外国人留学生の研修会社5選│留学生受け入れのポイントと各社特徴をご紹介
外国人採用

近年日本ではグローバル化が進み、在留する外国人の数も増えています。また、売り手市場で日本人の採用が難しくなっているため、比較的日本への在留が長い外国人留学生の受け入れを考える企業も増えてきました。
しかし、外国人留学生を採用するにあたり不安なことは語学力と教育・研修の点ではないでしょうか?
本記事では、
・外国人留学生の採用状況
・外国人留学生の採用受け入れのポイント
・外国人採用サービスを行う企業5選
についてご紹介します。
1.外国人留学生の採用状況
外国人留学生の数が増えている中で、日本企業の外国人留学生採用状況はどのように変化しているのでしょうか?
また、なぜ外国人留学生の採用が増えているのか、数年の変化を調べてみました。
1-1.外国人留学生の採用が増えている背景
日本は、少子高齢化により人手不足であり、有効求人倍率も高水準で推移しています。
日本人の採用では人手不足が解消できないこともあり、外国人の採用が注目されるようになりました。
最近では、飲食店やコンビニエンスストアで外国人店員を見る機会が多く、働き手としての存在感が年々と高まっています。
また、2019年4月より、新・在留資格である「特定技能」が新設されたことも大きな要因としてあげられます。
特定技能は建設業界、外食産業、宿泊業など14業種が対象業種となっており、今まで単純労働における外国人雇用を禁止していたものが、解禁することになったことも要因となります。
1-2.外国人留学生数の現状
引用:JASSO令和4年度外国人留学生在籍状況調査結果
JASSOのおこなった調査によると、令和4年5月1日時点の外国人留学生は221,146人※となっています。
そのうち、約13万人が大学に在籍しています。国別の数を見てみると、中国人がもっとも多く、次にベトナム・ネパール・韓国となっています。
2020年から2022年にかけては、コロナ禍の影響により外国人留学生の受け入れそのものが減少していますが、その後は再び外国人留学生の数が増えています。
参考:JASSO令和4年度外国人留学生在籍状況調査結果
1-3.外国人留学生の採用理由
外国人留学生を日本企業が採用する理由はいくつかあります。
たとえばどのような理由があるのかご紹介します。
人手不足の解消や若手労働力確保
日本企業の多くが人手不足を解消するために、外国人留学生の採用を実施、または検討しています。
現在の採用活動において企業が求人を掲載しても日本人の応募が少なく、いつまでたっても人手不足の解消ができないのです。
そのため、結果的に外国人留学生が採用され活躍しているというケースも多くなっています。
特に採用が難しいといわれている業種・職種での雇用が進んでいます。
具体的には、在留資格「特定技能」対象とする業界や、コンビニエンスストアなど販売職、アルバイトなどの非正規雇用でまかなわれているような職種での採用となっています。
優秀な人材の確保
少子高齢化が進み、日本国内の優秀人材の母数も減少傾向にあり、国籍問わず優秀な人材を企業として受け入れていく動きが見受けられます。
とくにエンジニアやデザイナーなどの職種は、外国人の優秀な人材の採用が進んでいます。
優秀な人材確保を目的とした採用については、今後外国人労働者に日本人の採用が奪われる可能性もあるかもしれません。
アウトバウンド対策
まだまだ理由としては少ないですが、日本企業が海外進出を成功させる重要な要素として、外国人留学生の採用を実施している企業もあります。
現地の言語や習慣などがわかることで、日本と現地を繋ぐブリッジ人材として重宝され、日本企業に雇用されています。
海外営業職やマーケティング職などが該当し、日本企業のグローバル化が進む限り海外進出対応の外国人雇用は増加するでしょう。
1-4.外国人留学生採用の課題
外国人留学生の採用がさまざまな理由で今後も増加すると予測できます。
しかし、採用する企業には課題が多くあります。
どのようなことが課題としてあげられているのかを調べてみました。
引用:株式会社ディスコ「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する調査」 (2022年12 月調査).pdf
株式会社ディスコによる、外国人留学生・高度外国人材の採用に関する企業調査によると、社内の受け入れ体制や外国人の語学力などが課題としてあげられることが多いようです。
外国人留学生の語学力の向上に加え、企業文化を理解し留学生が社内に馴染める環境を作るために、企業努力が今後必要となります。
企業による具体的な声
社内であれば英語が比較的できる人もいるが、日本企業とも取引が多く、上手くコミュニケーションを取れないことがネックになっている。
お客さんの対応が日本語でないと厳しい現状がある。


- 受け入れ体制は?
