新入社員研修の料金・相場を比較|研修会社の特徴もご紹介
採用ノウハウ総合
企業にとって新入社員の教育は欠かせないため、ほとんどの企業で実施されています。
<この記事で紹介する3つのポイント>
- 新入社員研修の実施内容や目的
- 費用や相場
- 研修会社の比較
目次
1.新入社員研修が注目される理由
産労総合研究所による教育研修費用の実態調査※では、2021年度の新入社員研修を実施した企業は95.8%と多く、ほとんどの企業が新入社員研修をおこなっています。
その後コロナ禍の影響で対面での研修が難しくなり、新入社員研修をおこなう企業は減りましたが、オンライン研修を取り入れたり1人当たりにかける研修費用を下げたりと各企業が対策をおこなっていました。
コロナ禍が明けた2023年度は、研修費用総額を増加見込みと答える企業は62.8%と、ここ10年ほどで最も高い増加傾向となりました。
増加見込みの理由は、「コロナ禍が落ち着いたことで研修全体の見直しを検討しているため」「コロナ禍で中断していた研修を再開するため」「経営方針として人材育成に力をいれるとしているため」「キャリア教育やデジタル教育、リスキリング関連の教育を新設・強化するため」といった声が多く上がりました。
実施する研修の中でも最も多かったのは新入社員研修です。最近では「DX・デジタル教育」や「メンタルヘルス・ハラスメント教育」をおこなう企業も増えているようです。
※参考:産労総合研究所2021年度 教育研修費用の実態調査
※参考:産労総合研究所2023年度 教育研修費用の実態調査
1-1.なぜ新入社員研修が必要なのか
新入社員といっても、さまざまな定義があると思います。
今回ご紹介する新入社員の定義は、4月に入社する新入社員とし、なぜ新入社員研修が必要なのかをご紹介します。
新卒の新入社員にとって研修が必要な理由は以下になります。
学生から社会人として意識を変える
新入社員研修をおこなう上でもっとも重要なことが、学生から社会人になるために意識を変えることです。
ビジネスパーソンとして、仕事に対するスタンスや、お客様や企業・社会に価値提提供をするという意識が必要となります。
その意識を持ってもらう場が、新入社員研修だといわれています。
学生という立場から、社会人になる重要なタイミングだからこそ、しっかりと計画を立てて研修をおこなう企業が多いのです。
最低限の必要なスキルを習得する
業界・職種問わず、知識や技術は必要です。
その知識や技術をスピーディに教えることができる場が、新入社員研修だと思っています。
しかし、新入社員が即戦力になれるような、しっかりとした研修カリキュラムを組めている企業は多くありません。
とはいえ専門的な知識やスキルではなく、通常業務で必要となる最低限のビジネススキルを身につける機会として新入社員研修が取り入れられています。
社会人として学ぶ方法と習慣を身につける
個人の成長が企業の成長となるため、新人が成長してくれることこそが、企業にとってプラスになります。
しかし学生時代とは環境が変わり、社会人は自ら勉強する方法を身につけることが求められます。
新入社員研修では「どのように勉強するのか」という方法を身に付けることができるため重要視されています。
1-2.新入社員研修のメリット・デメリット
研修委託会社に新入社員研修を委託する場合、社内研修同様にメリット・デメリットがあります。
それぞれのポイントをまとめてみました。
メリット
専門的な知識をもった講師から学べる
研修委託会社の講師は、効果を上げやすい研修のノウハウを持っています。
ビジネスマナーやPCスキルなどについても、研修サービス会社は専門のノウハウを蓄積しているため、効果を感じられやすい点はメリットです。
また研修を受けることで、新たな気付きを得られることもあり、そういった点は受講者にとっても運営側にとっても刺激になるでしょう。
研修準備にかかる時間や工数を削減できる
社内で新入社員研修をおこなおうとすると、内容などを1から考えなければならないため非常に時間と工数がかかります。
また、従業員にとって効果を実感できるようなものにしようとすると、現場の意見なども参考にしていく必要が出たりとさらに工数がかかる可能性があります。
そのため、外部委託する企業が多くなっています。
デメリット
費用がかかる
社内で研修をおこなうのとは違い、外部研修は講師に来てもらう場合や講習を受けに行く場合など、さまざまなパターンで費用が変わります。
特に予算の少ない企業にとっては重要なこととはいえ、研修に予算を多く使うのは負担になる可能性があります。
内容が自社の社風に合うか分からない
外部研修の場合、マニュアルに沿った研修内容をおこなうことが多いため、どうしても自社の目的にズレが生じてしまうことがあります。
当日研修を担当する講師によって結果が変わることもあるため、全てを委託会社に任せるのではなく、一緒に考えていくことが重要です。
ズレを無くすためにも、パッケージ化した研修ではなく、内容をカスタマイズできる会社を選ぶこともおすすめします。
助成金を活用した研修がおすすめ!
