ChatGPTは採用活動に導入できる?採用担当者向けの効果的な活用方法をご紹介
採用工数削減
ChatGPTの登場により、多くの企業で生産性向上についての議論がなされるようになりました。
人材採用の分野においても採用業務の効率化や人手不足に対しての改善策としてChatGPTの活用が検討され始めています。
そこで本記事では
・ChatGPTとは?
・ChatGPTを使った採用のメリットやデメリット
・採用におけるChatGPTの具体的な活用方法
をご紹介します。ぜひ今後の採用活動にお役立てください。
目次
- 中途採用にも、新卒採用にも汎用できるChatGPT活用ガイド
本資料ではChatGPTを活用して求人票やスカウトメールの文面、面接質問、求職者からの返答に対するシナリオを作成するポイントを徹底解説。採用に使えるプロンプトのテンプレートも付いているため、すぐに活用いただけます。
1.ChatGPTとは?
ChatGPTは、OpenAIより2022年11月30日にリリースされたAIプログラムです。
正式名称では『Chat Generative Pre-trained Transformer』と呼ばれる対話型の人工知能チャットボットです。
専門的な知識がなくとも簡単に使えることで話題となり、ビジネスにも活用できることでさまざまな企業から注目を集めています。
本章ではChatGPTについてさらに詳しくご紹介します。
1-1.ChatGPTの特徴
ChatGPTは自然な対話をおこなうことができる言語処理技術を使用して、人間のように対話できる点が特徴です。
大規模なテキストデータを機械学習しているため、使用していくたびに質問に対する回答の精度が上がっていきます。
さらに2023年3月からは、文章生成や質問応答、さらにプログラムの作成などの幅広い分野で活用が可能な「GPT-4」も登場し、その性能もますますグレードアップしています。
1-2.ChatGPTに対する日本での反応
チャットプラス株式会社が2023年4月25日に発表した「ChatGPTアンケート調査結果」によればChatGPTについて知っているかという質問に対して「名前だけ聞いたことがある(26.1%)」「知らない(63.0%)」という結果になりました。
このことからもChatGPTの認知度はまだまだ低い状態であることがわかります。
一方で、ChatGPTをすでに利用したことがあると回答した人の約半数が便利だと感じていることや、約6割が今後も積極的に使いたいと回答していることからも、日常生活におけるChatGPTのさらなる普及が予測されます。
将来的には、就職活動においてChatGPTの利用が一般的になる可能性もあるため、企業側はこれに対応するための準備や柔軟性、さらに採用担当者の知識が求められます。
採用環境が変化する中で、ChatGPTを活用した採用の方法や戦略についての理解が採用の鍵を握るといえるでしょう。
2.ChatGPTを使った採用のメリット
ChatGPTを採用に活用する上ではメリット、デメリットを十分に把握することが必要です。
そこでまずはChatGPTを採用活動に導入する場合のメリットについてみていきましょう。
2-1.採用業務の効率化
ChatGPTは高速かつ効率的に情報を処理することができます。
採用では多くの応募書類や履歴書を確認しなければなりませんが、ChatGPTを使うことで自動的に書類のスクリーニングがおこなえます。
大量のデータを短時間で分析し、適切な候補者を抽出することができるので、採用担当者はより迅速に自社に合った人材を見つけることができます。
2-2.人的リソースの補完
ChatGPTを活用し、24時間体制で応募者とコミュニケーションをとることができます。
採用担当者の時間やリソースには制約がありますが、ChatGPTを導入することで質問に対する自動応答や一般的な疑問に対する自動案内が可能です。
これにより、応募者の問い合わせに対して迅速にコミュニケーションをとることができたり、採用担当者が別の業務に集中したりすることができます。
2-3.採用コストの削減
人材募集には広告費や面接コストなどがかかりますが、ChatGPTを使用することで自動化や効率化が進むことで結果として採用コストを削減することができます。
例えばこれまで書類選考にかけていた時間や工数を削減することで、採用担当者の人件費の増大を抑えることができます。
