エンジニア採用のコツとは?必要な知識や準備すること・質問すべき項目まで徹底解説
エンジニア 採用 コツ
近年IT業界が著しく発展しており、エンジニアの需要も急激に高まっていますが、その反面エンジニア採用がうまくいかないと悩む企業も多いのが現状です。
「面接時に質問すべきことは?」「エンジニア採用のコツは?」「採用前に必要な準備は?」
といった、さまざまな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、
・エンジニア採用時に質問すべきこと
・エンジニア採用を成功させるコツ
・エンジニア採用にあたって準備するべきこと
について説明しています。今後の採用活動にお役立てください。
1.エンジニア採用成功のコツ
エンジニア採用を成功に導くためには、コツを理解することが重要です。採用のコツを正しく理解しないまま進めても、エンジニアの採用に繋がらなかったりたとえ採用できたとしてもミスマッチが起きたりする原因になります。
さらにエンジニアにもさまざまな職種が存在するため、自社に必要なエンジニアの人物像を明確化し、適切な方法で採用をおこなっていきましょう。
1-1.エンジニア採用の基準を明確にする
エンジニア採用では、どのようなエンジニアを採用すべきかを明確にすることが大切です。採用基準を大まかに設けてしまうと多くのエンジニアが当てはまってしまい、自社が本当に必要とする人材が不透明のまま採用を進めることになります。必要なエンジニアを明確にしたい場合、現場で働くエンジニアに協力してもらうと良いでしょう。求める人物像をより解像度の高いものにするために、自社のエンジニアと連携し、採用すべきエンジニアの理想像を明確にしましょう。
ただ、現場が求めるエンジニアの理想像は基本的に高い傾向にあり「そのような完璧な人は採用市場にいない」というレベルになりがちです。現場の声を取り入れながら、採用市場とのバランスを取って現実的なターゲット・ペルソナを設定することが大切です。
また、採用ターゲットを明確化させる戦略の1つに「ペルソナ」の設計も挙げられます。採用におけるペルソナとは「最も採用したい理想の人物像」のことで、採用前に設計しておくことでミスマッチを防げます。
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1-2.募集要項を詳しく記載する
採用するエンジニアの理想像が決まったら、募集要項を明確に記載することが大切です。募集要項に必要とするスキルや開発環境、使用言語、使用ツールなどを明確に記載しておくことで、エンジニア自身が応募するか否かの判断基準になり、ミスマッチを防げます。また、エンジニアからもIT関連の知識が乏しい会社だと思われにくくなり、印象が良くなるでしょう。
例えば、募集要項にエンジニアの裁量や会社の取り組みを記載する場合は、下記のような文章があるとエンジニアにも伝わりやすくなります。
・技術選定や実装方針の決定に携わることができます。
・提出されたコードには自動的にリグレッションテストが実行されます。
エンジニアは入社後にどのような仕事ができるのか、就職先で自分のスキルがどう役立つかも重要視しています。募集要項を抽象的に書いてしまうと、希望のエンジニア採用には至らずコストばかりかかってしまうリスクがあるので、軽視せずしっかり記載しましょう。
1-3.自社の強みを分析する
エンジニア採用では特に、自社を分析して強みを把握することも大切です。自社の強みをエンジニアにアピールできれば、エンジニアが将来のキャリアを描く際の材料となり、入社したいと感じてもらえるようになります。分析をおこなわずに必要な人材ばかり明確にしても、入社するメリットがエンジニアに伝わらなければ採用には繋がらないでしょう。
なお、自社分析の際は競合他社のリサーチも効果的です。自社にしかないポイントがわかればおのずとアピールポイントが見えてくるので、採用も有利になります。魅力が上手く見つけられないという場合は、採用に詳しい第三者にアドバイスをもらうことも有用です。
「みんなの採用部」を運営する株式会社ネオキャリアには、元エンジニアが在籍するエンジニア採用専門のチームがあり、自社分析や求人票の作成をエンジニア目線でサポート可能です。自社の強みやアピールポイント探しに苦戦している場合は、ぜひご相談ください。
1-4.採用チャネルを増やす