- 社内の受入れ体制が整っておらず配属部署が限定されてしまう。
- 今後はさまざまな部署で外国人社員が活躍できるように研修を導入したりすることで環境を整えていきたい。
1-5.外国人留学生雇用のために導入したい人事制度
グローバル人事制度の導入
グローバル人事制度とは
海外事業を展開する企業がグローバル連結ベースでの業績、成果を最大化することを目的に導入する人材マネジメントの取り組みです。
本社、エリア、現地がそれぞれの役割や人事機能を明確にし、国境を越えた人材の登用、交流、育成、処遇などのしくみを構築することが求められます。
引用:日本の人事部
課題とされる語学や文化の違いに対し、風土も国民性も異なる各地の拠点に対して、グローバル人事制度を導入することが注目されています。
社員の行動や思考を自社の経営理念に統合するための明確な指針が必要になるでしょう。
グローバル人事の先進企業といわれるトヨタやオムロンでは、この行動指針を“ウェイ”と表現し、それぞれ「トヨタウェイ」「オムロンウェイ」として、世界中の社員に周知徹底させています。
グローバルな基準を設け、役割や成果を公正に評価する制度を導入することが、今後外国人採用を加速させる日本の企業に求めれるでしょう。
2.外国人留学生採用受け入れにあたってのポイント
外国人留学生の受け入れ採用が拡大することで、さまざまな課題があることも事実です。
そこで外国人留学生の採用をご検討される企業向けに、受け入れにあたってのポイントをカテゴリーごとにご説明します。
2‐1.外国人留学生の募集・採用時の受け入れポイント
外国人留学生の参加する就活イベントや、登録の多い留学生紹介なども含めて採用機会を積極的に活用
引用:株式会社ディスコ「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する調査」 (2022年12 月調査).pdf
外国人留学生を採用するためには、
・自社ホームページによる告知
・大学等との連携
・合同説明会や就活フェアへの参加
・紹介サービスの活用
といったように、多種多様な方法があります。
外国人留学生を受け入れる場合、「専門的な知識や高度な技術を有すること」「英語が堪能であること」「日本語能力N1レベル」など条件を明確化しましょう。
その条件に合わせて効果的な方法を選択していくことが重要です。
募集・採用段階で職務内容やキャリアプランを明示することが重要
外国人留学生の採用において、職種別採用やジョブ・ディスクリプションなどを活用して、職務内容、自社が期待する役割、キャリアプランなどを事前に明示しておくことが重要です。
ミスマッチによる入社後の早期離職やモチベーション低下の防止につながり、外国人と上手く協働しやすい就労環境の整備につながっていきます。
ジョブディスクリプションとは?
日本語でいう「職務記述書」のことを指します。
担当する業務内容や範囲、難易度、必要なスキルなどがまとめられた書類で、欧米では求職時や人事評価の際によく使用されています。
日本企業で用いられることはあまりありませんでしたが、外国人を採用する際に必要となることから、近年重要視されるようになりました。
参考:カオナビ
2-2.配置・評価時についてのポイント
外国人留学生を受け入れる際、どのような評価をおこなえばよいでしょうか。
外国人留学生にも公正な能力評価をおこなうことが重要
日本で就労する外国人社員の多くは、能力評価が不透明であることに不満に感じていることがあります。
自分自身が企業にどのように評価され、何を期待されているのか等について、外国人社員は日本人社員と同等以上に関心を示す傾向にあります。
不透明な能力評価は、外国人社員の早期離職やモチベーションの低下につながることが懸念されるため、外国人社員も納得できる公正な能力評価を構築していくことが重要です。
事例:日本語のお登用試験に合格した外国人社員の中から現場の責任者を抜擢
十分な日本語能力を有する外国人社員の中から現場の責任者を抜擢し、日本人社員と外国人社員の架け橋となるキーマンとして活躍してもらっています。
結果として、抜擢された者は、後輩外国人社員の良き模範となり、また、良き模範になろうと行動してくれるので、現場に活気が生まれ、人材育成にもつながっています。
引用:厚生労働省外国人の活用好事例集~外国人と上手く協働していくために~.pdf
2-3.職場環境についてのポイント
気軽に悩み事などを相談できるメンター制度などを適用
異国の地で就労する場合、職場で日本人以上にストレスを感じ、さまざまな悩み事が生じがちです。
そこで、職場の上司とは別に、指導・相談役となる先輩社員が新入社員をサポートするメンター制度を導入することをおすすめします。
