内定辞退防止策|内定辞退されやすい企業の特徴とは?
新卒採用
内定辞退が採用における大きな問題だと感じていらっしゃる採用担当者も多いのではないでしょうか。
最近は売り手市場なので、多くの学生が複数の企業から内定をもらっています。
複数の企業から内定をもらっても、最終的に入社するのは1社なので、残りの企業は内定辞退をすることになります。
ではその中で、どのような企業が内定辞退をされるのでしょうか?そして学生に内定辞退されないためには、どのような防止策を立てればいいのでしょうか?
本記事では、
・学生の内定辞退を防止できない企業の特徴
・内定辞退を防止するために志望度を高める
・内定辞退の防止策
をご紹介します。
目次
1.内定辞退を防止される企業の特徴
まずは内定辞退される企業の特徴についてみていきましょう。
1-1. 内定辞退した理由
もともと志望度が高くなかった
売り手市場といわれていますが、学生には「就職先が決まらないかもしれない」という不安があります。
その不安を和らげるという意味でも、学生は就職活動において、志望度が高い業界や職種にエントリーするだけでなく、ストライクゾーンを広げてエントリーをしている学生が多いといえます。
そのため、自社にエントリーしている学生は必ずしも志望度が高いとは限らないという認識が必要です。
採用活動の中で、学生の志望度を高めていけるような魅力付をしていきましょう。
条件面が希望とあわなかった
採用ページに就業条件を十分に記載していないことが原因で、学生が思っていた就業条件と、実際の就業条件の乖離が発生します。
就職活動中の学生は、「残業はありますか?」「休日出勤はありますか?」などの条件面の質問をして、不採用になることを恐れているので、面接時にあまり深くまで聞こうとしません。
内定が決まり、改めて条件面などの確認をした際に、希望していた条件と大きな乖離があるとわかると、内定辞退を引き起こすケースがあります。
社員の印象が良くなかった
内定が決まると、内定者懇親会、内定式や面談など既存社員と関わる機会が増えます。
好印象を与えられる既存社員と会うことができれば問題ありません。
しかし、『表情が悪い』『ネガティブな発言が多い』など、学生に悪い印象を与えてしまう社員と会ってしまうと、「本当にこの企業でいいのか」と学生に不安が募ります。
「人間関係」が社員の離職の理由に多いように、悪い印象の人と一緒に働きたくないと感じる学生も多くいるでしょう。
内定者同士のコミュニケーションがうまくいかない
実際に働くと、困ったときに頼りになるのが同期です。
同期とは、切磋琢磨するライバルであり、困ったときに支えあう仲間です。
入社後に同期となる内定者同士が集まる、座談会や懇親会で、コミュニケーションがうまくとれないと内定者の不安を誘い、内定辞退につながる可能性があります。
1-2. 希望とあわなかった条件
内定辞退の理由に「条件が希望とあわなかった」とありますが、いったいどのような条件を学生は重要視しているのでしょうか。
給与と待遇
初任給については、募集要項にも明記されている場合が多いので、内定辞退にはつながりにくいでしょう。
しかし、賞与や昇給については明記していない企業が多いです。給料は大切な就業条件の1つです。
学生が思っていた給料と実際の給料に乖離があると、入社意欲が薄れてしまいます。
勤務地や転勤
就職活動時には「異動が少ない」と言われていたのに、「実際は特定の職種だけ異動が少なく、自分が希望する職種は異動が多かった」いうケースがあるようです。