複数の採用チャネルを利用して認知度を上げるのも、採用に繋げるためのコツです。エンジニアの需要が高まっており、1つの採用手法だけではエンジニアの獲得は難しくなっているためです。
具体的な施策として、求人広告の利用や転職サイトへの登録、転職イベントへの参加などがあります。また、SNSが普及している現代においては、自社のSNSを運用してメディアへの露出を増やすことも効果的です。エンジニア自身も企業情報を収集する際はSNSを活用することがあるため、SNSを活用してエンジニア採用に繫がる窓口を増やしましょう。
さらに、オウンドメディアの構築も社内の雰囲気を伝える上で役立ちます。社内ブログなどでエンジニアを紹介することで、会社で働くイメージも湧きやすくなります。
1-5.エンジニア採用のトレンドを理解する
エンジニア業界は技術の進歩が早いため、社会がエンジニアに求めるスキルも日々変化しています。感度の高いエンジニアは社会のニーズに沿った技術を身につけようとする傾向が強く、働く環境においてもその技術が活用できるかどうかを重要視するでしょう。つまり、現代のエンジニアが開発環境に何を求めるかを知るためにはエンジニア業界における最新のトレンドを理解することが近道です。
具体的には、現在どのような言語・スキルの需要が高いのかをリサーチすることや、話題の最新アプリなどの情報収集が役立つでしょう。現場のエンジニアを巻き込み、流行りを聞いてみるのも1つの手です。エンジニアの動向をいち早くキャッチし、希望のエンジニアを獲得しましょう。
1-6.ミスマッチの防止策を練る
エンジニアを採用した後に早期離職してしまう原因として、企業とのミスマッチが挙げられます。入社前のイメージと違った場合や、希望の仕事が叶わなかった際にミスマッチが生じやすいです。エンジニア採用の難易度は上がっているため、離職してしまい再度採用からやり直すとなると、多大な労力とコストがかかります。採用時はミスマッチによる早期離職を避けるため、選考の段階でミスマッチを防ぐ施策を練りましょう。
具体的には良い点ばかりを紹介せずマイナス面もしっかり伝えることです。マイナス面を教えると採用に悪影響がありそうだと心配になるかもしれませんが、十分な情報開示を避けたばかりにミスマッチが起こり離職に繋がってしまう方が企業としてはダメージが大きいはずです。採用は企業とエンジニアのマッチングでもあるので、情報開示は十分におこない、お互いに納得する採用が望ましいでしょう。
また、入社後は定期的なコミュニケーションを取りつつ、希望の働き方ができているかを確認することもミスマッチによる早期離職の防止に繋がります。
1-7.書類だけで判断せず対面で見極める
エンジニア採用時は、オンラインでも構いませんので選考段階で必ず一度対面しましょう。対面の目的はコミュニケーションスキルの確認です。エンジニアの選考基準としてどのようなスキルを持っているかはもちろん重要ですが、チームで動く場合に問題なく対応できるかどうかを判断する必要もあります。コミュニケーションスキルは書面だけではわからないため、選考の過程で実際に会って判断すると良いでしょう。
1-8.ノウハウを持つプロに依頼する
エンジニア経験者の採用はスキルの見極めや人材の希少性などによって採用難易度が高く、初めて採用に挑む場合はなかなか結果に繋がらないことが多いです。さらに採用にはコストがかかるため、成果が出ないまま長い期間採用活動を続けるのは現実的ではありません。そのような時は、エンジニア採用のノウハウが豊富なプロに依頼すると採用がうまくいく場合があります。
エンジニアに関する知識だけでなく採用に関する知識も豊富に持っているため、求める人材が多くいる媒体の情報やターゲットに刺さる求人票のアドバイスなどをもらうことができます。「みんなの採用部」を運営するネオキャリアでは、エンジニア採用専門チームによるエンジニア採用のサポートが可能です。エンジニア経験者の採用手法がわからない場合や、欲しいスキルを持ったエンジニアの採用が進まない場合は、相談してみるのも1つの手です。
2.エンジニアの採用が難しい6つの理由
エンジニア採用が難しいとされる理由として、人材不足や働き方の多様化やスキルの見極めが難しいことが挙げられます。本章ではエンジニア採用が難しいとされる6つの具体的な理由を紹介します。理由を知っておけば練れる対策もあるので、事前にポイントを理解しておきましょう。
2-1.エンジニアの人材が不足している
