【過去問題あり】フェルミ推定とは?基礎知識・例題・やり方まで解説

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この記事でわかること

  • コンサルや外資系企業の採用でよく用いられるフェルミ推定について解説
  • フェルミ推定の解き方がわかる!
  • 過去出題テーマ・解き方についても解説

外資系やコンサルティングファームを目指すなら避けて通れないのが「フェルミ推定」です。
経験を積むほどにスムーズに解けるようになる一方、未経験者にとってはアプローチ方法すら思い浮かばない、独特で難解な課題です。

本記事では、未経験者にもわかりやすくフェルミ推定の基礎を解説し、実際の選考通過者の回答例や頻出問題も多数紹介。
この記事1本で、フェルミ推定の全貌を網羅的に学べる内容となっています。

短時間で実践的なスキルを身につけ、就活本番で自信を持って回答できるようにしておきましょう!

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フェルミ推定とは?

限られた情報からの推定

フェルミ推定とは、限られた情報をもとに論理的推論を駆使し、短時間で概算値を導き出す思考法です。
たとえば、「東京都内のマンホールの数は?」といった一見難しい質問に対して、既知のデータ(人口や道路の密度など)をもとに推測を進めます。
正確な答えを求めるのではなく、問題を分解し、論理的に答えを導くプロセスが重視されます。

論理的思考力の訓練

フェルミ推定は、「くだらない」と感じる人もいるかもしれませんが、実際にはビジネスでも大いに役立つ考え方です。
複雑な問題を小さく分解し、シンプルに考えることで、論理的思考力と問題解決能力を鍛える絶好のトレーニングになります。

限られた情報から仮説を立て、答えを導くプロセスを通じて、現実的な解決策を見出す力が養われます。
このスキルは、日々の業務や意思決定に直結する重要な能力として評価されています。

採用試験での利用

この手法は、コンサルティングファームや投資銀行など、高度な問題解決能力を必要とする業界の採用試験でも頻繁に用いられています。
特にケース面接では、候補者の論理的思考力を評価する重要な基準とされています。

フェルミ推定の目的と評価ポイント

フェルミ推定の目的

フェルミ推定では、答えの正確さよりも、問題を分解し、論理的に仮説を立てる過程が評価されます。
このプロセスを通じて、問題解決能力や情報分析力、発想力を示すことが可能です。

評価されるポイント

面接官への説明力

ケース面接では、フェルミ推定が頻繁に出題されます。
面接官が評価しているのは、解答の正確さだけではなく、思考プロセスや説明能力です。
そのため、論理的な展開を心がけ、簡潔かつ明瞭に説明することが求められます。
具体的な手順を順序立てて話し、面接官があなたの考え方を追いやすいようにすることが重要です。

問題解決のプロセス

面接官は、問題へのアプローチ方法や解決策を導くまでのプロセスを重視しています。
思考の流れを整理し、視覚的なツール(図や表、フローチャートなど)を活用することで、より伝わりやすい説明が可能になります。

根拠のある数字の使用

推定値を提示する際は、その根拠を明確に伝えることが重要です。
たとえば、「1日の平均歩数は8,000歩と仮定します」という場合には、「厚生労働省の調査では…」のように、信頼できる情報源を示すことで説得力が高まります。
また、根拠が曖昧な場合でも、仮定や前提条件を丁寧に説明することで論理の一貫性を保つことができます。

フェルミ推定のやり方を5ステップで解説

フェルミ推定のやり方を紹介します。
フェルミ推定を解く際には基本的に下記の5つのステップに沿って解いていくと良いでしょう。

①前提条件

問題文の捉え方は人それぞれ異なるため、最初に問題文の定義をしっかり確認します。
その上で、後から混乱を避けるため、定義を決めて面接官と共有することが重要です。

②アプローチ設定

前提条件を共有した後、次に問題解決のアプローチ方法を決定します。
この段階では、「何を基準に数えるか」を明確にすることが求められます。
「ベース」とは、式を立てる際の基準となる要素を指します。

フェルミ推定では、以下の4つのアプローチ軸を用いて問題を解くことが一般的です。
たとえば、「日本に自動車は何台あるか?」という問題に対しても、もし「世帯ベース」でアプローチすると決めた場合、以下の式になります:
日本における自動車の台数=日本の世帯数×自動車の平均所有数

③モデル化

モデル化とは、立てた指揮をさらに具体的に分解する作業です。
先ほどの例を続けると、

日本の世帯数→年齢別
×
自動車の平均所有数→各年齢層ごとの平均所有数

という具合に、世帯を年齢別に分解することで、たとえば「20代よりも40台の世帯の方が多く自動車を所有している」といった具体的なイメージを持つことが可能になります。

