アミューズメント業界の効果的な新卒採用手法と対策|課題に応じた改善方法とは?
アミューズメント業界
パチンコやカラオケなどに代表されるアミューズメント・レジャー産業。この業界でも多くの企業が新卒採用をおこないますが、学生からの人気が高くなく採用に苦戦している企業様が多い傾向です。
本記事では、
・アミューズメント業界の採用が難しい理由
・アミューズメント業界の採用の動向
・アミューズメント業界の採用手法・採用成功のためのポイント
をご紹介します。
目次
1.アミューズメント業界の採用が難しい理由
アミューズメント業界は、新卒採用をおこなっている企業の中でも採用が難しいといわれている業界です。
では、なぜ採用が難しいと言われるのでしょうか。
1-1.母集団形成の難易度が高い
マイナビが実施しているマイナビ大学生業界メージ調査※から学生アンケートをみてみましょう。
学生がアミューズメント業界に対してどのような印象を持っているか読み取れます。
※参考:マイナビキャリアリサーチ2024年卒大学生業界イメージ調査
学生からの人気・志望度が高くない
大卒・大学院卒で就職を目指す学生の人気業界は、ここ数年で変化してきています。
以前のように金融業界が全体的に強いということはありませんが、大きく変わらず銀行や商社、旅行業界など学生に人気のある業界は偏っています。
実際に調査の質問項目で、「就職先として検討したことのある業界」という質問項目ではアミューズメント業界は全40業種中32位でした。
イメージが固定化されてしまっている
同じ調査の中で、プラスイメージとマイナスイメージについても学生に調査しています。
22項目について、それぞれプラス・マイナスについて質問していますがアミューズメント業界については下記のようにマイナスイメージが強い結果となっています。
参照:マイナビキャリアリサーチ2024年卒大学生業界イメージ調査
1-2.親の賛成を得ることが難しい
近年特に企業側からよく相談されることとして、「親の賛成が得られず内定辞退が発生すること」です。
これはアミューズメント業界に限ったことではありませんが、多くのサービス業の企業からよく挙がる悩み・課題です。
数年前から「オヤカク」という言葉がメディアでも取り上げられるようになりました。これは「就職状況について親確認をする」というような意味で使われます。
せっかく採用企業が内定を出し、学生が承諾しても親が賛成してくれないために承諾前後で辞退になるということが増えています。
学生自体に興味を持ってもらうことが難しいことに加え、親というハードルも存在します。
このような理由から、アミューズメントやレジャーの業界は採用が難しいといわれています。
2.アミューズメント業界向け新卒採用対策
では、アミューズメント業界の企業が新卒採用を成功させるためにはどのような対策をおこなっていくのがよいのでしょう。
成功している企業の特徴を元にまとめました。
2-1.就職サイト以外の母集団形成方法も活用する
新卒採用を実施しているほとんどの企業で就職サイトは利用していると思います。
アミューズメント業界の多くの企業が、就職サイトの掲載に高額な費用を投資しています。
ただし、多くの企業が費用投資をおこなっている分効果が出にくくなっています。
合同企業説明会で店舗のある地域を面で攻める
合同企業説明会は現在、全国で開催があり開催している企業も多数あります。
そのため、自社の展開している地域での採用活動に利用することが可能です。
就職サイトを開設して待っているだけでは、掲載社数の多い現在では学生を集め切ることができません。
合同企業説明会で自社の良さを直接伝え、興味を持ってもらうきっかけとして活用していきます。
特性に合った合同企業説明会をうまく活用できている企業は採用も比較的順調に進むケースが多いようです。
逆求人系のスカウトサイトの活用
就職サイトは広く学生に見てもらうためのツールですが、逆求人系のスカウトサイトは自社に親和性の高い特定の学生を選択するタイプになります。
工数もかかるため、幅広く活用することはできないかもしれません。
自社で働く社員の出身大学や居住地、アルバイト・学生時代の経験などを元に、これまでの採用で定着のよい学生を分析して活用することなどが有効です。
また、一人ひとりに専用の文章を作成してスカウトメールを送ることができるため、自社の魅力を伝えやすいというメリットがあります。
2-2.他業界の企業との比較で勝てる部分をしっかりと打ち出す
