ATS(採用管理システム)とは?|導入事例をもとにATSでできることをご紹介
採用管理システム
ATSとは採用管理システムを指します。求人募集から応募者管理、面接日の連絡調整のほか、採用進捗管理など複雑な採用工数を一元管理することができます。
また、採用にかかわるコア業務の一元管理や採用進捗が可視化されることで、採用担当者の業務負担の軽減や採用前後のフォロー体制の強化が期待できます。
本記事は、
・そもそもATS(採用管理システム)とは何か?
・ATS(採用管理システム)の導入事例
・ATS(採用管理システム)でできること
を解説していきます。ぜひご一読ください!
1.ATS(採用管理システム)とは?
採用活動のサポートサービスとして注目されつつあるATS(採用管理システム)をご存じでしょうか。
具体的な内容はわからないという方のために、順に解説します。
ATS(採用管理システム)とは、Applicant(応募者)Tracking(追跡)System(システム)の頭文字から「ATS」と呼ばれ、求人募集、応募受付や応募者との連絡調整、進捗管理などの採用業務にかかる作業の効率化や、採用力強化に向けて自社で蓄積した選考情報を分析するために利用するシステムです。
システム画面上で採用状況に関するさまざまな情報を一括管理することができます。
1-1.ATS(採用管理システム)が注目されている背景
近年、ダイレクトリクルーティングやSNS、リファラル採用など、さまざまな採用手法を導入する企業が増えています。
求人サイトや人材紹介といった従来の採用手法の場合、現在就職や転職を考えている「転職顕在層」にしかアプローチをすることができません。
しかし、あらゆる採用チャネルを活用することで「転職潜在層」へのアプローチも可能となるため、多くの企業がさまざまな採用手法にチャレンジしています。
こうした流れを受け、SNSや各種窓口上を利用したコミュニケーションも多くなっていますが、管理が煩雑になりがちという点が挙げられます。
そこで今、ATS(採用管理システム)による一括管理が注目されているのです。
1‐2.ATS(採用管理システム)導入前の採用工数
ここまで、ATS(採用管理システム)とはどのようなものか解説をおこないました。
ではATS(採用管理システム)の導入前後で、採用工数がどのように変化するのでしょうか。
まずはATS(採用管理システム)の導入前の採用工数について解説します。
採用担当者が対応する業務は応募の受付だけではありません。
選考開始前から始まり、社内外の仲介業務を中心に多くのタスクがあります。
具体的には、以下の業務を管理しなければなりません。
- ATS(採用管理システム)導入前の採用担当者のタスク
- ・各求人媒体や人材紹介サービスのエージェントなどと掲載プランや採用ニーズのすり合わせ
- ・応募者とのやりとりや面接日程の調整
- ・採用進捗の管理や採用媒体別採用コストの管理
- ・採用課題の分析、報告
採用担当者の業務は、採用枠が多いほど採用工数が増えるものです。
中途採用や新卒採用、アルバイト採用など、複数の採用を同時におこなっている場合は、より多くの負担がかかってしまうことが想定されます。
このような状況下では採用担当者が採用コスト削減や採用工数の削減のための施策を練るゆとりがなくなり、採用課題の解決などが先送り状態になる可能性があります。
次は、ATS(採用管理システム)を導入することで採用担当者の業務負担はどのように変化するか解説します。
1‐3.ATS(採用管理システム)導入後の採用工数
ATS(採用管理システム)を導入すると、社内で応募者情報や採用進捗をタイムリーに共有できます。
また、カレンダー機能などを通してスケジュール調整も一括でおこなえるため、スピーディな応募者対応が可能です。
応募者対応がスピーディになると、応募者の取りこぼしの防止につながり、母集団を形成しやすくなります。
そのほかにも、内定辞退や面接辞退者などの情報も一元管理することで再アプローチもしやすくなるため、採用コスト削減が期待できます。
社内業務では、本来時間をかけていた採用媒体別の採用状況分析なども採用管理システム(ATS)で分析されるため、簡単に自社の採用データの蓄積が可能です。
