ギグワークとは?意味や企業が知っておくべき活用メリットを解説
アルバイト採用
Uber Eatsの配達員などに代表される新しい自由な働き方、ギグワーク。日本では新型コロナウイルスの影響で近年拡大してきましたが、アメリカ・フィンランド・中国など海外では既に大きな市場ができ上がっています。
日本での拡大にともない「ギグワークは今なぜ普及しているのか」「ギグワークはほかの働き方とどう違うのか」など気になっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、
・ギグワークの意味やそのほかの働き方との違い
・ギグワークの仕事の種類
・企業がギグワークを活用するメリットと問題点
などを解説しますので、ぜひご覧ください。
目次
1.ギグワークとは?
まずはギグワークの意味やほかの働き方との違いなどをご紹介します。
1-1.ギグワークの意味
「ギグワーク」とは、ギグ(Gig)とワーク(Work)を組み合わせてできた言葉で、雇用関係を結ばない単発・短時間の働き方を指します。
ギグ(Gig)は音楽用語でライブハウスなどでのセッションのことを指すため「単発の」という意味で使われています。
また、ギグワークで働く人のことを「ギグワーカー」、ギグワークで形成される経済圏のことを「ギグエコノミー」と呼びます。
ギグワークの主な特徴は下記2つです。
・企業と労働者に雇用関係がない*こと
・ノルマや納品義務はなく、時間単位で契約すること
ギグワークでは主に、企業がギグワーカーに仕事を発注する業務委託の形をとっており、ギグワーカーは個人事業主にあたります。
ギグワーカーは、好きなタイミングで1〜3時間などの短い時間働くことができ、継続して同じ仕事をする必要がないため人間関係のストレスもなく、自由度の高い仕事として認知されています。
※厚生労働省「労働契約(契約の締結、労働条件の変更、解雇等)に関する法令・ルール」によると雇用関係がない場合、基本的に労働法の保護を受けることができません。
ただし「業務委託」や「請負」といった契約をしていても、その働き方の実態から「労働者」であると判断されれば、労働法の保護を受けることができます。
1-2.ギグワークとそのほかの働き方との違い
ギグワークと単発バイト、単発派遣、フリーランスの働き方の違いをご説明します。
単発のアルバイトや派遣との違い
ギグワークが単発アルバイトや単発派遣と異なる点は「雇用関係がないこと」や「拘束時間の決まりがないこと」です。
アルバイトは就職先企業、派遣は派遣元企業との雇用契約があります。
また、一般的に単発のアルバイトや派遣の拘束時間は「1日単位で企業が定める」形で、4~8時間程度である場合が多いです。
フリーランスとの違い
ギグワークがフリーランスと異なる点は「成果物ではなく勤務時間に責任を負うこと」です。
フリーランスは案件やプロジェクト単位で仕事を受けるため、成果物の納品にかける時間が長くても短くても、報酬は変わりません。
一方、ギグワークでは時間単位で仕事を受けるため、単純な行動ノルマのみが課されます。
また、フリーランスでは専門的なスキルが必要な場合が多いですが、ギグワークでは特に必要ないことが多いです。
2.ギグワークが普及している背景
ギグワークはテクノロジーの発達によりリアルタイムな情報共有が可能になったことで普及しました。
働きたいときにワンクリックで勤務開始ができるのは、スマートフォンの普及やシステムの連携が進んだためです。
最初にギグワークのビジネスを始めたのは、2008年頃にアメリカで誕生したUber(ウーバー※1)やTaskrabbit(タスクラビット※2)などのサービスだといわれています。
それらの巨大企業が中心となり、現在では日本を含めた世界各国でギグワークのサービスが誕生しています。
日本では先駆けて1999年に家事代行サービスの「ベアーズ」が創業、2000年には宅配サイト「出前館」がサービスを本格開始していますが、ギグワーカーではなくアルバイト・パートなどを雇用していました。
近年のギグワークの普及にともない、そういった日本企業もギグワーカーの活用を始めています。
※1自家用車の一般ドライバーがスマホアプリを通じて客を乗せ、移送するサービス
※2家事代行・引越し作業・家具組み立てなどのフリーランスの労働力と地元の需要をマッチングするサービス
3.ギグワークの種類と代表的な仕事
ギグワークの仕事を一覧でご紹介します。
以下にてそれぞれの詳細もご説明します。
3-1.代行業のギグワーク
代行業のギグワークには、料理、掃除、子守り・子どもの送迎、犬の散歩、場所取りなどさまざまな仕事があります。
代行業のギグワークはフリーランスに近い仕組みで、基本的には時給などをギグワーカー自身が設定し、サイトやアプリを通じて仕事を受けます。
家事代行のANYTIMES(エニタイムズ)や、CaSy(カジー)などのサイトが有名です。
3-2.運送業のギグワーク
運送業のギグワークにはフードデリバリー、貨物配送、個人タクシー、長距離輸送などの仕事があります。
運送業のギグワークは大手企業がおこなっていることが多く、有名なのはフードデリバリーのUberEatsや出前館などです。
ほかにも軽貨物配送のAmazon Flex(アマゾンフレックス)やPickGo®(ピックゴー)などのサービスもあります。
3-3.単純作業のギグワーク
単純作業のギグワークには、ポスティング、データ入力、引越し・組み立て、農作業、イベントサポートなどの仕事があります。
単純作業のギグワークはさまざまな求人が存在し、時給制だけでなく処理件数の目標が設定されていることもあります。
IKEA家具組立サービスをおこなっているANYTIMES(エニタイムズ)やココナラなどが比較的有名です。
3-4.スキル・専門知識が必要なギグワーク
