【最新版】中途採用の市場動向|求職者が転職において重視するポイント

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中途採用

【最新版】中途採用の市場動向|求職者が転職において重視するポイント

2023年4月時点の有効求人倍率は1.36倍との調査結果から、中途採用市場は未だ採用難といえます。2022年度の正社員の転職率は7.6%を超え、過去7年間のうち最高値を記録しています。

転職希望者の転職理由の1位は給与の低さや仕事内容への不満が上位を占めていますが、転職先に求める条件は給与や仕事内容だけではありません。

また、求職者は選考時から企業の見極めもおこなっているとの結果がみられました。

 

今回は中途採用の市場動向や、求職者が転職活動時に企業に求めるものについてのアンケート結果などを解説します。

ぜひ中途採用活動の参考にしてください。

 

本記事では、

・最新の中途採用の市場動向

・求職者の転職動向

・おすすめの中途採用媒体

などについてご紹介します。

 

中途採用の動向と状況を掴んで、採用活動のヒントにしていただければ幸いです。

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本資料では2023年の1年間におこった採用市場や求職者の変化に加えて、2024年に取り組むべき採用活動や組織作りに向けた7つのポイントを全45ページにまとめました。

1.最新の中途採用の市場動向とは

最新の中途採用の市場動向とは

1-1.引き続き売り手市場

新型コロナウイルスの影響で、一時期、有効求人倍率と求人数ともに下がりましたが、ここ最近は徐々に戻ってきています。

中途採用の市場動向としては、引き続き、売り手市場が続いています。

売り手市場とは、求人倍率が1.0を超え、求職者が求人を選べる状況のことを指します。

有効求人倍率

参照:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和5年4月分)について

採用意欲が回復

売り手市場が続いているため、企業側としては採用難が加速しています。

コロナ禍の影響で採用意欲は減退していましたが、2022年度からは回復し、2023年度以降も加速が予想されます。

リクルートワークス研究所によると、中途採用の見通しを従業員規模別に見ると、全ての従業員規模で「増える」が「減る」を上回りました。

従業員規模別 2023年度 中途採用見通し

参照:リクルートワークス研究所「中途採用実態調査(2022年度上半期実績、20223年度見通し 正規社員).pdf

 

業種別に見ても中途採用の見通しは「増える」が「減る」を上回り、特に大きく上回っているのは情報通信業、運輸業、飲食店・宿泊業でした。

いずれも人手不足が目立つ業種や、成長産業です。

業種別 2023年度 中途採用見通し

参照:リクルートワークス研究所「中途採用実態調査(2022年度上半期実績、20223年度見通し 正規社員).pdf

1-2.働き方の多様性への対応

多様な勤務形態への対応

コロナ禍を経て、勤務形態の多様化が進みました。

主に、テレワーク時差出勤です。

働く場所や時間を限定せず、柔軟に働けることがメリットで、採用の面では、海外人材や地方在住の求職者なども対象にできるのでターゲットの幅が広がります。

転職希望者にアンケートをとったところ、「転職を検討する際、テレワークの実施が応募の意向に影響するか」という質問に対し、約6割の転職希望者が「影響する」と答えています。