可能であれば、同国出身者で相談できるサポート役を配置するなど、気軽に悩み事などを相談できる職場環境を整備していくことが重要です。
母国の風習を勘案して柔軟な休暇制度を用意することが有用
日本とは異なる風習が外国にはあります。例えば、日本の風習では、正月に日本人社員の多くが長期休暇を取得します。
外国人社員の母国で異なる期間に新年を祝う風習がある場合には、日本の正月における長期休暇は、外国人社員にとっては必ずしも有用であるとは言えません。
外国人社員が母国の風習に合わせて長期休暇を取得できるように工夫すれば、仕事のモチベーションを高めることにつながっていくことが期待されます。
柔軟な対応こそ、定着率のカギとなります。
2-4.教育・育成時についてのポイント
社内全体の語学力を向上させることで相互理解を図る
社員同士で円滑なコミュニケーションを促進するための手法は、外国人社員の語学力の向上のみに留まりません。
外部講師の活用などにより、日本人社員の語学力を向上させることもその手法のひとつであり、日本人社員が外国人社員に歩み寄っていく姿勢を意識することがおすすめです。
スキルアップの研修制度の導入や資格取得の推奨
優秀な外国人留学生であっても、自社の業務を覚えてもらうために研修制度をおすすめします。
特に外国人採用の実績が少ない企業においては、外部の研修会社に任せることで効果的な研修を受けることができます。
また業務に必要な資格取得などを推奨し、会社としてサポートしてあげるのも良いでしょう。
資格を取得することで業務の幅が広がり、評価されることはモチベーションアップにも繋がります。
おすすめの研修内容
研修会社により外国人向けの研修カリキュラムはさまざまですが、下記のような項目が特におすすめです。
項目 | カリキュラム内容 | 対象者 |
語学編 | eラーニングなどを活用した研修。 | 日本語能力の低い留学生 |
基礎編 | 日本でのビジネス研修。いち早く日本の組織に馴染み、 | これから日本で働く、 または働き始めたばかり の外国人の方 |
受け入れ側の研修 | 外国人社員を受け入れる側が外国人社員の不安を彼らの立場になって理解し、外国人社員の出身国の特徴や背景にも注意を向ける研修。 | 外国人を受け入れる 日本企業の社員の方 |
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3.外国人留学生向け研修サービスを実施する会社
外国人留学生に長く働いてもらうために重要なことは、社内の受け入れ体制や研修であることがわかります。
では具体的に外国人留学生に研修を実施している会社はどのような会社があるのでしょうか。
各社の強みとあわせてご紹介します。
3-1.株式会社ネオキャリア
特徴 | カリキュラムを0からカスタマイズしてくれるため、自社の課題にあわせた研修を実施 |
運営会社 | 株式会社ネオキャリア |
3-2.株式会社インソース
特徴 | 日本文化や習慣などを理解してもらうための研修を実践形式で実施 |
運営会社 | 株式会社インソース |
3-3.株式会社アイシーエル
特徴 | 挨拶の仕方などから行動パターンや考え方を理解する方法など。外国人が就業しやすい環境創りのサポート |
運営会社 |
3-4.株式会社ノーザンライツ
特徴 | インドネシアの生徒や学生に対して日本語の勉強や企業就労に必要不可欠となるビジネススキル・マナー教育を実施 |
運営会社 |
3-5.アクティブ・コネクター株式会社
特徴 | 外国人エンジニアの研修に強みあり |
運営会社 |
4.まとめ
コロナ禍の影響で一時期外国人留学生受け入れが減少しましたが、世界的に行動緩和がされてきたこともあり、今後は増えてくることが予測されます。
その中で、日本人採用に苦戦されている企業は、比較的日本文化に馴染んでいる外国人留学生の受け入れから始めてみることをおすすめします。
ただし、採用した外国人留学生がすぐに辞めてしまうのはもっていないため、長く働ける環境を作るためにも研修制度もぜひ検討してみてください。

グローバル人材の活躍から多様な働き方を実現
2013年新卒でネオキャリアに入社後、IT業界での営業を経験しマレーシア拠点へ赴任。海外にて営業マネージャーとして勤務。現在は国内海外事業部にて営業と企画業務などに携わる。2016年から外国人採用に精通しており、日本における外国人採用のトレンド、市況感など幅広くご説明・ご提案可能です!
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井手口/外国人採用領域
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