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2024年|農業業界の動向・仕事内容・売上高ランキングをご紹介

「農業業界に興味があるけど具体的にどのような仕事をしているの?」 「農業業界の動向が知りたい」 「農業業界の売上高ランキングが知りたい」 農業業界への転職を検討する中でこのような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、農業業界の仕事内容や現状の課題、今後の動向、農業業界の売上高ランキングをご紹介していきますので、農業業界への転職先企業を考える際の参考にしてみてください。 この記事のまとめ 農業業界とは、野菜・果物・畜産物・酪農といった農業に携わる業務全般を行っている業界のことである。 農業業界の現状の課題は、「農業従事者の高齢化と後継者不在」「国内食料自給率が低い」ことである。 農業業界はスマート農業化が進み、企業が農業に参入するなど、成長が見込まれる。また海外への販売拡大にも力を入れている。 農業業界の売上高ランキングでは、1位クボタ、2位ヤンマーホールディングス、3位住友化学である。 農業業界とは? まずは、農業業界とはどのような業界なのかを理解しておきましょう。 農業業界とは、野菜・果物・畜産物・酪農といった農業に携わる業務全般を行っている業界のことをいいます。 一般的にイメージすることの多い、野菜や果物を栽培して販売するといった業務ももちろん農業業界の業務の一つですが、それ以外にも、酪農・肉牛・養豚・養鶏などの畜産業、トラクターなどの農機を扱う農業資材業、穀物の種子や肥料を扱う種苗業、それらの流通・販売を行う農業関連ビジネスなども農業業界に含まれます。 農業業界の仕事内容 業務内容が幅広い農業業界ですが、ここでは、具体的な仕事内容についてお伝えしていきましょう。 農業業界の仕事は「耕種農業」「畜産農業」「アグリビジネス」の3つに分類されています。 耕種農業 耕種農業とは、野菜や果物、穀物などを実際に栽培する事業のことをいいます。きのこ類やなたね、茶葉や葉タバコなどの工芸農作物、飼肥料用作物の栽培も耕種農業の一種です。 耕種農業での仕事内容は6つに分類できます。 稲作 お米を生産するためのイネの栽培などを行う。日本の多くが水田で栽培する水田稲作だが、畑で栽培する陸稲も存在する。苗づくりや水田、稲穂の管理など、季節や天候を加味した細かい配慮が必要。 畑作 畑で穀物・イモ類・豆類などの農作物を栽培する仕事。農作物に合わせた畑の形状や土壌養分を調整、管理する細やかさが必要。農業機械の普及・進化に伴い、効率的でスケールの大きい作業が可能。 果樹 果樹は、旬の果物を季節ごとに栽培して販売する仕事。水分や肥料を細やかに調節して害虫などから守る必要がある。産地ごとに果物をブランド化し、収穫した果物を加工して商品化する「6次産業化」に力を入れている場合もある。 露地野菜生産 ビニールハウスなどを使用せずに野外の畑で野菜の栽培を行う。ビニールハウス栽培よりもコストが低く抑えられ、規模を拡大することが比較的安易。ただし、日中と夜間の寒暖差や風雨にさらされるため栽培できる野菜が限られる他、害虫や天候から受ける影響のリスクが大きいため臨機応変かつ細やかな対応が必要。 施設野菜生産 ビニールハウスやガラス温室などの施設内で作物の栽培を行う。季節に関わらず年間を通して作物を栽培でき、天候や害虫のリスクが低い点が特徴。気温・光量・土壌水分などの環境をコントロールすることで、一年中高品質な作物を消費者に届けることが可能。 花|観葉 季節に合わせた花を育成しピークに合わせて開花させ販売する仕事。花の育成も農業の一種である。花の種類は切り花、鉢物、球根、花壇用苗物の4つに分かれ、品質によって価格が大きく変わるため、品質保持のために細心の注意を払う必要がある。 種苗 メーカー・卸・小売店の3つの形態に分かれており、種苗メーカーは病気に強く栽培しやすい品種を作るための研究・開発業務を担う。卸・小売店を通じて農家や一般家庭に種苗を販売・提供する。 主な企業 ■お米関連 ・神棚ホールディングス ・全農パールライス ■食品栽培関連 ・ホクト ・雪国まいたけ ■種苗 ・サカタのタネ ・ベルグアース ・カネコ種苗 畜産農業 畜産農業とは、牛・豚・鶏などの家畜の飼育、肥育、ふ卵を行う事業のことをいいます。養蚕や養蜂、毛皮獣・実験用動物の飼育なども地産農業に含まれます。米や野菜、果物よりも生産額が多く、国内最大の1次産業といえるでしょう。 ここでは主な畜産農業の仕事を4つご紹介します。 酪農 牛やヤギなどを飼育し、ミルクや乳製品を生産する仕事。国内では牛の飼育を通した酪農が一般的。数十頭の牛を飼う個人牧場から数千頭を管理する法人牧場まで企業規模は様々である。観光施設として牧場を開放し、バターやチーズ、アイスクリームなどを販売するなど「6次産業化」を行うケースもある。 肉牛生産 食肉用に牛を飼育する仕事。個体の体調や生育段階に沿った肥料の配合が重要。牧草を飼料とする場合には、大型トラクターなどを使用した牧草の収穫も行う。 養豚 食用となる肉豚や種豚となる豚を生産する仕事。養豚業界は品種改良によっておいしさを追求した「三元豚」など、ブランド豚に力を入れている。 養鶏 卵の生産及び食肉用に鶏を飼育する仕事。国内の養鶏は一般的に数万~数十万羽の鶏をケージの中で飼育する方法が主流。地鶏の生産においては広い敷地内で放し飼いにするなど、できるだけ鶏がストレスを感じずに育つ環境を用意しているケースもある。 主な企業 ■畜産関連 ・アクシーズ ・秋川牧園 アグリビジネス アグリビジネスとは、農業(アグリカルチャー)と事業(ビジネス)を掛け合わせた造語で、農業関連ビジネス全般を指します。具体的には、トラクターなどの農機を取り扱う農業資材会社、種苗メーカー、流通・販売を担う企業などが該当し、耕種農業や畜産農業に従事する生産者をサポートする仕事や、生産者と消費者の橋渡しとなる流通・販売の役割を担っています。 農業資材 農業生産に必要な道具・資材・農薬・肥料などを提供・販売する仕事。メーカーや商社などの法人格が一般的。 農業機械 重労働な作業を機械によって効率化させることが主な仕事。コンバインやトラクターなど従来型の農業機械以外にもドローンやIT機器を提供することも農業機械に該当する。 主な企業 ■農業資材(農薬) ・住友化学 ・日産化学 ・日本曹達 ■農業資材(飼料) ・フィールドワン ・中部飼料 ・日本農産工業 ■農機関連 ・クボタ ・ヤンマーホールディングス ・井関農機 農業業界の現状と今後の動向 農業業界の現状と今後の動向についてお伝えしていきましょう。 農業業界の現状 まずは農業業界の現状についてお伝えしていきます。 農業従事者の高齢化と後継者不在 ご存じの方も多いと思いますが、農業業界の一番の課題は農業従事者の担い手不足です。高齢化に伴い、農業従事者が減少しており、後継者不足も深刻です。 『農林水産省「食料・農業・農村をめぐる情勢の変化)」』によると5年以内に農業を引き継ぐ後継者を確保できている割合は全体の24.4%で、確保していない割合は71.1%と実に7割の農業事業者に後継者がいない実態が浮き彫りとなりました。 後継者不足は国内市場の縮小を意味するため、経営継承者の問題は日本の農業業界において非常に重要な課題です。 国内食料自給率が低い 日本の食料自給率が低いことについては以前から問題視されていましたが、近年急速な円安に伴い、輸入品の値段が上がり私達の生活にも少なからず影響を及ぼしつつあります。 このように、世界情勢が不安定な昨今、私達の食生活により一層の負荷がかかることも充分に考えられるため、早期に世界情勢の変化にも対応できる地盤作りが急務といえるでしょう。 『農林水産省「食料自給率の考え方」』によると、国内の食料自給率は、1965年以降低下し続け、2000年代に入って以降の自給率は横ばい傾向で約40%程度です。