アミューズメント業界の企業の場合、採用活動の中で競合としてぶつかるのは同業他社の場合よりも異業種であることが多いようです。
学生の志望業界・企業をできるだけ細かく把握する
多くの採用担当者様が実施していると思いますが、採用活動の中で志望業界などの競合把握は重要です。
売り手市場の現在、選考フローの中で学生を常に惹き付けることは重要です。
ただし、学生が自社や他社のどういった部分を魅力に感じているかを的確に把握しなくては、惹き付けをおこなうことはできません。
どのような業界を受験しているのか・他社の受験・選考状況・各選考段階での自社の志望度などの情報を採用に関わる社員で共有しておくことをおすすめします。
他社と比較して、自社が強い部分を伝える
アミューズメント業界の場合、事業内容によって他社よりも強い部分が異なってきます。
例えば、パチンコ関連の業態については一般的に平均初任給よりも初任給は高い傾向と言われています。
また、最近の学生は給与よりも休日休暇を重視する学生も増えているため、休日休暇が手厚い企業は給与に加え休暇もしっかりと打ち出しをおこなっています。
学生が何を求めているかを把握し、自社が伝えられる内容を洗い出してみることもおすすめです。
2-3.自社の店舗アルバイト登用や紹介の活用を検討する
新卒採用手法は何も就職サイトや合同企業説明会などの一般的なスケジュールで実施するものだけではありません。
多くのアミューズメント業界の企業では、店舗を運営しておりそこには多くのアルバイトを抱えているでしょう。
採用が成功している企業はアルバイト社員の登用なども積極的におこなっています。
通常応募よりも選考フローを短くするなどの工夫が必要
アルバイトを自社の店舗でおこなっていて、新卒採用に応募してくる学生は志望度が高いことが予測されます。
こうした志望度の高い学生を通常の応募と同様のスケジュールや選考回数で対応するのは非効率です。
選考フローを減らして、最終選考までのスケジュールを適度に短くするのがおすすめです。
ここで、気をつけることはアルバイトとしても受験者としても評価が高い場合、他社でも内定をもらえる可能性は十分にあります。
志望度が高いからといって100%自社に入社してくれるということは限りません。
アルバイトや内定者の友人にも広げてみる
内定承諾をしてくれた学生やアルバイトの周りの友人についても、紹介してもらえないか考えてみることをおすすめします。
採用向けのイベントや懇親会と併用しておこなうなど、工夫をすることで興味を持ってもらえます。
3.アミューズメント業界で利用可能な採用手法と活用法
アミューズメント業界で採用がうまくできている企業を元にみてきましたが、それぞれの手法でどのようなサービスがあるのでしょうか。
3-1.就職サイト
新卒採用の場合には、専門の就職サイトはなく一般的な大手媒体を活用している企業がほとんどです。
掲載社数の状況に合わせてオプション活用を検討する
就職サイトの場合、ここ数年は掲載社数が伸び続けています。
学生は業種や本社所在地など複数の項目をかけて検索をする傾向があるため、自社の検索タグと同じ同業他社が多くいれば不利になります。
そのため、学生が検索よく使うであろうもので検索した際に後ろのページでの掲載になる場合には、オプションの検討が必須といえます。
募集要項や会社紹介の内容は時期に合わせて修正する
多くの企業が掲載をするタイミングで募集要項や会社PRを記載したまま、通年を通して掲載しています。
これは、通年で掲載をおこなうタイプの就職サイトでは非常にもったいないです。
時期に応じて学生の興味関心は変わっていきます。
インターンシップの時期には業界・企業研究の時期も兼ねているため、仕事内容や自分が携わりたい仕事かを気にする学生が多いでしょう。
一方で内定が出るころには、給与や休暇などの待遇面、教育体制などを気にする学生が増える傾向です。
例えば、秋の時期には上記のように【秋採用】選考直結単独です!のように記載することで学生にメリットが伝わります。
時期に応じたアピールポイントを数回は修正することがおすすめです。
3-2.大型合同企業説明会
全国各地で開催をしており、基本的には就職サイトと連動したものが多く開催されています。
採用数と店舗立地を考えて出展することがおすすめ
大型の合同企業説明会の場合、タイムテーブルは決まっていないものの1回の説明時間は平均20~30分程度が多くなっています。