人工知能などの発達からエンジニアの需要は日々増加していますが、エンジニアの数が少ないため人材は大幅に不足しています。需要に対してエンジニアの数が足りていないため採用の倍率が高くなっており、知名度があまりない企業においては採用に苦戦するケースも多く発生しています。
厚生労働省のデータによれば、ITエンジニアが含まれる「情報処理・通信技術者」の有効求人倍率は、全職業の平均値よりも0.3ポイントほど高く、求人倍率が高い職種であることが証明されています。
2-2.フリーランス転向者が増加している
最近ではフリーランスとして活躍するエンジニアが増え、会社に属する働き方を選ばない方も一定数いるため企業が採用できない原因にもなっています。現在は個人でも案件を獲得できるプラットフォームが増え、特に需要が高いエンジニアは個人でも問題なく案件が獲得できる状況です。企業からのスカウトが来る場合も多く、企業から引っ張りだこのフリーランスも多数いるでしょう。
企業に所属するとどうしても拘束時間は長くなるため、自由な働き方という点ではフリーランスに軍配が上がり、そのような働き方を選択するエンジニアも出てきています。
2-3.企業が優秀なエンジニアを手放さない
エンジニアの人材不足が原因で採用難に陥る企業が多い中、すでに優秀なエンジニアがいる企業はエンジニアの離職を全力で阻止します。会社にとって貴重なエンジニアを逃すまいと、給与面などさまざまな待遇を改善する企業は多いです。待遇が良くなると、エンジニアには転職する理由がなくなります。転職に労力を割くよりもその会社に留まる方がメリットがあるため、優秀なエンジニアが転職市場に少ないのが現実です。
対抗するにはエンジニアを抱える企業よりも待遇を良くしたり、希望の働き方ができるよう社内制度を大幅に改善したりする必要があります。
2-4.条件面で採用に至らない
エンジニア不足の課題を抱えている企業が多く、どの企業もエンジニアを採用したいため、エンジニアに内定を出しやすい傾向にあります。転職活動中に複数社から内定をもらうケースも多く、エンジニア優位の状況が続いています。IT業界はまさに売り手市場と言えるでしょう。
好待遇の会社があればいい人材はそちらに流れてしまいます。自社よりも待遇が良い会社が多いと採用がより一層難しくなります。特に中小企業は大手と比較すると確保できる予算が少ないので、給与面で大手に対抗しようとしてもできない場合がほとんどです。
2-5.エンジニアの見極めが難しい
エンジニアのスキルを見極めるためには、IT関連の知識が必要です。しかし、プログラミングに用いる言語は多く、またIT業界は変化が早いため、採用担当者が業界の変化に対応するのは至難の技です。エンジニアの業界に詳しくない採用担当が面接をおこなえば、エンジニアにも業界に詳しくない会社だと思われ、入社の候補からは外れてしまうでしょう。
そして、社内のエンジニアが不足している状態は、IT関連の詳しい知識を持った人が少ないことを意味します。採用担当の知識量が追いつかず、社内にも知識が不足している状態だと選考中のエンジニアの技量が正しく見極められません。
3.エンジニア採用で失敗する原因
本章では、エンジニア採用に失敗するさまざまな原因について深掘りしていきます。採用に失敗する理由の1つとして、求めているターゲット像が自社にマッチしておらず、本来優先すべきターゲットを逃している場合が挙げられます。ターゲットを適切に選定し、最適な媒体に出稿することが重要です。
3-1.エンジニアの採用基準が高すぎる
エンジニアは専門技術を扱う職種のため、エンジニアにしかできない仕事が多々あります。そのため入社後にやってもらいたいことが増えてしまう傾向にあり、理想もどんどん上がってしまいます。理想が高くなりすぎると、本来であれば採用基準を満たしていた貴重なエンジニアも不採用にしかねません。
理想を追い求めすぎた結果1人も採用できなければ、かけてきた時間やコストが無駄になってしまいます。採用時はエンジニアのペルソナ像を意識して、一番に何をやってほしいかを決め、多くは望まず希望の働きをしてくれそうなエンジニアを積極的に採用しましょう。
またエンジニアに求めてばかりでも採用は上手くいきません。採用すべきエンジニアが固まったところで、入社するメリットがエンジニアになければ選考に進もうと思ってもらえません。相手にばかり求めるのではなく、自社の分析もしっかりおこないながら、エンジニアが入りたいと思える会社になれているかを振り返りましょう。
3-2.選考に時間をかけすぎる