スキルが必要なギグワークには記事ライティング、イラスト、写真・動画の撮影・編集、IT機器の設定、配線などの仕事があります。
専門知識が必要なギグワークには、翻訳・通訳、サイト制作、財務会計、カウンセリング、コンサルティングなどの仕事が代表的です。
このようなスキルや専門知識が必要な仕事はほぼギグワークではなくフリーランスの求人です。
勤務条件などによってギグワークと定義できる仕事もありますが、フリーランスとギグワークの違いが曖昧になっているケースも多いです。
ココナラやクラウドワークスなどのスキルマーケットやマッチングプラットフォームが有名です。
4.企業がギグワーカーを活用するメリット
企業はギグワーカーを活用することでさまざまなメリットがあります。
ここでは3つのメリットをご紹介します。
4-1.人手不足の解消
人手不足が深刻化している業界では、スポットでも働き手が欲しいというニーズがあります。
業務遂行にスキルを必要としないデリバリー・清掃・皿洗い・データ入力などは、そのようなニーズとマッチしてギグワークの導入が進んでいます。
また、採用後のミスマッチが多い職場でもギグワークが活用されています。
アルバイトを採用したもののすぐに辞めてしまった場合、書類選考や入社手続きなどの手間が無駄になってしまいます。
その点、ギグワークは手軽に働いてもらうことができ、職場が気に入ったら本選考に進んでもらうことも可能です。
4-2.人件費の削減
長期雇用を前提としたアルバイトやパート、派遣などの場合、仕事量の少ない時期でも雇用し続けなければいけません。
一方、ギグワークは繁忙期や忙しい時間帯などに短時間スポットで利用できるため、必要な分しか人件費がかかりません。
また、雇用関係にないため社会保険料や福利厚生などの諸費用もかからず、コストの削減に繋がります。
4-3.生産性の向上
ギグワークを活用するためには業務を細かく分類する必要があります。
業務を細かく分けることで、社内全体から最適な人材を効率的に配置できるようになります。
人材の配置が最適化されると、各々が得意な仕事をスピード感をもって進められるため、生産性向上につながる可能性が高いです。
5.ギグワークの問題点
メリットのある一方で、ギグワークによるギグワーカーや企業への問題点が生じています。
5-1.ギグワーカーへの不当な待遇
ギグワークは自由な働き方ができるとして拡大していますが、その反面で雇用関係がないため「労働法が適用されない」という点からさまざまな問題が発生しています。
労働法では最低賃金の保障や解雇規制、社会保険や労災保険の適用など労働者を守る法律が定められていますが、ギグワーカーはこれに当てはまらない可能性があります。
そのため、場合によっては最低賃金より低い時給で働いたり、勤務中の事故を自費で賄わなければいけないこともあります。
企業側の対策としては、ギグワーカーに対して不当に悪い待遇とならないよう、適正な報酬金額の設定やトラブルがあった際のサポートをするようにしましょう。
5-2.仕事のクオリティが人によって違う
ギグワークは基本的に対面ではなくインターネットを通じて仕事のやり取りをおこないます。
発注者とギグワーカーが顔を合わせないまま業務開始し、場合によってはそのまま終了します。
そのため、業務内容にもよりますが、ギグワーカーによって仕事のクオリティや作業量がばらつく傾向にあります。
ギグワーカーに仕事を依頼する際はできるだけマニュアル化し、誰にでもやりやすい形を心がけることがポイントです。
6.ギグワーカーを募集できるサービス
ギグワーカーを募集するサービスにはギグワーク・フリーランス専門で募集するサービスもあれば、アルバイトを募集するサービスもあります。
働く側はギグワークとアルバイト・パートの違いをそこまで重要視していないことが多いため、通常のアルバイト募集方法をとる企業も多いです。
ここでは、ギグワーカーを募集する際におすすめのアルバイト募集サービスを2つご紹介します。
6-1.マッハバイト
- 特徴
マッハバイトは求職者側に入社ボーナスの支給があるアルバイト求人サイトです。
フリーター・学生層からの応募が70%以上と若者からの圧倒的な支持を得ています。
料金は掲載課金型と成果報酬型の2種類があるので、個社ごとの状況に合わせた料金プランを選択できます。
6-2.バイトル
- 特徴
バイトルはTVCMや豊富なWebプロモーションにより高い知名度を誇ります。
SEO施策も抜群で高い集客力があり、年々応募数も増加しています。
時代に合わせスマホユーザビリティを強化しているため、10~20代の若手層を中心に多くのユーザーから高く支持されており、若年層の募集におすすめです。
また、バイトルではアルバイト・パート・派遣など以外にも、業務委託の求人を出すことが可能です。
ギグワークで有名な「出前館」もバイトルで求人を掲載していることから、若年層のギグワーカーの募集におすすめです。
7.まとめ
ギグワークの意味や具体的な仕事はご理解いただけたでしょうか。
デジタルへの移り変わりとともに働き方も急速に変化する時代です。
ギグワークは海外で流行していることもあり、今後さらに市場規模が拡大していくと予想されます。
「ギグワークを取り入れてみたい」「ギグワーカーの募集について話を聞きたい」などお考えの方は、ぜひ一度お問い合わせください。
元サービス業店長の経験を活かした提案
アルバイト採用事業部の立ち上げに従事した後、事業部長に就任。 原稿の作成・スカウトメール配信・面接率の向上・内定後フォローなど幅広い知識で対応いたします。 プライベートでは2児のパパとして子育てに奮闘しています!
- 名前
小林/アルバイト領域
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