専門学校生の就活は遅い?選考スケジュールや就職を成功させるポイントをご紹介

大学生の就活スケジュールは世の中的に周知されていますが、専門学校生はどのような就活を行うべきなのかが分からず困っている人もいるのではないでしょうか。

本記事では、専門学校生の就活スケジュールや就職を成功させるポイントについてご紹介していますので、就活を始める専門学校生の皆さんはぜひ参考にしてみてください。

この記事のまとめ

  • 専門学校生の就活スケジュールは大学生と異なる場合もあるため確認が必要である
  • 専門学校生と大学生の就職率には差はない
  • 就活を成功させるためには「キャリアセンターに頼る」「自己分析・業界研究・企業研究を行う」「面接練習をする」などが必要である
  • 一般企業への就職を検討している場合には、大学と専門学校の違いを理解し、就活エージェントなどを頼ると効率的である

専門学校生の就活スケジュール

まずは、一般的な専門学校生の就職のスケジュールを理解しましょう。あくまで例であり、業界によってスケジュールは異なることを理解し、専門学校のキャリアセンターなどで確認をしてください。

STEP1.就職ガイダンスの開催

専門学校生の場合、就職ガイダンスに参加することから就活がスタートします。
就職ガイダンスとは、就活を始める学生が、職先の探し方・採用試験の受け方・就活の基本などを説明してもらえるもののことで、基本的には学校内で実施されることが多いです。
2年制の専門学校の場合1年の9月頃、1年制の専門学校の場合入学してすぐの4月に行われます。

STEP2.会社説明会の開始(3月~)

3月からは順次会社説明会が始まるため、興味のある企業の会社説明会に参加していく必要があります。 2年制の場合には1年制の3月から就活がスタートします。1年制の専門学校の場合、入学直後から就活がスタートしますので、乗り遅れないようにしましょう。

STEP3.選考開始(6月~)

6月から大手企業を中心に本格的な選考がスタートします。中小企業の採用は7月中旬ごろから始まるケースが多いです。

STEP4.内定取得時期(10月頃)

10月頃に内定が出始めるケースが一般的で、12月頃になると大半の専門学校生が内定を取得している状況となります。
このように一般的な大学生の就活スケジュールに比べると専門学校生の就活スケジュールは少し後ろ倒しとなっています。

POINT

  • 全ての企業が同じスケジュールでない

    上記スケジュールは専門学校生単体で選考を行う場合の大まかなスケジュールであり、採用スケジュールは企業によって異なります。
    ・大学生と同じ枠で同時に選考をする企業
    ・大学生と短大生・専門学校生を分けて選考する企業
    ・専門学校生だけを別枠で選考する企業

    などがありますので、志望する企業のスケジュールを事前に細かくチェックをしておく必要があります。

専門学校生の就活率は?

専門学校生の就活スケジュールは大学生と異なり少し後ろ倒しになっていますが、そもそも専門学生の就活率は大学生と比べると不利なのでしょうか?

専門学校生と大学生の就活率を比較してみましょう。

『東京都専修学校各種学校協会「令和2年3月 専門課程卒業者の就職状況調査」』によると、令和2年3月時点での専門学校生と大学生の就職率は以下の通りです。

※グラフは『東京都専修学校各種学校協会「令和2年3月 専門課程卒業者の就職状況調査」』のデータをもとにキャリアトラスにて作成

・専門学校生・・・79.4%
・大学生・・・78.7%

その差はかなり拮抗していますが、若干専門学校生のほうが優位となっています。
ただし近年は、専門学校で学ぶ学科数が増加していることや留学生など学生が多様化しているなどの理由から就職率は頭打ちの状況にあるようです。 

同調査によると就職者のうち、学んだ専門分野に関連した職種に就職した割合は93.4%となっており、専門学校で学んだスキルを活かして就職する人が多いことが分かります。

就活への対策や準備を万全に行えば就職は十分に可能です。

専門学校生が就活を成功させるポイント

多くの専門学校生は専門学校で学んだスキルを活かした就活を行うこととなるでしょう。ここでは就活を成功させるためのポイントについてお伝えします。

キャリアセンターに相談する

学校のキャリアセンターには多くの先輩達の就職状況が蓄積されているため、自分が身に着けたスキルを活かして就活をするために最適な業界の動向などを知ることができますし、就活の進め方に関する具体的なアドバイスを得ることもできます。また先輩の入社歴がある企業とコネクションがあるため優位に選考が進むケースもあるでしょう。