費用がかかることがネックとなり、研修を実施できていない場合は助成金を活用した研修がおすすめです。
研修会社によっては、申請までフォローしてもらえる場合があります。
2.新入社員研修の種類
新入社員研修を実際に検討する際に種類や相場、選ぶ際のポイントや注意点などをご紹介します。
自社の課題に合った会社選びをするためにも、まずは自社の状態を把握することが重要です。
2-1.新入社員研修の作成のポイント
新入社員研修は中途入社研修とは異なり、基本的な内容を教えるものです。
新入社員は、社会人として働いた経験がないことがほとんどです。
そのため、何かを集中して学ぶというよりは、複数の事を網羅的に教えることが重要です。
内容としては、社会人として必要となるビジネスマナーや基本的なPCスキルなどがメインです。
まずは社会人になったという自覚を持てるように、研修を通じて新入社員の意識を変えていくことをおすすめします。
新入社員のレベルを把握する
最も重要なポイントは、新入社員のスキルレベルをしっかりと把握することです。
ビジネススキルは共通で身に付ける必要がありますが、PCスキルや語学力などは個人差があります。
ここで誤って把握をしてしまうと、せっかくの研修も意味のないものになる可能性があります。
業務に必要なスキルを洗い出す
新入社員にどのようなスキルを身につけてもらうことが、会社にとって良いのかを考え優先順位までつけることをおすすめします。
また人事だけの考えでは偏った内容になってしまう可能性があるため、経営陣や現場の社員にヒアリングをおこない具体化することが重要です。
同時に明確に目標を決めていきましょう。
研修に使える時間を考える
新入社員研修の期間は1日のものもあれば、1週間、数ヶ月など企業によってさまざまです。
研修がおろそかにならないためにも、業務の繁忙期・閑散期や他の社内行事の日程との関係などを考慮し、適切な研修期間を確認しましょう。
具体的なカリキュラム、スケジュールを考える
新入社員研修を効果的なものにするために重要なのが、何をどのタイミングで教えるかです。
自社に必要な研修内容や期間が決まったら、より具体的なカリキュラムを作成することをおすすめします。
- 新入社員研修でよく導入される7つの研修
- ●Off-JT
●グループワーク
●レクリエーション
●ロールプレイ
●ケーススタディー
●配属先でのOJT
●研修実施にむけたアナウンスと振り返り
新入社員研修は、研修内容を振り返ることが重要です。
1日の終わりや研修期間が終わるときなどに、振り返りの時間を設け、アンケートを作成してもらいましょう。
すぐに効果として見えてこない研修だからこそ、振り返りの時間に受講者にアンケートを取ることで、次回の新入社員研修の改善につながります。
2-2.一般的な新入社員研修例
企業の理念やビジョンを伝える
新入社員研修で必要なことは、自社をよく理解してもらうことです。
研修を通じて、企業の理念やビジョンを伝えることで、新入社員は自分の役割を認識し、働く意欲が高まります。
研修開始の段階で、企業の理念やビジョンに共感してもらうことで、新入社員の早期離職防止も期待できます。
企業の理念やビジョンは経営層から
新卒採用・中途採用関係なく、研修の最初に必ず企業の理念や価値観を伝えることをおすすめします。
この場合、一定以上の役職者・経営陣から話すことが効果的です。
ビジネスマナーを教える
ビジネスマナーを教える際は、ロールプレイをおこなうのが効果的!
社会人としてビジネスマナーは最低限必要です。
新入社員はビジネスマナーを学生時代に使ってこなかった人が多いため、正確に理解していないケースがほとんどです。
お辞儀の仕方や言葉遣い、電話応対、名刺交換といったビジネスマナーの基本を教える必要があります。
PCスキルを教える
PCスキルを教える際は、OJTで確認しながら説明をするのが効果的!
社会人になるとPCを使って仕事をすることがほとんどです。
そのため、一定水準でPCスキルを身につける必要があります。
しかしPCスキルは個人差が大きいため、事前に受講者のレベルを把握しておくことが重要です。
コミュニケーションの取り方を教える
コミュニケーションの取り方を教えるには、グループワークが効果的!