この段階で重要なのは、イメージに対する論理的な根拠を持つことです。

④数値計算

アプローチ設定とモデル化を経て、精緻な式が完成したら、各要素に数値を代入して計算を行います。
このステップでは、焦らず正確に計算を行うことを意識しましょう。
フェルミ推定の目的は「完璧な数値」を求めることではなく、「おおよその数」を導き出すことだという点を常に心に留めておいてください。

⑤評価

最後のステップは評価です。
1~4のステップで設定した計算式や得られた数値が、実際の数値とどの程度乖離しているかを検証します。

以上の5つのステップを理解したうえで、実際に問題に挑戦してみましょう。

フェルミ推定のコツ

基礎知識を覚えておこう

フェルミ推定を行う前に、最低限知っておくべき基本的なデータや知識を頭に入れておきましょう。
フェルミ推定は、限られた情報を基に「ざっくりとした概算」を求める手法ですが、そのためには出発点となる基本的なデータが必要です。

以下は、フェルミ推定でよく使用される基礎的な数値例です。
これらのデータをもとに推定を行うことで、より現実的な概算が可能となります。

日本の基礎知識

日本人口 1億2,000万人
世帯 約5,000万世帯
平均世帯人数 2.5人
国土面積 37万8,000平方km
森林の割合 3分の2
平均寿命 約80歳
平均年収 430万円
労働力人口 約6,000万人
1年に生まれる子供の数 約100万人
大学進学率 約50%
大企業の数 1.2万社
中企業の数 420万社

世界の基礎知識

人口 76億人
地球の円周 40,000km
地球の直径 12,000km
地球の表面積 5億キロ平方メートル(海70%、陸30%)

問題の要素分解について

基本的な数値の知識

フェルミ推定では、問題をいくつかの要素に分解し、それぞれを推定することで、最終的な答えを導き出します。
たとえば、「東京都内にあるコンビニの数」を推定する場合、「東京都の人口」「コンビニの店舗密度」「1店舗当たりの商圏人口」といった要素に分解することができます。

細かい数字を無視する概算

要素分解を行う際には、細かい数字にこだわるのではなく、概算を用いることが重要です。
たとえば、「東京都の人口は約1400万人」という正確な数字ではなく、「約1000万人」という概数を使用しても、最終的な推定値に大きな影響はありません。

因数分解による問題の小分け

複雑な問題に直面した場合は、「因数分解」のように<、問題をさらに小さな要素に分解することで、推定を容易にすることができます。
たとえば、「日本の年間コーヒー消費量」を推定する場合、「人口」「1人あたりのコーヒー消費量」「1杯あたりのコーヒー豆使用量」といった要素に分解することができます。

数値代入と計算について

必要な材料の準備

要素分解が完了したら、それぞれの要素に対する推定値を代入し、計算を行います。推定値は、常識や経験、インターネット上の情報などを参考に決定します。
たとえば、「東京都の人口は約1000万人」「コンビニの店舗密度は1平方キロメートルあたり2店舗」といった情報をもとに、必要な数値を決定します。

数値の代入と計算のステップ

数値の代入と計算は、電卓などを用いて行います。複雑な計算式を用いる必要はなく、四則演算で計算できるレベルのものがほとんどです。
重要なのは、計算過程を明確化し、後から見直せるようにしておくことです。

売上や利益の基本方程式

ビジネスシーンでは、「売上=客数×客単価」「利益=売上ーコスト」といった基本的な方程式を用いることで、売上や利益の推定を行うことができます。
これらの式を理解しておくことで、様々なビジネス状況におけるフェルミ推定に役立てることができます。

制限時間と時間配分

制限時間の設定

フェルミ推定では、制限時間を設けることが重要です。短時間で結論を導き出す訓練をすることで、実務においても迅速な意思決定が可能となります。一般的な目安としては、1つの問題に対して5分から10分程度で解答することを目標とします。

時間配分の意識

限られた時間内での解答を成功させるためには、時間配分を意識することが重要です。問題の理解、要素分解、数値代入と計算、結論の検証といった各ステップにかける時間をあらかじめ決めておくことで、時間内に解答をまとめることができます。

頻出テーマの紹介

市場規模の推定

市場規模の推定は、フェルミ推定の代表的な応用例の一つです。市場規模とは、特定の製品やサービスに対する需要と供給のバランスによって決まる市場の大きさのことです。
たとえば、「日本の年間スマートフォン販売台数」を推定する場合、「人口」「スマートフォンの普及率」「買い替えリサイクル」といった要素を考慮する必要があります。