採用データをレポート化、蓄積することでその後の採用計画を立てやすくなり、役員などへの報告用資料作りも簡易化できる利点もあります。
さらに、採用管理システム(ATS)のサービスによっては、採用媒体と連携することで求人票の一括作成、一括管理が可能です。
また、各種ツールの切り替えが不要になるためアカウントの管理負担も軽減できます。
このように、ATS(採用管理システム)はさまざまな情報を一元管理、分析することが可能になるため、以下のような企業におすすめです。
- ATS(採用管理システム)の導入がおすすめな企業
- ・複数事業部、複数事業所、店舗がある企業
・中小企業を含め、年間10名程度、またはそれ以上の採用をおこなう企業
・複数の採用媒体、人材紹介サービスなどを利用している企業
・採用担当者とは別に面接官が複数いる企業
・スタートアップ企業、新規事業立ち上げ予定がある企業
・採用担当者の負担が大きく採用業務やその他業務に支障がでている企業
上記の通り、ATS(採用管理システム)は複数名の採用計画がある企業に適しています。
しかし、ATS(採用管理システム)が対応できる企業規模や応募からの登録者数はサービスにより異なります。
近年は中小企業向けのATS(採用管理システム)や新卒・中途・アルバイト向けのサービスもあるため、自社の企業規模や想定される登録者数、採用計画もサービス選びの比較要素に含んでおきましょう。
2.ATS(採用管理システム)の基本機能
本章では、ATS(採用管理システム)の基本機能を解説します。
2‐1.求人管理:複数の求人を管理・作成
ATS(採用管理システム)では、企業が求職者に対して公開している求人案件の管理ができます。
また、サービスによっては自社の採用ページや各採用媒体の募集状況の一元管理や、求人票の一括作成が可能です。
2‐2.情報管理:応募者の履歴書や情報を管理
応募者の情報を一括で管理することができます。
採用媒体ごとの応募者の情報だけでなく、履歴書もデータ化して管理可能です。
また、ATS(採用管理システム)は閲覧者を制限できるため、応募者の個人情報を安全に管理できます。
2‐3.選考管理:面接の日程調整や進捗を管理
応募者一人ひとりの選考状況をまとめて登録、管理できます。
応募者の採用進捗管理や、面接の評価などを一括で管理することで、次の選考案内がスムーズになり、面接辞退防止や内定辞退防止につながります。
ATS(採用管理システム)は、サービスによりカレンダー機能やLINE、Gmailなどとの連携機能があるため、面接の日程調整を簡単におこなえます。
ATS(採用管理システム)とGoogleカレンダーの連携機能を利用した場合は、他事業所や面接官の予定を即時に可視化できるためスケジュール調整しやすくなり、面接日候補を応募者へ迅速に伝えることが可能です。
既存のGoogleカレンダーを連携する際は、新たなスケジュール入力の手間もありません。
日程調整のやりとりもATS(採用管理システム)の管理画面上で送受信ができるため、選考案内を見落とす可能性を減らすことができます。
LINEやGmailを経由して応募者や求人媒体ごとの担当者とやり取りをおこなっている場合も、採用管理システム内からログインできるためツールの切り替えが不要です。
さらに、面接後の評価もATS(採用管理システム)に入力することでほかの面接官や採用担当者と共有が可能となり、次の選考へスムーズに移行できるだけでなく、選考基準の統一化を図ることができます。
2‐3.内定者管理:内定の通知やフォロー
ATS(採用管理システム)で、内定通知の有無や内定後の連絡・フォローも可能です。
優秀な人材は他社からも内定を得る可能性があります。
せっかく内定を出した人材の内定辞退を防ぐためにも、迅速な内定通知やフォローが大切です。
2‐4.採用分析:採用データの可視化
ATS(採用管理システム)を導入すると、採用課題の分析や可視化ができます。
具体的には、求人媒体や人材紹介サービスごとの応募状況や面接率・内定率の変化や、求人票の内容による応募率の変化などの分析ができるため、採用媒体の見直しや求人票の修正など課題対策を適切におこなえます。
採用課題の早期発見、早期解決は採用コスト削減につながるため、分析結果の蓄積は重要です。