低い自給率を打破するため、2030年に食料自給率を45%まで増加させることを目標として動き出しています。 農業業界の動向 多くの課題がある農業業界ですが、日本の農業を支えるために様々な動きが見られています。 スマート農業 AIやドローンなどIT技術を活用し、より効率的かつ安定的に農作物を生産できる「スマート農業」の動きが盛んです。これにより、ムダなコストを省き、より品質の高い農作物の生産を実現が可能となります。 また、AIを駆使することで、熟練者の感覚に頼っていたノウハウの伝承を容易にし作業自体の負担の軽減もできるため、新たな農業従事者の確保に繋がる可能性もあり、スマート農業は日本の農業に必要不可欠な要素となるでしょう。 ベンチャー企業などがこの分野に積極的に参入しているなどこれらの分野が活性化することにより国内自給率が上がることも期待されています。 企業参入の増加 農業と聞くと個人で行うイメージが強い業界ですが、近年は大手企業を始め、多くの企業が農業分野へ参入しています。 『農林水産省「リース法人の農業参入の動向」』によると、農地を利用して農業経営を行うリース法人は2004年時点ではわずか10法人のみであったのに対し、2022年1月時点で4,204法人にまで増加しています。 企業の農業参入事例でいくと以下のような例があります。 ■トヨタ自動車 トヨタ生産方式を活用した農業IT管理ツールを基に農業参入 ■ワタミ 2002年に農業に参入。農場・牧場を展開し、6次産業化(農産物の生産~加工・流通・販売までを行う)を進める ■JTBグループ 日本の食と農業をと観光を結びつけることを目的に参入。日本食の海外販路の創出や販売サポートなどを実施。 大手企業を中心に多くの企業が農事業に参入しており、日本の農業を盛り上げていこうという気運が高いことが伺えます。 海外販路の拡大 『農林水産省「食料・農業・農村をめぐる情勢の変化)」』によると日本国内の農業総産出額が2020年に8.9兆円だったものが、人口減少や高齢化に伴い2050年には人口は20%減少する見込みが立っていることから国内市場規模は今後縮小傾向にあると試算しています。 一方で世界の農産物マーケットは、世界人口の増加が見込まれていることもあり、日本の農業の活路は世界の食市場を獲得していけるかどうかが、鍵を握ることとなるでしょう。 農業業界の売上高ランキング ここでは、農業業界の売上高ランキングをご紹介します。企業選びの参考にしてみてください。 順位 分野 企業名        売上高 1位 農機 クボタ 2兆6,787億円 2位 農機 ヤンマーホールディングス 1兆222億円 3位 農薬 住友化学 8,943億円 4位 飼料 フィールドワン 3,079億円 5位 飼料 中部飼料 2,434億円 6位 農薬 日産化学 2,280億円 7位 飼料 日清丸紅飼料 2,220億円 8位 飼料 日本農産工業 1,807億円 9位 農薬 日本曹達 1,728億円 10位 農機 井関農機 1,662億円 ※本ランキングは、東洋経済新報社「業界地図」に掲載されている農業業界の日系企業28社の有価証券報告書・決算短信・自社ホームページに掲載されている売上高情報をもとに作成 ※各社売上高は2024年3月時点において掲載されている最新情報を参照 ※各社有価証券報告書・決算短信:クボタ・ヤンマーホールディングス・住友化学・フィールド・ワン・中部飼料・日産化学・日清丸紅飼料・日本農産工業・日本曹鉄・井関農機 農業業界の1位は、クボタで2兆6,787万円、2位はヤンマーホールディングスで1兆222万円、3位が住友化学で8,943億円、4位はフィードワンで3,079億円、5位は中部飼料で2,434億円という結果となりました。 また、農機具・農薬・飼料の分野がTOP10を占めていることがわかります。特に上位の企業においては、海外への輸出などを手がけており、日本市場だけでなく海外の市場開拓が進んでいることが売上高を伸ばしている大きな要因といえます。 まとめ ここまで、農業業界についてお伝えしてきました。 農業業界は今後伸びていく可能性の高い業界の一つであることが理解できたのではないでしょうか。 一方で、農業業界の「企業探し」に苦慮している人も多いかもしれません。 前述のランキングで挙げた農機具・農薬・飼料の分野においては、メーカー企業も充実しているため、これらの分野で活躍したい人は比較的スムーズに企業選びができるでしょう。 農産物を手がけたい、スマート農業の分野に取り組みたいなどの場合には、現在多くの企業が農業分野に進出しているので、そのような企業を探していくこととなります。 昨今は新たに、農業に特化をした転職サイトなどもリリースされつつありますので、そのようなサイトを活用してみるのも一つです。 その他にも転職エージェントなど人材紹介サービスを活用すると手間暇をかけずに農業業界に関する転職情報を紹介してくれるため、利用してみても良いでしょう。 本記事が少しでも転職活動のお役に立てば幸いです。

2024.03.28

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2024年版|これから伸びる業界とは?見極めるポイントや衰退する業界もご紹介

転職活動を考えている人の中には、これから伸びる業界に就職したいと考えている人も多いのではないでしょうか。 本記事では、これから伸びる業界だけでなく、今後衰退する恐れのある業界についてもご紹介しています。 また、これらから伸びる業界であるかを見極めるためのポイントについても掲載していますので、業界選びの参考にしてみてください。 この記事のまとめ これから伸びる業界は「IT業界」「インターネット広告業界」「エンタメ業界」「電子部品・半導体業界」などである。 これから衰退する可能性がある業界は「テレビ業界」「金融業界」「士業業界」「出版業界」などである。 これから伸びる業界かどうかを見極める際には「AIに代替えされにくい業界か」「最新のITトレンドを採用しているか」「業界の市場規模が拡大しているか」といった点を確認する。 これから伸びる業界9選 まずは、これから伸びる可能性が高い業界を9つご紹介していきます。 IT業界 IT業界は伸びる可能性が高い業界の一つです。 DX化の推進に伴い、多種多様な業種・業界においてデジタル化が進んでいます。ITを必要とする業界も幅広く、金融、農業、広告、教育、医療など、多くの分野でITスキルが重宝されることでしょう。 『東京ハローワーク「職種別有効求人・求職者状況」』によるとIT関連職の有効求人倍率は2024年1月時点では2.91倍となっています。2022年1月時点では1.72倍、2023年1月時点では2.03倍となっていることから、コロナウィルスの影響が落ち着き社会活動が日常を取り戻し始めたことを背景にIT需要が拡大していることが伺えます。 また、コロナウィルスをきっかけに日本のIT化の遅れが顕著に現れたことから、日本政府としてもデジタル庁を立ち上げるなど、国をあげてIT化を進めていく方針を見せており、IT業界は日本国内において最も成長が見込める業界であるといっても良いでしょう。   POINT IT業界の中でも特に成長が見込める分野 IT業界の中でも特に成長が見込まれる分野は下記の通りです。 ・サーバーセキュリティ対策分野 IT化の促進に伴い、脆弱なITセキュリティを狙ったサイバー攻撃の被害件数は年々増加傾向にあり、日本国内からだけでなく、海外からの不正アクセスなども頻発しています。これに伴い、サイバー攻撃に対抗する「ホワイトハッカー」と呼ばれるエンジニアのニーズも拡大していく見込みです。 ・AIやVRなど最新技術を活用した分野 人工知能(AI)や拡張現実(VR)などの技術は世界的にも注目を集めており、様々な業界を巻き込みながら規模を拡大しています。 2022年11月にOpenAIがリリースしたチャットボット「chatGPT」も話題となるなど、今後もAIなど最新の技術を駆使したサービスはIT業界を牽引する可能性が高いです。 