大型の合同企業説明会に来る学生の目的としては、「1日でできるだけ多くの会社を回りたい」と思っているためです。
個別に時間をかけて話すというよりは多くの学生と接点を持つことを重視することがおすすめです。
できるだけ多く学生のプロフィール情報を取得することができれば後からアプローチすることも可能なためです。
そのため、アミューズメント業界では採用数が多かったり、店舗出展が各地にあるなど大量採用の企業が活用しているケースが多くなっています。
当日とその後のオペレーションを決めておく必要がある
合同企業説明会では、当日とその後のオペレーションを事前に決めておくことをおすすめします。
例えば、当日は学生プロフィールを受け取る係、学生の前で説明する係、誘導する係など出展規模に応じて配置をしておくとスムーズです。
また、学生から個別に質問を受けた際の回答も社員間で揃える必要があります。
これは、後日回答がバラバラだった際に学生の不信感につながることもあるためです。
3-4.小規模イベント・マッチング型イベント
大型イベントと比較し、テーマ性があったり学生一人ひとりとじっくり話せたりすることが特徴であるのが、小規模イベントやマッチング型イベントです。
自社の強みに応じてどのようなイベントが合っているかを見極めて使用することも重要です。
小規模イベントでは目的を明確化する
小規模型のイベントは大型のイベントと基本的な会場でのルールが同じものと、テーマ型のものにより運用が異なります。
イベント当日の目的をできるだけ多くの学生と接点を持つことを重視するのか、後日自社説明会や選考会への参加数を重視するのかによって運用や説明の仕方などが変わります。
採用状況に照らし合わせたり、自社の得意なパターンに合わせて対応したりなど状況応じて変更していくことがおすすめです。
マッチング型イベントでは学生に自社の魅力を伝えましょう
じっくりと話を出来たり、志向性別の開催が多くあることが特徴であるマッチングイベント。
学生の参加人数もそこまで多くないものがほとんどのため、ひとりひとりに時間をかけて面談することが可能です。
時間の使い方はタイムテーブルがあるものもあれば、ないものもありますので当日のプログラムを確認してイベント毎に自社に合った活用の検討が必要です。
興味を持ってくれる学生とはしっかりと話しをすることがおすすめです。
3-5.Web広告などの新しい手法
新卒採用では、毎年新しいサービスが非常に多く登場しています。
業界・業種によっては向き不向きもあると思いますが、効果検証をしながら活用している企業増えてきました。
デジタルサイネージ広告
新卒採用のスタート時期になると主要駅の構内で、デジタルサイネージによる採用エントリーを促す広告を見た方もいると思います。
まだまだ多くの企業が活用している訳ではありませんが、広く認知度を上げたい企業やブランディングとして活用する企業もあります。
相性もあるため、使用の際には長期的な計画や戦略の中に組み込むことがおすすめです。
Web広告
バナー広告などに代表されるWeb広告を採用に活用する企業もあります。
特定のターゲットのみに配信し、自社のサイトや就職サイトへと誘導します。
利用するものによって異なりますが、年齢・居住地・志向性などで絞ることが可能で条件に合わせてバナーデザインを変更するなども可能です。
全国で採用をおこなっている企業で、既存の手法は手を尽くしたという方は活用してもいいかもしれません。
就職サイトのアクセスを増やすなどの副次効果を得ることもできますので、どのような目的で実施するかを決めて利用がおすすめです。
4.まとめ
新卒採用で課題がないと言える企業はほぼないはずです。
ただし、業界や地域などのさまざまな要因によって課題感も千差万別なはずだと想定されます。
課題感に応じて打ち手は異なってくると思いますが、まずは自社の採用の現状をしっかりと把握することが重要です。
それでもうまくいかないという際にはプロに相談してはいかがでしょうか。
中小・ベンチャー企業を採用成功に導く戦略を
入社してから一貫して新卒採用のコンサルティングをおこなう部署に携わる。大手上場企業~ベンチャー企業まで計1,000社近くの支援を経験し、現在は新規営業部門の責任者として従事。
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斎藤/新卒採用領域
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