また、採用活動実績や進捗報告などの分析データは上司への報告業務の基礎データとして活用できます。
これらは、採用業務の傍ら集計業務をおこなわなければならない採用担当者の負担を軽減させることができる機能です。
3.ATS(採用管理システム)の導入事例
本章では、AST(採用管理ステム)を導入した企業の事例を紹介します。
3-1.ATS(採用管理システム)経由で自社の求人を一括管理する事例
採用担当者が1名でおこなっていた採用管理をATS(採用管理ステム)に切り替えることで、採用効率を高めることに成功した事例です。
株式会社JMDC
- 導入前の課題
- 採用担当者が1名で採用管理をおこなっていたが、管理ができずにいた
- 複数の面接官と選考状況、結果の共有に時間がかかっていた
- 採用の窓口が狭い
- 導入後の効果
- 応募者情報や面接日程調整などの一元管理が可能になり、面接案内などがスムーズにおこなえるようになった
- 社内で情報共有できるようになり、選考スピードの改善ができた
- 採用効率が向上したため複数の採用媒体の併用が可能になり、より多くの応募者の獲得ができるようになった
こちらの企業は、ATS(採用管理システム)の『HRMOS採用』を導入して採用ページを作成するようになり、自社の採用ページ経由での応募数が20倍近くに増え、採用決定にも至っています。
引用元:採用管理システム「HRMOS採用」採用管理クラウド「HRMOS採用」導入事例/株式会社MDC
3-2.候補者管理をExcelから脱却した事例
Excelで採用管理をおこなっていた企業がATS(採用管理システム)を導入した事例です。
株式会社mediba
- 導入前の課題
- Excelで情報管理、分析をおこなっていたため時間がかかっていた
- 面接などの日程調整に時間がかかっていた
- 選考情報、結果を紙面で共有するなど、面接官との情報共有に時間がかかていた
- 導入後の効果
- 1時間必要だった管理、分析時間が短縮。希少職種の採用のむずかしさや現状、課題を分析・データ化して社内共有することができた
- Googleカレンダーと連携することで面接官や応募者との日程調整がしやすくなった
- ATS(採用管理システム)に情報が集約されるため、面接官と即時に情報が共有できるようになった。また、面接官ごとの質の分析も可能になった
こちらの企業では以前から採用活動の分析を重視していましたが、Excelでの管理だけでは十分な分析・活用がおこなえずにいました。
しかし、人材紹介会社や社内にATS(採用管理システム)から抽出したデータに基づく説明をおこなえるようになり、より協力が得られるようになりました。
また、面接官に候補者情報を紙で提供し、回収する手間がなくなり、個人情報取り扱いの点でも安心できる環境を作ることができました。
引用元:採用管理クラウド「HRMOS採用」導入事例/株式会社mediba
3-3.選考官(面接官)ごとの評価の一元管理により面接以降の歩留まり改善事例
ATS(採用管理システム)を導入して選考評価の一元管理をおこなうことで、歩留まりを改善した事例です。
株式会社SUPER STUDIO
- 導入前の課題
- 専任の採用担当者が不在で、適切な採用管理がおこなえずにいた
- 情報も社内で分散してしまい選考状況がわかりにくくなっていた
- 採用ノウハウが不足して採用ニーズの共有が困難になっていた
- 導入後の効果
- ATS(採用管理システム)を導入したことで応募者の流入経路や情報をリアルタイムに一元管理できるようになった
- 面接官が各自で管理している状況だった応募者情報、選考状況を一元化することで、社内で最新の選考状況を確認できるようになった
- 応募総数に対する書類選考通過率、面接通過率、内定承諾率など、ステップごとの分析が可能になり、採用課題や採用ニーズを社内で共有できるようになった
こちらの企業は、総部担当者が採用業務を兼任していました。
また、面接は募集をおこなっている部署の社員が担当していたため、応募者管理や選考状況の管理が課題となっていました。
ATS(採用管理システム)を導入することで、応募者情報や選考状況を一元管理・可視化できるようになり、日程調整や内定連絡などをスムーズにおこなえるように改善されています。