インターネット広告業界 インターネット広告とは、FacebookやInstagramなどのSNS、YoutubeやWebサイトといったインターネット内の媒体に掲載される広告のことを指し、動画広告やリスティング広告、アフィリエイト広告などの種類があります。 インターネット広告のメリットは一人ひとりのユーザーに合わせた広告を効果的に表示させることができる点です。その他にも、従来のテレビや雑誌・新聞などマスに対しての広告ではできなかった広告の効果測定も容易となり、効率的な広告配信が可能である点からもニーズが広がっています。 また、スマホの普及に伴い、テレビ離れも進み、テレビではなくYouTubeやその他のSNSを見る時間のほうが多くなりつつあります。 『電通「2023年 日本の広告費」』によると、インターネット広告費は毎年増加傾向にあり、2023年の出稿費は3兆3,300億円(前年比107.8%)です。 媒体別広告費の構成比率で見ると、新聞・雑誌・ラジオ・テレビといったマスコミ4媒体の広告費構成比率が31.7%に対し、インターネット広告の構成比率が45.5%であることからもインターネット広告業界は、今後の広告市場を牽引する存在へと成長しており、今後さらに伸びていくことが期待できるでしょう。 エンタメ業界 エンタメ業界とは、アニメ・ゲーム・映画・動画配信といった人を楽しませるコンテンツを提供する業界のことです。その中でもWebやITを駆使したエンタメ市場は今後も伸びる可能性が考えられます。 家庭用ゲームやモバイルゲームではインターネットを介してオンライン交流が可能となり、実際に会わずとも友人と遊べるようになりました。コロナ禍の巣ごもり需要も相まって業績を伸ばし、現在もその流れを受け継いでいます。 ライブや演劇などの観客動員型のエンタメ事業においても、新型コロナウィルス感染拡大を景気に、AR/VRなどの最先端の技術を用いた体験型のビジネスを展開したり、オンラインでのライブ配信を実施したりと新たな活路を見出し市場規模の拡大が進んでおり、今後も伸びていく可能性が高いでしょう。 電子部品・半導体業界 電子部品・半導体業界とは、パソコンやスマホ、テレビやその他家電製品など、現代社会の生活に欠かせない製品の元となる部品を製造している業界のことです。 コロナ禍の影響により供給が滞り、その後ウクライナショックによりウクライナやロシアに依存していた半導体生産に必要な原材料の供給が滞り、半導体の供給不足が続きました。2024年の現時点においては比較的流通も安定しつつありますが、今後も世界情勢の影響を注視しておく必要があります。 一方で、電子部品・半導体はIT化を支える大事な柱であることに変わりありません。昨今は電気自動車分野において需要が見込まれるなど、IT社会を支え続ける産業として、ITの成長と共に飛躍し続ける業界であるといえるでしょう。 農業業界 農業もこれから伸びる可能性が高い業界といえるでしょう。 日本国内の農業は、担い手の高齢化・担い手不足・耕作放棄地拡大・国内食料自給率の低下などが課題となっています。 これらの課題を解決するためAIやドローンなどのテクノロジーを用いたスマート農業化が加速しており、収穫から管理までをパソコン操作だけで行なえる未来は近いです。 農業のIT化は、担い手不足を解決するだけでなく、大量の農産物を効率的に生産することで国内食料需給率の低下を抑止できる可能性も秘めています。 「食」は我々の生活に欠かせないインフラの一つであるため、農業がなくなることは考えにくいです。IT企業などを中心に農業の活性化に向けた取り組みが広がっており、今後も新しいテクノロジーと融合していくことで成長が見込まれる業界であるといえるでしょう。 ドローン業界 ドローン業界は、ここ数年で急激な成長を遂げており様々な分野で商用化を実現させています。 『インプレス総合研究所「ドローンビジネス調査報告書」』によると、ドローン業界の市場規模は、2022年度は3,086億円でしたが、同年12月に有人地帯の上空を目視で監視できない状態で自立飛行させる「レベル4飛行」が解禁されたことを受け2028年度には9,000億円以上市場へと拡大していく見込みです。 ドローン活用分野は幅広く、農業、物流、土木・建築業などで多く活用されています。特に、太陽光パネルや送電線、高層建築物の設備など人力では危険が伴う点検分野での成長が著しいです。 現状の分野以外においても、アイデア次第で時代に革命を起こせる業界でもあり今後の成長が期待できる業界といえるでしょう。 ヘルスケア業界 ヘルスケア事業はこれから伸びる可能性のある事業です。 ヘルスケアとは、健康の維持や促進を目指す行為のことを指します。 2016年には、経済産業省が企業の健康経営の取り組みを推進するために「健康経営優良法人制度」を設けており、国内において健康に関する意識が高まりつつあります。健康管理を促すヘルスケアアプリが普及していることからも関心の高さが伺えます。 これに伴い、大手企業がヘルスケア事業に参入していますので、将来性が期待できるでしょう。 高齢者向けの業界 高齢者向けのビジネスを展開する業界も今後伸びる可能性があります。 ご存じの通り日本の高齢者人口の割合は年々増加しており、『総務省「統計からみた我が国の高齢者」』によると、総人口に占める65歳以上の高齢者人口の割合は29.1%であり、2040年には34.8%、2045年には36.3%になる予測です。そのため、今後も増え続ける高齢者向けサービスの市場は今後伸びていく可能性が充分に考えられるでしょう。 高齢者向けビジネスというと医療・介護・福祉での業務を想像する人も多いかと思いますが、それ以外にも、高齢者向けの食品、娯楽、交通などの産業も大きなマーケットになる可能性を秘めています。 宇宙開発業界 宇宙開発事業も今後の成長が期待できる業界の一つです。 『内閣府「宇宙戦略基金 今後の検討の方向性について」』によると、政府は、「宇宙分野の最先端技術の開発、技術実証、商業化を支援するためJAXAに総額1兆円規模の支援を実施する」と明記されています。支援を受けたJAXAはスタートアップをはじめとする民間企業や大学・国研へ委託・補助金を交付します。この仕組みにより、国を上げて、宇宙事業への研究開発力を強化していく方針です。 背景には、アメリカ・ロシア・中国・インドなど国際的な宇宙開発競争が激化しており、各国に引け劣らず、日本の技術力を各国に示したい狙いもあります。宇宙基本計画では2020年時点で4兆円だった市場規模を、2030年の早い段階で8兆円まで拡大していくことを目標としており、まさに国力を上げた戦いが繰り広げられています。 2024年1月20日、日本の無人探査機「SLIM」が世界で5カ国目となる月面着陸に成功し、誤差100メートル以内を目指す世界発の「ピンポイント着陸」に成功したことは記憶に新しいことでしょう。 今後も宇宙ビジネスは政府からのバックアップも寄与し成長していく産業であるといえます。 これから衰退する可能性がある業界4選 ここまでこれから伸びていく業界ついてお伝えしてきました。ここでは、今後衰退する可能性がある業界についてご紹介していきます。 テレビ業界 衰退する可能性のある業界の1つ目はテレビ業界です。 かつて、家庭内での娯楽といえば、テレビが一般的でした。しかしスマホの普及に伴い、YouTubeやSNS、動画配信サービスなど視聴できるコンテンツの種類も増え、テレビ一強の時代は風化しつつあります。 『ボストンコンサルティンググループ「第1回メディア消費者行動調査」』の1日あたりのチャネル別平均利用時間によると、10代・20代など若年層のテレビ離れが顕著です。 60代のテレビ視聴時間の割合が68%であるのに対し、10代・20代では35%まで減少しています。それに代わってYoutubeなどの広告型動画配信サービスの視聴率は10代で42%、20代で33%、NetflixやAmazonPrimeといったサブスクリプション型動画配信サービスの視聴率は10代24%、20代32%となっており、テレビ以外の動画配信サービスの視聴へとニーズがシフトしています。 ※グラフ参照:『ボストンコンサルティンググループ「第1回メディア消費者行動調査」』 ※AVOD:広告型動画配信サービス、SVOD:サブスクリプション型動画配信サービス いつでも自分の時間に合わせて自分の好きなコンテンツを視聴できる動画配信サービスは若い世代を中心に人気です。また、スマホの普及により、場所にとらわれずに視聴できる点もこれらのサービスの利用率を押し上げているといえそうです。 そのため、場所や時間に制限のあるテレビ業界は、今後衰退する可能性が高いでしょう。 金融業界 金融業界も今後衰退する恐れのある業界の一つです。 安定した業界のイメージがありますが、近年の物価上昇や企業の倒産リスクの高まりを受けて、消費者行動に変化が見られます。また、低金利政策の継続により銀行の厳しい資金繰りが続いているのが現状です。これらの状況から、地方銀行を中心に衰退する恐れが高いといえるでしょう。 その他にも、フィンテックが金融業界に大きな変革をもたらしています。 フィンテック(Fintech)とは、金融(Finance)と技術(Technology)を掛け合わせた造語で、金融サービスに最新テクノロジーを結びつけ様々な革新的なサービスを生み出す動きのことをいいます。 口座開設・入出金管理などがスマホ一つで完結できるアプリ・サービス、PayPayや楽天ペイといった電子決済サービス、ビッグデータやAIを利用した融資や資産運用の分析サービスなどもフィンテックの一環です。 このように、金融に関する仕事がテクノロジーの活用で代替できるとなれば、雇用は当然減っていきます。雇用が活発に進まない業界は衰退するリスクも高くなるため、銀行はその影響を大きく受けることとなるでしょう。 士業業界 税理士や司法書士などの士業業界も決して安泰とはいえません。人とコミュニケーションを取る業務もある一方で、典型的な事務作業も多く、そのような仕事はAIなどに置き換えられる可能性が高いです。 テクノロジーが進化することで、士業の業務を代行するアプリやシステムの台頭も示唆されており、士業業界の雇用は縮小する恐れがあります。 士業業界で活躍していきたいと考えるのであれば、テクノロジーでは解決できない人ならではの仕事は何かを模索し、プラスアルファの業務を行う構えが必要となるでしょう。 出版業界 電子書籍の普及により、スマホやタブレットを通じて本を読む人も増えてきました。しかし、このペーパーレス化の流れは出版業界にとっては逆境であり、紙離れによって本を購入する機会は減少しています。 事実、『東京商工リサーチ』によると直近10年間で764社の書店が倒産・廃業をするなど書店の減少に歯止めがかからない状態です。※2024年3月時点 この状況を受け、経済産業省が「書店振興プロジェクトチーム」を立ち上げ書店を支援する意向を示していますが、先行きは不透明です。 よほどの転機がない限り、出版業界が復調してくことは現時点では考えにくいといえるでしょう。 これから伸びる業界を見極めるポイント ここまで、これから伸びる業界や衰退していく可能性がある業界についてお伝えしてきました。 「自分が志望している業界名はないけど、今後の将来性が気になる」という方に向けて、ここでは、これから伸びる業界かどうかを見極めるポイントをご紹介していきます。 AIに代替されにくい業界か まずは、AIやIT技術に代替されにくい業界かどうかという点です。 衰退する業界で金融・士業を挙げましたがこれらの業界が衰退する理由はAIや最新のテクノロジーに雇用を奪われる可能性が高いためです。 一方で、これから伸びる業界で挙げた高齢化向け事業においては、食事の補助や生活の補助など、人の手を必要とするサービスも多く、今後AIや最新のテクノロジーによって効率化されることはあれど、業務全てがAIに代替えされることは難しい分野です。また、超高齢化も相まってサービス市場全体の成長が見込まれます。 その他の分野においても、人口減少に備えAI技術の導入が積極的に進んでいることから、仮にAIが台頭しても新しいテクノロジーと融合し、AIと人が共存できる業界は、今後成長していく可能性が充分に期待できるでしょう。 そのため、就職や転職をする際には、「AIに代替されにくい仕事かどうか」「AIと共存できる仕事かどうか」という点を基準とすると良いでしょう。 最新のITトレンドを採用しているか 最新のITトレンドを駆使している業界はこれから伸びる業界だといえます。 これから伸びる業界で挙げたIT業界は、IT化が進む現代社会を支える存在であるため、多くの分野において欠かせない業界です。 また、このIT技術をうまく活用して成長する兆しが見えているからこそ、インターネット広告業界・エンタメ業界・農業業界・ドローン業界・電子部品・半導体業界は成長していくであろうことが想定されているのです。 本記事ではこの5業界を紹介しましたが、これらの業界以外にも最新のITトレンドを取り入れている業界は数多くあるかと思いますので、トレンドに対しどのような知見を持っているのかという観点で転職先企業を選んでみるのも良いでしょう。 業界の市場規模が拡大しているか 市場規模が拡大をしている業界は、業界自体が伸びている証ですので、今後も成長することが見込まれるでしょう。 実際に先にご紹介した業界は市場規模が拡大している業界ばかりです。 この点に着目し、自分自身が転職をしようと考えている業界の市場規模を調べてみると将来性が見えてくるでしょう。 生活に欠かせない業界か 生活に欠かせない業界も安定して伸びる可能性が高い業界の一つです。 具体的には、食に関する業界、電気・ガス・水道などの生活インフラに関する業界、その他にも医療機関・警察・消防・清掃員など日常生活を維持することに必須の業界などは、常に需要が見込まれるため安定して働くことができるでしょう。 担い手が不足しているか 担い手が不足している業界とは、有効求人倍率の高い業界と言い換えることができます。 『東京ハローワーク「職種別有効求人・求職者状況」』によると2024年1月時点で有効求人倍率の高い職種は、下記のような職種が挙げられます。 ・IT技術関連(エンジニア):3.16倍 ・介護サービス職従事者:7.42倍 ・建築・土木・測量技術者:7.46倍 ・機械設備・修理従事者:6.67倍 ・自動車運転従事者:4.05倍 IT業界、介護・福祉業界、建設業界、2024年問題で話題となっている物流業界などの職種は特に有効倍率が高く、少子高齢化が進む日本においても今後も需要が伸び続ける可能性が高いです。 このように有効求人倍率などを確認し、業界の将来性を確認してみるのも一つでしょう。 政府の支援があるか 最後に政府の支援がある業界かどうかという点です。 出版業界でもご紹介したように、衰退している業界においても政府は支援をしますので、見極めも難しいのですが、前述の通り宇宙開発事業などは政府主導で総力を挙げて支援をしていくなど、政府のバックアップがあるからこそ成長が期待できる産業もあります。 宇宙開発事業以外にも保育士・介護士の拡充のために支援を促しているなどの実態もあります。政府が支援する目的が市場規模の拡大・拡充であるかを見定めたうえで、判断すると良いでしょう。 まとめ IT技術が進歩する中、求められるスキルや成長する業界もそれに呼応して変動しています。 しかし、自分が持っているスキルや自分自身がやりたいと感じている仕事内容が、必ずしも時代に合っているとは限らないでしょう。 仮に衰退する可能性がある業界であっても、業界の波に抗うために何ができるのかという点を模索していくことで、自分に合った職探しができるかもしれません。 自分がやりがいを持って、働きたいと思える業界・企業選びができることがベストでしょう。 本記事が少しでも企業選びの参考になれば幸いです。 これから伸びていく業界に自分が転職できるか不安な場合や、未経験業界への転職を行う際のアピールのコツなどを知りたい方は転職エージェントを活用することをおすすめします。

2024.03.28