転職を検討する際、テレワークの実施が応募の意向に影響するか

参照:HRpro「約6割が転職時の応募意向に「テレワーク実施の有無」が影響。「毎日テレワーク」を希望する人も増加

オンライン会議・オンライン面接

多様化が進んだのは勤務形態だけではありません。

テレワークの影響もあり、オンラインでの会議や面接が主流になりつつあります。

会議のオンライン化が進むことで、移動時間や会議室の準備時間などの手間やコストを削減することができます。

面接も同じで、手間やコストの削減に加え、応募者の参加率が高いことや面接を録画することで簡単に記録ができることも利点となっています。

実際に最終面接までオンラインで実施している企業は6割近くなっています。

最終面接までオンラインで実施する可能性

参照:HRpro「2021年卒及び2022年卒採用活動動向調査

柔軟な労働時間管理

労働時間の見直しにおいては、職種を問わず利用できるフレックスタイム制を導入する企業も増えています。

これもテレワーク導入の影響を受けています。

フレックスタイム制では、1日の労働時間のなかで必ず勤務する時間帯をコアタイムとし、その時間帯であればいつ出社・退社しても良い時間帯をフレキシブルタイムとします。

従業員の疲労減少や生産性向上、残業や休日出勤の削減も期待できます。

1-3.労働者の価値基準の変化

「売り手市場であること」「働き方が多様化していること」を踏まえると、労働者の価値基準が変化してきているといえます。

労働に対する価値観は「お金を稼ぐため」以外にも様々なものが生まれるようになりました。

よって求職者は、より「自分の価値観を大切にして働くこと」を重要視するようになっています。

例えば、「企業が社会に提供している価値やビジョンに共感することができるのか?」「企業に自分が一緒に働きたい仲間がいるのか?」ということです。

仕事に対してだけでなく、自分や家族などプライベートを重視する傾向の高まりも見られます。

企業は働き方の多様化に対応していかなければ、売り手市場の現在、優秀な人材を獲得することは難しくなるでしょう。

 

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2.求職者の転職動向

求職者の転職動向

求職者の転職動向についてご紹介します。

2-1.転職率は上昇

2022年の正社員転職率は、2016年以降でもっとも高い水準で7.6%でした。中でも20~40代の働き盛りの男性において、転職率の増加が見られました。近年は転職意識の高まりが感じられます。

正社員の転職率(2022年)

参照:株式会社マイナビ「転職動向調査 2023年版(2022年実績)

2-2.転職理由1位は給与の低さ

転職の理由として最も多く上がっているのが、「給与の低さ」です。

次いで「仕事内容の不満」「職場の人間関係」が上がっています。

ランキング上位の項目は、ここ数年であまり変化はありません。

しかし、「給与が低かった」という項目は2021年以前と比べて2022年は大幅に上昇しています。

コロナ禍による混乱が少しずつ落ち着きを取り戻し始め、求人が増えていることで転職の意欲が高まっていることが理由の一つとして挙げられます。

転職理由ランキング

参照:株式会社マイナビ「転職動向調査 2023年版(2022年実績)

1位 給与が低かった
2位 仕事内容に不満があった
3位 職場の人間関係が悪かった
4位 会社の将来性、安定性に不安があった
5位 休日や残業時間などの待遇に不満があった
6位 成長できる環境が整っていなかった
7位 働く環境に不満があった(テレワーク、時差出勤制度など)
8位 自分のペースに合った仕事がしたかった
9位 新しいことに取り組みたかった
10位 業績などを正当に評価してもらえなかった

2-3.転職活動期間は個人の差が大きい

今回、転職活動期間は、転職を意識して求人情報や人材紹介会社の情報を調べ始めてから内定通知を受けるまでとしています。

1ヵ月~2ヵ月未満が25.7%ともっとも多くなっており、次点で2ヵ月~3ヵ月未満が21.9%となっています。

業界や職種によって必要な期間は異なってくるため、あくまでも目安として捉えましょう。

求職者としては、会社に在籍しながら転職活動をおこなう方も少なくないため、なるべく早く転職活動を終えたいという心理が働きます。

企業としては、オンラインでの面接などを取り入れることで時間的コストを減らすことが人材獲得の鍵になるかもしれません。

転職活動期間

参照:株式会社マイナビ「転職動向調査 2023年版(2022年実績)

2-4.入社の決め手1位は給与の高さ

入社の決め手になった理由として最も多く上がっているのが、「給与が良い」です。

こちらの結果は、先ほどご紹介した転職理由のランキングともリンクしてきます。

転職理由の上位3つは「給与が低かった」「仕事内容に不満があった」「職場の人間関係が悪かった」ですが、入社の決め手になったことは、全体を通して「勤務条件の良さ」がランクインしています。

