中途採用の状況
はじめに、中途採用をおこなっている企業がどのような状況なのかを説明していきます。
企業はどれくらい中途人材の確保ができているのか
人材不足により、中途採用の需要は伸び続けています。
マイナビの「中途採用状況調査2022年版」によると、人材の不足感を感じた企業数は47.6%と半数近くに上っています。
参照:マイナビ「中途採用状況調査2022年版」
企業が求める人材は?
中途採用と一括りで言っても中途人材はさまざまいます。
中途採用をおこなっている企業は、どんな人材を求めているのでしょうか?
今回は年代に焦点をあてて見ていきたいと思います。
リクルートワークス研究所がおこなった調査※によると、20代・30代の採用に注力されています。
やはり、年次があがるにつれて、安定した職につくことを願うことから転職をすることも少なくなるといえるのではないでしょうか。
20~30代がもっとも仕事に力を注げる時期であり、より高みを目指して転職したいと考える人も多いため求職者の市場としてHOTなようです。
企業としても、威勢のよい若手が新しく会社に入ることによって新しい風を吹かせ、企業のさらなる発展につながることを望むことが多いようです。
※参考:リクルートワークス研究所「中途採用実態調査(2017年度実績)」.pdf
2.若手人材を採用するときにおさえるべきポイント
20~30代の若手採用に積極的な姿勢を示す企業が多いことをお伝えしました。
このような年代の採用をおこなう際にはどのような点を押さえておくべきかをみていきたいと思います。
年代別採用ニーズ:企業は〇〇代にこんなことを求めている
中途採用をおこなっている企業は、若手人材に対してどのようなニーズを持っているのでしょうか?
ここでは、20代(前半)・20代(後半)・30代に分けて見ていきます。
20代 [前半]
20代前半の人材は社会経験が浅く、実務能力や特定スキルも低いですが、この点は企業も許容範囲であるでしょう。
20代前半の人材は、社会経験が浅い分、仕事上の自己がまだ確立されていない時期です。
このため、企業理念、社風、慣習、指導に至るまで素直に受け入れて行動できる傾向があります。
また、中途採用をおこなう中でもっとも企業の考えが浸透しやすい年代であり、何らかの職務経験を積んでいるので、その中で培った最低限のビジネスマナーや知識はすでにあると期待できます。
20代前半の採用に期待できること
・最低限のビジネスマナーが身についている
・前職での慣習に染まっていない人材が多いため、素直で吸収力があり伸びしろに期待できる
20代 [後半]
20代後半になると、特定の職種に対して、一定の実務経験を積んでいることが期待されます。
中小企業や若手の抜擢に積極的な企業では、即戦力やリーダーポジションの資質が求められることも少なくありません。
若手ならではの柔軟な考えで、今まで思いつかなかったような新しい視点からの取り組みを発信することもあるでしょう。
一方で、まだまだ伸びしろの多い年齢なので、ポテンシャルを見て、将来的な期待値で採用しているところも多いです。
20代後半の採用に期待できること
・特定の職種において実務経験を積んでいる可能性が高いため即戦力人材となる
・未経験職種であっても年齢的にもまだ若いため、ポテンシャル次第で活躍が期待できる(仕事に対する前向きな姿勢や高い意欲を持っているかがポイント)
30代
30代では、それまでの職務経験の最大値で即戦力として活躍できる人材が求められます。
高い実務能力は必須項目といえるでしょう。
30代になると、管理職やマネージャーとしての経験が重宝される傾向にあります。
社内外を問わず、ビジネス上のコミュニケーションを安心して任せられることもこの層では重要でしょう。
20代に比べてスキルを重視されるのがこの年代ということができます。
30代の採用に期待できること
・管理職経験者など即戦力採用が可能なケースが多い
・社内外問わず安心して任せられるコミュニケーション能力
年代別採用ノウハウ
企業がそれぞれの年代にどのようなニーズをもって採用をおこなっているのかを解説してきました。
続いては、20代(前半)・20代(後半)・30代それぞれの年代を採用しようとするとき、どのような点に着目して採用活動や選考を進めるべきかを考えていきます。
20代 [前半]
20代前半は、第二新卒と呼ばれる層でもあります。
一度は職務経験があるため、新卒のときよりも企業や職種選択の基準が明確になっていることが多いです。
ある意味「失敗や経験をもとに」転職活動をしていることがほとんどでしょう。
そのため、企業規模や知名度に踊らされることなく、「自分がそこで働いてみたときにどうか」を一番に考えます。
福利厚生、業務体系、待遇、評価制度、教育・育成の体制などの魅力的な情報ほど、明確に発信していくことがポイントになるようです。
20代前半採用|選考時の惹きつけポイント
・働くイメージを持たせる
・福利厚生、業務体系、待遇、評価制度、教育・育成の体制などの魅力的な情報をしっかり発信する
20代 [後半]
20代後半になると、自分の将来的キャリアに興味が湧き、さらなるキャリア形成を見据えてある程度照準を絞れている人材も多いです。
自分で考える力はあるか、主体的に業務を進めどこまで進められるかが見極めのポイントの1つでしょう。
将来的に後輩や部下を持つ可能性を加味して、まずはセルフマネジメントや計画実行力などが身についているかどうかも見ていきたいところです。
数年の経験があるとは言え、それぞれの人材ごとにその質や量が異なります。
即戦力の期待が持てるのか、まだ早いかは人材によって差があるということを認識しておく必要があるでしょう。
20代後半採用|選考時の見極めポイント
・自分で考える力があるか、主体的に業務を進めることができるなどのセルフマネジメント能力はあるか?