エンジニアの選考に時間をかけすぎている場合、採用成功の確率が下がる場合も考えられるためすぐに改善しましょう。さまざまな業界で需要が高く、引く手数多のエンジニアは、高確率で複数社からの内定を獲得しています。
そのような中、採用の決断に時間をかけすぎた場合や選考フローが長すぎると、エンジニアはすでに内定をもらっている会社の中で比較を始めてしまいます。合否の判断を出す際には、すでに他社に取られてしまっていることもあり得るでしょう。また対応が遅いと候補者に不信感を抱かせてしまい、余計に印象を悪くして採用の確率を下げてしまうことにも繋がります。
エンジニアの活躍は会社の成長にも関わるため判断が慎重になるのも理解できますが、自社の優位性は時間の経過とともに下がり、逆にライバル会社を有利な立場にしてしまいます。どのようなエンジニアを採用すべきか採用前にしっかりと決めておくことで、条件に当てはまる場合はすぐに採用の決断ができます。採用スピードをしっかり意識しつつ、ペルソナ像の意識と選考フローの効率化に努めましょう。
3-3.自社のアピール不足
自社のアピールが上手くできていないとエンジニアにとって魅力的な会社に映らないため、そもそも応募をしてもらえない場合があります。会社のアピールポイントが伝わらないと、エンジニアにとってはその会社で働くイメージが湧かず自身のスキルアップも期待できないと思われてしまいます。ほかの会社では携われない範囲の開発や自社で開発しているアプリ説明など、募集要項にはエンジニアが魅力を感じる内容を含めなければ興味を持たれません。
対策として、自社のエンジニアへ入社理由をヒアリングしてみるのが良いでしょう。自社に入社してくれたエンジニアは採用成功の代表例です。エンジニアの目線で良いと感じたポイントを知るためには、ヒアリングが有効です。現場に協力してもらい、今一度自社の魅力を洗い出して、エンジニアにとって魅力的に映る会社を目指しましょう。
3-4.競合分析が足りていない
採用が上手く行かない原因として、競合分析が足りていない場合があります。競合他社が提示する条件を分析しないまま採用活動を続けると、他社よりも採用条件が劣っていても気付かず、優秀なエンジニアを取られてしまうリスクがあります。
具体的なリサーチ方法として、地道ですが求人情報を検索する方法が有効です。給与レンジの相場や、競合の条件を確認すれば、自社がどの基準で採用を進めているのかがわかります。給与以外にも福利厚生のアピール方法や、得られるスキルとして掲げているものなど、自社の魅力を整理するために役立つ項目がたくさんあります。求人情報は逐一チェックし、最新の転職市場に関する情報を把握できるよう動きましょう。
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4.エンジニア採用を成功させるために準備すること
エンジニアの採用を成功に導くためのポイントを解説します。何も準備せずに採用に挑む場合と、できることから準備を重ねて採用を開始する場合では、結果も変わります。
事前準備によって会社の印象が良くなったりエンジニアに魅力的に映るよう変化したりすこともあるので、本章で紹介する採用戦略をぜひ実践してください。また、万が一採用が上手くいかない場合の対処法も解説しているので、併せて参考にしてください。
4-1.面接官のスキルアップをする
面接官は、エンジニア採用において最低限の知識を身につける必要があります。知識がないと、面接の際にエンジニアと専門的な会話ができず、会社にどのように貢献をしてもらえそうかイメージすることができません。
また、知識がないと面接時に仕事内容の質問を受けた際も返答ができない可能性があります。エンジニアにとっては不信感を抱く原因となり、入社の検討をしてもらえない場合があります。自社エンジニアに協力を仰ぎながら、面接官自身もエンジニア採用における最低限の知識は身につけておきましょう。
ただ、面接官も自身の仕事との兼ね合いで知識をつける時間が取れない場合もあるでしょう。そんなときは採用代行サービスを利用するなどプロの力をうまく活用することも有効です。
4-2.入社後のサポート内容を整備する
エンジニアのスキルアップを目的としたサポートの整備は、採用前の準備として有効です。IT業界は技術進化のスピードが早く、新たな技術がどんどん出てくるためエンジニア自身も技術に追いつくための勉強が欠かせません。そのため企業に入社してからも自身の成長が見込めるか、サポート体制は整っているかを重要な判断基準としています。
