退職金の受給時、確定申告は必要?還付金を受け取れるケース6選

職場を退職する際に退職金について確定申告をすべきか、お悩みではありませんか?結論からお伝えすると、退職金を受け取る際の確定申告は基本的に不要ですが、確定申告によって還付金を受け取れるケースがあります。

 

本記事ではその6つのケースをご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください。

 

この記事のまとめ

  • 退職金を受け取った際、基本的には確定申告をしなくて良い
  • 中には、退職金の受給時に確定申告をすることによって還付金を受け取れるケースがある
  • 退職時に退職金を受け取る場合には「退職所得の受給に関する申告書」を提出する必要がある。これにより正しい税額を職場から納めてもらうことができる
  • 退職金の有無に関係なく、確定申告をしたほうがお得なケースがある

退職金を受け取った時、確定申告は必要?

退職金にかかる税金は大きく「所得税」「住民税」の2つですが、これらの税は原則として源泉徴収(一年間の所得にかかる税金を事業者があらかじめ給与から差し引くこと)されるため、確定申告を行う必要はありません。

 

退職金は、長期的な勤労に対してボーナスのような意味合いで一時的に支払われるものである点などから、税負担が軽くなるよう配慮されています。

 

ただし、中には確定申告をすることによって払い過ぎた税金を取り戻せるケースもありますので、本記事でどのようなケースが考えられるのかを見ていきましょう。

 

【退職金】確定申告で還付金を受け取れるケース6選

それでは早速、退職金を受け取る際に確定申告によって還付金を受け取れるケースについて確認していきましょう。


退職金 確定申告 還付金を受け取れるケース

退職前の給与が前年対比で少ないケース

退職前の収入が前年度と比べて減ったという場合は、所得税が多めに計算されている可能性があります。

 

たとえば今年度の給与額と前年度の給与額が同程度の場合、一年の途中で退職すると今年見込んでいた額よりも全体的な収入が必然的に下がることになります。

 

元々見込んでいた額よりも給与が少ないと源泉徴収によって納めた税金は払い過ぎになるため、一年の途中で退職して再就職していない場合は、確定申告をすることでお金を取り戻すことができるのです。

 

「退職所得の受給に関する申告書」を提出していないケース

退職金を受け取る際には、「退職所得の受給に関する申告書」を職場へ提出する必要があります。

 

【「退職所得の受給に関する申告書」とは?】
退職金から源泉徴収される所得税関連の書類で、退職金が支給される場合に事業者(支払者)への提出が必須のもの。

申告書を提出していれば職場が正しい税額を納めてくれるため、確定申告をする必要はなくなります。

 

一方で申告書を提出していない場合には正しい税額が計算されず税金を払い過ぎてしまう可能性があるため、確定申告によってお金を取り戻せるかもしれないのです。

 

ちなみに、年をまたいで退職金を受け取った場合にも支払い過ぎた税金を取り戻せることがあります。

 

社会保険料を払っているケース

退職後に支払った社会保険料については社会保険料控除が適用されます

 

基本的には先ほどお伝えした「退職所得の受給に関する申告書」を退職時に職場へ提出して正しい税額を納めているはずですので確定申告は必要ありませんが、下記のケースでは確定申告をすることで払い過ぎた税金を取り戻せる可能性があるため把握しておきましょう。

 

(1)退職後も任意継続健康保険料を支払っている
(2)退職に伴い国民健康保険に切り替え、介護保険料と一緒に支払っている
(3)国民年金保険料を支払っている

医療費が10万円以上かかったorセルフメディケーション税制を受けられるケース

次に、「医療費が10万円以上かかったケース」「セルフメディケーション税制を受けられるケース」についてです。これらのケースの場合には医療費控除を適用できます。

 

【セルフメディケーション税制とは?】
医療費控除の特例として、平成29年1月1日以降に、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けられるもの。

上述の通り、退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれ基本的には問題ありませんが、医療費が10万円以上かかった、あるいは所得の5%以上の医療費が発生した場合には、確定申告をすることで払い過ぎた税金を取り戻すことが可能です。

 

セルフメディケーション税制を受けられる場合も同様となります。

 

死亡退職金を受け取るケース

稀なケースですが、退職金や退職手当の制度を設けている企業では亡くなった従業員に対してもそれらが支払われることがあり、この場合は遺族などが受け取りますが、これには「相続税」がかかります。

 

配偶者や子供などの相続人が相続するか、相続を放棄するかによって異なるのはもちろんのこと、相続する額によっても相続税額は変わります。

 

受給額が決まったら職場が「退職手当金等受給者別支払調書」を作成することになります。

 

年に2回以上退職金を受け取ったケース

こちらも珍しいケースですが、一年の間に2つ以上の企業からそれぞれ退職金を受け取った場合には、受け取れる退職金を全て合算して源泉徴収額を計算し、「退職所得の受給に関する申告書」を職場に提出する必要があります。

 

これを提出しなかった場合には20.42%(所得税20%、復興特別税0.42%)の税率をかけられ、通常よりも多めに徴収されてしまうため注意が必要です。

 

ちなみに、今退職を検討していて今後の転職先がまだ決まっていないという場合にはできるだけ短期間で見つけるのが得策です。というのも、転職市場においては退職後のブランクが長くなればなるほど企業から内定が出にくくなる傾向があるためです。

 

「どんな企業を選べば良いのかわからない」「なかなか内定が出ずに困っている」という方は転職エージェントに相談すると安心です。転職相談だけでなく求人紹介や選考対策などを講じてもらうことができます。

 

サービスによっては企業へ推薦してくれるケースもありますのでぜひ活用してみてください。


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退職後に確定申告をした方が良いケース

ちなみに、中には退職金の有無に関係なく、退職後に確定申告をした方がお得なケースがあるため簡単にご紹介いたします。

 

退職後アルバイトをしたケース

退職後、別の企業に転職することなくアルバイトを行った場合には、確定申告をした方がお得になる場合があります。

 

アルバイト先が1社のみで前職分と合わせて年末調整をしてくれる職場であれば確定申告の必要はありませんが、そのアルバイトも一年の途中で辞めている場合には確定申告によってお金が戻ってくる可能性があります。

 

また、アルバイト先が2社以上の場合にも確定申告を行って前職の分とアルバイトによる所得を併せて申告する必要があります。

 

ちなみに、退職後に副業で年間20万円以上収入を得た場合には、雑所得として申告する必要がありますので覚えておきましょう。

 

退職後にフリーランスになったケース

退職後にフリーランスとして働いている場合には、前職の「給与所得」とフリーランスによる「事業所得」の2種類の収入を得ていることになります。

 

これらはどちらも総合課税方式で課税されるため、これらの合計額に対して課税されることになり、確定申告を行う必要が出てきます。


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この記事を書いた人

就・転職専門ライター
さりぃ

大学時代は法学を専攻、卒業後は人材紹介企業にて約5年間就・転職専門ライターとして累計1,000本以上の記事を執筆。並行して、第二新卒層をターゲットとした就・転職支援事業のサービスサイトの管理責任者としてWebマーケティングも担当しておりました。
いわゆる「フリーター」というポジションから正社員としての働き方に切り替え、サービスサイトの責任者を任せていただけるまでになった経験を活かし、 就・転職のノウハウだけでなく、「人生の選択肢の多様性」「自身の選択への向き合い方」について発信することで少しでもお役に立てれば幸いです。

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