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2024年|農業業界の動向・仕事内容・売上高ランキングをご紹介

「農業業界に興味があるけど具体的にどのような仕事をしているの?」 「農業業界の動向が知りたい」 「農業業界の売上高ランキングが知りたい」 農業業界への転職を検討する中でこのような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、農業業界の仕事内容や現状の課題、今後の動向、農業業界の売上高ランキングをご紹介していきますので、農業業界への転職先企業を考える際の参考にしてみてください。 この記事のまとめ 農業業界とは、野菜・果物・畜産物・酪農といった農業に携わる業務全般を行っている業界のことである。 農業業界の現状の課題は、「農業従事者の高齢化と後継者不在」「国内食料自給率が低い」ことである。 農業業界はスマート農業化が進み、企業が農業に参入するなど、成長が見込まれる。また海外への販売拡大にも力を入れている。 農業業界の売上高ランキングでは、1位クボタ、2位ヤンマーホールディングス、3位住友化学である。 農業業界とは? まずは、農業業界とはどのような業界なのかを理解しておきましょう。 農業業界とは、野菜・果物・畜産物・酪農といった農業に携わる業務全般を行っている業界のことをいいます。 一般的にイメージすることの多い、野菜や果物を栽培して販売するといった業務ももちろん農業業界の業務の一つですが、それ以外にも、酪農・肉牛・養豚・養鶏などの畜産業、トラクターなどの農機を扱う農業資材業、穀物の種子や肥料を扱う種苗業、それらの流通・販売を行う農業関連ビジネスなども農業業界に含まれます。 農業業界の仕事内容 業務内容が幅広い農業業界ですが、ここでは、具体的な仕事内容についてお伝えしていきましょう。 農業業界の仕事は「耕種農業」「畜産農業」「アグリビジネス」の3つに分類されています。 耕種農業 耕種農業とは、野菜や果物、穀物などを実際に栽培する事業のことをいいます。きのこ類やなたね、茶葉や葉タバコなどの工芸農作物、飼肥料用作物の栽培も耕種農業の一種です。 耕種農業での仕事内容は6つに分類できます。 稲作 お米を生産するためのイネの栽培などを行う。日本の多くが水田で栽培する水田稲作だが、畑で栽培する陸稲も存在する。苗づくりや水田、稲穂の管理など、季節や天候を加味した細かい配慮が必要。 畑作 畑で穀物・イモ類・豆類などの農作物を栽培する仕事。農作物に合わせた畑の形状や土壌養分を調整、管理する細やかさが必要。農業機械の普及・進化に伴い、効率的でスケールの大きい作業が可能。 果樹 果樹は、旬の果物を季節ごとに栽培して販売する仕事。水分や肥料を細やかに調節して害虫などから守る必要がある。産地ごとに果物をブランド化し、収穫した果物を加工して商品化する「6次産業化」に力を入れている場合もある。 露地野菜生産 ビニールハウスなどを使用せずに野外の畑で野菜の栽培を行う。ビニールハウス栽培よりもコストが低く抑えられ、規模を拡大することが比較的安易。ただし、日中と夜間の寒暖差や風雨にさらされるため栽培できる野菜が限られる他、害虫や天候から受ける影響のリスクが大きいため臨機応変かつ細やかな対応が必要。 施設野菜生産 ビニールハウスやガラス温室などの施設内で作物の栽培を行う。季節に関わらず年間を通して作物を栽培でき、天候や害虫のリスクが低い点が特徴。気温・光量・土壌水分などの環境をコントロールすることで、一年中高品質な作物を消費者に届けることが可能。 花|観葉 季節に合わせた花を育成しピークに合わせて開花させ販売する仕事。花の育成も農業の一種である。花の種類は切り花、鉢物、球根、花壇用苗物の4つに分かれ、品質によって価格が大きく変わるため、品質保持のために細心の注意を払う必要がある。 種苗 メーカー・卸・小売店の3つの形態に分かれており、種苗メーカーは病気に強く栽培しやすい品種を作るための研究・開発業務を担う。卸・小売店を通じて農家や一般家庭に種苗を販売・提供する。 主な企業 ■お米関連 ・神棚ホールディングス ・全農パールライス ■食品栽培関連 ・ホクト ・雪国まいたけ ■種苗 ・サカタのタネ ・ベルグアース ・カネコ種苗 畜産農業 畜産農業とは、牛・豚・鶏などの家畜の飼育、肥育、ふ卵を行う事業のことをいいます。養蚕や養蜂、毛皮獣・実験用動物の飼育なども地産農業に含まれます。米や野菜、果物よりも生産額が多く、国内最大の1次産業といえるでしょう。 ここでは主な畜産農業の仕事を4つご紹介します。 酪農 牛やヤギなどを飼育し、ミルクや乳製品を生産する仕事。国内では牛の飼育を通した酪農が一般的。数十頭の牛を飼う個人牧場から数千頭を管理する法人牧場まで企業規模は様々である。観光施設として牧場を開放し、バターやチーズ、アイスクリームなどを販売するなど「6次産業化」を行うケースもある。 肉牛生産 食肉用に牛を飼育する仕事。個体の体調や生育段階に沿った肥料の配合が重要。牧草を飼料とする場合には、大型トラクターなどを使用した牧草の収穫も行う。 養豚 食用となる肉豚や種豚となる豚を生産する仕事。養豚業界は品種改良によっておいしさを追求した「三元豚」など、ブランド豚に力を入れている。 養鶏 卵の生産及び食肉用に鶏を飼育する仕事。国内の養鶏は一般的に数万~数十万羽の鶏をケージの中で飼育する方法が主流。地鶏の生産においては広い敷地内で放し飼いにするなど、できるだけ鶏がストレスを感じずに育つ環境を用意しているケースもある。 主な企業 ■畜産関連 ・アクシーズ ・秋川牧園 アグリビジネス アグリビジネスとは、農業(アグリカルチャー)と事業(ビジネス)を掛け合わせた造語で、農業関連ビジネス全般を指します。具体的には、トラクターなどの農機を取り扱う農業資材会社、種苗メーカー、流通・販売を担う企業などが該当し、耕種農業や畜産農業に従事する生産者をサポートする仕事や、生産者と消費者の橋渡しとなる流通・販売の役割を担っています。 農業資材 農業生産に必要な道具・資材・農薬・肥料などを提供・販売する仕事。メーカーや商社などの法人格が一般的。 農業機械 重労働な作業を機械によって効率化させることが主な仕事。コンバインやトラクターなど従来型の農業機械以外にもドローンやIT機器を提供することも農業機械に該当する。 主な企業 ■農業資材(農薬) ・住友化学 ・日産化学 ・日本曹達 ■農業資材(飼料) ・フィールドワン ・中部飼料 ・日本農産工業 ■農機関連 ・クボタ ・ヤンマーホールディングス ・井関農機 農業業界の現状と今後の動向 農業業界の現状と今後の動向についてお伝えしていきましょう。 農業業界の現状 まずは農業業界の現状についてお伝えしていきます。 農業従事者の高齢化と後継者不在 ご存じの方も多いと思いますが、農業業界の一番の課題は農業従事者の担い手不足です。高齢化に伴い、農業従事者が減少しており、後継者不足も深刻です。 『農林水産省「食料・農業・農村をめぐる情勢の変化)」』によると5年以内に農業を引き継ぐ後継者を確保できている割合は全体の24.4%で、確保していない割合は71.1%と実に7割の農業事業者に後継者がいない実態が浮き彫りとなりました。 後継者不足は国内市場の縮小を意味するため、経営継承者の問題は日本の農業業界において非常に重要な課題です。 国内食料自給率が低い 日本の食料自給率が低いことについては以前から問題視されていましたが、近年急速な円安に伴い、輸入品の値段が上がり私達の生活にも少なからず影響を及ぼしつつあります。 このように、世界情勢が不安定な昨今、私達の食生活により一層の負荷がかかることも充分に考えられるため、早期に世界情勢の変化にも対応できる地盤作りが急務といえるでしょう。 『農林水産省「食料自給率の考え方」』によると、国内の食料自給率は、1965年以降低下し続け、2000年代に入って以降の自給率は横ばい傾向で約40%程度です。