具体的なサポート内容としては、現場以外でも学習ができる機会の有無や、研修参加への費用を会社が負担するかなどさまざまです。また、サポート内容が決まったら、求人ページやオウンドメディアでアピールすることも大切です。せっかく社内でサポートの整備をおこなっても、発信しない限りエンジニアは知る術がありません。企業の魅力となるので、全面的にアピールしてエンジニアの応募を増やしましょう。
4-3.採用の要件を広げてみる
エンジニアの経験者採用は難易度が高く、初めて経験者採用を開始した企業はなかなか成功しない場合があります。そのような時は、未経験や外国人エンジニアの採用、短時間での勤務を希望するエンジニアの採用など、採用の要件を広げてみましょう。
特に外国人エンジニアや勤務時間が限られるエンジニアは特別な要件での採用になるため、スキルに申し分ない場合でも、働き方でマッチしないケースがあります。採用の要件を広げるだけで技術力やポテンシャルを持つ応募者を獲得できる可能性は大いにあるため、もし採用に行き詰まった際は要件を広げてみてはいかがでしょうか。
また最近では未経験者といっても、実務経験がないだけでプログラミングの経験や知識を持つ方も多いです。学生でも授業で触れていたり、趣味でコードを書いた経験を持っていたりする場合もあるため、面接時に確認するようにしましょう。
5.エンジニア採用時に質問すべき項目
本章では、面接時に質問しておきたい項目についてピックアップしています。面接時の質問を決めることは、会社が描く未来と、エンジニアが希望するキャリアがマッチしているか確認する上で重要な工程です。また、会社もエンジニアに対してどのようなポジションで仕事をしてもらえるかイメージするための材料になるので、事前に質問を選定し、実りある面接にしましょう。
5-1.転職理由と今後チャレンジしたい分野は何か
転職理由は最もメジャーな質問であると同時に、とても重要なヒアリング事項です。転職理由は、エンジニアの早期離職を防ぐ上で重要な役割を果たします。前職で退職に至った原因がわかるので、自社でも同じ理由で早期に退職してしまわないかを確認し、対策を練れるでしょう。
スキルアップなどポジティブな理由が原因であれば問題ないですが、人間関係など少々ネガティブな理由が出た場合には注意が必要です。エンジニアとはいえ、会社に所属する以上はチームで動くこともあるため、協調性がない場合は輪を乱してしまうことになりかねません。現在働いている自社エンジニアにまで影響が及ばないよう、面接時にしっかり判断しましょう。
またエンジニアがチャレンジしたいと考える分野も事前に質問すべきです。今後どのようなキャリアを描いているかを知ることは、入社後のギャップをなくすために重要です。自社では叶わないキャリアを描いている場合、入社してもすぐに辞めてしまう原因になるため、事前に必ず質問をしましょう。
5-2.最も権限を与えられた経験は何か
過去に最も権限を与えられた経験や内容を聞くことは、入社後にどこまでの仕事を任せられるか判断する際の材料になります。特に責任が伴うポジションを経験したエンジニアは貴重です。
チームを束ねるほどの権限を与える場合は経験があった方が望ましく、会社としても人選に悩むことが多いため、リーダー経験者はどの企業も欲しがります。具体的にどのような意思決定をおこない、どのような効果を得たか、また反省点や改善した点はあるかを聞くことでより技量を測りやすくなるでしょう。
また、マネジメント経験の有無も質問すると良いでしょう。リーダー経験同様、マネジメントも経験がないと難しい役割です。チームメンバーが働きやすい環境を作ったり、モチベーション管理のためにコミュニケーションを密に取ったりと、広い範囲での業務が求められます。経験した領域によっては会社にとってさまざまな役割を任せられる重要なメンバーになり得るので、面接で深掘りしましょう。
5-3.過去にどんなサービスを開発したか
過去の開発実績はエンジニア自身の強みが把握できるので、面接で必ず質問しましょう。会社に不足しているスキルを持っている場合はすぐに採用の判断ができます。さらに、エンジニアが持つスキルを基に新たな分野で開発をおこなえるので、会社の成長に直結する人材となる可能性も高いです。