「東京などの都心部の勤務地で働けると思っていたのに、勤務地が想定外だった」となると、内定辞退につながるかもしれません。
労働時間や休日休暇
業種や職種によって勤務形態が異なる企業も多いかと思います。
しかし、さまざまな勤務形態があるにもかかわらず、募集要項には「土曜・日曜・祝日が休日」と一律で書いてしまっていることで、内定辞退につながるケースがあります。
内定を出すまでは、カレンダー通りの勤務形態だと思っていた学生も、内定後に現場社員の働き方を知ることで、「条件とは違う」と感じてしまうこともあります。
募集要項や条件には、職種や業務内容によって勤務形態が異なることをきちんと事前に伝えておくことが、内定辞退を防止する上で重要になるでしょう。
福利厚生
学生は社会人としての経験がないので、福利厚生の重要性をしっかりと理解していません。
そのため学生は、選考中には福利厚生制度をあまり重要視しない傾向があり、内定を得た後に他社と福利厚生を比較することが多いようです。
福利厚生は他社と比較しやすく、福利厚生が不十分と感じる企業は、学生に社員を大事にしない企業というマイナスイメージを植え付けてしまいます。
2.内定辞退を防止するために志望度を高める
学生に内定辞退をした理由を聞くと1番多かったのは「志望度が低かったから」でした。
そのため、内定辞退者を減らすためには「志望度」を高めることが重要だといえるでしょう。
ここでは、志望度を高くする施策をご紹介します。
2-1. ビジョンに結びつける
今まで「自分が何をしたいか」を考える機会が少なかった学生に、就職活動が始まって「将来のビジョンは?」と質問しても、なにも決まっていないというのが本音でしょう。
目指しているものがない学生だからこそ、企業の世界観やビジョンを学生に伝えてみてはいかがでしょうか。
学生から、企業のビジョンへの共感を得ることができると、辞退率は低くなりますし、実際に働くときのモチベーションになるでしょう。
逆に、ビジョンに共感してもらえないのであれば、さらに企業の魅力づけに力を入れる必要があるでしょう。
どれだけ魅力づけをしても、ビジョンに共感してもらえない場合は、内定辞退や早期離職などのリスクを考えた上で採用するかどうかを決断する必要があるでしょう。
2-2. 事業に結びつける
「世界を変えるような事業をやってみたい」という思いを持った学生と出会う機会も多いのではないでしょうか。
そのため、学生に自社の事業の魅力を伝えて、学生に寄り添った未来をみせてあげることも志望度を高める上で重要な要素です。
具体的に「どのような仕事」で「社会にどのような価値を与えているのか」を学生にイメージが湧くように伝えることで、自分が働く姿をイメージしてワクワクするのではないでしょうか。
2-3. 人に結びつける
学生が企業を選ぶ理由の一つに「人」という軸があります。
そのため、「この採用担当者がいるから」「この社員と同じ現場で働きたいから」のように、企業の重要な資源である「人」に結びつけて学生の志望度を上げましょう。
入社すると、憧れの先輩社員がいるかいないかで、モチベーションが変わってくるケースもあります。「憧れの先輩を超えるために頑張る」という新入社員もいるでしょう。
- 内定者フォローに特化した『エアリーフレッシャーズ』
・チャット機能を用いた相互理解
・提出物やアンケートの管理
・ビジネスマナーなどEラーニングを用いた内定者研修
・AIによる入社意欲の可視化
など入社前フォローのほとんどを実現可能です!