この結果をみてわかる通り、「自分の価値観を大切にして働くこと」を重要視するようになってきていることがわかります。

求職者の価値基準の変化に対応していくことが大切です。

入社の決め手ランキング

参照:株式会社マイナビ「転職動向調査 2023年版(2022年実績)

1位 給与が良い2位 希望の勤務地である3位 休日や残業時間が適正範囲で生活にゆとりができる

4位 福利厚生が整っている
5位 会社に将来性、安定性がある
6位 転勤がない(少ない)
7位 新しいキャリア・スキルを身につけることができる
8位 現在のキャリアをこれまで以上に伸ばすことができる
9位 会社の事業内容が魅力的である
10位 専門性のある仕事に集中できる

2-5.転職活動で企業に求めるもの

選考時に関わる社員に対して

求職者が転職活動で企業に求めるものの中で、選考時に関わる社員に対して求めるものでもっとも多いのが「質問に丁寧に答えてくれる」です。

選考時、求職者は面接官と関わることが大半で、面接官の印象が会社の印象に直結します。

そのため、面接で悪い印象を与えてしまうと選考辞退につながりかねないので注意しましょう。

転職活動で企業に求めること

参照:株式会社マイナビ「転職動向調査 2023年版(2022年実績)

1位 質問に丁寧に答えてくれる
2位 威圧的でない、親しみやすい
3位 誠実、礼儀正しい
4位 説明や話し方がうまい
5位 仕事ができそう
6位 自分の話を聞いてくれたり、相談にのってくれる
7位 身だしなみがきちんとしている
8位 自社や自分の仕事に誇り・熱意がある

選考フローに対して

求職者が転職活動で企業に求めるものの中で、選考フローに対して求めるものでもっとも多いのが「会社・業務についての説明がある」です。

次点で「入社日の希望を聞いてくれる」「応募・面接後の返信、対応が早い」がランクインしています。

これらの結果から、求職者に対して誠実さが見えることや、求職者一人ひとりにアプローチしていることが大切といえます。

転職活動で企業に求めること

参照:株式会社マイナビ「転職動向調査 2023年版(2022年実績)

1位 会社・業務についての説明がある
2位 入社日の希望を聞いてくれる
3位 応募・面接後の返信、対応が早い

4位 面接の内容
5位 選考の期間が短い
6位 面接の日時・場所の希望をを聞いてくれる
7位 選考の負担が少ない
8位 オンラインで面接や面談ができるなどコロナ対策に配慮がある
9位 合格理由について説明がある
10位 複数の社員と顔を合わせる
11位 社員の情報発信がある

転職で利用したサービスに対して

求職者が転職活動で企業に求めるものの中で、利用したサービスに対して求めるものでもっとも多いのが「費用がかからない」です。

費用がかからないことを前提に、求める職種などにあったサービスを利用しましょう。

転職活動で企業に求めること(サービス編)

参照:株式会社マイナビ「転職動向調査 2023年版(2022年実績)

1位 費用がかからない
2位 求人数が多い
3位 わかりやすい
4位 時間・手間がかからない
5位 自分のペースで活動できる
6位 情報が詳細である
7位 企業からオファーが届く
8位 知名度がある
9位 非公開求人がある
10位 職場のリアルな声・評価がわかる

求職者が求めていることを満たすサービスを辿ってみると、求職者にリーチできる可能性も高まります。

「中途採用をおこないたいが自社に合った手法がわからない」という方は、「おすすめの中途採用手法選び方ガイド」を是非ご覧ください。

【業種・職種別】おすすめの中途採用手法選び方ガイド

このような企業におすすめ

 

・自社にあった採用手法を探している
・業界/職種別の手法の選び方を知りたい

 

3.おすすめの中途採用媒体をご紹介!

おすすめの中途採用媒体をご紹介!