さらにChatGPTは応募者データの分析や蓄積をおこなうことも可能なため、適性検査を使わずとも自社に合った人材を見極めることが可能です。
2-4.採用プロセスの改善
ChatGPTにより、応募者とのコミュニケーションが自動化されることで採用プロセスの改善に繋がります。
例えば書類選考の合否をスムーズに出したり、日程調整が自動化されたりすることで、応募者が合否待ちや日程調査待ちをする時間が短縮され、待ち時間による離脱を防ぐことができます。
2-5.グローバル採用に対応可能
ChatGPTは、多言語対応が可能であり、世界中の応募者とスムーズにコミュニケーションを取ることができます。
応募者との面接をおこなう場合でも、リアルタイムに言語を翻訳しながらコミュニケーションを取ることができ、正確な能力評価が可能になります。
コミュニケーションの壁を取り払い、グローバルな採用を実現することができます。
- ChatGPT活用事例集
本資料ではChatGPTを活用した採用活動の事例について詳しく解説。
「ChatGPTを活用することでどのようなメリットがあるのか?」「ChatGPTで具体的にどのような業務がおこなえるのか?」と疑問を抱える方におすすめの資料です。
3.ChatGPTを使った採用のデメリット
次に、ChatGPTを採用活動に導入する際のデメリットについてみていきましょう。
3-1.間違った判断をされる可能性がある
ChatGPTは、人工知能による自動化システムであるため、判断に誤りが生じる可能性があります。
ChatGPTで出力された情報を鵜呑みにしてしまうと、間違った情報により企業や応募者双方に悪影響を及ぼすリスクも考えられます。
解決策としてChatGPTの結果を人間が再確認することで、誤りを修正することができます。
3-2.自動返信の精度低下
ChatGPTによる自動返信は、場合によっては返信内容の精度が低くなる可能性があります。
解決策として返信メッセージを複数パターン用意しておくことや最終選考前の重要なタイミングでは採用担当が返信するようにするなど、状況に応じて柔軟な対応をおこなうことが大切です。
3-3.応募者の個人情報の取り扱い
ChatGPTは学習機能をおこなうシステムのため、誤って個人情報を入力してしまうと情報漏洩や不正利用されてしまうリスクを伴います。
最近では情報セキュリティの観点から、ChatGPTの利用を禁止している企業や自治体も出てきました。
そのため、ChatGPTを活用する際は普段よりも応募者の個人情報の取扱いに注意し、企業としてのセキュリティ対策を万全に整えることが重要です。
3-4.応募者への十分な情報提供の不足
Web上で自社情報が少なく、ChatGPTが十分に学習できない状態では、ChatGPTが作成した募集文や告知文などの文章でも情報が不足する場合があります。
さらに応募者への情報提供を充実させるために、採用情報の公開やFAQの作成、ChatGPTを活用した問い合わせへの迅速な対応などが有効です。
4.ChatGPTを使った採用活動の具体的な方法
本章ではChatGPTを活用して採用活動をおこなう具体的な方法について解説します。
4-1.書類選考の自動化
ChatGPTを活用することで、選考プロセスを自動化させることができます。
例えばChatGPTでは、特定のワードを自動抽出することが可能なため応募者の履歴書や職務経歴書を自動分析し、自社に合った候補者を選び出すことができます。
これにより、大量の応募書類を手作業で個別に評価する必要がなくなるため、大幅な工数削減が期待できます。
4-2.多言語対応の応募受付
ChatGPTを活用することで多言語に対応できます。
例えば、採用担当者が外国語の理解に乏しい場合でも、ChatGPTを使って文章を翻訳することで双方の理解促進を図ることが可能です。
さらに現在はChatGPTを活用した多言語対応の面接ツールもリリースされており、文章だけでなく言葉を認識しながらリアルタイムでの対話ができるようになりました。
このようにChatGPTを活用することで、外国語を話せる担当者がいなかったり、多言語対応の採用ツールを導入していない場合でもグローバル化への適応が実現できます。
4-3.選考のスクリーニング