・即戦力人材かどうか?
30代
30代になると、いわゆる社会人としての「個」が良くも悪くもできあがってくる時期です。
ただ、どんな人でも採用することによって企業に「新しく迎える」ということに変わりはありません。
謙虚さ、柔軟性、適応力は社会人として基本的な部分であるので、見極めておきたいところです。
その上で、自社の求める人物像として魅力的な「軸」を持っていることが30代の選定ポイントとなるでしょう。
とくに、即戦力人材やマネージャー層となると既存社員への影響も大きくなります。コミュニケーション能力に長けていることも重要となるでしょう。
また、30代は、スペシャリスト志向、出世志向が分かれるためそのような観点の確認も必要です。
30代採用|選考時の見極めポイント
・謙虚さ、柔軟性、適応能力があるかどうか
・自分の求める人材像として魅力的な「軸」を持っているかどうか
3.これだけは避けたい!企業失敗例
では、中途採用活動において、これだけは避けるべき!というポイントをご紹介したいと思います。
メリットが感じられない情報発信
採用活動における情報発信、求人広告などでは、さまざまな企業アピールを盛り込まれると思います。
求人広告などではフォーマットや字数制限などがあり記載内容の選別や工夫が必要です。
企業の施策や取り組みを記載する企業もありますが、それがどんなに良質で高い成果が上がっていても、その求職者にとってのメリットとリンクしていなければ採用効果にはつながりません。
現代の求職者のリテラシーはシビアで、制度の評判、成果、状況までを深く分析しようとします。
「制度がある、その制度の利用率はどうなったの?」という部分とともに、その取り組みから企業風土、理念、組織能力なども見出しているのです。
全年代で同じ採用プロセスは危険
上記で20代(前半)・20代(後半)・30代の採用ポイントが異なることをお伝えしましたが、この違いは採用プロセスにも反映させる必要があります。
業務スキルの熟達した人材に基礎能力を図るテストを面接後におこなうというプロセスは新卒人材と変わらない選考プロセスであり、たとえ求職者は面接ではかなりの好感触を持っていても、選考辞退を申し出てしまう可能性が高いです。
社会人経験が豊富な人材にとっては、採用プロセスからも企業のセンスや雰囲気が見えるものです。
優秀な人材ほど、他社からの引きも多いはずです。
確実に確保していくために、絶対にほしい!という人材は選考ステップをスキップすることも時には得策となるのです。
この見極めが採用担当者の腕の見せ所ともいえるかもしれませんね。
4.若手採用を成功させるための採用手法
企業が年代ごとの若手人材に求めるニーズや若手人材採用のノウハウなどをご紹介してきました。
ここからは、若手採用を成功させるための採用手法をご紹介します。ぜひ、ご覧いただき貴社の採用ニーズや手法に合った手法をご選択いただければと思います。
若手紹介サービス
紹介サービスは中途採用をおこなう上で王道といわれる採用手法です。
企業が求めるターゲットに対して紹介会社が企業にあった人材を紹介します。
紹介会社が企業のニーズについて熟知した上で企業あった人材を紹介するので企業がほしい人材を自ら探す工数を削減することができます。