低い自給率を打破するため、2030年に食料自給率を45%まで増加させることを目標として動き出しています。 農業業界の動向 多くの課題がある農業業界ですが、日本の農業を支えるために様々な動きが見られています。 スマート農業 AIやドローンなどIT技術を活用し、より効率的かつ安定的に農作物を生産できる「スマート農業」の動きが盛んです。これにより、ムダなコストを省き、より品質の高い農作物の生産を実現が可能となります。 また、AIを駆使することで、熟練者の感覚に頼っていたノウハウの伝承を容易にし作業自体の負担の軽減もできるため、新たな農業従事者の確保に繋がる可能性もあり、スマート農業は日本の農業に必要不可欠な要素となるでしょう。 ベンチャー企業などがこの分野に積極的に参入しているなどこれらの分野が活性化することにより国内自給率が上がることも期待されています。 企業参入の増加 農業と聞くと個人で行うイメージが強い業界ですが、近年は大手企業を始め、多くの企業が農業分野へ参入しています。 『農林水産省「リース法人の農業参入の動向」』によると、農地を利用して農業経営を行うリース法人は2004年時点ではわずか10法人のみであったのに対し、2022年1月時点で4,204法人にまで増加しています。 企業の農業参入事例でいくと以下のような例があります。 ■トヨタ自動車 トヨタ生産方式を活用した農業IT管理ツールを基に農業参入 ■ワタミ 2002年に農業に参入。農場・牧場を展開し、6次産業化(農産物の生産~加工・流通・販売までを行う)を進める ■JTBグループ 日本の食と農業をと観光を結びつけることを目的に参入。日本食の海外販路の創出や販売サポートなどを実施。 大手企業を中心に多くの企業が農事業に参入しており、日本の農業を盛り上げていこうという気運が高いことが伺えます。 海外販路の拡大 『農林水産省「食料・農業・農村をめぐる情勢の変化)」』によると日本国内の農業総産出額が2020年に8.9兆円だったものが、人口減少や高齢化に伴い2050年には人口は20%減少する見込みが立っていることから国内市場規模は今後縮小傾向にあると試算しています。 一方で世界の農産物マーケットは、世界人口の増加が見込まれていることもあり、日本の農業の活路は世界の食市場を獲得していけるかどうかが、鍵を握ることとなるでしょう。 農業業界の売上高ランキング ここでは、農業業界の売上高ランキングをご紹介します。企業選びの参考にしてみてください。 順位 分野 企業名        売上高 1位 農機 クボタ 2兆6,787億円 2位 農機 ヤンマーホールディングス 1兆222億円 3位 農薬 住友化学 8,943億円 4位 飼料 フィールドワン 3,079億円 5位 飼料 中部飼料 2,434億円 6位 農薬 日産化学 2,280億円 7位 飼料 日清丸紅飼料 2,220億円 8位 飼料 日本農産工業 1,807億円 9位 農薬 日本曹達 1,728億円 10位 農機 井関農機 1,662億円 ※本ランキングは、東洋経済新報社「業界地図」に掲載されている農業業界の日系企業28社の有価証券報告書・決算短信・自社ホームページに掲載されている売上高情報をもとに作成 ※各社売上高は2024年3月時点において掲載されている最新情報を参照 ※各社有価証券報告書・決算短信:クボタ・ヤンマーホールディングス・住友化学・フィールド・ワン・中部飼料・日産化学・日清丸紅飼料・日本農産工業・日本曹鉄・井関農機 農業業界の1位は、クボタで2兆6,787万円、2位はヤンマーホールディングスで1兆222万円、3位が住友化学で8,943億円、4位はフィードワンで3,079億円、5位は中部飼料で2,434億円という結果となりました。 また、農機具・農薬・飼料の分野がTOP10を占めていることがわかります。特に上位の企業においては、海外への輸出などを手がけており、日本市場だけでなく海外の市場開拓が進んでいることが売上高を伸ばしている大きな要因といえます。 まとめ ここまで、農業業界についてお伝えしてきました。 農業業界は今後伸びていく可能性の高い業界の一つであることが理解できたのではないでしょうか。 一方で、農業業界の「企業探し」に苦慮している人も多いかもしれません。 前述のランキングで挙げた農機具・農薬・飼料の分野においては、メーカー企業も充実しているため、これらの分野で活躍したい人は比較的スムーズに企業選びができるでしょう。 農産物を手がけたい、スマート農業の分野に取り組みたいなどの場合には、現在多くの企業が農業分野に進出しているので、そのような企業を探していくこととなります。 昨今は新たに、農業に特化をした転職サイトなどもリリースされつつありますので、そのようなサイトを活用してみるのも一つです。 その他にも転職エージェントなど人材紹介サービスを活用すると手間暇をかけずに農業業界に関する転職情報を紹介してくれるため、利用してみても良いでしょう。 本記事が少しでも転職活動のお役に立てば幸いです。

2024.03.28

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2024年版|これから伸びる業界とは?見極めるポイントや衰退する業界もご紹介

転職活動を考えている人の中には、これから伸びる業界に就職したいと考えている人も多いのではないでしょうか。 本記事では、これから伸びる業界だけでなく、今後衰退する恐れのある業界についてもご紹介しています。 また、これらから伸びる業界であるかを見極めるためのポイントについても掲載していますので、業界選びの参考にしてみてください。 この記事のまとめ これから伸びる業界は「IT業界」「インターネット広告業界」「エンタメ業界」「電子部品・半導体業界」などである。 これから衰退する可能性がある業界は「テレビ業界」「金融業界」「士業業界」「出版業界」などである。 これから伸びる業界かどうかを見極める際には「AIに代替えされにくい業界か」「最新のITトレンドを採用しているか」「業界の市場規模が拡大しているか」といった点を確認する。 これから伸びる業界9選 まずは、これから伸びる可能性が高い業界を9つご紹介していきます。 IT業界 IT業界は伸びる可能性が高い業界の一つです。 DX化の推進に伴い、多種多様な業種・業界においてデジタル化が進んでいます。ITを必要とする業界も幅広く、金融、農業、広告、教育、医療など、多くの分野でITスキルが重宝されることでしょう。 『東京ハローワーク「職種別有効求人・求職者状況」』によるとIT関連職の有効求人倍率は2024年1月時点では2.91倍となっています。2022年1月時点では1.72倍、2023年1月時点では2.03倍となっていることから、コロナウィルスの影響が落ち着き社会活動が日常を取り戻し始めたことを背景にIT需要が拡大していることが伺えます。 また、コロナウィルスをきっかけに日本のIT化の遅れが顕著に現れたことから、日本政府としてもデジタル庁を立ち上げるなど、国をあげてIT化を進めていく方針を見せており、IT業界は日本国内において最も成長が見込める業界であるといっても良いでしょう。   POINT IT業界の中でも特に成長が見込める分野 IT業界の中でも特に成長が見込まれる分野は下記の通りです。 ・サーバーセキュリティ対策分野 IT化の促進に伴い、脆弱なITセキュリティを狙ったサイバー攻撃の被害件数は年々増加傾向にあり、日本国内からだけでなく、海外からの不正アクセスなども頻発しています。これに伴い、サイバー攻撃に対抗する「ホワイトハッカー」と呼ばれるエンジニアのニーズも拡大していく見込みです。 ・AIやVRなど最新技術を活用した分野 人工知能(AI)や拡張現実(VR)などの技術は世界的にも注目を集めており、様々な業界を巻き込みながら規模を拡大しています。 2022年11月にOpenAIがリリースしたチャットボット「chatGPT」も話題となるなど、今後もAIなど最新の技術を駆使したサービスはIT業界を牽引する可能性が高いです。 