書類審査や適性検査、面接結果などChatGPTの総合的な情報を活用することで、採用担当者はより客観的かつ網羅的な情報に基づいて応募者を評価できます。
また、応募者個人の能力だけでなく、自社の社員のデータをChatGPTに学習させ、自社とのマッチ度合いをはかることも可能です。
学習データが多いほど出力データの精度が増していくChatGPTの特性は、総合的な評価や採用基準の質を向上させることに役立ちます。
さらに、蓄積した応募者情報を保存することで後から詳細な分析や比較をおこなうことも可能です。
4-4.自動日程調整
ChatGPTで自動応答のチャットボットを作成し、応募者からの日程調整を自動でおこなうことができます。
カレンダーアプリと連携し、採用担当者のスケジュールと照らし合わせ、適切な日程を調節したり、日程が確定した際には応募者や採用担当者へリマインドをしたりすることが可能です。
4-5.求人票の作成
ChatGPTを採用の設計段階で使うことで自社の採用情報から必要な人材の情報を収集し、求人票を作成できます。
これにより求人票の作成時間と手間が削減され、よりわかりやすく魅力的な求人票を作成できます。
ただし、誤解を招く表現や企業イメージに合わない表現が含まれることがあるため、作成された求人票は必ず採用担当者が確認し、修正作業をおこなう必要があります。
- ChatGPT活用事例集
本資料ではChatGPTを活用した採用活動の事例について、ChatGPTのプロンプトテンプレート付きで詳しく解説。職務経歴書の要約や求人票作成、面接での質問作成など、採用シーンに合わせた具体的な活用方法についてご紹介しています。
5.ChatGPTと親和性の高い採用サービス9選
ChatGPTを活用した採用において、親和性の高いサービスをご紹介します。
採用業務を効率化させるため、掛け合わせで導入いただきたいサービスですのでぜひご検討ください。
5-1.就職サイト・転職サイト・求人サイト
ChatGPTを使えば、就職サイトや転職サイト、求人サイトに掲載する原稿を作成できます。
さらに、ChatGPTの学習機能を利用して、採用のターゲットに合わせた適切なコンテンツを作成することも可能です。これにより、ターゲットのニーズに沿った情報を発信できるため、応募者の惹きつけにも繋がります。
- ChatGPTによる募集要項作成プロンプト(命令文)例
- あなたは人材業界の企業で新卒採用を担当しています。
営業職の新卒採用で使う募集要項の原稿案を1,000字程度で作成してください。
#仕事内容の詳細
・仕事内容:営業
・住所:東京都新宿区
・雇用形態:正社員
・事業内容:人材
・求める人物像:
①何事も「自分事」としてとらえる
②将来のために、「行動」することを考える
③「誰かのため」にひたむきに努力する
5-2.ダイレクトリクルーティングサービス
ChatGPTではダイレクトリクルーティングで配信するスカウト文面を作成することが可能です。
配信対象が複数ある場合でもそれぞれの属性に合わせた文面を自動で生成できるため、反応率などを確かめながら最も効果的な文面を見極めることができます。
さらに、スカウト配信対象に関しても自社の活躍社員の傾向をもとに絞り込みのキーワードや属性を明確にできるため、採用ターゲットの言語化にお悩みの企業にもおすすめです。
- ChatGPTによるスカウト文面作成プロンプト(命令文)例
- あなたは人材業界の企業で中途採用を担当しています。
営業職の中途採用で使うスカウトメールの文面案を300字程度で作成してください。
#仕事内容の詳細
・仕事内容:中途採用の求人広告の営業
・住所:大阪府大阪市北区
・雇用形態:正社員
・募集の背景:事業拡大による増員
・仕事の概要:アポイントの設定(マーケ経由のお問い合わせやアウトバウンドのテ
レアポ)から、お客様の採用課題のヒアリング、課題に合わせた最適なソリューショ
ンの提案、原稿作成のディレクション、掲載後のフォロー
・対象となる方:何かしらの社会人経験がある方(業種・職種・年数不問)
・成長やキャリアパスの機会:
①成果に応じて早期の昇格や昇給がある
②営業からマーケや企画などの横のキャリアパスも豊富
・自社の魅力的な特徴:
①企業にとって大切な人材採用の支援をするためお客様から喜んでもらえること
が多い
②社歴や年齢に関わらずチャレンジできる環境がある
③スキルアップを日々感じられる