個人情報の管理も適切におこなえるようになり、採用活動の課題も分析データを利用して社内共有することで、自社の採用ノウハウの蓄積につながっています。
引用元:採用管理クラウド「HRMOS採用」導入事例/株式会社SUPER STUDIO
4.ATS(採用管理システム)を選ぶポイント
前章ではATS(採用管理システム)の導入事例を紹介しました。
では、ATS(採用管理システム)はどのような視点で選べばよいか、3つのポイントを解説します。
1つめのポイントは、中途採用・新卒採用・アルバイト採用のどの領域に注力したいかで選ぶことです。
雇用形態によって求める人材や母集団が異なるため、重要視すべき機能は変わってきます。
2つ目のポイントは、効率化したい採用業務で選ぶことです。
採用業務には日程調整業務や面接・選考の情報共有業務、応募者確保に伴う業務などさまざまな業務があります。
そこで、どの採用業務を効率化することで自社の成長に繋がるかを検討することが重要となります。
3つ目のポイントは、システム運用に対するサポート体制の手厚さです。
企業によって採用規模や解決したい課題が異なります。
母集団形成や情報の管理・効率化だけでなく、社内外のステークホルダーとの採用におけるやり取り、採用状況の取りまとめや分析に至るまで採用活動における業務課題はさまざまです。
専任の担当者によるシステム活用のフォローの有無、採用活動を成功に導くために背中を預けられるパートナーかどうかも検討材料の1つです。
5.ATS(採用管理システム)のおすすめサービス
本章ではATS(採用管理システム)のおすすめサービスを紹介します。
5‐1.HRMOS(ハーモス)採用
HRMOS(ハーモス)採用は、株式会社ビズリーチが提供する採用管理システムです。
ビズリーチとの連携により「職種×年齢」の年収相場や中央値などデータ収集が可能となり、優秀な人材の確保に向けた採用活動にも役立ちます。
導入時にお得なキャンペーンの実施がおこなわれていることがあるため、詳細は以下よりお問い合わせください。
特徴 | ・ビズリーチ、Wantedly、リクナビNEXT、doda、マイナビ転職、エン転職、Greenがデフォルトで連携。オプションで11媒体追加連携可能 ・中途採用・新卒採用におすすめ |
料金 | 要問合せ:お問い合わせはこちら |
5‐2.MOCHICA(モチカ)
MOCHICA(モチカ)は人事担当者が選ぶ「採用管理がしやすい」LINE連携可能な採用管理システム、NO.1※を獲得しています。
新卒採用もおこなう企業や業務にLINEを活用している企業におすすめの採用管理システム(ATS)です。
LINEの未導入企業も簡単に導入できます。
※ショッパーズアイ調べ(2020年12月時点)
特徴 | ・採用担当はPCですべて管理が可能 |
料金 | 応募数300名まで:25,000円/月額、無制限:65,000円/月額 |
5‐3.面接コボット
面接コボットは、アルバイト求人サイト「バイトル」を展開する、ディップ株式会社が運営しています。
32媒体からの応募を自動取込できるため、複数の採用媒体を利用してアルバイト採用をおこなっている企業におすすめです。
特徴 | ・32媒体との連携が可能 |
料金 | 月額15,000円~ |
5‐4.Findin(ファインドイン)
Indeed(インディード)とも連携しており、「Indeed特別認定パートナー制度」最高位の「ゴールドパートナー」認定を受けている採用管理システム(ATS)です。
特徴 | ・Indeed連携やスマホ・PC上で求人広告も配信 |
料金 | 初期費用:15万円、採用サイト構築費用:90万円 システム利用費5万円~/月額 ※組み合わせにより費用が異なるため要問合せ |
6.まとめ
いかがでしたでしょうか。
採用管理システムを導入することで、採用活動における業務の効率化を進めることができます。
自社に最も適した採用システムを見つけていただいて採用活動の効率化に役立てていただければ幸いです。
まずは社内で検討したい!という方は是非ご相談ください。
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