3.内定辞退の防止策
内定辞退に気をつけるのは選考中だけではなく、内定後も気をつけなければいけません。
「会社をより知ってもらう」「同期とのつながりをつくる」「自分が働いているイメージをもってもらう」ための防止策を取り入れることで、内定辞退防止につながることができます。
3-1. 職場見学
職場見学をおこなうことで、内定者は実際に先輩社員が働くところを間近で見ることができます。
内定者は先輩社員が働いている姿を自身と重ねることで、今まで曖昧だった働くイメージが明確になり、「この企業で頑張ろう!」と気持ちが高まります
また、職場見学で先輩社員とのつながりもできるので、「自分もこの会社の一員になれるんだ」と入社に向けてのイメージができます。
内定をもらっても社内の人との関わりがなければ、所属感を感じることができず、内定辞退につながる可能性もあるので、この安心感は重要です。
3-2. 社内報の送付
内定者が知りたいことは企業の上辺の情報ではなく、実際の現場の情報です。社内のありのままを伝える社内報は、内定者にとって実際の現場の情報を知ることができる良い機会です。
実際の社員の1日のタイムスケジュールや、仕事に取り組む姿勢などがわかるインタビューコンテンツなどを盛り込むことで、内定者は入社後の働き方に具体的なイメージを持つことができます。
また、社内で起きた新しいことが記載されていると、会社の動向を知ることもできます。
会社の動向や内部の雰囲気を感じることができると安心につながります。
3-3. 内定者研修
内定者研修は、社会人としてのマナーや基本スキルを内定者に勉強してもらう機会です。
内定者研修が始まると「いよいよ、社会人の準備が始まった」と気合を入れ直すタイミングです。
改めて「この企業に入社する」と思うと、モチベーションも高くなるでしょう。
また、内定者研修のコンテンツにグループワークを取り入れる企業も多いです。
面識のない内定者とグループワークをすることで、内定者同士のコミュニケーションが活発化し、内定者フォローに適した取り組みになります。
3-4. 内定者アルバイト
内定者アルバイトとして既存社員と一緒に働いてもらうことで、説明会や面談では伝えきれなかった企業の良い面も悪い面も伝わります。
悪い面が学生に伝わることは、内定辞退につながりそうですが、入社してから感じるギャップが小さくなるという点では、むしろプラスだといえるでしょう。
また、入社後に右も左もわからない状態で業務に取り組んでもらうよりも、ある程度の仕事へのスタンスや、企業カルチャーなどを内定者アルバイトを通して知ってもらう方が、入社後に即戦力として活躍できることにもつながります。
3-5. 内定式
内定式は、多くの内定者が参加します。
全国から内定者が1ヵ所に集まり、初めてコミュニケーションを取る機会です。
実際に未来の同期となる内定者同士で、入社した理由や自分のビジョンを共有しあうことで、一人ひとりのモチベーションは高くなるでしょう。
「あいつには絶対負けたくない!」といった良い意味でのライバル意識も芽生えてくるでしょう。
また、内定式には社長をはじめトップクラスの社員が参加するでしょう。
企業のトップが話す、ビジョンや経営理念を直接聞くことで、新卒採用、中途採用にかかわらず求職者の心は動かされるでしょう。
内定式は内定者が社会人への第一歩として、同じ企業で働く同世代の仲間たちと初めて顔をあわせる場なので、モチベーションを上げてあげられるようなコンテンツを準備して、内定者に貴重な時間を提供してあげることが、内定辞退を減らすことにつながります。
- 内定者フォローお役立ち無料資料!
新卒採用の課題の一つにあげられる『内定者辞退』ですが、どうして内定辞退が発生してしまうのかを考えることが重要です。
原因から対策方法までさまざまなデータを分析し、内定者フォローのポイントを本資料にまとめています。
4.まとめ
内定辞退を防止することは、企業にとって重要なことです。
内定者フォローだけではなく、選考中から内定辞退を防止する意識を持つことが大切です。
新卒採用は、選考では企業が学生を選ぶだけではなく、学生が企業を選ぶようになってきています。
特に、内定辞退の原因の1つでもある「志望度が高くなかった」に対しては、企業側から内定者に積極的なアプローチをおこない、選考から入社するまでに志望度を高めるフォローをしていく必要があります。
また、志望度を高めると同時に、会社の雰囲気を知ってもらうことで不安をなくすことも大切です。
中小・ベンチャー企業を採用成功に導く戦略を
入社してから一貫して新卒採用のコンサルティングをおこなう部署に携わる。大手上場企業~ベンチャー企業まで計1,000社近くの支援を経験し、現在は新規営業部門の責任者として従事。
- 名前
斎藤/新卒採用領域
この営業が携わった他の事例・記事を見る