- あなたは人材業界の企業で中途採用を担当しています。
5-3.採用代行サービス
ChatGPTと採用代行サービスを組み合わせることで、さらなる業務効率化が期待できます。
具体的には、ChatGPTにより応募者との日程調整をおこなった後、採用代行サービスを活用してテキストメッセージだけでなく電話によるリマインドやフォローをおこなうことができます。これにより選考途中の離脱を防ぐことや応募者満足度の向上にもつながります。
さらに採用代行サービスではダイレクトリクルーティングのスカウト配信を代行したり、説明会や面接を代行することもできるため、採用担当者は本来おこなうべきコア業務に専念できます。
- ChatGPTによるスカウト文面作成プロンプト(命令文)例
- あなたは企業の採用担当者です。
- 応募者との日程調整のメール例を教えてください。
- ただし、以下の埋まっている日程を避けて来週以降で日程調整をしてください。
- #埋まっている日程
- ・○月○日 10:00-11:00
- ・○月○日 12:00-16:00
- ・○月○日 終日
5-4.適性検査
適性検査を使って自社で活躍する人材の傾向を分析し、ChatGPTでのスクリーニングに役立てることができます。
ChatGPT単体でも活躍人材の分析をおこなうことは可能ですが、その正確性や信頼性は100%とはいえないため、専門サービスである適性検査を活用することをおすすめします。
- ChatGPTによる分析プロンプト(命令文)例
- あなたは○○企業に勤めている採用担当者です。しかし自社で活躍する人材の傾向が良くわかりません。
従業員規模は200名で採用している人数は1年で3人前後です。採用に力を入れたいと思っていて、毎月5名の採用を考えています。
以下の現役で活躍している社員の例を元に入社後活躍できる人材の特徴を教えてください。
#活躍している社員②
社歴:新卒入社5年目
出身学部:国立大学薬学部卒
性格: - ・陽気な性格でリーダーシップがある
- ・勉強熱心でよく本を読んだり、セミナーに参加したりしている
- ・常に笑顔でいる
- ・残業はせず、早めに出社している
5-5.人材紹介サービス
人材紹介サービスを利用する際は求人票の作成が必要になりますが、ChatGPTを活用すれば手軽に作成できます。
求人票はある程度フォーマットが決まっているため、自社の企業情報や募集要項を学習させることですぐに作成が可能です。
特に中途採用などで急遽人員補充が必要になった場合でも、ChatGPTを活用することで事前準備にかかる時間を大幅に削減できます。
- ChatGPTによるプロンプト(命令文)例
- あなたは企業の採用担当者です。
- 事務員を募集するための求人票を作成してください。
- その際は以下の必須項目を含んでください。
- また、必須項目以外に重要な項目があれば追記してください。
- #必須項目
- ・企業情報
・募集職種
・仕事内容
・応募資格
・雇用条件
・応募方法
・採用プロセス
・会社の魅力や働く環境
- 今すぐ使える!ChatGPT活用テンプレート集
本資料では、採用活動におけるChatGPTのプロンプトテンプレートを11種類ご紹介。ペルソナ設計や求人票の作成、面接での質問、求人票の効果改善の案出しなど、採用シーンに合わせてすぐにご活用いただけます。
6.まとめ
本記事ではChatGPTを採用に活用する際のメリットやデメリット、親和性の高い採用サービスなどをご紹介しました。
ChatGPTを活用することで、採用業務の効率化や採用コスト削減、採用精度の向上が期待できることがわかりました。
一方で、ChatGPTの正確性や信頼性にはまだまだ改善の余地があるため、適宜人間の手を加えながら活用していくことが求められます。
採用業務をすべて自動化させるのではなく、採用担当者が対応すべき部分をしっかりと見極めながら業務効率化を図っていくことが採用成功の鍵といえるでしょう。
中小・ベンチャー企業を採用成功に導く戦略を
入社してから一貫して新卒採用のコンサルティングをおこなう部署に携わる。大手上場企業~ベンチャー企業まで計1,000社近くの支援を経験し、現在は新規営業部門の責任者として従事。
- 名前
斎藤/新卒採用領域
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