インターネット広告業界 インターネット広告とは、FacebookやInstagramなどのSNS、YoutubeやWebサイトといったインターネット内の媒体に掲載される広告のことを指し、動画広告やリスティング広告、アフィリエイト広告などの種類があります。 インターネット広告のメリットは一人ひとりのユーザーに合わせた広告を効果的に表示させることができる点です。その他にも、従来のテレビや雑誌・新聞などマスに対しての広告ではできなかった広告の効果測定も容易となり、効率的な広告配信が可能である点からもニーズが広がっています。 また、スマホの普及に伴い、テレビ離れも進み、テレビではなくYouTubeやその他のSNSを見る時間のほうが多くなりつつあります。 『電通「2023年 日本の広告費」』によると、インターネット広告費は毎年増加傾向にあり、2023年の出稿費は3兆3,300億円(前年比107.8%)です。 媒体別広告費の構成比率で見ると、新聞・雑誌・ラジオ・テレビといったマスコミ4媒体の広告費構成比率が31.7%に対し、インターネット広告の構成比率が45.5%であることからもインターネット広告業界は、今後の広告市場を牽引する存在へと成長しており、今後さらに伸びていくことが期待できるでしょう。 エンタメ業界 エンタメ業界とは、アニメ・ゲーム・映画・動画配信といった人を楽しませるコンテンツを提供する業界のことです。その中でもWebやITを駆使したエンタメ市場は今後も伸びる可能性が考えられます。 家庭用ゲームやモバイルゲームではインターネットを介してオンライン交流が可能となり、実際に会わずとも友人と遊べるようになりました。コロナ禍の巣ごもり需要も相まって業績を伸ばし、現在もその流れを受け継いでいます。 ライブや演劇などの観客動員型のエンタメ事業においても、新型コロナウィルス感染拡大を景気に、AR/VRなどの最先端の技術を用いた体験型のビジネスを展開したり、オンラインでのライブ配信を実施したりと新たな活路を見出し市場規模の拡大が進んでおり、今後も伸びていく可能性が高いでしょう。 電子部品・半導体業界 電子部品・半導体業界とは、パソコンやスマホ、テレビやその他家電製品など、現代社会の生活に欠かせない製品の元となる部品を製造している業界のことです。 コロナ禍の影響により供給が滞り、その後ウクライナショックによりウクライナやロシアに依存していた半導体生産に必要な原材料の供給が滞り、半導体の供給不足が続きました。2024年の現時点においては比較的流通も安定しつつありますが、今後も世界情勢の影響を注視しておく必要があります。 一方で、電子部品・半導体はIT化を支える大事な柱であることに変わりありません。昨今は電気自動車分野において需要が見込まれるなど、IT社会を支え続ける産業として、ITの成長と共に飛躍し続ける業界であるといえるでしょう。 農業業界 農業もこれから伸びる可能性が高い業界といえるでしょう。 日本国内の農業は、担い手の高齢化・担い手不足・耕作放棄地拡大・国内食料自給率の低下などが課題となっています。 これらの課題を解決するためAIやドローンなどのテクノロジーを用いたスマート農業化が加速しており、収穫から管理までをパソコン操作だけで行なえる未来は近いです。 農業のIT化は、担い手不足を解決するだけでなく、大量の農産物を効率的に生産することで国内食料需給率の低下を抑止できる可能性も秘めています。 「食」は我々の生活に欠かせないインフラの一つであるため、農業がなくなることは考えにくいです。IT企業などを中心に農業の活性化に向けた取り組みが広がっており、今後も新しいテクノロジーと融合していくことで成長が見込まれる業界であるといえるでしょう。 ドローン業界 ドローン業界は、ここ数年で急激な成長を遂げており様々な分野で商用化を実現させています。 『インプレス総合研究所「ドローンビジネス調査報告書」』によると、ドローン業界の市場規模は、2022年度は3,086億円でしたが、同年12月に有人地帯の上空を目視で監視できない状態で自立飛行させる「レベル4飛行」が解禁されたことを受け2028年度には9,000億円以上市場へと拡大していく見込みです。 ドローン活用分野は幅広く、農業、物流、土木・建築業などで多く活用されています。特に、太陽光パネルや送電線、高層建築物の設備など人力では危険が伴う点検分野での成長が著しいです。 現状の分野以外においても、アイデア次第で時代に革命を起こせる業界でもあり今後の成長が期待できる業界といえるでしょう。 ヘルスケア業界 ヘルスケア事業はこれから伸びる可能性のある事業です。 ヘルスケアとは、健康の維持や促進を目指す行為のことを指します。 2016年には、経済産業省が企業の健康経営の取り組みを推進するために「健康経営優良法人制度」を設けており、国内において健康に関する意識が高まりつつあります。健康管理を促すヘルスケアアプリが普及していることからも関心の高さが伺えます。 これに伴い、大手企業がヘルスケア事業に参入していますので、将来性が期待できるでしょう。 高齢者向けの業界 高齢者向けのビジネスを展開する業界も今後伸びる可能性があります。 ご存じの通り日本の高齢者人口の割合は年々増加しており、『総務省「統計からみた我が国の高齢者」』によると、総人口に占める65歳以上の高齢者人口の割合は29.1%であり、2040年には34.8%、2045年には36.3%になる予測です。そのため、今後も増え続ける高齢者向けサービスの市場は今後伸びていく可能性が充分に考えられるでしょう。 高齢者向けビジネスというと医療・介護・福祉での業務を想像する人も多いかと思いますが、それ以外にも、高齢者向けの食品、娯楽、交通などの産業も大きなマーケットになる可能性を秘めています。 宇宙開発業界 宇宙開発事業も今後の成長が期待できる業界の一つです。 『内閣府「宇宙戦略基金 今後の検討の方向性について」』によると、政府は、「宇宙分野の最先端技術の開発、技術実証、商業化を支援するためJAXAに総額1兆円規模の支援を実施する」と明記されています。支援を受けたJAXAはスタートアップをはじめとする民間企業や大学・国研へ委託・補助金を交付します。この仕組みにより、国を上げて、宇宙事業への研究開発力を強化していく方針です。 背景には、アメリカ・ロシア・中国・インドなど国際的な宇宙開発競争が激化しており、各国に引け劣らず、日本の技術力を各国に示したい狙いもあります。宇宙基本計画では2020年時点で4兆円だった市場規模を、2030年の早い段階で8兆円まで拡大していくことを目標としており、まさに国力を上げた戦いが繰り広げられています。 2024年1月20日、日本の無人探査機「SLIM」が世界で5カ国目となる月面着陸に成功し、誤差100メートル以内を目指す世界発の「ピンポイント着陸」に成功したことは記憶に新しいことでしょう。 今後も宇宙ビジネスは政府からのバックアップも寄与し成長していく産業であるといえます。 これから衰退する可能性がある業界4選 ここまでこれから伸びていく業界ついてお伝えしてきました。ここでは、今後衰退する可能性がある業界についてご紹介していきます。 テレビ業界 衰退する可能性のある業界の1つ目はテレビ業界です。 かつて、家庭内での娯楽といえば、テレビが一般的でした。しかしスマホの普及に伴い、YouTubeやSNS、動画配信サービスなど視聴できるコンテンツの種類も増え、テレビ一強の時代は風化しつつあります。 『ボストンコンサルティンググループ「第1回メディア消費者行動調査」』の1日あたりのチャネル別平均利用時間によると、10代・20代など若年層のテレビ離れが顕著です。 60代のテレビ視聴時間の割合が68%であるのに対し、10代・20代では35%まで減少しています。それに代わってYoutubeなどの広告型動画配信サービスの視聴率は10代で42%、20代で33%、NetflixやAmazonPrimeといったサブスクリプション型動画配信サービスの視聴率は10代24%、20代32%となっており、テレビ以外の動画配信サービスの視聴へとニーズがシフトしています。 ※グラフ参照:『ボストンコンサルティンググループ「第1回メディア消費者行動調査」』 ※AVOD:広告型動画配信サービス、SVOD:サブスクリプション型動画配信サービス いつでも自分の時間に合わせて自分の好きなコンテンツを視聴できる動画配信サービスは若い世代を中心に人気です。また、スマホの普及により、場所にとらわれずに視聴できる点もこれらのサービスの利用率を押し上げているといえそうです。 そのため、場所や時間に制限のあるテレビ業界は、今後衰退する可能性が高いでしょう。 金融業界 金融業界も今後衰退する恐れのある業界の一つです。 安定した業界のイメージがありますが、近年の物価上昇や企業の倒産リスクの高まりを受けて、消費者行動に変化が見られます。また、低金利政策の継続により銀行の厳しい資金繰りが続いているのが現状です。これらの状況から、地方銀行を中心に衰退する恐れが高いといえるでしょう。 その他にも、フィンテックが金融業界に大きな変革をもたらしています。 フィンテック(Fintech)とは、金融(Finance)と技術(Technology)を掛け合わせた造語で、金融サービスに最新テクノロジーを結びつけ様々な革新的なサービスを生み出す動きのことをいいます。 口座開設・入出金管理などがスマホ一つで完結できるアプリ・サービス、PayPayや楽天ペイといった電子決済サービス、ビッグデータやAIを利用した融資や資産運用の分析サービスなどもフィンテックの一環です。 このように、金融に関する仕事がテクノロジーの活用で代替できるとなれば、雇用は当然減っていきます。雇用が活発に進まない業界は衰退するリスクも高くなるため、銀行はその影響を大きく受けることとなるでしょう。 士業業界 税理士や司法書士などの士業業界も決して安泰とはいえません。人とコミュニケーションを取る業務もある一方で、典型的な事務作業も多く、そのような仕事はAIなどに置き換えられる可能性が高いです。 テクノロジーが進化することで、士業の業務を代行するアプリやシステムの台頭も示唆されており、士業業界の雇用は縮小する恐れがあります。 士業業界で活躍していきたいと考えるのであれば、テクノロジーでは解決できない人ならではの仕事は何かを模索し、プラスアルファの業務を行う構えが必要となるでしょう。 出版業界 電子書籍の普及により、スマホやタブレットを通じて本を読む人も増えてきました。しかし、このペーパーレス化の流れは出版業界にとっては逆境であり、紙離れによって本を購入する機会は減少しています。 事実、『東京商工リサーチ』によると直近10年間で764社の書店が倒産・廃業をするなど書店の減少に歯止めがかからない状態です。※2024年3月時点 この状況を受け、経済産業省が「書店振興プロジェクトチーム」を立ち上げ書店を支援する意向を示していますが、先行きは不透明です。 よほどの転機がない限り、出版業界が復調してくことは現時点では考えにくいといえるでしょう。 これから伸びる業界を見極めるポイント ここまで、これから伸びる業界や衰退していく可能性がある業界についてお伝えしてきました。 「自分が志望している業界名はないけど、今後の将来性が気になる」という方に向けて、ここでは、これから伸びる業界かどうかを見極めるポイントをご紹介していきます。 AIに代替されにくい業界か まずは、AIやIT技術に代替されにくい業界かどうかという点です。 衰退する業界で金融・士業を挙げましたがこれらの業界が衰退する理由はAIや最新のテクノロジーに雇用を奪われる可能性が高いためです。 一方で、これから伸びる業界で挙げた高齢化向け事業においては、食事の補助や生活の補助など、人の手を必要とするサービスも多く、今後AIや最新のテクノロジーによって効率化されることはあれど、業務全てがAIに代替えされることは難しい分野です。また、超高齢化も相まってサービス市場全体の成長が見込まれます。 その他の分野においても、人口減少に備えAI技術の導入が積極的に進んでいることから、仮にAIが台頭しても新しいテクノロジーと融合し、AIと人が共存できる業界は、今後成長していく可能性が充分に期待できるでしょう。 そのため、就職や転職をする際には、「AIに代替されにくい仕事かどうか」「AIと共存できる仕事かどうか」という点を基準とすると良いでしょう。 最新のITトレンドを採用しているか 最新のITトレンドを駆使している業界はこれから伸びる業界だといえます。 これから伸びる業界で挙げたIT業界は、IT化が進む現代社会を支える存在であるため、多くの分野において欠かせない業界です。 また、このIT技術をうまく活用して成長する兆しが見えているからこそ、インターネット広告業界・エンタメ業界・農業業界・ドローン業界・電子部品・半導体業界は成長していくであろうことが想定されているのです。 本記事ではこの5業界を紹介しましたが、これらの業界以外にも最新のITトレンドを取り入れている業界は数多くあるかと思いますので、トレンドに対しどのような知見を持っているのかという観点で転職先企業を選んでみるのも良いでしょう。 業界の市場規模が拡大しているか 市場規模が拡大をしている業界は、業界自体が伸びている証ですので、今後も成長することが見込まれるでしょう。 実際に先にご紹介した業界は市場規模が拡大している業界ばかりです。 この点に着目し、自分自身が転職をしようと考えている業界の市場規模を調べてみると将来性が見えてくるでしょう。 生活に欠かせない業界か 生活に欠かせない業界も安定して伸びる可能性が高い業界の一つです。 具体的には、食に関する業界、電気・ガス・水道などの生活インフラに関する業界、その他にも医療機関・警察・消防・清掃員など日常生活を維持することに必須の業界などは、常に需要が見込まれるため安定して働くことができるでしょう。 担い手が不足しているか 担い手が不足している業界とは、有効求人倍率の高い業界と言い換えることができます。 『東京ハローワーク「職種別有効求人・求職者状況」』によると2024年1月時点で有効求人倍率の高い職種は、下記のような職種が挙げられます。 ・IT技術関連(エンジニア):3.16倍 ・介護サービス職従事者:7.42倍 ・建築・土木・測量技術者:7.46倍 ・機械設備・修理従事者:6.67倍 ・自動車運転従事者:4.05倍 IT業界、介護・福祉業界、建設業界、2024年問題で話題となっている物流業界などの職種は特に有効倍率が高く、少子高齢化が進む日本においても今後も需要が伸び続ける可能性が高いです。 このように有効求人倍率などを確認し、業界の将来性を確認してみるのも一つでしょう。 政府の支援があるか 最後に政府の支援がある業界かどうかという点です。 出版業界でもご紹介したように、衰退している業界においても政府は支援をしますので、見極めも難しいのですが、前述の通り宇宙開発事業などは政府主導で総力を挙げて支援をしていくなど、政府のバックアップがあるからこそ成長が期待できる産業もあります。 宇宙開発事業以外にも保育士・介護士の拡充のために支援を促しているなどの実態もあります。政府が支援する目的が市場規模の拡大・拡充であるかを見定めたうえで、判断すると良いでしょう。 まとめ IT技術が進歩する中、求められるスキルや成長する業界もそれに呼応して変動しています。 しかし、自分が持っているスキルや自分自身がやりたいと感じている仕事内容が、必ずしも時代に合っているとは限らないでしょう。 仮に衰退する可能性がある業界であっても、業界の波に抗うために何ができるのかという点を模索していくことで、自分に合った職探しができるかもしれません。 自分がやりがいを持って、働きたいと思える業界・企業選びができることがベストでしょう。 本記事が少しでも企業選びの参考になれば幸いです。 これから伸びていく業界に自分が転職できるか不安な場合や、未経験業界への転職を行う際のアピールのコツなどを知りたい方は転職エージェントを活用することをおすすめします。

2024.03.28