新入社員の場合、上司や顧客など年齢や立場の違う相手とコミュニケーションを取ることに慣れていないケースがあります。
そのため、「報・連・相」の仕方や相手の立場を考えた発言の仕方など、社会人として求められるコミュニケーションの取り方を教える必要があります。
2‐3.職種別の新入社員研修例
さまざまな職種で研修カリキュラムが組まれていることがありますが、その中でも特に多くの企業で実施されている、営業職とITエンジニアの研修についてご紹介します。
営業職
営業職に求められる能力は、自社の商品・サービスを顧客に提案・販売して売上を上げることです。
顧客との対話を通じて課題を聞き出し、商品・サービスを売り込みます。
そのため、新入社員研修では商品・サービス理解に加えて、プレゼンテーションスキルやヒアリング力を教える必要があります。
また、顧客対応の基本となるビジネスマナーの習得は必須といえます。
助成金の活用でコストを抑えることもできますので、営業職の新入社員研修としてビジネスマナー研修の導入を検討してみてください。
ビジネスマナー研修のほか、営業職ではロールプレイングとOJTを組み合わせた研修の実施が効果的です。
テレアポなどがある会社はテレアポ研修も実践方式でおこなうことをおすすめします。
ITエンジニア
エンジニアに求められる能力は、技術を用いてシステムなどを作り出すことです。
期日内での納品や顧客の重要情報の管理が必要な職種です。
そのため、新入社員研修では技術理解に加えて、タイムマネジメントや情報セキュリティなどを教える必要があります。
座学とOJTを組み合わせて、教えるのが効果的です。
3.新入社員研修の費用・料金相場
社員研修の料金というのは本当に各社さまざまです。
受講する人数や研修期間、カリキュラムが多様でパッケージ化されている研修会社と、企業ごとに必要な研修カリキュラムをカスタマイズする会社とは費用が異なります。
一般的な研修会社に委託した場合、基本的なビジネススキルの研修の相場は以下の通りです。
新入社員研修の相場費用は基本的なビジネススキル数時間の研修で約3~10万円です。
助成金の活用でコストを抑えることもできます。
また、ビジネススキル研修にプログラミング研修の追加で合計85時間(8時間×11日間)30万円/人〜など、研修プランによって費用相場は変わります。
助成率は最大で受講料総額の45%です。
上記はあくまでも相場です。
依頼する講師や研修会社によって料金システムが大きく異なりますので、料金に関しては各社の見積もり情報を入手して比較検討することをおすすめします。
4.研修会社4社の特徴・料金比較
研修委託会社もさまざまで、それぞれの特徴や強みがあります。各社サービスや料金を比較してみましたので、ぜひ参考にしてください。
ネオキャリア | Schoo | インソース | リクルート | |
料金/人 | 20,000円~ | 1,500円~ | 要問い合せ | 15,000円~ |
カスタマイズ | ● | × | × | × |
最低受講人数 | 指定なし | 1ID~ | 要問い合せ | 要問い合わせ |
無料セミナー | ● | ● | ● | ● |
対象企業 | ベンチャー・中小 | ベンチャー・中小・大手 | 中小・大手 | 大手 |
※料金は人数は期間によって異なりますので、詳細は各社お問い合わせください。
特徴・強み | カリキュラムをフルカスタマイズ/採用から研修まで一貫したサービス |
料金 | 2万円~/人 費用はカリキュラム内容や人数・期間によって、異なります。 |
運営助成金活用・申請 |
研修だけでなく手厚い助成金申請サポート |
運営 | 株式会社ネオキャリア |
4-2.Schooオンライン研修サービス
特徴・強み | コロナ以前よりオンラインの研修に特化した、“国内最大級”のオンライン研修サービス 業界の第一線で活躍しているプロフェッショナルたちが「先生」として登壇 |
料金 | 業界最安値クラス1,500円/ID~ |
運営助成金活用・申請 | 要問合せ |
運営 | 株式会社Schoo |
特徴・強み | 25,000社以上の実績/さまざまな課題に合わせて2,000種類以上のカリキュラム |
料金 | 要問合せ |
運営助成金活用・申請 | 助成金申請手続き等のサポートあり |
運営 | 株式会社インソース |
4-4.リクルートマネジメントスクール
特徴・強み | アンケート調査をもとに研修を作成/大手実績多数 |
料金 | 1.5万円~/人 費用は研修内容や人数・期間によって、異なります。 |
運営助成金活用・申請 | 要問合せ |
運営 | 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ |
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
新入社員が早期に成長し、即戦力となって活躍してもらうためには外部研修で基礎を学ぶのも一つの方法としておすすめです。
費用が不安な企業様は助成金の活用でコストを抑えることもできるので、参考にしてみてください。
誰もが働きやすい社会を目指して
研修事業責任者として従事しています。育児中の女性や高齢者が働きやすい環境、労働者が仕事にやりがいを感じられる環境を構築していくことで、日本を元気にしたいと考えています。
- 名前
小林/研修領域
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