その他にもスキルを求めた企業から専門学校生限定の求人票が届いているケースもありますので、これらを利用することで効率的な就活を実現することができます。

自己分析を行う

就活を行ううえで必要不可欠なことは自己分析です。自分の強み弱みを明確にしておくことで履歴書やESも書きやすくなります。面接の場でも自分をアピールしやすくなるため、志望企業に好印象を与えることができるでしょう。

業界理解を深める

専門学校で学んだスキルを活かせる業界はどのような業界か、似ている業界との違いやその業界の特色や将来性などを理解しておきましょう。業界研究はインターネットの情報以外にも新聞や経済雑誌、業界本などから得ることができます。

企業研究を行う

同じ業界に属する企業であっても、企業によって社風やビジョン、仕事内容は異なります。自分の性格や企業の社風は合っているか、企業が掲げているビジョンに共感できるか、自分が得たスキルを活かし働きたい場合には将来的にその企業で何をしたいのかまで具体的に考えたうえで自分が就職したい企業を選定していくと良いでしょう。

面接の練習をする

ビジネスマナーや面接で聞かれるであろう質問に対する事前回答を準備し、面接対策を行います。学校で対策を行ってくれるケースもありますので、有効的に活用し就活に向けて万全の準備を行っていましょう。 実際に面接さながらの質疑応答も練習も行っておくことも大切です。

大学との違いを理解したうえで就活に挑もう

専門学校生の中でも一般企業への就職を目指したい就活生もいるでしょう。その場合の就活のポイントについてお伝えします。

就職エージェントに相談する

専門大学のキャリアセンターでは、一般企業の紹介や対策をとっているところはあまりありません。そのため、就職エージェントなど就活のプロフェッショナルに相談したり就活イベントに参加したりする必要があります。特に就職エージェントは、あなたの話を聞いて特性や強みを見つけ出します。その上で、あなたにマッチした企業を紹介してくれるためおすすめです。

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一般企業を選んだ理由を明確にしておく

専門学校生が専門職以外を目指すケースは珍しいので、面接でも深堀りされることが予想されます。 そのため、就職の軸が変わった理由、面接を受けた企業を志望する理由などを明確にしておくことが重要です。

大学と専門学校の違いを理解しておく

一般企業への就職を考えた場合、選考スケジュールは専門学校生独自の特別スケジュールではなく、大学生と同様のスケジュールで行われるケースが多いため大学生とはライバルになります。
しかし、大学と専門学校では特色に差があることを理解し、大学生よりタイトなスケジュールとなることを理解したうえで一般企業を目指しましょう。

【大学と専門学校の違い】

■大学の場合
大学生の場合、大学の4年間かけて学問を学び、自分の状況にあわせ履修数を変えることができます。さらに大学によっては自分が専攻している分野以外の授業も受けることができ、多様な知識や情報を得ることが可能です。
また、年間の休みも専門学校生に比べると長く、自分の好きなことに時間を割くことができます。

就活については、本格的に4年生から行うことを見越し3年生までに取れるだけの単位を獲得し、3年生の夏頃から就活をスタートさせます。そのため余裕を持ったスケジュールの中で就活を行うことができます。

■専門学校
専門学校生の学校生活では、通常4年で教わる内容を2年以下で学び、学校側で決めた時間割に沿った授業に参加する必要があります。他分野について履修することはできないため専攻分野以外の知識を得ることは難しいといえます。

また、大学に比べると休みが少ないため、自由な時間を確保することが難しいと感じる人もいるでしょう。 就活においては、卒業近くまで技術面を学ぶ実習があり学校の授業を受けることに精一杯になり、就活に時間を割くことができないケースもありますので、事前に専門学校生の就活スケジュールを確認し、就活への仕込みをしておく必要があります。

この記事を書いた人

元中途求人広告アドバイザー
こばさん

不動産会社での営業経験を経て、中途求人広告アドバイザーに転身。これまでに中小・ベンチャー企業を中心に100社以上の中途採用をご支援してきました。現在は3人の子供たちの子育てとキャリアの両立に奮闘中です。
自身の経験を活かし、転職・就職活動に役立つ情報だけでなく、働く女性のキャリアライフを充実させるコンテンツやFP2級の資格も保有しているので働くうえで役立つマネー情報をお届けしていきます。

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