また、入社後にどの分野で活躍してもらえそうかイメージも湧きやすくなるので、人員配置の際の貴重な材料となります。ただ、過去にさまざまな開発分野に携わっている魅力的なエンジニアは、必然的に競合も増えます。面接時に質問をしてエンジニアのスキルを見極めるのも大事ですが、自社の情報開示もしっかりとおこない、エンジニアにも入社するメリットを感じてもらえるよう努めましょう。
6.エンジニア採用担当が身につけておくべき知識
専門知識を要するエンジニアを採用するには、採用の人事担当にも最低限の知識が求められます。本章では、面接前にこれだけは知っておきたいという知識を紹介します。
採用担当でも知識が全くない状態だとエンジニアに不信感を抱かれやすく、採用に至る確率が下がる可能性があるので注意が必要です。採用担当自身もエンジニアの業務内容や必要なスキルを把握し、自社に合うエンジニアを見極められるようにしましょう。
6-1.エンジニアの種類
エンジニアは主に開発系とインフラ系の2種類に分かれます。
開発系のエンジニアは、プログラマーやシステムエンジニアなどが該当し、業務の効率化や自動化を可能にするシステムの設計・開発を担うエンジニアです。またアプリケーションの設計や開発も開発系に該当します。
インフラ系のエンジニアは、サーバーやネットワークといったシステムを動かすための基盤を整備するエンジニアです。会社が安定したネットワーク環境を利用できるよう、インフラの設計や構築、運用保守を担っています。システムの開発に強いのが開発系、ネット環境の整備に強いのがインフラ系という認識を持っておきましょう。
6-2.エンジニアのキャリアパス
エンジニアのキャリアパスとは、キャリアを積んでいくために必要な過程や道筋のことです。エンジニアがどのような順序でステップアップしていくかを理解することは、社内におけるポジションの選定時に役立つので、採用担当も知っておきましょう。
主にゼネラリスト(幅広い経験を積み、多くの分野で活躍したいエンジニア)か、スペシャリスト(ある分野に特化したエンジニア)の2つのキャリアに分かれます。常に変化するIT業界において、中心となってプロジェクトを進め、成果を目指すエンジニアはゼネラリスト系、新たな技術を取り入れつつスキルを高めたいエンジニアはスペシャリスト系を希望する傾向にあります。
6-3.主要な開発言語
エンジニアが開発に用いる主な言語は以下の3つです。
- ・C/C++(シー/シープラスプラス)
- ・Python(パイソン)
- ・JavaScript(ジャバスクリプト)
言語別に特化している開発があるため、主要言語を覚えておくだけでそのエンジニアが何の開発に強いのかが理解できます。
各言語については、以下で詳しく解説します。
C/C++(シー/シープラスプラス)
C言語は、自動車の電装パーツメーカーや家電メーカーの製品開発に使われる言語で、機械の中にプログラムを組み込んで動かす仕事全般に利用できる言語です。
C++は、C言語よりも更に効率の良いプログラミングを可能にした言語です。業務アプリケーションの開発に特化しており、金融システム開発や国が運営する公共機関のシステム開発に多く用いられています。
Python(パイソン)
1991年に開発されたプログラミング言語で、代表的な用途はアプリ開発やAI開発などが挙げられます。大手企業でも使用例が多く、Google内での検索アルゴリズムや、Instagramの開発に用いられた言語でもあります。
初心者でも比較的学習しやすく汎用性が高い言語であるため、入門の言語としては最適です。最先端の技術である人工知能の開発にも適しているため、需要の高い言語の1つです。
JavaScript(ジャバスクリプト)
Webサイトなどの開発に用いられる言語で、検索で出てくる多くのサイトにはジャバスクリプトが使用されています。またWebブラウザ上での表現に特化した言語でもあり、Webページに動きを付けたり、ユーザーの操作に合わせて表現項目を変更したりできます。
ポップアップの表示や入力フォーム画面はジャバスクリプトを用いて作成されているのです。Python(パイソン)と同様に汎用性の高い言語で、初心者でも扱いやすい人気の言語です。
7.エンジニアを採用する手法
ここでは、エンジニア採用時の主な手法として以下3つを解説します。
- ・求人サイトに掲載する
- ・ダイレクトリクルーティングをおこなう
- ・人材紹介エージェントに依頼する
それぞれの手法におけるメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット | |
求人サイト | ・多数にアプローチできる ・転職潜在層にもアピールできる | ・掲載費用が発生する ・求人広告作成に手間がかかる |
ダイレクトリクルーティング | ・自社に合った人材に直接アプローチできる ・採用コストを抑えられる | ・採用フローの確立までに時間を要する |
人材紹介・エージェント | ・採用担当の工数を削減できる ・成果報酬のため初期費用がかからない | ・1人当たりの採用費用がほかの手法と比較して高額になる場合あり |
各手法について以下で詳しく解説します。
7-1.求人サイトに掲載する
求人を募集する企業が情報サイトへ企業の情報を掲載してくれるサービスです。転職希望者も同じく求人サイトに登録して求人を探し、気になる企業があれば応募ができる仕組みです。
アクションは基本的に応募側から起こすことになるので、企業側は応募があるまで待つことになります。料金は掲載時に発生する場合が多いです。求人情報サイトに登録した多くの転職希望者の目に入るので、多数にアプローチできることが最大のメリットです。
ただし、当然ですが掲載には費用がかかりますので、予算の確保が求められます。さらに、求人を掲載するには情報の取捨選択が必要で、どのように掲載すれば応募が増えるかを考える必要があるため、広告作成に時間がかかるのはデメリットです。
7-2.ダイレクトリクルーティングをおこなう
ダイレクトリクルーティングは、求人を募集する企業が第三者を介さずに採用活動をおこなう手法です。採用要件を満たす人材を見つけたらスカウトメールを送れるため、企業が直接アプローチできるのが最大の特徴です。求人掲載サイトと異なり、企業側からアクションを起こせる手法となります。
ダイレクトリクルーティングの場合は委託費用もかからず、採用コストを抑えられる傾向にあります。また自社でスカウト活動をおこなう中で、PDCAを回しながら取り組むことができるので、自然とスカウトの内容も磨かれていき、採用力はどんどん高まるでしょう。
しかし、一番のデメリットは業務負荷が増えることです。スカウトメールは自社で作成しなければならず、またメールのやり取りも自社負担なので業務負荷は増えます。また転職希望者1人1人に対し、丁寧にやり取りを重ねて採用まで繋げるため、長期戦であることを理解して取り組みましょう。
ダイレクトリクルーティングが気になっているものの、自社の業務負荷を考えると導入に踏み切れない方には、ダイレクトリクルーティングの代行をおすすめします。下記記事ではダイレクトリクルーティング代行会社を20社比較しているので、導入を検討の際にはぜひ参考にしてください。
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7-2.人材紹介エージェントに依頼する
採用したいエンジニアの理想像をエージェントに伝えることで、最適な人材を紹介してくれるサービスです。募集要件の共有が難しいですが、上手くいけば優秀な人材を紹介してもらえることが多い手法でもあります。料金については、多くの人材紹介会社で成果報酬型を採用しているので、初期費用がかからないことがメリットです。またエージェントが代わりにエンジニアを見つけてくれるので、採用担当の工数を削減できます。
ただ、費用面では1人あたりの採用費用が、ほかの手法と比較すると高い傾向にあります。加えて社内で採用に関するノウハウが蓄積されにくく、今後自社採用をおこなう時は1から設計をしなければならないデメリットがあります。さらに採用活動中はエージェントとのコミュニケーションを頻繁に取って関係性を構築しないと、なかなか人材を紹介してもらえないので注意しましょう。
6.まとめ
エンジニア採用は、事前準備をしっかりおこなうことが大切です。採用担当だけでなく自社のエンジニアの力も借り、エンジニアの目線で採用を進めることを心がけてミスマッチを防ぎましょう。
また、エンジニアの目線に立てれば、自社に合った優秀なエンジニアを獲得できる可能性が大幅に上がります。エンジニアに対して理想ばかりを押し付けず、自社の情報開示もしっかりとおこなって、お互いに納得できる採用活動を目指しましょう。もしエンジニアの経験者採用に困ったら、エンジニア採用のノウハウが豊富な「みんなの採用部」へぜひ相談ください。
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