人口や国土面積の活用

市場規模の推定では、人口や国土面積といった基本的な数値が重要な手がかりとなります。
たとえば、「日本の年間ペットフード市場規模」を推定する場合、「日本の世帯数」「ペット飼育率」「1世帯あたりのペット飼育数」「年間ペットフード支出額」といった要素に分解し、それぞれの推定値を掛け合わせることで、概算値を算出することができます。

売上推定

売上推定も、市場規模推定と同様に、フェルミ推定が活用される場面の一つです。
たとえば、「新規オープンのカフェの初年度売上高」を推定する場合、「店舗の座席数」「1日の来店回転数」「客単価」といった要素を考慮する必要があります。
これらの要素を推定し、掛け合わせることで、年間売上高を概算することができます。

実際に出題された問題

「アイスの市場規模を求めよ」

【ボストンコンサルティンググループ】インターン

「日本にあるセグウェイの台数は?」

【ベイカレント・コンサルティング】論述試験

「コンビニ1店舗当たりの売り上げを推定して売り上げ向上施策を考えよ」

【アクセンチュア】本選考

例題1:日本のペットフード市場規模は?

1:前提確認

まず、日本の人口を約1億2,000万人、世帯数を約5,000万世帯とします。

2:アプローチ設定

ペットフードの主要な消費対象である犬と猫の飼育世帯数を推定し、1世帯あたりの年間ペットフード支出額を掛け合わせて市場規模を推定します。

3:モデル化

飼育世帯数の推定:全世帯のうち、犬または猫を飼育している割合を仮定します。
年間ペットフード支出額の推定:1世帯あたりの年間ペットフード購入額を仮定します。

4:数値計算

飼育世帯数:全世帯数: 5,000万世帯
飼育率: 仮に10%とすると、
飼育世帯数 = 5,000万世帯 × 10% = 500万世帯

年間ペットフード支出額:1世帯あたりの年間支出額
仮に10万円とすると、
市場規模 = 500万世帯 × 10万円/世帯 = 5,000億円

5:評価

実際のデータによると、2023年の日本のペットフード市場規模は約4,754億円と報告されています。

推定結果の5,000億円は、実際の市場規模と近い値となっています。
この差異は、飼育率や年間支出額の仮定によるものと考えられます。

例題2:日本における年間での映画鑑賞者数は?

1:前提確認

まず、日本の人口は約126,000,000人(2025年時点)だと仮定します。
次に、映画を観る層を限定します。
たとえば、年齢層が20歳以上の人々を対象にする場合、その人口はおおよそ70%程度と仮定できます。

2:アプローチ設定

日本全体の人口に対して、映画を観る人の割合を仮定し、さらにその中で年間映画を1本以上観る人の割合を設定します。
たとえば、映画を観る人のうち、年間1本以上観るのは50%だと仮定します。
計算式:年間映画鑑賞者数 = 日本の人口 × 映画を観る層の割合 × 年間1本以上観る割合

3:モデル化

さらにモデル化を進めて、映画鑑賞者の地域別や年齢別での差異を考慮します。
都市部では映画館の数が多いため映画鑑賞者が多いと仮定し、地方ではその逆です。
また、映画のジャンル別や公開年数の影響を考慮することも可能です。

4:数値計算

日本の人口、映画を観る割合、年間観る人の割合をもとに計算を進めます。

日本の総人口:約126,000,000人(2025年推定)
映画を観る層の割合:70%(20歳以上の層)
そのうち、年間1本以上映画を観る人の割合:50%

計算式:
年間映画鑑賞者数=日本の人口×映画を観る層の割合×年間1本以上観る割合
年間映画鑑賞者数=126,000,000人×0.7×0.5
年間映画鑑賞者数=44,100,000人

5:評価

最後に、導き出した年間映画鑑賞者数が現実とどの程度一致するかを確認します。
文化庁の調査結果や映画業界の統計データをもとに評価します。

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最後に

実際の選考現場でのフェルミ推定では、ただ答えを出すことよりも、その答えに至るまでの思考過程をどれだけ論理的に説明できるかが重要視されます。

つまり、仮定をどのように立て、計算をどのように行い、答えをどのように導き出したのか、その根拠を明確に示すことが求められます。

コンサルティングファームの面接では、ほぼ間違いなくフェルミ推定の問題が出題されるため、事前の対策は必須です。書籍を活用したり、模擬面接を受けるなど、様々な方法で練習を重ねましょう。

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この記事を書いた人

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