ここからはおすすめ中途採用媒体をご紹介します。

それぞれの媒体に特徴や、強みがあるため、自社のニーズにあった媒体を選ぶようにしましょう。

3-1.マイナビ転職

 

 

マイナビ転職の特徴「マイナビ」というブランド力を活かした転職サイト
・全国各地の求人を取り扱う業界最大級の転職サイト
・35歳以下の割合が60%以上の若手採用に適した求人広告媒体
・チケットプランや、全国50か所・100回以上開催している転職フェアとのセットプランなどの豊富なプランをご用意

3-2.エン転職

エン転職

 

エン転職の特徴日本最大級の会員数を誇る転職サイト
・転職口コミサイトと連携しており、20代の若手層の採用に効果的な転職サイト
・選考中の工数やストレスを軽減するための機能が多数
・業界No.1のスマホユーザビリティ

3-3.doda(デューダ)

doda(デューダ)

 

dodaの特徴経験者採用や即戦力人材の採用に強みを持つ転職サイト
・経験者採用に強み
・エージェントサービスとの同時並行にすることで手厚い求職者フォロー
・「doda(デューダ)」と「専門サイト」の2サイトへ同時掲載が可能

3-4.type(タイプ)

type(タイプ)

 

typeの特徴エンジニア採用に強い
・AIエンジン搭載でマッチングがしやすい
・ワンプライスで2原稿搭載できるため、高いコストパフォーマンス
・おすすめ会員を毎日最大30名自動でピックアップされたり、求職者にいいね機能がつけられるなど手間のかからないダイレクトアプローチ

3-5.女の転職

女の転職

 

女の転職の特徴女性の採用に特化した転職サイト
・女性の正社員、契約社員採用に強み
・女性目線の切り口からの転職紹介
・求職者の情報と企業が求める人物情報を自動マッチングする機能の搭載

3-6.Re就活

 

Re就活の特徴20代の採用に特化した転職サイト
・20代の若手人材獲得に強み
・登録者の約7割が社会人としての職歴あり
・面接をドタキャンした応募者への通報機能も搭載

3-7.Green(グリーン)

Green(グリーン)

Greenの特徴IT/Web業界の中途採用なら
・IT、Web業界のベンチャー企業の採用に強み
・成功報酬型による掛け捨てリスクの低減
・スカウト機能、ダイレクト・リクルーティング機能によって優秀な人材への直接アプローチ

4.まとめ

売り手市場の現在において、ほとんどの企業の採用担当者様は採用難でお悩みのことかと思います。

労働人口の低下や企業が求める人材の高度化などさまざまな要因が絡む今、一つの対策では解決はできません。

採用難だからこそ、自分たちがどのような人物を求めるのか、なぜ必要と感じるのかを見直してみてはいかがでしょうか。

自社採用の本質を深めるいい機会になるかもしれません。

 

本記事では、採用難の原因」や「中途採用の動向をお伝えしました。ビジネス環境や、企業の採用に関する環境は日々変化しています。

また、労働者(転職者)の価値観や求めることもこれからどんどんと変わっていくでしょう。

採用担当者は、常に最新の動向をキャッチアップしながら、接点を見出していく必要があります。

本記事が貴社の有効な中途採用のために少しでもお役に立てたら幸いです。

労働市場レポート

労働市場レポート2024

本資料では2023年の1年間におこった採用市場や求職者の変化に加えて、2024年に取り組むべき採用活動や組織作りに向けた7つのポイントを全45ページにまとめました。

この事例・記事に関わった営業担当

圧倒的な顧客視点をもったトータルサポート

2009年に新卒でネオキャリアに入社後、営業からマネジメントまで多岐に渡りトップレベルの業績を残し事業部長に就任しました。 「顧客視点」を第一に考え、市況感を先読みした革新的なアイデアで採用成功まで導きます。

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得意領域
  • 中途採用市場トレンド

  • 業界特性の理解

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